JPS5832029Y2 - 車輛用デイスクブレ−キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オートバイ等の車輌用ディスクブレーキ装置
、特に車輪と共に回転するブレーキディスクの一側に配
設されると共に車体に固着されるブラケットに、ブレー
キテ゛イスクの周方向に互いに離隔し、且つそのディス
クを左右に跨ぐように逆Ｕ字状に屈曲した一対の腕部を
形成すると共に両腕部の対向面に、ブレーキディスクを
間に置いてその回転軸と平行に延びる二対の案内レール
を突設し、これら案内レール間にブレーキディスクの両
側に配設される第１および第２摩擦パツドを摺動自在に
架設し、両摩擦パッドを跨ぎ、それらをブレーキディス
クの両側面に押圧し得る機構を備えたブレーキキャリパ
を前記ブラケットに着脱自在に連結し、前記ブレーキキ
ャリパと両摩擦パッド間に、それらパッドの振動を抑制
するパッドスプリングを設け、そのパッドスプリングに
より弾発された両摩擦パッドを前記案内レール上に適確
に摺動案内支持できるようにした形式のテ゛イスクブレ
ーキ装置に関するものである。

かかるテ゛イスクブレーキ装置は、制動トルクを摩擦パ
ッドから車体に固着されるブラケットに直接負担させて
、ブレーキキャリパには負荷が殆どかからないようにな
っているので、ブレーキキャッパの作動が円滑で良好な
制動作用を発揮し得る利点を有するが、その反面、従来
の構造では摩擦パッドの交換、その他の整備のためにブ
レーキキャッパをブラケットより取外したときに例えば
車体が傾斜していたりすると、摩擦パッドが同じく傾斜
状態にある案内レール上を滑ってその外側端より脱落し
易く、またキャリパの再組付は時には一旦セットした摩
擦パッドを案内レール上に、そこから滑り落ちないよう
手で押え付けておく必要があって作業が面倒である等の
不具合があり、特にオートバイ等の二輪車においては車
体やフロントフォークを傾けた状態で整備されることが
多いので、上記不具合が一層顕著である。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、案内レールを被
覆保護する耐摩耗性レール板により、摩擦パットのディ
スク回転軸方向外方への移動を規制できるようにして前
記従来のものの不具合を解消できるようにし、さらにそ
のレール板の取付性の向上と案内レールからの脱落防止
とを遠戚できるようにした、構造簡単な前記車輌用テ゛
イスクブレーキ装置を提供することを目的とし、その特
徴とするところは、前記案内レールの各表面に耐摩耗性
レール板を被着し、それらレール板のうちブレーキディ
スクを挾んで隣接するもの同士を、該ディスクを跨ぐ連
結板により一体に連結して一対のレール板連結体を構威
し、前記各レール板連結体の面外側端に、前記両摩擦パ
ッドの背面に対向する一対の外れ止め片をそれぞれ一体
に連設したことにある。

以下、図面により本考案をオートバイの前輪用テ゛イス
クブレーキ装置に実施した例について説明すると、１は
オートバイの前輪と共に回転するブレーキテ゛イスク、
２はそのブレーキディスク１と隣接してオートバイのフ
ロントフォークＦに固着されるブラケットで、その先端
部はブレーキテ゛イスク１の外周部を左右に跨ぐように
屈曲した二本の腕部２ａ、２ｂに分岐しており、これら
両腕部２ａ、２ｂの対向面には、ブレーキテ゛イスク１
を間に置いてその回転軸と平行に延びる二対の角形案内
レール３，３ ： ３’、３’を一体に突設し、これら
にレール板４，４ ； ４’、４’を被着する。

各レール板は、各案内レール３，３ ； ３’、３’の
前面、上下両面および外側面の四面に密着するよう一枚
のステンレス板等の耐゛摩耗性鋼板を屈曲して構成され
、さらにブレーキディスク１を挾んで隣接するもの同±
４，４′をブレーキテ゛イスク１外周を跨ぐ連結板５に
より一体に連結して一対のレール板連結体Ｒ，Ｒが構成
される。

各レール板連結体Ｒ，Ｒの左右両端には後記摩擦パッド
７．７′の背面に対向して同パッド７．７′のテ゛イス
ク１回転軸方向外方への移動を規制する外れ止め片６，
６を一体に連設する。

ブレーキテ゛イスク１の両側に配設される第１および第
２摩擦パツド７．７′はそれぞれ裏金７ａ、７ａ′を備
えており、これら裏金７ａ、７ａ’を案内レール３，３
； ３’、３’の各間に摺動自在に架設する。

８は両摩擦パッド７．７′を跨ぐ左右一対の腕部８ａ、
８ｂを有するブレーキキャリパで、その右方の腕部８ａ
には油圧シリンダ９を形成してそれに第１摩擦パツド７
の背面を押圧し得るピストン１０を摺合し、左方の腕部
８ｂはこれを第２摩擦パツド７′の背面に当接させる。

また右方の腕部８ａは前後方向両端に一対の耳部８ Ｃ
，８ｄを有し、一方の耳部８Ｃには枢支ピン１１をブレ
ーキディスク１の回転軸と平行に突設し、これをブラケ
ット２の腕部２ａ上端に穿設された軸受孔１２に摺動お
よび回転自在に嵌合する。

また他方の耳部８ｄには枢支ピン１１と平行にセットピ
ン１３を抜差し自在に嵌挿し得る透孔１４を穿設し、そ
れに対応してブラケット２の腕部２ｂにはセットピン１
３を支承し得るゴム等よりなる弾性軸受１５を嵌着する
。

セットピン１３は頭部に引抜き環１６を付設され、また
頚部には環状溝１７が設けられ、このセットピン１３を
透孔１４および弾性軸受１５内に嵌挿したとき、その抜
は出しを防止するために上記環状溝１７に係合し得る弾
性係止片１８の基板１９を耳部８ｄにねじ２０で固着す
る。

ブレーキキャリパ８の天井部と両摩擦パッド７．７′上
端部との間には、それらパッド７．７′の振動を抑制す
るパッドスプリング２１が縮設されている。

尚、図中２２は油圧シリンダ９の圧油導入口で、これに
油圧導管（図示せず）を介して公知のブレーキマスクシ
リンダが接続される。

次にこの実施例の作用を説明すると、第３図においてブ
レーキマスクシリンダから油圧シリンダ９に圧油を供給
すれば、先ずビスｌ−ン１０により左動される第１摩擦
パツド７がレール板４，４′を滑りながらブレーキテ゛
イスク１の右側面に圧接し、次いでその反作用によりブ
レーキキャリパ８が枢支ピン１１およびセットピン１３
を軸受孔１２および弾性軸受１５内でそれぞれ摺動させ
ながら右動して第２摩擦パツド７′をブレーキディスク
１の左側面に圧接させる。

かくしてブレーキディスク１に制動がかけられ、その制
動トルクは両摩擦パッド７．７′からブラケット２に直
接かかり、ブレーキキャリパ８には殆んど作用しないた
め枢支ピン１１およびセットピン１３に側圧がかからず
、ブレーキディスク１の回転軸に対するブレーキキャリ
パ８の平行移動が円滑になり、両摩擦パッド７．７′の
ブレーキテ゛イスクへの圧接力を確実に均衡させて良好
な制動を得ることができる。

損耗した摩擦パッド７．７′を交換するには、弾性係止
片１８の先端を撮み上げて、それをセットピン１３の環
状溝１７から離脱させ、続いて引抜き環１６に指をかけ
てセットピン１３を透孔１４および弾性軸受１５内から
抜き取る。

次に、残る枢支ピン１１を軸にしてブレーキキャリパ８
を第７図に示すようにブレーキテ゛イスク１の半径方向
外方の整備位置まで回動すれば両摩擦パッド７．７′が
露出するので、これらを撮み上げて案内レール３，３
； ３’、３’から離脱させ、新規部品と交換すること
ができる。

この作業中、摩擦パッド７または７′は、車体またはフ
ロン１〜フオークＦの傾きによりレール板４゜４ ：
４’、４’を滑ってその外側端部まで移動すれば、それ
らの裏金７ａ、７ａ’がそれぞれ対応する外れ止め片６
に当接してブラケット２からの脱落が防止される。

以上のように本考案によれば、車体に固着されるブラケ
ット２に、ブレーキテ゛イスク１の周方向に互いに離隔
し、且つそのディスク１を左右に跨ぐように逆Ｕ字状に
屈曲した一対の腕部２ａ、２ｂを形成すると共に両腕部
２ａ、２ｂの対向面に、ブレーキディスク１を間に置い
てその回転軸と平行に延びる二対の案内レール３，３
： ３’、３’を突設し、これら案内レール３，３ ：
３’、３’間にブレーキテ゛イスク１の両側に配設さ
れる第１および第２摩擦パツド７．７′を摺動自在に架
設し、両摩擦パッド７゜７′を跨ぎ、それらをブレーキ
テ゛イスク、の両側面に押圧し得る機構を備えたブレー
キキャリパ８を前記ブラケット２に着脱自在に連結し、
前記ブレーキキャリパ８と両摩擦パッド７．７′間に、
それらパッド７．７′の振動を抑制するパッドスプリン
グ２１を設けた、車輌用ディスクブレーキ装置において
、前記案内レール３，３ ： ３’、３’の各表面に耐
摩耗性レール板４，４ 、４’、４’を被着し、それら
レール板４．４ ： ４’、４’のうちブレーキテ゛イ
スク１を挾んで隣接するもの同±４，４′を、該テ゛イ
スク１を跨ぐ連結板５により一体に連結して一対のレー
ル板連結体Ｒ，Ｒを構成し、前記各レール板連結体Ｒの
両外側端に、前記両摩擦パッド７．７′の背面に対向す
る一対の外れ止め片６，６をそれぞれ一体に連設したの
で、それら外れ止め片６，６によって、摩擦パッド７．
７′のテ゛イスク１回転方向外方への移動を確実に阻止
することができ、従って、パッド交換等の整備のために
ブレーキキャリパ８をブラケット２より取外した時にた
とえ案内レール３，３′が傾いていても、摩擦パッド７
．７′が案内レール３，３′上を滑ってその外側端より
脱落することを確実に防止することができ、またブレー
キキャリパ８の再組付は時には一旦セットしたパッド７
．７′を案内レール３，３′上に、そこから滑り落ちな
いよう押え付けておく必要もなく、作業を迅速容易に行
なうことができる。

また前記各案内レール３，３′の摩耗を、それらレール
を被覆する前記耐摩耗性レール板４，４′によって確実
に抑えることができるから、各案内レール３．３′によ
る摩擦パッド７．７′の摺動案内を長期に亙り適確に行
なうことができる。

さらに前記シール板のうちブレーキテ゛イスク１を挾ん
で隣接するもの同±４，４′を一体化してレール板連結
体Ｒとしたことから、各案内レール３，３ ； ３’、
３’に対するレール板４，４ ： ４’、４’の取付け
、取外し作業を連結体Ｒ単位で行うことができてそれら
作業が簡単迅速化され、しかもレール板連結体Ｒを構成
するレール板４，４′の一方が案内レール３，３′より
外れかけてもその脱落が他方のレール板によって確実に
阻止することができる。

さらにまた前記外れ止め片６は前記レール板連結体Ｒに
一体に連設されることから、レール板連結体Ｒの製造、
組付けと同時に該外れ止め片６の製造、組付をも行なう
ことができ、該外れ止め片６の特設によるもゴスｌ−上
昇を少なく抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の側面図、第２図は同平
面図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、第４
図は第２図の■■−ＩＶ線断面図、第５図は第２図の■
−Ｖ線断面図、第６図はブラケットの部分斜視図、第７
図は第１図においてブレーキキャリパを整備位置に回動
した状態の側面図である。 １・・・・・・ブレーキテ゛イスク、２・・・・・・ブ
ラケツ１−１３゜３′・・・・・・案内レール、４，４
′・・・・・・レール板、５・・・・・・連結板、６・
・・・・・外れ止め片、７・・・・・・第１摩擦パツド
、７′・・・・・・第２摩擦パツド、２１・・・・・・
パッドスプリング、８・・・・・・ブレーキキャリパ、
Ｒ・・・・・・レール板連結体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪と共に回転するブレーキディスク１の一側に配置さ
   れると共に車体に固着されるブラケット２に、ブレーキ
   ディスク１の周方向に互いに離隔し、且つそのディスク
   １を左右に跨ぐように逆Ｕ字状に屈曲した一対の腕部２
   ａ、２ｂを形式すると共に両腕部２ａ、２ｂの対向面に
   、ブレーキテ゛イスク１を間に置いてその回転軸と平行
   に延びる二対の案内レール３，３ ： ３’、３’を突
   設し、これら案内レール３，３ ： ３’、３’間にブ
   レーキテ゛イスク１の両側に配設される第１および第２
   摩擦パツド７．７′を摺動自在に架設し、両摩擦パッド
   ７．７′を跨ぎ、それらをブレーキディスク１の両側面
   に押圧し得る機構を備えたブレーキキャリパ８を前記ブ
   ラケット２に着脱自在に連結し、前記ブレーキキャリパ
   ８と両摩擦パッド７．７′との間に、それらパッド７．
   ７′の振動を抑制するパッドスプリング２１を設けた車
   輌用ディスクブレーキ装置において、前記案内レール３
   ，３ ： ３’、３’の表面に耐摩耗性レール板４，４
   ；４’、４’を被着し、それらレール板４，４ ： ４
   ’、４’のうちブレーキディスク１を挾んで隣接するも
   の同士４．４′を、該ディスク１を跨ぐ連結板５により
   一体に連結して一対のレール板連結体Ｒ，Ｒを構成し、
   前記各レール板連結体Ｒの面外側端に、前記両摩擦パッ
   ド７．７′の背面に対向する一対の外れ止め片６．６を
   それぞれ一体に連設してなる、車輌用ディスクブレーキ
   装置。