JPS5833060Y2 - 金属缶用缶胴板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、取扱い中に接着剤が他物に付いたり、剥離
しないようにすることを目的とした金属罐用罐胴板に関
するものである。

従来、接合部に接着剤を介装する金属罐が知られている
が、この接着剤接合による金属罐の製造工程では、素材
より、線側板、端板などを所定形状に形成して、夫々の
接合予定部に接着剤を塗布し、然る後巻締工程などを経
て所定形状の金属罐を得ていた。

従って、接着剤層を設けた線側板の取扱い中に（特に多
数集積移動する際など）、その接着剤層が他の線側板、
又は他物に接触した場合に、接着剤層の剥離又は損傷を
生じ製品の気密性を損する問題があった。

然るにこの考案によれば、前記接着層を設けた線側板接
着剤層の上面に被膜層を設けたので、線側板取扱い中に
、接着剤面が直接他物に接触することが無くなり、従っ
て接着剤層の剥離又は損傷のおそれがなくなり前記従来
の問題点を解決したのである。

即ちこの考案を実施例について説明すれば、四隅に所定
の切欠き１，１を設けた板体２の周縁部に所定幅の接着
剤層３を設けた金属罐用罐胴板４の、前記接着剤層３側
の全表面にニスを塗布乾燥して被膜層５を形成したもの
である。

尚被膜層は線側板の全表面に塗布する場合と、接着剤層
のみ塗布する場合とある。

上記の実施例によれば、金属罐用罐胴板４の接着剤層３
は被膜層５で覆われているので、取扱い中に接着剤が直
接他物と接触したり、更には接着剤層３が剥離又は損傷
する恐れがないのである。

従来、製鑵工程では第１図に示すような線側板を多数製
造した後、これらを所定枚数重ねて、次工程に移動し、
必要な場合には梱包して所定の場所へ移送していたので
、隣接線胴板へ接着剤が接触し、場合によっては接着剤
層３が剥離又は損傷していたのである。

尚、前記被膜層５は、接合部に残留すると罐の気密、水
密性に悪影響があるので、線側成形又は製鑵後接合部を
加熱する際に接着剤層３の溶融と共に、被膜層が消失し
てしまうような品質の被膜剤を用いる必要がある。

即ちこの考案によれば、接着剤層を覆うようにして被膜
層を設けて金属罐用罐胴板を構成したので、線側板の取
扱い中に接着剤層が他物などに付着する恐れがなく、製
鑵工程を円滑にし、かつ不良品の発生を防止するなどの
諸効果がある。

また線側板全表面に塗布するニスと接着剤層に塗布する
ニスとを同質、同厚さとしたので、同一塗布工程で処理
を完了することができると共に、ニス膜に切目がなくな
り、強度上も均一被膜層を形成する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の被膜層を設ける前の金属罐
用罐胴板の平面図、第２図は同じ〈実施例の被膜層を設
けた金属罐用罐胴板の平面図、第３図は同じ〈実施例の
被膜層を設けた金属罐用罐胴板の一部を破断した拡大平
面図である。 １・・・・・・切欠き、２・・・・・・板体、３・・・
・・・接着剤層、４・・・・・・金属罐用罐胴板、５・
・・・・・被膜層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．縁部に設けた接着剤層の上面に被膜層を設けたこと
   を特徴とする金属罐用罐胴板。 ２、被膜層をニスの塗布膜とした実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の金属罐用罐胴板。 ３、ニスの塗布膜は線側板全表面に塗布するニスと同質
   同厚さとした実用新案登録請求の範囲第２項記載の金属
   罐用罐胴板。