JPS5833105Y2 - 冷菓類等の包装容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてアイスクリーム等の冷菓類の包装容器
に関し、特に小売店からの持帰り携帯用としてきわめて
好適なものを提供せんとして考案したものである。

従来、冷菓類の持帰り携帯用の包装容器としては紙製、
合成樹脂製等の種々の容器が実用化されていたが、包装
の際にドライアイス等の冷却材を添加したとしても断熱
性は不充分なものであった。

またポリスチレン発泡体のごとき断熱性の優れた材料も
使用されているが、この場合でも冷菓類の保存殊に品質
保持効果上はドライアイス等の冷却材を添加して包装す
るのがより好ましいものである。

そしてこのように冷却材を添加する場合には、冷却材を
冷菓類と直に接触しないように収納できしかも冷気分散
による冷却効果を良くする何等かの工夫が必要である。

本考案は上記に鑑みて考案したものであり、合成樹脂発
泡体よりなる容器本体の周壁部を二重壁構造にして、そ
の外壁と内壁の間を冷却材収納用の環状凹部として形成
するとともに、内壁の所要個所に縦方向のスリットを形
成し、これによって中央の冷菓類の収納部周囲に冷却材
を収納できしかもその冷気が内方へ確実に流通分散し得
るようなしたものである。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

１０はポリスチレン樹脂発泡体、スチレンを主体とする
共重合体等のスチレン系樹脂発泡体、ポリ塩化ビニル樹
脂発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリプロピレン樹
脂発泡体その他の合成樹脂発泡体よりなる容器本体、２
０は同じく合成樹脂発泡体よりなりかつ容器本体１０に
被嵌自在な蓋体であり、主として発泡ビーズ成形により
形成される。

しかして容器本体１０は、周壁部１１の少なくとも上部
つまり上端から適当な深さの位置までの部分が内外に所
要間隔をおいて併設された円筒状の外壁１１ ａと内壁
１１ ｂとの二重壁構造になっており、前記外壁１１
ａと内壁１１ ｂの間がドライアイス等の冷却材収納用
の環状凹部１２として形成されている。

図示の場合、周壁部１１の路上半部が二重壁構造であっ
て、冷却材収納用の環状凹部１２が中央の収納部１３の
約士〜士の深さに形成されている。

もちろん環状四部１２としては、前記より浅くても深く
ても差し支えなく、例えば周壁部１１の上端から底部ま
での全体を二重壁構造にして収納部１３と同じ深さに形
成することもできる。

環状凹部１２を収納部１３より浅くする場合、外壁１１
ａを図のように縦断面略り字形に連木して周壁部１１
下部の単独壁部分を径小に形成するのが材料節約上好ま
しい。

そして上記した二重壁の内壁１１ ｂには周方向所要間
隔その他所要個所に上端から下方へ延びた縦方向のスリ
ット１４が形成され、環状凹部１２と収納部１３とが前
記スリット１４により連通せしめられている。

前記のスリット１４は、内壁１１ ｂの最下端までつま
り環状凹部１２の底部の位置まで延びたものでもよいが
、この場合ドライアイス等の冷却材がスリット幅より小
さくなるとその冷却材がスリット１４を抜けて内方の収
納部１３へ入り込むおそれがあるので、図のように内壁
１１ｂの下端部を若干残すように形成するのが望ましい
。

１５はその残余部分を示す。また、蓋体２０は、容器本
体１０と対応した円形板状をなし、容器本体１０と対接
する下面には中央部に収納部１３の上部開口に嵌合でき
る凸部２３が、その外方に環状凹部１２の上部開口に嵌
合できる環状凸部２２が形成され、両凸部２２．２３間
の環状溝２１と容器本体１０の内壁１１ ｂの上端どが
嵌合するよう設けられている。

この場合、密封性が良好であるとともにスリット１４に
より複数の小片に分割形成される内壁１１ ｂを補強で
きる。

容器本体１０に対する蓋体２０の被嵌構造としては前記
以外の種々の嵌合構造の実施が可能である。

なお、上記実施例では平面円形の容器の場合を示したが
、本考案は平面角形をなす容器についても同様に実施で
きるものである。

本考案は上記のように構成されており、アイスクリーム
、アイスクリームを使ったケーキ等の冷菓類の小売店か
らの持帰り携帯用として使用するもので、冷菓類３０を
容器本体１０・の収納部１３に収納するのであるが、こ
の場合収納部１３の底に紙を敷くか、あるいは非発泡の
合成樹脂シートよりなる内容器に入れて収納する。

また周囲には薄紙等を筒状に巻いて装入しておき、冷菓
類が直接発泡体に接触しないようにする。

スリット１４が形成された内壁部分には通気性のある紙
を使用するのが望ましい。

このように冷菓類３０を収納するとともに、周囲の環状
凹部１２にドライアイス等の冷却材４０を入れて、容器
本体１０上部に蓋体２０を被嵌すればよく、必要に応じ
てこれをさらに紙箱や袋等に入れ持ち帰りに適するよう
包装する。

しかして本考案は、容器本体の周壁部が少なくとも上部
を二重壁構造にしてその外壁と内壁の間を冷却材収納用
の環状凹部として形成しであるので、冷却材を冷菓類の
周囲に収納できるとともに両者が内壁によって隔されて
直に接触するおそれがなく、冷却材を添加した状態での
包装が何等不都合なく行なわれる。

しかも冷却材と冷菓類の間の内壁には所要個所に縦方向
のスリットが形成されているので、環状凹部内の冷却材
の冷気が前記スリットを通じて内方の収納部つまり冷菓
類の部分へと周囲から確実に流通分散でき、冷却材によ
る冷却効果を良くシ、冷菓類の保存及び品質保持効果を
非常に高めることができる。

また本考案の容器は合成樹脂発泡体よりなるので、外部
との断熱効果に優れ、ドライアイス等の冷気が外部へ逃
げることがなく、その冷却効果を良好に維持でき、アイ
スクリーム等の凍結状態を長時間に亙って維持できる。

さらに本考案は、冷却材を収納する構造として周壁部を
二重壁構造にしてその内外壁の間隙を利用しているので
、それほど嵩高とならず、もちろん背を高くする必要も
なく、冷却材を収納できるものであるにも拘らず比較的
簡単な構成で包装体も小型となり、また内壁のスリット
が縦方向であることも相まって前記のごとき構成を備え
た容器本体を難なく成形でき、冷却材収納のための他の
部材を必要とせず、安価に提供できる。

従って本考案の包装容器は冷菓類の持帰り携帯用容器と
して保存効果および冷却効果上きわめて好適なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図は蓋体を
開けた斜視図、第２図は縦断面図、第３図は容器本体の
平面図、第４図は包装状態を示す断面図である。 １０・・・・・・容器本体、１１・・・・・・周壁部、
１１ ａ・・・・・・外壁、１１ ｂ・・・・・・内壁
、１２・・・・・・環状凹部、１３・・・・・・収納部
、１４・・・・・・スリット、２０・・・・・・蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．容器本体とこれに被嵌自在な蓋体とを合成樹脂発泡
   体にて成形してなり、容器本体は、周壁部の少なくとも
   上部を所要間隔をおいて併設した外壁と内壁との二重壁
   構造にするとともに前記外壁と内壁の間を冷却材収納用
   の環状凹部として形成し、さらに内壁の所要個所に縦方
   向のスリットを形成してなることを特徴とする冷菓類等
   の包装容器。 ２、縦方向のスリットが、内壁の下端部を若干残すよう
   に形成されている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   冷菓類等の包装容器。 ３、蓋体の下面に内壁の上端が嵌合する環状溝が形成さ
   れてなる実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記
   載の冷菓類等の包装容器。 ４、合成樹脂発泡体が、ポリスチレン樹脂、スチレンを
   主体とする共重合体、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビ
   ニル樹脂等の発泡体である実用新案登録請求の範囲第１
   項、第２項または第３項記載の冷菓類等の包装容器。