JPS5832376Y2 - テレビジヨン受像機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はインライン型の陰極線管を有したテレビジョン
受像機に係り、特に水平及び垂直周期のミスコンバージ
ェンスを補正した場合でも、電子ビームの形状歪の増加
を防止しうるようにしたものである。

インライン型のカラー陰極線管、例えば３ビーム単電子
銃型陰極線管では水平走査方向に赤色、緑色及び青色の
各色に対応した３本の電子ビームが配されている（イン
ライン配置）が、これら電子ビームを偏向するに要する
垂直及び水平の各偏向磁界分布が斉一磁界である場合に
は、画面の中心でコンバージェンスを合わせたとしても
、画面の周辺では電子ビームのコンバージェンス面が陰
極線管の螢光面の内側にくるために、垂直周期及び水平
周期のミスコンバージェンスが生ずる。

そのため、偏向磁界分布は斉一磁界とすることなく、す
なわち、水平偏向磁界φ□は第１図で示すようにビンク
ッション型磁界（以下ビン型磁界という）となるように
、そして垂直偏向磁界φ、はバレル型磁界となるように
ミ偏向装置を設計して上述のミスコンバージェンスが減
少するようにしている。

なお、第１図に示す水平偏向磁界φ□及び垂直偏向磁界
φ７は電子ビームが画面の左下を走査している時の状態
を示す。

しかし、このような磁界分布に選んでも、ミスコンバー
ジェンスを完全には補正し得す、水平及び垂直周期のミ
スコンバージェンスが若干残る。

ところで、動的はコンバージェンスをとる方法としては
次の２つの方法が考えられる。

まず、第１に陰極線管内に配されたコンバージェンス用
偏向電極板間に、水平及び垂直周期のコンバージェンス
用補正信号を供給して静電的に動的コンバージェンスを
とる方法が考えられる。

第２の方法としては、偏向電極板間にこの補正信号を供
給するのではなく、陰極線管のネック部に取付けられた
電磁コンバージェンス装置に供給することにより電磁的
に動的コンバージェンスをとる方法である。

第１の方法においては、偏向電極板にはアノード電圧に
近い高圧電圧が印加されているので、水平及び垂直周期
の補正信号を夫々これら偏向電極板に供給するためには
絶縁トランスを使用しなければならず、周波数的に高い
水平周期の補正信号は問題ないとしても、垂直周期の補
正信号は上記補正信号に比し、その周波数が非常に低い
ため、補正信号を偏向電極板に加える絶縁トランスを大
型にしなければならないので、回路的に問題が生ずる。

一方、後者の方法は電磁的に動コンバージェンスをとる
ので上記欠点は生じない。

しかし、電磁的にコンバージェンス補正を行う関係上、
磁界の存在により原理的に電子ビームの形状歪を惹起す
る。

その理由を次に述べる。まず、電磁コンバージェンス装
置は第２図で示す如く構成されるを普通とする。

すなわち、陰極線管１の管外壁に配されたほぼコ字状を
なす一対のヨーク２Ａ、２Ｂと、これらに巻回されたコ
ンバージェンスコイル３（３ａ 、３ ｂ）とからこの
電磁コンバージェンス装置４が構成される。

なお、図において、ＢＲ−ＢＢは赤色、緑色及び青色に
夫々対応した電子ビームを示す。

又、５ａ〜５ｄは静電的にコンバージェンスをとるため
の偏向電極板を示す。

ここで、電磁コンバージェンス装置４を構成する上述し
たヨーク２Ａ、２Ｂは図のように水平走査線方向（水平
方向）に配されるものであるから、この電磁コンバージ
ェンス装置４の端子６ａ、６ｂに供給する補正信号によ
って発生する磁界φ。

は、図に示す如く水平偏向磁界分布であす、シかもピン
型磁界である。

このため、電子ビームに水平方向の力を加える磁界は、
水平偏向のためのピン型磁界φ□に補正信号によるコン
バージェンス補正磁界φ。

が重量されることになり、電子ビームは磁界φ□により
形状歪が発生するだけでなく、磁界φ。

によっても形状歪が発生するのでビームの形状歪が大き
くなる（第１図参照）。

垂直偏向磁界による電子ビームＢへの影響は一方はバレ
ル型磁界であるのに対し、他方はピン型磁界であるので
、相殺され、影響を受けない。

電子ビームＢの形状が歪むと画質が劣化し、この現象は
特に陰極線管が大型化すればするほど顕著になるので、
あまり好ましくない。

本考案はこのような点を考慮し、構成的に複雑化するこ
となく、電子ビームの形状歪を増加させることなく水平
周期の水平ミスコンバージェンスを補正しうよようにし
たものである。

すなわち、本考案においては動的コンバージェンスの補
正により電子ビームの形状が歪むのを防止するために、
水平周期の動的コンバージェンスは静電的に行い、垂直
周期の動的コンバージェンスは電磁的に行うようにした
ものである。

以下、図面を参照して本考案によるテレビジョン受像機
を説明するも、本例では冒頭でも述べたように３ビーム
単電子銃型陰極線管に適用した場合について説明しよう
。

まず、この陰極線管の概略構成を第３図を参照しながら
その説明を付記するも、これは当業者においては周知で
あるので、必要と想われる構成部分の名称のみを記す。

Ｋ Ｒ−Ｋ Ｂはカソード、Ｇ１−Ｇ５は第１から第５
までの筒状をなすグリッド、５は上述した偏向板、７は
電子ビーム到達位置決定用電極、８は螢光体である。

そして、第４のグリッドＧ４内において主電子レンズＬ
が形成される。

なお、９ａ〜９ｆは夫々の電極端子で、周知の如く端子
９ｄには高圧電圧が、端子９ｅにはこれより２００〜３
００■低い電圧が夫々印加される。

本考案においては、水平周期の動的コンバージェンスは
静電的に行うため、水平周期の補正信号ＳＨが端子９ｄ
、９ｅ間に供給される。

第４図にその一例を示す。

図において、１１は直流電源十Ｂの供給端子１２に対し
直列接続された水平偏向コイルを示す。

依って、この水平偏向コイル１１にはこれと並列にスイ
ッチング用のトランジスタＱ１を始めとして、ダンパー
用のダイオード１３と共振用のコンデンサ１４が接続さ
れる。

１５は３字補正用のコンテ゛ンサである。

本例においては、この水平偏向コイル１１と接地間に一
対のコンデンサ１６ ａ 、１６ ｂを直列続接し、接
続点１１に第５図で示すような水平周期のパラボラ波状
補正信号ＳＨを発生させる。

この補正信号ＳＨを端子９ｄ、９ｅ間に印加すべく、こ
の補正信号ＳＨは絶縁トランス１７の１次コイル１７
ａに供給される。

その２次コイル１７ ｂの一端は上述した端子９ｅに接
続され、他端は、高圧電圧よりも２００〜３００■低い
中圧電圧十■が得られる端子１８に接続されている。

なお、２７はフライバックトランスである。

このように構成すれば、補正信号ＳＨはこの絶縁トラン
ス１７を介して端子９ｅに重畳されるから、水平周期の
動的コンバージェンスを静電的に行うことができる。

そのため、電磁的に水平周期の水平ミスコンバージェン
スを補正する場合に比し、電子ビームＢの形状変形を増
長するようなピン型磁界φ。

がビーム偏向磁界中に発生しないため、電子ビームＢが
必要以上の変形を受けず、電子ビームの形状が大幅に歪
むことがない。

ここで、絶縁トランス１７を介して供給する補正信号Ｓ
Ｈは水平周期に同期したものであるから、その周波数は
比較的高い。

そのため、絶縁トランス１７は小型のものでも充分に実
用に供しうるものである。

なお、第４図において１９は補正信号ＳＨの振幅調整用
の可変抵抗器を示し、これは水平トランス２０の２次コ
イル２０ ｂに接続されている。

次に、垂直方向の動的コンバージェンスを電磁的に行う
一例を、第６図を参照して説明する。

図において、Ｑ２．Ｑ３は垂直偏向回路３０を構成する
終段のトランジスタで、これらは動作状態が交互に制御
される。

Ｑ３はそのための駆動用のトランジスタを示し、そのベ
ースには垂直周期の駆動信号が端子３１を通じて供給さ
れる。

終段トランジスタＱ２．Ｑ３の接続中点１２に接続され
た垂直偏向コイル３２にはコンデンサ３３が直列接続さ
れる。

従って、コンデンサ３３の両端間には垂直周期のパラボ
ラ波状補正信号Ｓｖが発生する。

この補正信号Ｓｖはコンデンサ３３に対し、並列接続さ
れたコンバージェンスコイル３にチョークコイル３４を
介して供給される。

その結果、第２図で説明したように垂直走査方向に対し
動的コンバージェンスを電磁的に賦与することができ、
コンバージェンスの補正を行いつる。

コンバージェンスコイル３に補正信号ＳＶを与えるため
の回路例は第６図に示すものに限られることなく、例え
ば第７図で示すように、１個のトランジスタＱ５で終段
トランジスタが構威されている垂直偏向回路３０でも勿
論使用することができる。

このトランジスタＱ５のベースに上述した補正信号Ｓｖ
を供給すればよい。

その他の回路説明は省略する。

以上説明したように本考案では、電子ビームの形状が歪
む方向の磁界、換言するならコンバージェンス用水平偏
向磁界取分を除去すべく、水平周期の動的コンバージェ
ンスを静電的に行うと共に、電子ビームの歪には直接関
与しない垂直周期の動的コンバージェンスは回路構成上
の観点から、電磁的に行うように構成したものである。

すなわち、絶縁トランス１７を小型に構威し得るため、
機械的に何ら複雑化することなく、電子ビームの形状歪
を増加させないで水平及び垂直周期の水平ミスコンバー
ジェンスを補正できる特徴を有する。

そのため、陰極線管の大型化に伴う画質の劣化を未然に
防止しうる効果を有する。

なお、上述した実施例では、３ビーム単電子銃型の陰極
線管を使用した例について述べたが、そのほかのインラ
イン構成の陰極線管、例えば３ビーム３電子銃型のそれ
にも適用しうるはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の説明に供する偏向磁界の分布図、第２
図はコンバージェンス装置の一例を示す図、第３図は本
考案に適用して好適な陰極線管の一例を示す構成図、第
４図及び第６図は本考案によるテレビジョン受像機の一
例を示す構成図、第５図はコンバージェンス補正信号の
一例を示す波形図、第７図は第６図の他の例を示す接続
図である。 １は陰極線管、４は電磁コンバージェンス装置、３はコ
ンバージェンスコイル、５は偏向板、１１は水平の、３
２は垂直の各馬肉コイル、１７は絶縁トランス、ＳＨは
水平周期の、Ｓｖは垂直周期の各補正信号である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インライン配置された複数の電子ビームに対する主水平
   偏向磁界がビンクッション型とされ、主垂直偏向磁界が
   バレル型とされたカラー陰極線管に於て、上記複数の電
   子ビームを静電的に偏向して螢文面に集中させるコンバ
   ージェンス用偏向電極と、上記複数の電子ビームを電磁
   的に偏向して螢光面に集中させる電磁コンバージェンス
   装置とを設け、この電磁コンバージェンス装置に垂直周
   期の補正信号を供給して垂直周期の水平ミスコンバージ
   ェンスを補正すると共に、上記コンバージェンス用偏向
   電極に水平周期の補正信号を供給して上記複数の電子ビ
   ームの形状歪を増加させることなく水平周期の水平ミス
   コンバージェンスを補正するようにしたテレビジョン受
   像機。