JPS5827789Y2 - 薬剤散布機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ファンによって発生する圧力風に、薬剤タン
ク内の薬剤を混入して圧送、散布せしめる薬剤散布機に
係るものである。

一般に、この種の薬剤散布機においては、ケーシング内
に設けられたファンによって発生する圧力風を吐出口に
案内するための送風通路と、この送風通路と薬剤タンク
の排出口とを連通ずる薬剤通路とを設け、この排出口を
開閉する開閉弁が設けられているが、この開閉弁の上方
の薬剤が堆積状態のまま流出せず、いわゆるブリッジ状
態となるために、従来、開閉弁の下方の中央位置に、上
方向に向って開口する噴射孔を備えた１個の噴射管を設
けて、この噴射管を送風通路に連通パイプによって連通
せしめることにより、噴射孔から噴射される空気によっ
て薬剤の堆積を吹きくずすよう設けられていた。

この方法では、噴射管が開閉弁の下方の中央に１個設け
られていたために排出口の両側壁部分に堆積する薬剤を
吹きくずすことができず、また送風通路の壁面に設けた
連通孔から圧力空気を取り出して噴射孔から噴出せしめ
ていたために、送風通路内を流れる空気の流速により圧
力損失を生じて噴出力が低下し、排出口における薬剤の
堆積を充分に除去することができなかった。

本考案は、開閉弁の下方に複数個の噴射管を設け、しか
も、送風通路に連通ずる静圧室を設けてこの静圧室から
噴射管に連通せしめて、噴射孔に圧力空気を送り出すこ
とにより、排出口周辺部の薬剤の堆積を完全に吹きくず
すことができるとともに、送風通路内を流れる空気の流
速による圧力損失をなくして、噴出圧力の低下を防止し
て、排出口における薬剤の堆積を確実に除去しようとす
るものである。

以下、図面を用いて本考案の実施例について詳細な説明
を行なう。

図において、１内部に粉末の薬剤を貯溜する薬剤タンク
で、頂部に開閉自在の蓋３を備えた投入口５を設け、底
部に排出ロアを備えている。

９は薬剤タンク１の下部に連接し、エンジン（図示せず
）等により駆動されるファン１１を収容するケーシング
である。

１３はケーシング１１に設けた吐出口１５に、ファン１
１の回転によって生ずる圧力風を案内する送風通路、１
７は排出ロアと、吐出口１５付近の送風通路１３とを連
通せしめる薬剤通路、１９は送風通路１３に連通する静
圧室である。

２１は排出ロアの下部に設けられた開閉弁で、つぎのよ
うに構成されている。

すなわち、２３は排出ロアと薬剤通路１７の連接部を仕
切って設けられた固定板で、周囲を薬剤タンク１とケー
シング９のそれぞれのフランジ部２５．２７によって挾
持、固定され、排出ロアに対面する部分に複数個の連通
孔２９，２９゜・・・・・・が設けられている。

３１は固定板２３の下面に沿って、固定板２３とケーシ
ング９との間に摺動自在に支持された開閉板で、固定板
２３の連通孔２９゜２９．・・・・・・と対応する位置
に弁孔３３．３３ 、・・・・・・が設けられている。

３５は作動アームで、１端はケーシング９に回転自在に
軸支された操作軸３７に固着し、他端は開閉板３１の端
部に固着する保合片３９に係合し、操作軸３７を端部に
設けられた操作杆（図示せず）の操作により揺動して開
閉板３１を摺動作動せしめるものである。

４１，４１．・・・・・・は開閉板３１の下方に薬剤通
路１７内に設けられた噴射管で、排出ロアの両側付近お
よび中央部にそれぞれ並設され、両端はそれぞれ支持部
４３．４３により一体的に連結されている。

４５は噴出管４１の中空部４７の１端に設けられた開口
部で、静圧室１９に連通する。

４９は噴射管４１の上部に、上方に向って開口する噴射
孔で、中空部４７に連通している。

５１，５１．・・・・・・は噴射管４１の下部に、下方
に向って開口する噴出口、５３は静圧室１９と薬剤通路
１７とを連通ずる連通孔である。

以上の構成において、操作杆（図示せず）を操作して、
弁孔３３を連通孔２９に一致する位置に開閉板３１を移
動せしめ第２図に示す姿勢とすると、薬剤タンク１内の
薬剤は、連通孔２９．弁孔３３を通って薬剤通路１７内
に落下し、送風通路１３．静圧室１９を経て連通孔５３
から噴出する圧力風により送られて吐出口１５付近にお
いて、送風通路１３により送られる圧力風に混入して、
吐出口１５に連結されるホース（図示せず）を経て散布
されるものである。

操作杆（図示せず）を反対方向に操作して、弁孔３３を
開閉板２３の連通孔２９と対応しない位置におけば、弁
孔３３と連通孔２９は連通せず、薬剤の供給は閉鎖され
る。

また操作杆（図示せず）を適宜に操作して、弁孔３３と
連通孔２９との対応位置を適宜に調節することにより、
薬剤の供給量を調節できるものである。

薬剤散布作業中は、送風通路１３から、静圧室１９内に
入った圧力風は、噴射管４１の開口部４５．中空部４７
を経て、噴射孔４９．４９ 、・・・・・・から上方に
噴出し、弁孔３３．連通孔２９内を通って排出ロア内に
堆積する薬剤を吹きくずすものである。

なお、作業停止時に、噴射孔４９から中空部４７に入っ
た薬剤は、作業開始時に噴出孔５１から薬剤通路１７内
に排出されるものである。

以上のように本考案は、ケーシング内に設けられたファ
ンによって発生する圧力風を吐出口に案内するための送
風通路と、前記送風通路と薬剤タンクの排出口とを連通
ずる薬剤通路とを設け、前記排出口を開閉する開閉弁の
下方に、上方に向って開口する噴射孔を備えた複数個の
噴射管を並設し、前記送風通路に連通ずる静圧室と前記
噴射管とを連通して設けた薬剤散布機であるから、排出
口の周辺部における薬剤の堆積を吹きくずすことができ
、また送風通路内の空気の流速による圧力損失をなくシ
、噴出圧力の低下を防いで、薬剤の散布を円滑に行なう
ことができるものである。

なお、本考案は前述の実施例に限定されるものではなく
、前述の実施例以外の態様においても実施しうるちので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の正断面説明図、第２図は要
部の正断面説明図、第３図は第２図のＩＩＩＩＩＩ線の
平面断面図である。 図面の主要な部分を表わす符号の説明 １・・・・・・
薬剤タンク、７・・・・・・排出口、９・・・・・・ケ
ーシング、１１・・・・・・ファン、１３・・・・・・
送風通路、１５・・・・・・吐出口、１７・・・・・・
薬剤通路、１９・・・・・・静圧室、２１・・・・・・
開閉弁、４１・・・・・・噴射管、４９・・・・・・噴
射孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング９内に設けられたファン１１によって発生す
   る圧力風を吐出口１５に案内するための送風通路１３と
   、前記送風通路１３と薬剤タンク１の排出ロアとを連通
   ずる薬剤通路１７とを設け、前記排出ロアを開閉する開
   閉弁２１の下方に、上方に向って開口する噴射孔４９．
   ４９ 、・・・・・・を備えた複数個の噴射管４１．４
   １を並設し、前記送風通路１３に連通する静圧室１９と
   前記噴射管４１．４１とを連通して設けたことを特徴と
   する薬剤散布機。