JPS5828438Y2 - 電子式過電流継電器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来サイリスタ電力変換装置及び電動機などの過負荷保
護対策としては、一般的に熱動形過電流継電器が広く使
用されている。

熱動形過電流継電器は直接主回路又はＣＴ二次側に接続
されるが、いずれの場合においても取付場所、取付及び
配線の工数がかかり又定格電流の階級別に多種類のもの
を保管しなければならない欠点がある。

又、熱動形過電流継電器の動作特性は、第３図の動作特
性図に示すごとく、動作時間のばらつきの範囲が広く短
時間領域での動作点を正確に決められない欠点があり、
例えばＡ′で示すごとく短時間領域の電動機過負荷耐量
２００φ、１分というような使用方法では、短時間領域
でサーマルを調整するとＡで示す１５０％、１分に調整
したときより長時間領域でのサーマルの動作電流値が上
がってしまい連続定格付近での保護ができなくなるとい
う欠点があるばかりでなく、瞬時過電流（数十ｍ５Ｅｃ
程度以下）領域はまったく保護不能であった６近年電子
式過電流継電器が使用され始めているが、従来の電子式
過電流継電器は長時間領域の保護しかできず、瞬時特性
を持たない欠点があり、瞬時特性用の継電器を別に設は
併用していた。

本考案の目的は前記熱動形過電流継電器および電子式過
電流継電器の欠点を改良することにあり熱動形過電流継
電器と同等以上の限時特性を持ち長時間領域での保護特
性が変わることなく短時間領域での過負荷耐量を自由に
調整でき、かつ瞬時過電流によっても動作する電子式過
電流継電器を提供するにある。

第１図は従来の電子式過電流継電器の一実施ＰＩＪを示
すブロック図であり、以下第１図に基づいて説明する。

１は負荷電流検出回路、２は電流比較回路、３は積分回
路、４はリレー駆動回路、５は積分器動作点調整器であ
る。

今、負荷電流検出回路１の出力１０１の電圧が、□積分
器動作点調整回路５の出力１０２の電圧より低い場合は
電流比較回路２の出力１０３は■の一定電圧となり、積
分器３は動作せず出力１０４は０■である。

−力負荷電流検出回路１の出力１０１の電圧が積分器動
作点調整回路５の出力１０２の電圧より高くなると電流
比較回路２の出力１０３は０■となり積分器３積分を開
始し積分器３の出力１０４は上昇して行き一定電圧以上
になるとリレー駆動回路４が動作し過負荷信号１０５を
出す。

従来の電子式過電流継電器は上述したような構成のため
第４図の動作特性図に示すように時限特性を持たず、又
短時間領域での動作点を合わせることができない欠点が
あった。

本考案は上記のような欠点を除去し熱動式過電流継電器
と同等の限時特性を持たせ、しかも熱動式過電流継電器
では不可能であった瞬時時間領域から長時間領域までの
すべての領域において動作点を正確に調整できる機能を
もたせることを目的としたものである。

第２図は本考案による電子式過電流継電器の一実施飼を
示すつなぎ図であり以下第２図に沿って説明する。

１は負荷電流検出回路、６は本考案になる積分回路、４
はリレー駆動回路である。

演算増幅器３６の非反転入力端子に、負荷電流検出回路
１の出力１０１を可変抵抗３４と抵抗３５で分圧して接
続する。

該演算増幅器３６の反転入力端子には直流定電圧２０１
を可変抵抗３１、抵抗３２で分圧し、積分開始電圧を定
めるための基準電圧とした基準電圧２０２の点に積分時
間調整用可変抵抗３３を介し接続する。

又該演算増幅器３６の反転入力端子と出力端子間に積分
コンデンサ３７を接続し、その出力１０４をリレー駆動
回路４に接続して電子式過電流継電器を構成している。

今、負荷電流検出回路１の出力１０１を分圧した電圧２
０３が基準電圧２０２より低い場合は積分回路６の出力
１０４の電圧は共通電位０■でありリレー駆動回路４は
動作しない。

又電圧２０３が基準電圧２０２より高い場合可変抵抗３
３及びコンデンサ３７で定まる値で積分回路６の出力１
０４の電圧が上昇して行く、その時の積分回路６の出力
１０４は次式で示される。

ＶｏＵＴ＝ＶＩＮ＋ｌ／ＲＣ−ｆ（ＶＩＮ−ＶＳ）ｄｔ
−−■ＶｏＵＴ：積分回路出力１０４ ＶＩＮ：演算増幅器３６の非反転入力端子電圧２０３ ■Ｓ：基準電圧２０２ Ｒ：可変抵抗３３の抵抗値 Ｃ：積分コンデンサ３７の静電容量値で ある。

積分器出力電圧１０４がリレー駆動回路４の動作型１上
になると、リレー駆動回路４が動作し過負荷信号１０５
を出す。

すなわち通常の入力に対しては■式右辺の第２項１／Ｒ
Ｃｆ （ＶＩＮ−ＶＳ）ｄｔにて積分動作が主に働き、
人力が小さいほど動作時間が長くなり、故障、短絡事故
等による過大電流に対しては■式右辺第１項ＶＩＮにて
瞬時動作することができる。

上述したように可変抵抗３１は負荷電流検出回路の出力
１０１の電圧に対し、積分を開始する基準電圧２０２を
調整するためのものであり、実際の可変抵抗３１の調整
は熱動式過電流継電器と同様定格電流より数φ大きな電
流が流れた時に積分回路６が積分を開始するように決め
られる。

又動作電流調整用可変抵抗３１の回転角に対する電流値
も熱動式過電流継電器と同様に等分となるので調整し易
く、一方可変抵抗３３は積分回路６の積分時間を定める
ためのものであり過負荷耐量に対する動作時間調整用で
ある。

可変抵抗３４の調整により瞬時領域の調整が出来る。

すなわち非反転入力２０３の電圧を調整することにより
■式の右辺第１項ＶＩＮを変えるものである。

第５図に本考案による電子式過電流継電器の特性曲線を
示す。

Ａは１５０％１分間に、Ａ′は２００饅１分間に調整し
たものであり、可変抵抗３３の調整により過負荷耐量に
対する動作時間を変えた特性列を示すものである。

一般的にサイリスタレオナード制御装置等においては電
流マイナーループ制御を有しているため負荷電流検出回
路を持つのが常であり、又異常時に停止させる継電器を
持つ場合が多く、その場合リレー駆動回路を備えている
ため積分回路６を追加するだけで制（財）回路内に電子
式過電流継電器を構成することができる。

以上述べたように本考案による１個の演算増巾器にて構
成される電子式過電流継電器で熱動式過電流継電器と同
等な反時限特性が得られるばかりでなく、熱動式過電流
継電器に比べ動作点、動作時間のばらつきが小さく、シ
かも瞬時領域、短時間領域、長時間領域、各々正確に調
整できる効果があり、過負荷耐量に対するサイリスクの
使用率をより効果的に選定することができる。

このほかに一種類の電子式過電流継電器でほとんどすべ
ての負荷に対応でき、又簡単な回路構成であるために制
御回路内に大巾な変更を加えることなく組み込むことが
できるため熱動式過電流継電器を使用した場合と比較し
、全体として小形化され経済的で信頼性の高いものとな
る効果がある。

尚本考案の説明をサイリスクレオナード装置の過電流保
護回路として説明したが、電流検出装置とリレー駆動回
路があればどのような用途にも適用することが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子式過電流継電器の一実施例のブロッ
ク図、第２図は本考案による電子式過電流継電器の一実
施例のつなぎ図、第３図は熱動形過電流継電器の動作特
性図の一例であり、第４図は第１図に示された電子式過
電流継電器の動作特性図、第５図は本考案による電子式
過電流継電器の一実施例の特性曲線である。 １・・・・・・負荷電流検出器、２・・・・・・電流比
較回路、３・・・・・・積分回路、４・・・・・・リレ
ー駆動回路、５・・・・・・積分器動作点調整器、６・
・・・・・本考案になる積分回路、３２，３５・・・・
・・抵抗、３１．３３，３４・・・・・・可変抵抗、３
６・・・・・・演算増巾器、３７・・・・・・コンデン
サ、１０５・・・・・・過負荷信号、２０２・・・・・
・基準電圧。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電流検出回路と、積分回路とリレー駆動回路等にて構成
   される電子式過電流継電器において、演算増幅器の反転
   入力端子と出力端子間に積分コンデンサを、反転入力端
   子から基準設定電圧間に時間調整用可変抵抗を設は積分
   回路を構成し、該演算増幅器の非反転入力端子と電流検
   出回路の間に積分回路動作点調整回路を設け、該演算増
   幅器出力をリレー駆動回路に接続するごとく構威し瞬時
   領域から長時間領域の過電流保護機能を有することを特
   徴とした電子式過電流継電器。