JPS5828814B2 - 停電検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は負荷に同期電動機等がある電源設備の停電を早
期に検出し設備の運行を容易にする停電検出装置に関す
るものである。

一般に電力系統の停電検出には従来不足電圧継電器を使
用しているが、この系統に同期電動機の負荷があると、
電源電圧が低下してきても同期電動機からの発電作用に
より、母線電圧の低下が遅くなり、不足電圧継電器によ
る停電検出動作がその分遅れる欠点がある。

このため停電時に高速電源切換えが必要な設備では停電
時間か長くなり、末端の負荷まで停止させてしまう可能
性が生じる。

この場合、不足電圧継電器の動作感度を上げることによ
り上記の欠点をカバーすることも考えられるが、ちょっ
とした電力動揺でも動作しやすくなり好ましくない。

従って不足電圧継電器の動作値整定は経験的になりやす
く、整定が群しい。

本発明の目的は、電力系統の停電を検出するに当り、そ
の系統に設けた不足電力継電器と、不足周波数継電器と
の検出動作をアンド条件としたことにより、同期機の発
電作用等に影響されることなく早期に停電を検出するこ
とができる停電検出装置を提供することにある。

以下本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図は一般的な２系統受電方式を示し、図に於て、１
，２は共に受電用変圧器で、これらの２次側は変圧器２
次しゃ断器３，４を介して母線５．６に接続される。

これら母線５，６には、それぞれしゃ断器７，８，９．
１０を介して配電用変圧器１１．１２や、同期電動機１
３．１４等が接続されている。

また両回線間は母線連絡しゃ断器１５によって接続する
。

この母線連絡しゃ断器１５は常時開状態になっており、
いずれか一方の系統、即ち母線５又は６の系統が停電と
なった場合、一定条件の基で投入され電力融通を行うも
のである。

１８．１９は不足周波数継電器で、計器用変圧器（以下
これをＰＴと略称する）２０．２１を介して受電用変圧
器１，２の２次側電路に接続する。

この不足周波数継電器１８．１９は、対応する電路の周
波数が予定値（例えば予め決められた変動許容範囲、条
件によって異なるが通常±５％程度）以下に低下したこ
とを検出して動作する。

２２．２３は不足電力継電器で、その電流端子は変流器
（以下こ減をＣＴと略称する）２４．２５を介して母線
５，６側電路に接続さね、また電圧端子は前記ＰＴ２０
．２１の２次回路に接続する。

この不足電力継電器２２．２３は対応する電路の正方向
の電力が予定値（例えばＣＴ２次電流レベルで０．８ア
ンペア程度）以下に低下した場合、すなわち停電時、お
よび正常時でも全負荷を停止した場合、またはそれに近
い軽負荷状態の場合に動作する。

尚、図中２６．２７は過電流継電器、また２８．２９は
受電用変圧器１，２の内部事故を検出する保護装置で、
公知のものを用いればよい。

本発明に於ては、停電検出用してし上記不足周波数継電
器１８．１９及び不足電力継電器２２゜２３を用い、受
電用変圧器１側の系統（以下これをＡ系統と呼ぶ）の停
電検出は、不足周波数継電器１８及び不足電力継電器２
２の検出動作をアンド条件として停電と判断する。

他方の系統（以下これをＢ系統と呼ぶ）についても同様
で、両継電器１９．２３の検出動作をアンド条件として
停電と判断する。

第１図に於ける受電形態は受電用変圧器１，２により常
時２回線受電しており母線連絡しゃ断器１５は常時開″
である。

受電用変圧器１または２のいずねか一方、例えばＡ系統
側に停電現象が生じた時（受電用変圧器内部故障の場合
も保護装置２８．２９の動作により同様の扱いとする）
、不足周波数継電器１８と、不足電力継電器とによる停
電検出により、母線５から分岐する同期電動機用しゃ断
器８をしゃ断し、同様に受電用変圧器２次しゃ断器３も
しゃ断し、その後母線連絡しゃ断器１５を投入する。

受電用変圧器１および２の両側同時に停電現象が生じた
場合はしゃ断器切換え制御はロックする。

尚、上記説明に於て配電用変圧器１次しゃ断器７を停電
時しゃ断していないが、これは２次側に接続される図示
しない補機電動機制御回路にリスタート回路が一般に設
けられ、電源復帰後自動スタートさせるためである。

またリスタート回路がなければ停電時、同期電動機用し
ゃ断器８と共にしゃ断してもよい。

また同期電動機以外に誘導電動機が同期電動機と同一母
線に接続されている場合でも補機電動機の制御と同じ考
え方になる。

次に上記停電検出動作について述べると、第１図におい
てＡ系統側の停電現象により、変圧器１次側からの供電
が停まり不足電力継電器２２が動作する。

続いて同期電動機１３の回転数低下により主回路母線５
の周波数が低下し不足周波数継電器１８が動作する。

上記検出動作により第２図で示すこれら両継電器１８，
２２のｂ接点１８−１ｂ、２２−１ｂが共に閉じ、これ
らのＡＮＤ条件で補助継電器３１Ａが動作する。

ここで停電検出条件として不足周波数継電器１８と不足
電力継電器２２をＡＮＤ条件にしたのは、不足電力継電
器２またけたと、受電用変圧器１次側の事故などによる
電力動揺で、電力方向が逆の場合に動作する可能性と、
受電用変圧器２次側での軽負荷時の動作の可能性がある
ので、停電検出動作をロックするために不足周波数継電
器２０を入れである。

また確実な検出をねらうためでもある。

前記補助継電器３１Ａのａ接点３１Ａ−１ａにより限時
継電器３２Ａを動作させ、停電継続を確認した後、その
接点３２Ａ−１３を閉じる。

このとき他方のＢ系統側が健全であればＢ系統例の図示
しない補助継電器３１Ｂのｂ接点３１Ｂ−１ｂが閉じ、
またＡ系統側の主回路母線５に短絡事故などによる大電
流が流れていないと、過電流継電器２６は動作せずその
補助継電器３４Ａのｂ接点３４Ａ−１ｂも閉じているの
でこれらと直結する補助継電器３５Ａが動作する。

第３図は、第１図で示すしゃ断器３，８，７．１５の制
御回路で、第２図の限時継電器３２Ａのａ接点３２Ａ−
２ａにより第１図で示す同期電動機用しゃ断器８のトリ
ップコイル８−Ｔに信号を送り、同期電動機１３を系統
より切離す。

また第１図で示す補助継電器３５Ａのａ接点３５Ａ−１
ａにより受電用変圧器２次しゃ断器３のトリップコイル
３−Ｔに信号を送りしゃ断器３をしゃ断する。

その後同補助継電器３５Ａのａ接点３５Ａ−２ａにより
、しゃ断器３および８がしゃ断していることをそれらの
補助接点３−２ｂ、８−２ｂの閉放によりそれぞれ確認
して母線連絡しゃ断器１５の投入コイル１５−Ｃに信号
を送り、しゃ断器１５を投入して母線切換えを完了する
。

しゃ断器１５はＡ、Ｂ両系統のしゃ断器３および４が投
入されている時（平常時）は、これらの補助接点３−３
ａおよび４−３ａが共に閉じるので、これらＡＮＤ条件
とするトリップコイル１５−Ｔが励磁されしゃ断してい
る。

第２図において受電用変圧器１の内部事故を検出する保
護装置２８のａ接点２８−１ａが補助継電器３５Ａに接
続されているのは変圧器１の内部事故時も同様のしゃ断
器制御をさせるためである。

尚、当然ではあるが保温装置２８の動作時は変圧器１の
１次側の図示しないしゃ断器をしゃ断する様にその接点
で回路構成されている。

第４図に本発明の他の実施例を示し、第５図にその制御
回路例を示す。

尚、第１図と対応するものには同一符号を付し、説明は
省略する。

本実施例は同期電動機１３の負荷にコンプレッサー３８
が用いられた例であるが、定格負荷運転などの状態で、
主回路母線５の電圧が電源側の原因により電圧降下し、
同期電動機１３の回転数が低下したままに放置すると、
コンプレッサー３８が危険な状態（サージング状態など
）となるので早期に停電現象をキャッチしコンプレッサ
ー３８に信号を送信する必要がある。

この動作を第５図で説明すると不足電力継電器２２のｂ
接点２２−１ｂと不足周波数継電器１８のｂ接点−１ｂ
のＡＮＤ条件で限時継電器３１を動作させそのａ接点３
ｌ−１ａでしゃ断器８のトリップコイル８−Ｔを励磁し
、これをしゃ断する。

同時に補助継電器４２の動作コイル４２−０を動作させ
、その接点４２１ａで放風弁４０の電磁コイル４０Ｃを
励磁し放風弁４０を゛°開″にして放風してやる。

尚、図中４３は補助継電器４２のリセットスイッチで、
そのホールドコイル４２−Ｈと直列接続する。

本実施例も同期電動機の発電作用に関係なく停電検出が
出来ることを特徴としている。

以上のように本発明によれば、同期電動機などの、電源
停電時に生じる発電作用に関係なく早期に停電検出か出
来、電源の切換えなどにより停電時間を短くできる。

また電動機負荷側にも早期の停電信号が送れ、負荷側の
緊急処理操作にも役立つ。

検出継電器である不足周波数継電器と不足電力継電器は
高速で高感度のものが適用できる。

またその感度整定も定量的にできる等種々の効果を奏す
る。

尚、本発明は同期電動機を含まない系統にも適用出来る
ことはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による停電検出装置の一実施例を適用し
た受電系統の一例を示す単線接続図、第２図及び第３図
は本発明に用いる制御回路の一列を示す接続図、第４図
は本発明の他の実施例を示す単線接続図、第５図は第４
図の実施例に用いる制御回路の一例を示す回路図である
。 １８．１９・・・・・・不足周波数継電器、２２，２３
・・・・・・不足電力継電器、３１Ａ・・・・・・停電
検出用補助継電器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 検出対象となる電路の電力が予定値以下になると検
   出動作する不足電力継電器と、上記電路の周波数が予定
   値以下になると検出動作する不足周波数継電器とを備え
   、これら両継電器の上記検出動作をアンド条件として上
   記電路の停電を検出する停電検出装置。