JPS5828980Y2 - 接着剤容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は液状の接着剤を収納しかつ塗布するのに兼用さ
れる接着剤容器に関する。

従来この種の容器としては薄肉の弾性変形するプラスチ
ックをスポイト状に成形したものが使われていたが、内
部に収納された接着剤が上記薄肉のプラスチック壁を通
過して気化するため（いわゆるガスバリアスのため）、
別体の外筒容器を必要とし、かつ内外同容器の間に乾燥
剤を封入せねばならない等、構造が複雑であって、使用
に不便極りなく、容器全体が大型化する欠点があった。

また肉厚の容器に接着剤を収納した場合には、連続して
接着剤の塗布が出来ず、かすれてしまう等の欠点があっ
た。

本考案はこのような従来の欠点を解決し、かすれずに連
続して線引き状に接着剤を塗布出来、ガスバリアスが全
く無く、内容量に比してコンパクトであり、長期不使用
時にも接着剤がゲル化せず、逆に外部漏洩せず、かつワ
ンタッチで簡単容易に塗布使用出来る接着剤容器を提供
することを目的とする。

そこで本考案の特徴とする処は、筒状の容器本体の先端
部に接着剤吐出用の小孔を開設し、該容器本体に内有さ
れた弾発部材により上記先端部側に弾発付勢された切換
部材の先端針状部を該小孔から突出収納自在とすると共
に、該小孔を弁座部として開閉自在に当接する接着剤用
弁体を該切換部材の先端針状部のやや内側に付設し、さ
らに上記容器本体の後部に通気孔付の後端キャップを設
け、該後端キャップ内の別の弾発部材にて通常閉状態と
される空気吹込弁を付設し、該空気吸込弁が開けば上記
通気孔を通して上記容器本体内が大気に連通可能とし、
かつ、上記切換部材が後方に移動して上記接着剤用弁体
が開けばこれに連動して該空気吸込弁の空気用弁体を開
くように作動させる連動機構を上記容器本体に内有して
構成された点にある。

以下、図示の実施例に基づき本考案を詳説する。

第１図は内部に接着剤を収納し・て、使用（塗布）して
いない状態、第２図は接着剤塗布使用時を、夫々示す断
面図であり、図より明らかな如く、全体は太い万年筆形
状の外観を有し、１は筒状の容器本体、２はその先端部
に密嵌状に施蓋されるキャップ、３は該容器本体１の先
端に開設された小孔であって内部に収納された接着剤４
を塗布使用時に吐出するためのものである。

５は弾発部材であり、両端に円輪部５ａ、５ａを有し両
者を複数本の螺線状弾発部５ｂ・・・・・・にて連結し
たものであって、プラスチック等にて一体戒型されて、
容器本体１の内周面６の一部に突設されたストッパ用突
条７に後方の円輪部５ａが掛止されている。

８は棒状の切換部材であり、上記弾発部材５により先端
部側に弾発付勢され、該切換部材８の先端は針状部９と
され、容器本体１の小孔３から突出収納自在として、第
１図と第２図の如く作動する。

また、１０は、該小孔３を弁座部として開閉自在に当接
する接着剤用弁体であり、例えば円錐台形として、切換
部材８の先端針状部９のやや内側に突出状に付設されて
いる。

１１は切換部材８の後端に形成された受は部であり、上
記弾発部材５の先端側の円輪部５ａをこの受は部１１に
て受けて、その弾発力をもって、通常は閉状態に弁体１
０を弁座部に圧接して接着剤４が先端側に洩れるのを防
止し、かつ針状部９が第１図のように先端側に突出状に
保持する。

このように弾発部材５及び切換部材８は容器本体１に内
有されて、塗布使用時に接着剤４が吐出し、不使用時（
通常状態）では接着剤４が小孔３から洩れないように密
閉するように、切換えるものである。

しかして、容器本体１の後部に、上記弾発部材５とは別
体のコイルスプリング等の弾発部材１２にて通常閉状態
とされる空気吸込弁１３を付設し、切換部材８が、第１
図から第２図まで、後方に移動してゆけば、まず接着剤
用弁体１０が開き、続いて空気吸込弁１３の空気用弁体
１４を開くように作動させる連動機構１５が、容器本体
１に内有して構成されている。

具体的には、空気用弁体１４は円錐台形であって、容器
本体１の後端開口部に、ネジ結合又は弾性密嵌結合等に
て、施蓋状に取付けられた弁座蓋体１６の弁座部１６
ａに該弁体１４は通常弾発部材１２にて弾発的に圧接し
て、接着剤４の収納された容器本体１の内部への突気の
侵入を遮断していると共に、該弁体１４から軸芯方向に
細棒状の感知杆１７が先端側に延伸されて、切携部材８
の後端部と、所定の微小間隙寸法Ａをもって、近接させ
、該切換部材８がこの寸法Ａだけ後方に移動してはじめ
て感知杆１７に当接し、該感知杆１７を介して弁体１４
が弁座部１６ ａから遊離して、空気を容器本体１内に
吸込むように構成されている。

従って、連動機構１５は、具体例では弁体１４に付設さ
れた感知杆１７にて構成された場合を示した。

なお、図示省略するが、感知杆１５を切換部材８と一体
に連結状として、感知杆１５の後端と、弁体１４との間
に、上述の如き微小間隙寸法Ａを形成して、感知杆１５
の後端が弁体１４を押し開くように構成する等も自由で
゛ある。

また、１８は後端キャップであり、ネジ結合又は弾性密
嵌結合等により、弁座蓋体１６に取付けられ、上記弾発
部材１２はこの後端キャップ１８に内有されると共に、
通気孔１９を開設して、空気が自由に出入りするように
される。

このように構成された本考案に係る接着剤容器を塗布使
用せんとすれば、まず第１図の状態からキャップ２を抜
き去り、第２図のように鉛直状又は斜め状に手で握って
保持し、接着剤４を塗布すべき面２０に先端針状部９を
押圧する。

すると、矢印Ｂの如き外力が切換部材８に作用して、弾
発部材５に抗して後方に移動し、まず接着剤用弁体１０
が開く。

次に、間隙寸法Ａが零となれば連動機構１５を介して空
気用弁体１４が開き、さらに容器本体１を面２０に押し
付ければ、第２図のように、両弁体１０，１４が十分に
開いて、空気は、小孔１９から弁座部１６ａの孔を通過
して容器本体１内に入り、その内部の圧力を大気圧に保
つため、開いた他の弁体１０から小孔３と針状部９の間
隙から、毛細管現象及び接着剤４の重量により、連続的
に適量の接着剤が塗布されてゆく。

矢印Ｃは、線引きのために接着剤容器を走らせる場合を
示し、このような場合にも、両弁体１０，１４が開いて
いるために、かすれることなく円滑に接着剤塗布が出来
る。

そして、不使用時には、第１図の如く、弾発部材５にて
自動的に弁体１０が閉じて、先端側への接着剤の外部洩
れは無く、かつ、弾発部材１２にて後端側への外部洩れ
も無い。

特に、第１図のように微小間隙寸法Ａをもって、両弁体
１０と１４とを分離させたために、製作寸法誤差が生じ
ても、両弁体１０゜１４はいずれも確実に閉状態となる
。

本考案は以上詳述した如く、筒状の容器本体１の先端部
に接着剤吐出用の小孔３を開設し、該容器本体１に内有
された弾発部材５により上記先端部側に弾発付勢された
切換部材８の先端針状部９を該小孔３から突出収納自在
とすると共に、該小”ＪＬ３を弁座部として開閉自在に
当接する接着剤用弁体１０を該切換部材８の先端針状部
９のやや内側に付設し、さらに上記容器本体１の後部に
通気（Ｌ１９付の後端キャップ１８を設け、該後端キャ
ップ１８内の別の弾発部材１２にて通常閉状態とされる
空気吸込弁１３を付設し、該空気吸込弁１３が開けば上
記通気孔１９を通して上記容器本体１内が大気に連通可
能とし、かつ、上記切換部材８が後方に移動して上記接
着剤用弁体１０が開けばこれに連動して該空気吸込弁１
３の空気用弁体１４を開くように作動させる連動機構１
５を上記容器本体１に同右して構成された接着剤容器で
あるから、所期目的を有効達成出来、かすれることなく
連続的に接着剤を線引き塗布出来ると共に、容器本体１
を十分な肉厚としても機能上何ら問題なく、ガスバリア
スの問題が解決され、全く外筒ケースが省略出来かつ乾
燥剤も不要となり、かつ、長期不使用後にも内部の接着
剤が空気中の水蒸気等を吸入してゲル化する等の問題も
兄事解決出来、不意に外部漏洩することもなくなり、塗
布使用時には、キャップ２を取去るのみで容易かつ迅速
に使用可能となり、しかも接着剤の収納容量に比して容
器がコンパクト化されて一層使い易い等の多大のがつ著
大なる効果を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すものであって不使用時
の断面図、第２図は塗布使用状態を示す同断面図である
。 １・・・・・・容器本体、３・・・・・・小孔、５・・
・・・・弾発部材、８・・・・・・切換部材、９・・・
・・・針状部、１０・・・・・・弁体、１２・・・・・
・弾発部材、１３・・・・・・空気吸込弁、１４・・・
・・・弁体、１５・・・・・・連動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の容器本体１の先端部に接着剤吐出用の小７Ｌ３を
   開設し、該容器本体１に内有された弾発部材５により上
   記先端部側に弾発付勢された切換部材８の先端針状部９
   を該小孔３から突出収納自在とすると共に、該小孔３を
   弁座部として開閉自在に当接する接着剤用弁体１０を該
   切換部材８の先端針状部９のやや内側に付設し、さらに
   上記容器本体１の後部に通気孔１９付の後端キャップ１
   ８を設け、該後端キャップ１８内の別の弾発部材１２に
   て通常閉状態とされる空気吸込弁１３を付設し、該空気
   吸込弁１３が開けば上記通気孔１９を通して上記容器本
   体１内が大気に連通可能とし、かつ、上記切換部材８が
   後方に移動して上記接着剤用弁体１０が開けばこれに連
   動して該空気吸込弁１３の空気用弁体１４を開くように
   作動させる連動機構１５を上記容器本体１に内有して構
   成されたことを特徴とする接着剤容器。