JPS5832551Y2 - 装飾板取付具構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 要旨の解説 この考案は、ドアや壁等に開設された窓の周縁部に対し
、カットガラス、あるいは、彫刻板等の装飾板が表裏か
ら２個の取付枠に挟持されて取付けられる装飾板取付具
構造に関する考案であり、特に、一方の取付枠に付設さ
れた弾性取付金具の折曲片と他方の取付枠の保合穴の壁
面とが係合自在とされて嵌合セット出来るようにされ、
上記壁面が上記折曲片に対して傾斜角を有して上記窓周
縁部が板厚公差を吸収可能に挾持され、取付枠離反力印
加時に上記壁面の傾斜角によって折曲片との保合が解離
可能とされ、而して、各取付枠が互いに同一形状に形成
されている装飾板取付具構造に係る考案である。

従来技術 近時、インテリアデザイン、建築デザイン等の著しい進
歩に伴ない各種建築装飾材が普及されており、その結果
、ドア、あるいは壁等に開設された窓に対してカットガ
ラス、彫刻板等の装飾板を装着する施工が広く採用され
ている。

しかして、従来のドア等の被取付物に対する該装飾ガラ
スの取付具構造としては、第１図に示す様に、ドア等の
被取付物１に開設された窓２に対してカットガラス等の
装飾板３がその周縁部に嵌着された緩衝材４を介して額
形状の一対の取付枠５．５′によって挟持され取付けら
れていた。

そして、その取付枠５，５′相互の固定手段としては、
該取付枠５，５′を上記被取付物１に対して適宜接着剤
等によって接着固定するのが一般的であった。

しかしながら、上述の如き接着剤の固定による場合には
取付後該接着剤の凝固の為に相当の時間を必要とする欠
点があるのみならず、その間完全固着の為に取付枠５，
５′を被取付物１に対し押圧せしめておく手段を付加す
る必要があり、作業が煩瑣であり、また、接着剤の凝固
時間に被取付物１を建て付けすることができずに所定広
さの場所に放置しておく必要があるので、建築現場等に
当該場所を確保しなければならない等、他の作業に支障
をきたす虞れがあった。

また、上述従来の取付枠５，５′取付構造では寸法が一
律的に製作されていたので被取付物へのセット時に該被
取付物の板厚公差の吸収ができず当該公差量によっては
取付けられた装飾板にガタを生じる等の不利点があった
。

さらに、上述の如き取付枠の接着剤固定は一旦固着後再
生度解離するのが極めて困難であり、例えば、装飾板と
してのカットガラス破損時等においても修復作業が行な
い難い難点を有するものであった。

目的 この考案の目的は上述従来技術に基づく装飾板取付具構
造の問題点を解決すべき技術的課題とし、単に一方の取
付板を他方の取付板に対して係合させるだけではなく、
被取付物の板厚公差を吸収して確実に被取付物を装着で
きるばかりでなく被取付物を容易に交換できるようにし
、さらに、各取付枠を同一形状にして部品を単一化し建
築産業における装飾板利用分野に益する優れた装飾板取
付具構造を提供せんとするものである。

考案の構成 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を要旨とす
るこの考案の構成は、前述問題点を解決するために互い
に同一の形状の一対の取付枠によって装飾板を挟持し被
取付物に開設された窓の周縁部に対する取付を行なうに
際し、上記窓の表裏方向から互いに上下対称に対設され
た一対の取付枠の一方に付設された弾性取付金具の折曲
片が、他方に設けられた係合穴の傾斜角を有する壁面に
、保合可能とされて上記一対の取付枠が被取付物の板厚
公差吸収可能に装着セットでき、さらに、上記取付枠解
離を必要とする場合には、該取付枠に離反方向力を印加
することによって上記折曲片と傾斜壁面との保合を強制
的解離できるようにした技術的手段を講じたものである
。

実施例の構成 次に、この考案の１実施例を第２図以下の図面に基づい
て説明すれば以下の通りである。

なお、第１図と同一態様部分は同一符号にて説明するも
のとする。

第２図において、１は被取付物としてのドアであり、そ
の所定位置には前記第１図態様と同様に長方形状の窓２
が開設されている。

しかして、３は装飾板としての適宜樹脂製カットガラス
であり、これも第１図態様と同様に凸形状に成形された
ものであり、その周縁部には適宜弾性材料等による断面
コ字型の緩衝材４が嵌着されている。

そして、６，６は適宜硬質樹脂製の取付枠であって、後
述の如く対称形状に形成されたものであり、同一形状の
ものを一対組合せて上記カットガラス３の周縁部を挟持
し前記窓２に嵌着セットせしめているものである。

したがって、部品が１種類の取付枠のみでよいため、製
造、及び、部品管理等に要する費用が大きく低減される
。

また、上記取付枠６は、その表面形状が第３図、及び、
第４図に詳示されている様に適宜曲面を有する額枠形状
面７を形成しており、また、裏面形状は同じく第３図、
及び、第５図に示される様に枠部の最内部に装飾板挟持
用のフランジ８が一体戊形されているとともに、枠幅中
央部位に相互固定用フランジ９か条設され、さらに、枠
部の最外周部位が被取付物１表裏面に対する当接面１０
とされている。

しかして、上記フランジ９には横断中央線Ａに対して上
下対称位置関係にて第５図における下方に金具固着部１
１が、また、上方にはフランジ９側面に穿設された保合
穴１２が配設されている。

１３は弾性取付金具であって、上記金具固着部１１に埋
設溶着されているものであり、その形状は第３図及び第
６図に詳示される様に下端埋設部（第６図にて斜線で示
す）には溶着強度向上の為の孔１４が穿設されており、
また、中央部にはプレスにて折曲片１５が成形されてお
り、その先端部１６が内方に曲部を有している。

また、前記保合穴１２は第２図の断面図、及び、第３図
の斜視図に示される様に裏面方向壁面１７が所定傾斜角
を有して形成されており、上記折曲片１５の先端部１６
が該壁面１７に保合可能とされて面取付枠６，６が嵌着
セットできるようにされているものである。

しかして、上記壁面１７は、上記折曲片１５との係合に
よって面取付枠６，６のセット強度が充分確保でき、し
かも、取付枠６，６の離脱を必要とする場合には該取付
枠６へ離反力印加時に上記折曲片１５の先端部１６が上
記壁面１７による分力によって折曲角が減少し、該壁面
１７と折曲片１５との係合が強制的に解除し得るように
前記傾斜角が決定されているものである。

なお、１８ｊ９は位置決め機構であり、上下対称位置に
配設されておす、１８が嵌合穴、１９が位置決め突起体
とされている。

実施例の作用 上述構成において、カットガラス３を窓２に装着するに
は、前述の如く該カットガラス３の周縁に緩衝材４を嵌
着せしめた後、被取付物であるドア１の表裏面から一対
の同一形状の取付枠６，６を互いに上下対称に対向せし
め、フランジ９外側面をして窓２の内側面にガイド当接
せしめ、さらに、一方の取付枠６の位置決め突起体１９
を他方の取付枠６の嵌合穴１８に挿入せしめて相互の位
置決めを行ないつ・両枠を押圧セットする。

これにより、互いに対称裡に向かい合っている弾性取付
金具１３の折曲片１５の先端部１６と係合穴１２の傾斜
壁面１７とが第２図に示す様に係合し、該折曲片１５の
傾斜壁面１７に対する当圧力により両歌付枠６，６が装
着セットされ、しかして、カットガラス３が挾持される
こと・なる。

なお、上述の如く両歌付枠６，６は折曲片１５の傾斜壁
面１７に対する当圧力によって互いに連結されているの
であるから、ドア１の板厚に多少の公差があったとして
も、当該公差量は上記折曲片１５の係合位置の変動及び
緩衝材４の収縮性によって充分吸収可能であるので被取
付物１の種類等に関し相当の汎用性を有するとともにド
ア１の開閉によって生ずる緩みからカットガラス３がガ
タッキを起こすこともない。

次に、カットガラス３の破損時等のように取付枠６，６
の離脱を必要とする場合には図示しないドライバー等の
工具を用いて取付枠６，６をドア１表裏面から強制的に
解離させるべく外力を加えると、前記折曲片１５は傾斜
壁面１７の上向力の分力を受けて折曲角減少方向にスラ
イド裡に変位し、これにより両者の保合が解離されて各
取付枠６，６は被取付物であるドア１から離脱し破損し
たカットガラス３を新たな物に交換する作業等を行なう
ことができる。

しかして、再度各取付枠６，６をセットするには前述と
同様対称裡に対向せしめて押圧することにより嵌着せし
めることができる。

勿論、以後も同様に着脱することができるものである。

なお、この考案の実施態様は上述実施例に限られるもの
ではなく、他の設計が可能であり、例えば、弾性取付金
具１３を一方の取付枠６に溶着でなくネジ止めしても良
いし、また、折曲片１５の先端部１６を内側折曲せずア
ールを有するように成形しても良い。

また、装飾板はカットガラスに限られるものでなく、木
材パネル合板等の彫刻板、成形樹脂板網等あらゆる材質
形状のものを使用できる。

考案の効果 上述の如きこの考案によれば、装飾板を取付枠にて挾持
して窓に取付セットするに際し、一方の取付枠に付設さ
れた弾性取付金具の折曲片が他方の取付枠側面に設けら
れた保合穴の傾斜壁面に保合可能とされて取付枠セット
ができるようにされているので、ワンタッチ取付可能で
、極めて作業が行ない易いのみならず、接着剤凝固時間
等が不必要であるので作業時間の短縮がなされ施工コス
トの低減を図ることができる。

また、表裏側取付枠は金具の折曲片の傾斜壁面に対する
弾圧力によって連結されているので、両歌付枠の相対間
隔に相当の余裕度があす、シたがって、被取付物の板厚
公差が多少あったとしても充分吸収することができると
ともに、装飾板を常に確実に支持できることにより取付
枠の緩みによる装飾板のガタッキが生じないという顕著
な効果がある。

さらに、取付枠離反力印加時に上記折曲片が折曲角収縮
方向に変位して傾斜壁面との係合解離ができるように傾
斜角が設定されているので、装飾板を破損した場合等取
付枠の解離を必要とする場合であっても容易に着脱作業
を行なうことができ、その着脱作業も行ない易く、また
、面取付後も充分取付強度を得ることのできる優れたも
のである。

加えて、一対の取付枠が互いに同一形状に形成されてい
ることにより、部品が１種類の取付枠のみでよく、部品
点数に応じて増加する製造費、及び、部品管理費等を大
幅に低減させることができる優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術を示す断面説明図、第２図以下はこの
考案の実施例を示すものであり、第２図は部分断面図、
第３図は取付枠組合せ態様を示す斜視図、第４図は取付
枠の表面図、第５図は取付枠の裏面図、第６図は弾性取
付金具の斜視図である。 １・・・・・・被取付物、２・・・・・・窓、６，６・
・・・・・取付枠、３・・・・・・装飾板、１３・・・
・・・弾性取付金具、１５・・・・・・折曲片、１２・
・・・・・係合穴、１７・・・・・・傾斜壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被取付物に開設された窓の周縁部と該窓内に配される装
   飾板とが表裏から一対の取付枠によって挟持固定されて
   いる装飾板取付具構造において、上記一方の取付枠に付
   設された弾性取付金具の新曲片が対向する他方の取付枠
   側面に穿設された保合穴の傾斜壁面に係合自在とされて
   上記一対の取付枠が嵌装固定できるようにされ該取付枠
   強制離反時に上記折曲片と傾斜壁面との係合が弾性裡に
   解離自在となるように該折曲片と傾斜壁面との相対保合
   角が設定され而して、上記一対の取付枠が互いに同一形
   状に形成されていることを特徴とする装飾板取付具構造
   。