JPS5827177Y2 - バタフライ形制水弁における軸支部のパツキン構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バタフライ形制水弁におげろ軸支部のパツキ
ン構造に関する。

従来より円状胴体内に弁軸によりバタフライ弁体を枢支
して構成するバタフライ形水弁は大形制水弁のなかでも
最も小型であり、広く用いられている。

特に従来利用されているバタフライ形水弁の例として、
実開昭５３−１３５８２９号公報に記載のものがある。

この弁について説明すると、弁シートと弁体との境界位
置にわたって軸受部及び弁シートに夫々第１弾性シール
材を接触させ、弁体に第２弾性シール材を接触させてお
り、また、第１．第２弾性シール材どうしを押圧状態に
して維持するものであり、使用に際して、第２弾性シー
ル材を第１弾性シール材に対して異質の材料で、かつ滑
り易くしている。

ところがこの種の弁にあっては、どうしても、すり合わ
せ部である第１゜第２弾性シール材の接触部を通して水
が漏れることが多い欠点がある。

その理由を分析すると、軸支部材と弁体とは、単に一面
のみで接触し、かつすり合わせにより片方のシール材が
ねじれを生じそこに隙間が形成されることがその原因と
理解される。

そこで、本考案の技術的課題は、弁体上部に凹部を設げ
て、軸受体を強力に固定されたパツキンを介してこの凹
部の中に入れ、接触面積を広くして、かつパツキンのね
じれ変形を防止し、軸受体と弁体との接触を維持するこ
とであり、それによって完全な水封を可能にすることを
目的とする。

そこで本考案の採る構成は、弁軸２の端部側に嵌挿する
軸受体４を胴体１周囲の軸支部５に嵌合固定するととも
に、弁体３の周囲の軸支部５に嵌合固定するとともに、
弁体３の周囲部分上部に形成した凹部６内にも軸受体４
の端部を回動自在に嵌合し、軸支部５と軸受体４間にリ
ング部７を、凹部６側と軸受体４との間にリング部７′
をそれぞれ設け、両リング部７，７′を両連結部８，８
で連結する２リング形パツキンＡを、その形状に合った
軸受体４の周囲凹所Ｂに嵌着するものである。

本考案は上記技術手段により、次の作用をする。

弁軸２に追従して弁体３は回転する。

そのため凹部Ｂは軸受体４のリング部７′に接して、水
封の役目をする。

この場合、回転すり合わせ部が水封部を形成しているの
で、リング部７′は強力なねじれ力を受けるが、このリ
ング部７は、軸支部５と軸受体４との間を水封するリン
グ部７と連結部８゜８′により連結され、更に両リング
部７，７′および連結部８，８からなるパツキンＡは凹
所Ｂに埋め込まれて取付けられるので、リング部７′に
加わるねじれ力は凹所Ｂで支えられたリング部Ｉおよび
連結部８，８′により強固に支持され、リング部７′の
ねじれ変形はなくなる。

上記構成を採ることにより、ねじれ変形のないリング部
７′により水封されるので、完全な水封が可能となり、
また、リング部７′の破損も防止できる効果もある。

以下、図面に示す実施例について説明する。

１は円状胴体で、その両側にフランジ９を有し、該フラ
ンジ９，９により水道管に接続する構造で、その胴体１
内に嵌装するバタフライ弁体３には弁軸２を挿着すると
ともにピン１０．１０をバタフライ弁体３と弁軸２に嵌
挿して固定し、胴体１周囲の軸支部５，５部分に弁軸２
の両端側を軸支して、弁軸２の一端側における角軸部２
ａでもって弁軸２を回動させるとともにバタフライ弁体
３を開閉操作できるよう従来形同様に構成する。

前記軸支部５には内外に貫通する丸孔部５ａを形成し、
該丸孔部５ａに嵌合する軸受体４の上部に形成した鍔部
４ａをボルト１１により軸支部５に固定し、弁軸２の端
部側を嵌挿する軸受体４の端部を、弁体３の周囲部分に
形成した丸孔形凹部６内に回動自由に嵌合し、軸受体４
の内部における弁軸４の周囲部分にはブツシュ１２を嵌
装し、そのブツシュ１２の押さえ金１３をボルト１４を
介し軸受体４の上部に固定して構成する。

また、軸受体４０周面にはパツキン浪人用凹所Ｂを形成
するが、該凹所Ｂは、軸支部５の丸孔部５ａ内周面に対
応する軸受体４の周面部分に１回りのリング状凹部１５
を形成するとともに、弁体３の凹部６内周面に対応する
軸受体４の端部側周面部分に１回りのリング状凹所１６
を形成し、軸受体４の周囲における１８０度間隔の２ケ
所には両凹所１５，１６に通じる軸方向の凹所１７，１
７’を形成して構成する。

Ａは２リング形パツキンで、両リング部Ｉ、７′間にお
ける１８０度間隔の２ケ所に縦方向の両連結部８，８′
を連結させて構成する。

したがって、両リング部７，７′を凹所１５，１６に、
両連結部８，８′を凹所１７，１７’にそれぞれ嵌入す
ると、パツキンＡを凹所Ｂに取りつげることができ、パ
ツキンＡのリング部７は軸支部５と軸受体４０間に、ま
た、リング部１′は凹部６内と軸受体４０間に接して水
封できる構造となる。

しかして、弁体３を開閉させるために弁軸２を回動させ
ると、凹部６は軸受体４に対し回動するとともに弁軸２
は軸受体４の内部で回動する状態となる。

その状態で、軸支部５と軸受体４０間のパツキンはリン
グ部７により、また、弁体３と軸受体４の間のパツキン
はリング部７′により行なうことができ、軸受体４の周
囲から、および弁軸２の周囲からの漏水は防止できる構
造となる。

このように本考案は、円状胴体１内に弁軸２によりバタ
フライ弁体３を枢支して構成するバタフライ形制水弁に
おいて、弁軸２の端部側に嵌挿する軸受体４を胴体１周
囲の軸支部５に嵌合固定するとともに、弁体３の周囲部
分に形成した凹部６内にも軸受体４の端部を回動自由に
嵌合し、軸支部５側および凹部６側にそれぞれ対応する
２つのリング部Ｉ、７′を有しかつ両リング部７，７′
を両連結部８，８′で連結する２リング形パツキンＡを
、その形状に合った軸受体４の周囲凹所Ｂに嵌着して取
付は構成したから従来斯種制水弁で最も問題とされた軸
支部５内における軸受体４の周囲側からの漏水はリング
部７により、また、弁軸２の周面側からの漏水はリング
部７′および連結部８，８′により確実に防止できると
ともに、軸受体４の介装により弁軸２を良好に軸支でき
、パツキンＡは両連結部８，８で連結する２リング形で
あるから取付けやすく外れにくい取付状態にすることが
できかつ取扱いやすく、簡単な構造にして好適に実施で
きる特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は制水弁の正面図
、第２図は第１図のＩ−Ｉ線における断面図、第３図は
要部の断面図、第４図は第３図の■−■線における断面
図、第５図は第３図の一部の分解図、第６図は第５図の
一部の斜視図である。 １・・・・・・胴体、２・・・・・・弁軸、３・・・・
・・バタフライ弁体、４・・・・・・軸受体、５・・・
・・・軸支部、６・・・・・・凹部、７．７′・・・・
・・リング部、８，８′・・・・・・連結部、Ａ・・・
・・・パツキン、Ｂ・・・・・・凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円状胴体１内に弁軸２によりバタフライ弁体３を枢支し
   て構成するバタフライ形利水弁において、弁軸２の端部
   側に嵌挿する軸受体４を胴体１周囲の軸支部５に嵌合固
   定するとともに、弁体３の周囲の軸支部５に嵌合固定す
   るとともに、弁体３の周囲部分上部に形成した凹部６内
   にも軸受体４の端部を回動自在に嵌合し、軸支部５と軸
   受体４間にリング部７を、凹部６側と軸受体４との間に
   リング部７′をそれぞれ設け、両リング部Ｔ、７′を両
   連結部８，８で連結する２リング形パツキンＡを、その
   形状に合った軸受体４の周囲凹所Ｂに嵌着して取付は構
   成したことを特徴とする軸支部のバッキング構造。