JPS5849831B2 - 過負荷演算器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電動機の過負荷保護のための過負荷演算器に
関するものである。

直流電動機が過負荷、回転子拘束など異常運転されると
、巻線温度上昇により絶縁材料の劣化、寿命の短縮に至
るので、直流電動機巻線温度を直接または間接的に検出
して的確な過熱保護が行なえることが望まれる。

従来、直流電動機の過負荷保護のために、熱電動形過電
流リレー（サーマルリレー）が使用されているが、電動
機の過熱耐量に応じてリレーの適切な選定と整定や取付
けスペースの確保に対する配慮がその都度必要であり、
また安定した動作精度が得られ難いという問題があった
。

この発明は上述の欠点を除去して、種々の電動機過負荷
耐量に対してその都塵選定する必要がなく保守取扱が簡
単で小形、安価、動作精度が一層安定な過負荷検出を行
なえる過負荷演算器を提供することを目的とする。

第１図はこの発明における過負荷耐量と過負荷検出レベ
ルの関係の説明図である。

電動機温度は電流の二乗による発生熱量と電動機の熱時
定数Ｔにより推移することが知られており、ステップ状
の連続定格電流ＩａｌＯＯに対してはＡ１連続定格時の
Ｋ倍の電流ＫＩａｔｏｏが流れたときはＢのように電動
機温度は上昇する。

連続定格時の最終温度上昇値θｆを温度上昇限界値とす
ると、連続定格のＫ倍の電流で運転できる時間を１５と
したとき、次式が或り立つ。

（２）の関係を第２図に示す。

同図で斜線部分が過負荷領域である。

第３図はこの発明の実施例を示すもので、信号正規化の
ためのゲイン調整比例回路３、二乗特性回路４、長時間
一次遅れ回路５、一次遅れ時定数設定器６、温度上昇限
界値設定器７、比較器８、リレーＲｙ１より構成される
。

電動機１の電機子電流は例えばシャント抵抗２により検
出して電圧としてゲイン調整比例回路３に加え、３によ
りＫＩａ１ｏｏを正規化（例えばｌＯ■）し、４および
５を介して５の出力より得られる量は電動機の温度上昇
を模擬したものとなる。

これを温度上昇設定値ｌＯＶ／′Ｋ２と比較器で比較し
て、設定値を越えたとき、リレーＲｙ１が動作して、過
負荷判定が接点信号で出力される。

一般に電動機の熱時定数Ｔは長時間（数十秒〜数百秒）
であるため、一次遅れ回路の時定数はこの範囲をカバー
する必要がある。

長時間の一次遅れ回路の実施例を第４図に示す。

第４図の回路で、発振器９により電界効果トランジスタ
等のアナログスイッチ１０をオン／オフ時間比＝ｔｌ／
ｔ２で断続すると、そのステップ応答波形は入力信号に
ｔ１時間だけＣＲの時定数で追従し、ｔ２時間だけホー
ルドしたものとなり、第５図のようになる。

この場合、等価的な時定数ＴはＴ＝ＣＲ（１＋υ）１ｌ となり、ｔ２を可変とすることによりＴは可変でき、し
かも、１２）＞１１とすれば小容量のコンデンサで長時
間の時定数が得られる。

第４図の時定数設定器６はこのｔ２を可変するためのも
のである。

第４図の演算増幅器１１を低ドリフト高入力インピーダ
ンスのものとすれば、極めて安定な一次遅れ特性を得る
ことができる。

この発明によれば、電動機の過負荷を電動機電流により
電子的に演算して検出するようにして、種々の電動機過
負荷耐量を２個の設定器でカバーするようにしたため、
過負荷検出器をその都度選定する必要がなく、小形で安
価、保守取扱いが簡単で特性のバラツキが少ない安定し
た動作精度の過負荷検出が行なえる効果がある。

この発明は、以上説明した直流電動機の過負荷演算器の
他に、交流電動機の過負荷検出用としても応用できると
考えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は過負荷耐量と過負荷検出レベルの関係の説明図
、第２図は過負荷検出領域の説明図、第３図はこの発明
の実施例ブロック図、第４図は長時間の一次遅れ回路の
実施例、第５図は第４図の実施例におけるステップ応答
図である。 １：直流電動機、２：シャント抵抗、３：ゲイン調整比
例回路、４：二乗特性回路、５：一次遅れ回路、６：時
定数設定器、７：温度上昇限界値設定器、８：比較器、
９：発振器、１０：アナログスイッチ、１１：演算増幅
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電動機電流を受けてこれを正規化するためのゲイン
   調整比例回路と、二乗された正規化信号を受けて電動機
   の温度上昇を模擬する信号を発生するための可変時定数
   を有する一次遅れ回路と、前記一次遅れ回路の出力を温
   度上昇設定値と比較して設定値を越えたときに警報信号
   を出力する比較器とからなる直流電動機の過負荷演算器
   。