JPS5830734Y2 - 開閉自在な天井窓の防水構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輛や船舶等の開閉自在な天井窓の防水構造
に関する。

従来第１図及び第２図に示す如く車輛１の屋根２に開口
部３を形成し、これを蓋体４により開閉自在とした天井
窓５を設け、この天井窓５から採光、換気等を行なうよ
うにしたものがある。

この場合、屋根２と蓋体４との間を完全に防水する必要
があるが、開口部３とその後方の収納部６との間で蓋体
４をガイドレール１に沿って前後摺動自在とし、開口部
３の下方位置では、前端側か前玉がり状となるように傾
制させて蓋体４を案内し、後部側を昇降させることによ
って該蓋体４を開Ｉ−１部３に嵌脱自在にしている関係
から、第３図に示すような防水構造を採用しているため
、製作誤差等による影響を受けやすいと云う欠点があっ
た。

即ち、従来は、屋根２の開［］縁部８に垂直方向に延び
るシール壁９を全周にわたって設け、蓋体４外周の折曲
縁１０にゴムその他のシール材１１を嵌着し、該シール
材１１をシール壁９内側のシール面９ａに圧接させるよ
うにしていた。

このため従来は寸法精度の厳密な管理か必要であって、
シール壁９側が若干でも大きくなり、該シール面９ａと
折曲縁１０との間隙が大きくなれば防水性能が著しく低
下し、水洩れの原因となっていた。

また逆にシール１１９ａと折曲縁１０との間隙が小さく
なれば、シール材１１が抵抗となって蓋体４の締１り具
合が悪くなると共に、前縁側で水洩れを招くことがあっ
た。

更に、高速洗車時に高圧水（５〜６ ｋｇ ／’Ｃ７７
１２）の噴流がかかった場合、圧力水は上方からシール
面９ａに対し平行に作用するにかかわらず、シール材１
１の圧接方向はシール面９ａに対して垂直であり、かつ
充分それに耐える圧接力を付与すると上述の如く蓋体４
の締１り具合が悪くなるので充分弾性をもたせている関
係上、圧力水に対してシール効果を発揮することかでき
ず、漏水かはなはだしかった。

そこで本考案は、上記問題点に鑑みて案出されたもので
あり、開［」部及び蓋体の構造を設計変更することな〈
従来のものを用い、圧力水に対して完全にシールするこ
とかでき、しかも開閉操作性を損なうことのない開閉自
在な天井窓の防水構造を提供することを目的とする。

従って、その特徴とする処は、屋根に開口部を設け、該
開口部に開閉自在な蓋体を設けた天井窓に於て、前記開
［−］部の内周面は略垂直な／−ル面に形成され、前記
蓋体の外周にシール材が設けられ、該シール材は、蓋体
外周部に嵌着される基部と、該基部の上端からシール面
側に向って突出してからシール面に圧接すヘク略シール
面に沿って下垂するように折曲成形された第１シール部
と、該第１シール部の下端からシール面に圧接すべくそ
の先端方向が上傾状に指向した第２シール部とを一体的
に備えている点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基き詳述する。

第４図乃至第１図に示すものは本考案の第１実施例であ
り、同図に於て、１２は車輌の屋根、１３は屋根１２に
形成された開口部であり、屋根１２の開口縁部１４側に
は屋根板の内端部を車内側に下垂状に折曲げたシール壁
１５が設けられ、該シール壁１５の内側面をシール面１
６とされている。

１γは複数枚の板材を重ね合せてなる蓋体で、外周縁に
は車内側に折曲された折曲縁１８が設けられこの折曲縁
１８にシール材１９が設けられる。

該シール材１９はゴムその他の可撓弾性体から成り、断
面Ｕ字状でかつ内部に補強板２０が埋込渣れた基部２１
と、この基部２１の外側上端部から折返し状に外方に突
設された第１シール部２２と、該第１シール部２２の下
部より外方上傾状に延設された第２シール部２３と、基
部２１の外側下端部から外方下傾状に突設された断面舌
片状のタング部２４とを各々１体的に備えている。

上記第１シール部２２は基部２１外側面と平行な平行部
２２ａを有し、該平行部の外側面に植毛層２５が設けら
れている。

第２シール部２３は、第１シール部２２との連接部近傍
に断面湾曲状凹部２６を有し、第５図に示す如く、自由
状態のときその道端は上記植毛層２５より外方に突出し
ている。

そして第２シール部２３０表面にはシリコン塗布２Ｔが
施こされている。

上記タンク部２４の先端は、第１シール部２２の平行部
２２ａと面一となる位置近傍にあり、２７７部２４表面
にもシリコン塗布２７が施こされている。

２８はバトリシーラーで、基部２１のＵ字状底部に設け
られている。

上述の如き構成のシール材１９が、その基部２１を蓋体
１７の折曲縁１８に下側から嵌着し、第１シール部２２
の平行部２２ａが植毛層２５を介してシール面１６に圧
接し、第２シール部２３の先端がシリコン塗布２７層を
介してシール面１６に圧接している。

次に上記第１実施例の作用を説明すると、蓋体１７を屋
根１２の開口部１３に嵌着した場合、第４図に示すよう
に屋根１２と蓋体１７とが面一状となり、シール材１９
の第１シール部２２が屋根１２の開口縁部１４に形成さ
れたシール面１６に対し垂直方向から弾性的に圧接し、
通常の防水性能を発揮する。

このときシール面１６と蓋体１７との間の間隙寸法にバ
ラツキがあっても、第１シール部２２は折返し状に成形
されているので、これらのバラツキを充分吸収すること
ができ、かつ締りすぎや遊びすぎが生じることが少ない
。

次に第６図に示すように圧力水が屋根１２の上方よりか
かる場合、第１シール部２２は圧力水の圧力に負けてシ
ール面１６と第１シール部２２間に間隙が生じる。

この間隙から浸入した圧力水は、次に第２シール部２３
に達し、第２シール部２３を下方へ押し下げようと作用
する。

第２シール部２３は第１シール部２２下部からシール面
１６に向って上傾状であるから、第２シール部２３先端
は圧力水により矢印ａ方向に回動しようとする。

即ち第２シール部２３は圧力水によって更に強くシール
面１６に圧接するよう作用し、シール作用を増大するの
で、圧力水は第２シール部２３に阻止されて車内に漏水
することはない。

また第１シール部２２と第２シール部２３の連接部に湾
曲凹部２６を設けているので、との凹部２６に圧力水が
溜玄り、圧接力を増大する作用を助長してる。

またタング部２４は、万一漏水が第２シール部２３を伝
わって漏れたときに、車内に拡がり落下するのを防ぎ、
雨樋（図示省略）の中に落す作用をしている。

更にタング部２４は第７図に示すように、蓋体１７を開
口部１３に嵌め入れるとき、シール材１９が図示矢印す
方向にめくれ止るのを防止する作用をなしている。

即ち、シール材１９がめくれ上がろうとするとき、タン
ク部２４がシール面１６に接当して矢印す方向の移動を
阻止するのである。

第８図ａに示すものは本考案の第２実施例であり、第１
シール部２２の下部と基部２１とを連結部２９によって
連結し、第１シール部２２の平行部２２ａを上下２個所
で支承したものである。

そして第１シール部２２と基部２１との間に形成される
空間Ｓは略平行四辺形とされており、第１シ−ル部２２
の水平方向の弾性変形を容易ならしめている。

その他は上記第１実施例と同一であり、植毛層、シリコ
ン塗布層は図示省略しているが、勿論具備している。

第８図ａのものによると、第１実施例に示したものより
も、第１シール部２２のシール効果を大とすることがで
き、しかも第１ンール部２２と基部２１との空間が略平
行四辺形を形成するよう連結部２９を設けたので、蓋体
１γとシール面１６との間隙のバラツキを充分弾力的に
吸収することができる。

第８図す乃至第８図ｇは、第８図ａの変形例を多数示す
ものであり、第１及び第２シール部の補強を考慮したも
のである。

本考案は、上記各々の実施例に限定されるものではなく
、例えば船舶等の屋根に設けたものであってもよい。

また各部の組合せは任意である。本考案は、第１シール
部がシール面に路面接触して圧接するため通常の雨水に
対しては完全な防水作用を発揮する。

第１シール部は面接触するにかかわらずその上端部が基
部に連設されているから、その圧接力は開閉操作を防害
するほど強固ではなく、しかも第１．２ン一ル部が連設
されているので第１シール部の圧接力は第２シール部の
圧接反力により減少するから第１シール部が面接触にか
かわらず開閉容易である。

しかも圧力水に対しては、第２シール部が該圧力水によ
り圧接力を助長すべく設けられてしるので、漏水が防止
される等、実用に供して多大の効果を発揮するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来例を示し、第１図は車両の平面
図、第２図は蓋体の開閉操作説明図、第３図は第１図Ａ
−Ａ線断面図、第４図乃至第８図は本考案の実施例を示
し、第４図は第１実施例を示し、第１図Ａ−Ａ線相当の
断面図、第５図は同シール材の断面図、第６図及び第７
図は同作用説明図、第８図ａは第２実施例を示す断面図
、第８図す乃至ｇは同変形例を各々示す断面図である。 １２・・・屋根、１３・・・開口部、１６・・・シール
面、１１・・・蓋体、１９・・・シール材、２１・・・
基部、２２・・・第１シール部、２３・・・第２シール
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根に開口部を設け、載量「」部に開閉自在な蓋体を設
   けた天井窓に於て、前記開［」部の内周面は略垂直なシ
   ール面に形成され、前記蓋体の外周に７−ル材が設けら
   れ、該シール材は、蓋体外周部に嵌着される基部と、該
   基部の上端からシール面側に向って突出してからシール
   面に圧接すべく略シール面に沿って下垂するように折曲
   成形された第１シール部と、該第１シール部の下端から
   シール面に圧接すべくその先端方向が上傾状に指向した
   第２シール部とを一体的に備えていることを特徴とする
   開閉自在な天井窓の防水構造。