JPS5828920Y2 - 後視鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として貨物自動車、乗合自動車等大型の自動
車に使用されている後視鏡の枠組構造に関する。

従来貨物自動車や乗合自動車等大型の自動車に使用され
ている後視鏡（バックミラー）は金属板をプレス加工し
て所要寸法に形成し、取付は部を備えた背面にミラーを
嵌め合せ、両者の側縁をビニルテープの如き感圧接着テ
ープで止め合せ、しかる後背板とミラーとの組合せ周縁
に沿って別途に成形された軟質の合成樹脂製無端環状枠
体をその成形寸法よりも大きくなるよう加熱軟化せしめ
て伸長させ嵌め合せることにより固着する方法で組立完
成しである。

このような方法によっているのは、使用中に合成樹脂製
枠体が伸びて外力を受けたとき容易に外脱するのを防止
するため所謂無理嵌めして固着させること、また背板と
ミラーとの周縁をテープで貼合せるのは、次の工程での
枠体の嵌合を容易にすることのほか枠体が外力を受けて
外脱してもミラーが外れて破損しないようにすることに
ある。

そしてこの枠体を軟質の合成樹脂製としているのは、ミ
ラーが破損した場合、これの取替えが行なえるように伸
縮性を有する材質を採用したことにある。

しかし、このミラー取替え時枠体は一旦外すと収縮する
ので、改めて装着するには上記したような加熱手段を要
し極めて面倒なものである。

又製造工程に於ても成形等の作業以外はすべて複雑な手
作業となるので作業能率が低く、工費が嵩むのみならず
製品にばらつきを生じる等多くの欠点があった。

本考案は上記不都合を解消して、組立操作が容易でしか
も的確に組立てられ、生産性の向上が計れると共に、商
品価値の高い製品が得られるようにしたものであって、
使用中のミラー破損時にも使用者が容易に新しいミラー
と交換することもできる簡便さを備えた後視鏡を提供せ
んとするものである。

本案後視鏡は、ミラーを受止する背板の周縁部背面を適
宜巾で周端に向は下り勾配の傾斜面にして段付けし、こ
れに対するミラー取付は用の枠体は可撓性を有する硬質
の合成樹脂にて１個所に接平部を備えた有端状で、かつ
前記背板の頃斜周縁部及びミラーの周縁を囲繞して被嵌
する嵌め合い溝の内周面中間部にはほぼ全周に組立時背
板の前記傾斜面に当接して係止力を付与せしめるための
可撓性を有した係止突起を適宜ピッチで複数個突設し、
前記枠体接手部は接手両端部分を重ね合せ状として、そ
の一端に突子を設け、また他端には該突子と嵌合する係
止溝を刻設してこの突子と係止溝との嵌合状態に於て接
手両端部を止めネジで締結することにより後視鏡の本体
を容易に組立てられ、必要に応じて枠体を取外すときは
、止めネジを弛めることで直ちに分解できるようにした
ものである。

次に本考案後視鏡の一実施例を図面に依り詳述すれば、
第１図乃至第４図に示すものは最も基本的な構成の具体
例であって、背板１は金属薄板を所要外形寸法で適宜強
度を高め得るような形状に膨出形成して、周縁部２の背
面には所要巾で全周に亘り段付けし、かつ周端に向けて
適宜角度で下り勾配の傾斜面３を付し、周縁はミラー４
の外形に合致するよう形成してなり、背板膨出中央部に
は周知の首振り自在な取付は金具５を介して支持アーム
６が接続されるようになっている。

勿論ミラー４の彎曲面に対応するよう周縁部２は彎曲形
成されている。

枠体γは硬質塩化ビニル樹脂のように可撓性を有する硬
質の合成樹脂で作られており、背板１の周囲を囲繞して
嵌め合うよう背板１の周縁部２が挿入する嵌め合い溝８
を備え、組立時の断面形状に於てミラー４側に接する縁
部１０がや＼短かく、背板１側に接する縁部１０′は周
縁部２の段の幅に対応する高さに形成されており、嵌め
合い溝８の内周面９のほぼ中心線上で全周に亘って適宜
ピッチで細長い法止突起１１を多数個突設しである。

又枠体７の両端を適宜長さ重ね合せ状となして接手部１
２を形成してあり、該接手部１２は、枠体の一方の端部
１２′に突設した突子１３及び他方の端部１２“に刻設
した該突子１３と嵌合する係止溝部１４とから成り、こ
れらの突子１３及び係止溝部１４の嵌合状態に於て両者
を貫くネジ穴１５ 、１５’を突設し止めネジ１６にて
締結してなるものである。

なお、係止溝部１４は中ぬすみ状に刻設すると共に、係
止溝部１４と突子１３の嵌合の際当接する両者の一側面
１３’、１４’を嵌合方向に対して逆勾配状となし、更
に止めネジ１６の頭部１６′が接手部１２の表面下に埋
設されるようにネジ穴上端部が座ぐりされている。

上記構成の本考案後視鏡によれば、その組立に際しては
背板１前面周縁にミラー４の周縁を重ね合せ、接手部１
２が開放状態にある枠体７の嵌め嵌い溝８を背板１の対
応する周縁部２に順次被嵌し、最後に接手部１２両端の
突子１３及び係止溝部１４を嵌合させることにより、該
枠体７は背板１の周縁部全周に亘って嵌め合い溝８が被
嵌して囲繞する。

そこで接手部１２の外周面のネジ穴より止めネジ１６を
挿入して締結することにより枠体７は一体化する。

即ちこの状態で該枠体７の嵌め合い溝Ｂ内に多数突設さ
れた係止突起１１が図示の如く背板１の周縁部傾斜面３
に当接して弾性変形をなし、その反力により周縁部２と
この前面に重ね合せたミラー４の周縁部とが枠体Ｔの一
方の縁部１０′内側に押圧されることになり、ミラー４
と背板１とは該枠体Ｔにより確実に固定されて一体化す
るのである。

又接手部１２の突子１３及び係止溝部１４の嵌合状態に
於ける断面形状は図示の如く、枠体７の内周面、即ち嵌
め合い溝８が背板周縁部２より離反する部分が全くなく
連続的に密着状態を保っており、更に枠体７の外周面も
係止溝部１４背面の膨出部を有するのみで不連続部分が
なく、実質的にも外観的にも無端状枠体と同様の効果を
発揮するものである。

従って本考案後視鏡は硬質の合成樹脂による枠体で組立
固定できるのでその加圧作業性は著しく向上し、組立に
於て細管特別の技術を必要とせず、使用性に関しても自
動車に取付けて走行時万一外力を受けても、従来の軟質
材による場合のように変形して脱落することなく安定し
た固定保持状態を維持し得るのである。

更に構成上も簡単なものであるから製作費を低減し、安
価に提供することができる。

又ミラーが破損したような場合でも接手部１２の止めネ
ジ１６を外し嵌合を解除すれば枠体７は容易に分解でき
、新しいミラーと伺人でも交換することができる便利さ
を有するのである。

なお、枠体の嵌め合い溝内に突設する係止突起について
は前記具体例のような細長い棒状突起のほか適宜中の舌
片状突起にすること、更にこの舌片状突起に於けるその
形状を適宜選択することにより、ミラーと背板との固定
効果を一層高め得るのである。

また本考案の趣旨に従えばミラーの形状は長方形、所謂
小判形、或いは円形等任意の形状であってもそれに対応
した形の枠体にすることで各種のものに採用できるので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案後視鏡の実施例を示すもので、第１図は一部
を切欠いて背板側からみた正面図、第２図は第１図の中
央縦断面図、第３図はミラー側からみた正面図、第４図
乃至第５図は枠体の接手部の詳細図である。 １・・・・・・背板、２・・・・・・周縁部、３・・・
・・・傾斜面、４・・・・・・ミラー、７・・・・・・
枠体、８・・・・・・嵌め合い溝、１１・・・・・・係
止突起、１２・・・・・・接手部、１３・・・・・・突
子、１４・・・・・・係止溝部、１６・・・・・・止め
ネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車等の後視鏡の縁枠構造に於て、ミラーを受支する
   背板の周縁部背面を適宜巾で周端に向は下り勾配の傾斜
   面にして段付けし、これに対するミラー取付は用の枠体
   は可撓性を有する硬質の合成樹脂にて１個所に接手部を
   備えた有端状で、かつ前記背板の傾斜周縁部及びミラー
   の周縁を囲繞して被嵌する嵌め合い溝の内周面中間部に
   はほぼ全周に組立時背板の上記傾斜面に当接して係止力
   を付与せしめるための可撓性係止突起を適宜ピッチで複
   数個突設し、前記枠体接手部は接手両端部分を重ね合せ
   状として、その一端に突子を設け、また他端には該突子
   と嵌合する係止溝を刻設してこれら突子と係止溝との嵌
   合状態に於て接手両端部を止めネジで締結するようにし
   たことを特徴とする後視施