JPS5827548Y2

JPS5827548Y2 - 結晶振動子

Info

Publication number: JPS5827548Y2
Application number: JP9260276U
Authority: JP
Inventors: 紘男岸本
Original assignee: セイコーインスツルメンツ株式会社
Priority date: 1976-07-12
Filing date: 1976-07-12
Publication date: 1983-06-15
Also published as: JPS5311971U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は結晶振動子に関し、更に詳細には良好な振動特
性が得られるようにした結晶振動子に関するものである
。

結晶振動子は、水晶、タンタル酸すチュウム。

二オフ蓋すチュウム等の圧電性を有した結晶体によって
構成された種々のものがある。

結晶振動子、例えば厚みすべり振動子としてのＡＴカッ
ト水晶振動子は、従来、第１図に示すように表面に電極
２が形成された振動子本体１０両端部を針金状の一対の
支持柄３．４によってはさみ込まれ、更にその支持柄３
．４が上記電極３゜４にハンダ、導電性セメント等の接
合体５を介して固定されている。

上記ハンダ、導電セメント等の接合体５は、極くわずか
な量では充分な接着強度を得ることができないため、充
分な接着強度を得るためには接合体５の量を多く使用し
、接合面積を大きくしなげればならない。

しかし、上記振動子本体１と支持柄３．４との接合面積
が増大されると、振動子本体１に接合によるひずみが発
生し、ＡＴカット水晶振動子としてのＱ値が低下され、
良好な振動特性を得ることが困難であった。

また、個々のＡＴカット水晶振動子にとって、支持柄の
取り付けが、バラツキを有し、取り付は技術が難易であ
るという欠点を持っている。

さらに、上記ハンダ、導電セメント等から生ずるアウト
ガスによって水晶振動子の振動に悪影響を与えることに
なる。

本考案は、上述した従来の欠陥を回避し、振動子本体の
表面に形成された電極と支持柄との接合面積を減少させ
ることにより、Ｑ値を高め良好な振動特性を得ることが
できるようにした結晶振動子を提案するものである。

さらに、本考案の目的は、量産性に富む、品質の均一化
をねらった結晶振動子を提案するものである。

以下、図示した実施例を参照しながら本考案の詳細を説
明する。

本考案に従う結晶振動子の一実施例を示す第２図、第３
図において、符号６は結晶振動子としてのＡＴカット水
晶振動子の振動子本体である。

振動子本体６０表面には、蒸着、スパッタリング等の手
段によって形成された金属膜からなる電極７゜８が設け
られている。

電極７．８は、振動子本体６上に形成される下地用の金
属としてのクロム層９と、その表面の一部に形成される
第１の金属としての金１０とによって構成されている。

上記振動子本体６の端部に延びる電極６．７の一部には
、支持柄１１．１２が配置されている。

支持柄１１．１２は、導電性を有した弾性材料によって
構成された針金状の基材１３を有し、その表面には下地
用の金属としてのニッケル層１４がメッキされると共に
、ニッケル層の上部に第２の金属としてのすず１５がメ
ッキされている。

上記振動子本体６に形成された電極７．８と支持柄１１
．１２を固定する場合には、上述したように支持柄１１
．１２が電極７．８に重なるように配置した後、上記第
１の金属としての金１４と第２の金属としてのすず１５
との共晶点に達するまで加熱する。

電極７．８の一部を構成する第１の金属が金で、支持柄
１１．１２の一部を構成する第２の金属がすすである場
合には、約３８０℃に加熱することによって、上記第１
の金属としての金と、第２の金属としてのすずとの共晶
合金１６をつくることができる。

上記加熱温度は、振動子本体６を構成する水晶のキュリ
一点以下（水晶のキュリ一点は約５３８℃）であるため
、水晶によって構成された振動子本体６の誘電率が減少
されることがなく、振動子本体６に悪影響を及ぼすこと
がない。

このように振動子本体６０表面に形成される電極７．８
と、支持柄１１．１２とを共晶させて、その重なり合う
部分に共晶合金１６をつくり、その共晶合金１６によっ
て上記振動子本体６に形成された電極７．８と支持柄１
１．１２とを一体的に接合固定することができるため、
従来に比べ接合面積を著しく減少させ振動特性を高める
ことができると共に、上記共晶合金１５の機械的強度が
高いため接合面積が小さくとも充分な支持強度を得るこ
とができる。

また、上記電極７．８と支持柄１１．１２とを共晶させ
、接合することができることになり、作業工程を簡略化
することができると共に、量産する場合にも上記電極と
支持柄との接合面積を均一にすることができ、接合面積
のばらつきによる振動特性のばらつきを防止することが
できる。

第４図は、本考案に従う結晶振動子の他の実施例を示す
もので、前述した実施例と相違する点は支持柄の先端部
を板状に形成した点である。

振動子本体１７は、その表面に電極１８．１９が形成さ
れ、上記電極１８．１９が延びる振動子本体１７の端部
には支持柄２０．２１が配置されている。

支持柄２０．２１は、板状に形成された支持部２２と支
持線２３とによって構成されている。

支持柄２０．２１の支持部２２の内側には、第２の金属
としてのすすがメッキによって形成されている。

上記電極１８．１９を第１の金属としての金によって構
成し、所定の温度に力燃すれば、上記支持柄２０．２１
と電極１８．１９とを共晶させ接合することができる。

なお、支持柄２０．２１の支持部２２の内側には、第２
の金属をその全面に形成する必要はなく、振動子本体１
７を支持するのに充分な機械的強度が得られるだけの面
積に形成すればよ（・。

以上、図示した実施例を参照しながら本考案の詳細を説
明してきたが、本考案は図示したものに限定されるもの
ではなく、例えば電極の表面を第２の金属によって形成
する一方、支持柄の表面を第１の金属によって形成する
こともでき、更に第１、第２の金属は、金およびすすに
限定されるものではなく、２つの金属が共晶するもので
あれば他の金属を使用することもできるが、共晶点の温
度が振動子本体を構成する材料のキュリ一点以下である
ことが要求される。

上述したように本考案に従う結晶振動子は、振動子本体
に形成される電極の少なくとも表面部を第１の金属材料
によって構成すると共に、上記振動子本体を支持する支
持柄の少なくとも表面部を第２の金属によって構成し、
上記電極と支持柄とを重ね合わせて加熱することによっ
て共晶させることにより、共晶させることによって得ら
れた共晶合金によって上記電極と支持柄とを強固に接合
固定することができると共に、従来に比べ接合面積を著
しく小さくすることができ振動子本体に接合によるひず
みを与えることが少なく、Ｑ値を高め良好な振動特性を
得ることができ、更に共晶させることによって支持柄と
電極とを接合固定することができるため、従来に比べ支
持柄と電極との接合作業の作業工程を簡略化することが
でき、製造コストの低減を図ることができる等、充分に
所期の目的を達威し得、実用上多大な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の結晶振動子を示す正面図、第２図は本考
案に従う結晶振動子の一実施例を示す正面図、第３図は
同結晶振動子の一部を切欠して示す側面図、第４図は本
考案に従う結晶振動子の他の実施例を示す斜視図である
。６．１７・・・・・・結晶振動子としてのＡＴカット水
晶振動子の振動子本体、７．８．１８．１９・・・・・
・振動子本体に形成された電極、１０・・・・・・電極
の少なくとも一部を構成する第１の金属としての金、１
１．１２．２１．２２・・・・・・支持柄、１５・・・
・・・支持柄の少なくとも一部を構成する第２の金属と
してのすず、１６・・・・・・第１．第２の金属によっ
てつくられた共晶合金。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

（１）表面に電極を有し、上記電極に固定される支持柄
によって支持される結晶振動子において、上記電極の少
なくとも一部を第１の金属によって構成すると共に、上
記支持柄の少なくとも一部を第２の金属によって構成し
、上記電極と支持柄とを共晶させて共晶合金をつくり、
この共晶合金で上記電極と支持柄とを固定することを特
徴とする結晶振動子。
（２）電極を構成する第１の金属が金で、支持柄を構成
する第２の金属がすすである特許請求の範囲第１項記載
の結晶振動子。