JPS5828662B2 - リ−ル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はテープレコーダ、ビデオテープレコーダ等にお
ける磁気テープを巻装収納するテープカセットのリール
に関する。

従来から知られているリールにはフランジとハブが別体
となっており、これらを螺子等で結合した金属性または
プラスチック製のもの、フランジとハブがプラスチック
で一体に形成され、この一体のもの２つをハブ部で互い
に結合したもの、フランジとハブが一体に形成され、か
つそのハブは半円筒状の未完成のものであって、これを
完成する半円筒状のテープクランプ部材とは別々に形成
されたものを、一体結合したもの等がある。

本発明は、テープ端を上記ハブに対して強固に固定する
必要があるカセットに好適な、後者（第３番目）のリー
ルの構造に関するものであり、特に、２分割された部分
からなるハブ周縁の均一化を図ることによって、巻装さ
れたテープが、上記ハブの結合部で段差を生じて、テー
プの偏心的繰り出しまたは巻き取りをしたり、この段差
部におけるテープ相互間における転写を惹起するのを防
止するため、上記段差を生ずる上記結合部面に適当な間
隙を設けたのである。

以下、本発明の一実施例を図面について説明する○ 第１図は、本発明に係るリールを構成するフランジ１と
半円筒状のハブ２の平面図であり、これら両者はプラス
チック等により一体成型されている。

また、このハブ２は、図に示すように、テープを巻装す
る円筒状面２ａと、これに連続するテープ端またはリー
ダーテープ端を嵌合する鉤状のクランプ部２ｂとからな
り、これらの中央には、かかるフランジ１およびハブ２
を回転するリール駆動軸係合用の、透孔３が設けられて
いる。

４は上記クランプ部２ｂに先端が係合されるテープであ
り、テープレコーダ、ビデオテープレコーダでイインチ
テープ、イインチテープ等の所望幅のものが一般に用い
られる。

第２図は、上記ハブ２と結合一体化される残り半分の半
円筒状のハブ５であり、テープ４を巻装する円筒状面５
ａと、これに連続して形成されたクランプ部５ｂとから
なり、上記結合一体化は、上記クランプ部２ｂと当該ク
ランプ部５ｂとの係合により行われる。

第３図はこの楔合による上記ハブ２および５の結合の状
態を示すものであり、これら両者間に、カセット中を走
行するテープ端が挟持される。

ところが、第３図に示すように、上記両ハブ２および５
の結合によっては、上記円筒状面が均一にならない。

これは、上記各ハブ２，５が成型品のため、完全な同心
円を形成することが困難であること等の理由による。

そこで、上記テープ４を挟んだ場合には、内側に入る分
だけ巻径が異り、ハブ部局面で巻装されたテープに段差
を生ずるのを免れることはできない。

すなわち、この誤差りがテープの破損ないしは転写とい
う不利益をもたらすこととなる。

そこで、本発明はこのように必然的に生じる両ハブ２，
５の段差による上記悪影響を防止せんがため、完全では
ないが、その悪影響を幾分でも緩和するように、上記段
差を生じる円筒状面の結合部に、第４図に拡大して示す
ような間隙ｌを設けたのである。

これをさらに具体的に解析すると第５図のようになり、
段差りが一定であるのに対して、上記間隙長ｌが１１か
ら４２に広がると、この段差部分に巻装されたテープ４
の傾斜角θ、からθ２へと緩くなり、したがって、テー
プ４のこの段差部で受ける無理な力を緩和することがで
き、テープ自身の破損を防止できるほか転写を防止でき
る。

しかし、上記間隙長ｌが太きすぎると、テープが上記間
隙ｌ内に没入するおそれがあり、かえってマイナス面が
強調されるので、テープのテンションやテープの厚さ等
の諸条件を考慮して、その長さを決定することが肝要と
なる。

第６図は、上記リールの（第１図の）正面図であり、フ
ランジ１の周縁部１ａが内側に向って円弧状に形成され
ているものを示し、第７図は、上記ハブ５の正面図であ
って、該ハブ５のクランプ部５ｂの上下端５ｃが、面取
りされており、上記両ハブ２および５の嵌合作業が、上
記フランジ１の周縁部によって妨げられるのを防止する
とともに、リールの組立作業における破損を防止し、か
つ作業能率の向上を図るという効果を合せ持つものであ
る。

第８図は、第６図に示す、両フランジ１の内壁面間の長
さＡより、上記ハブ５の幅ＢをＡ＞Ｂと、幾分小さ目に
選んだものを示し、かつ上記ハブ５の幅はテープ幅より
太き目としたものである。

したがって、上記両フランジ１相互間への上記ハブ５の
挿入および嵌合の作業は円滑化され、フランジ自体を損
傷することもないので、商品価値を下落することもなく
なる。

このような効果は、上記フランジが透明部材で形成され
ている場合に、特に顕著となる。

以上のように、本発明は、２分割されたハブを結合一体
化して形成したリールであって、その結合部において生
じるハブ周の段差を、その結合部に設けた間隙によって
緩和するようにしたことにより、このハブに巻装された
テープに段差を生じることなく、かつこの段差により生
じるテープ等の偏心的巻き取りまたは繰り出しによる走
行障害の発生を未然に防止しうる。

さらに加えて、この段差部において、テープが他の周面
より強い力を受けて破損したり転写するのを最小限にく
いとめることができる等の諸効果がある。

また、分割された上記両ハブの結合の際に、上記１のハ
ブの、上記他のハブを有するフランジに対する嵌合を、
容易となすように、上記ハブ端およびフランジ周縁を面
取りしたことにより、リールの組立作業の円滑化を図り
、大量かつ安価に市場に提供できる。

さらに分割された上記両ハブの結合の際に、上記１のハ
ブの、上記他のハブを有するフランジに対する嵌合を、
容易となすように、上記１のハブの幅に対して上記他の
ハブの幅を小さく形成したことにより、両ハブを組合せ
る際に、ハブをフランジ自体に強く接触させることなく
、上記嵌合を円滑化し、したがって、フランジ面を損傷
するおそれがない等の諸効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のフランジおよびハブの平面
図、第２図は第１図のハブに嵌合されるテープクランプ
用のハブの平面図、第３図は、上記両ハブの結合状態の
平面図、第４図は第３図に示す要部の拡大平面図、第５
図は上記両ハブ間で生じる周面段差の補正解析図、第６
図は第１図に示すフランジおよびハブの正面図、第７図
は第２図に示すハブの正面図、第８図は上記フランジを
有するハブと嵌合する狭小ハブの正面図である。 １・・・・・・フランジ、２，５・・・・・・ハブ、ｈ
・・・・・・段差、ｌ・・・・・・間隙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上及び下フランジと一体に設けられると共に略半円
   筒形状とされ、円筒切断面の両側に鉤状のクランプ部を
   有するハブと、両側に該鉤状のクランプ部に係合するク
   ランプ部を有し該ハブに嵌合する円弧形状のハブとより
   なり、上記上下フランジを有するハブの鉤状のクランプ
   部及び上記円弧形状のハブクランプ部のうち一方に磁気
   テープを挟んで結合一体化して形成されるリールであっ
   て、上記上下フランジを有するハブクランプ部の鉤状部
   と上記円弧形状ハブの該鉤状部との対向部間に上記テー
   プの厚みよりも犬なる間隙を設け、ハブ結合部において
   生じるハブ周の段差をその結合部に設けた間隙によって
   緩和するようになし、テープカセットに収納されるリー
   ル。