JPS5826177Y2 - 自動車用サンバイザ−の軸受支持部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車体に装着される支持軸を中心として回動
可能に支持されるサンバイザーの軸受支持部の構造に関
し、その目的は、支持軸と、サンバイザーに内蔵の軸受
部材との相互の回動部分に生ずる焼付きを防止し、かつ
、支持軸に対しサンバイザーを所定のトルクで円滑に回
動することができる自動車用サンバイザーの軸受支持部
の構造を提供することである。

また、本考案の他の目的は、支持軸に対し軸受支持部の
ずれが防止され、サンバイザーが安定よく支持される自
動車用サンバイザーの軸受支持部の構造を提供すること
にある。

以下、本考案の一実施例を図面に従って説明する。

図中、１はサンバイザー全体を示し、車室のフロントガ
ラス上方に取付けられたＬ字状の支持軸１２の水平軸部
１２ａに回動可能に支持されている。

このサンバイザー１は、クッション材よりなる芯体２が
外装表皮３に被覆されて形成されている。

上記芯体２の周縁部に沿って内蔵された金属線材よりな
る環状の骨枠４は、その両端に相対向状をなすＬ字状の
連結部４ａ、４ｂが第２図に示すように形成されており
、芯体２の第１図中右上部に内蔵された軸受部材５が前
記骨枠４の両連結部４ａ、４ｂに嵌挿されて保持されて
いる。

上記軸受部材５は合成樹脂より形成され、そのほぼ中央
部長手方向に沿って、骨枠４の両連結部４ａ 、４ｂの
水平辺が相対向して挿入される貫通孔６が形成されると
ともに、この貫通孔６の両開口部には両連結部４ａ、４
ｂの垂直辺を嵌込むための溝６ａ 、６ｂがそれぞれ凹
設されている。

これら溝６ａ 、６ｂの壁面には前記連結部４ａ 、
４ｂの脱抜を防止するための抜止め片７ａおよび７ｂが
凸段されている。

さらに、軸受部材５の図示上部には軸受部８が一体に形
成されており、この軸受部８には、支持軸１２の水平軸
部１２ａが回動可能に嵌挿される嵌合孔９が貫設されて
いる。

この嵌合孔９の内壁面には支持軸１２の水平軸部１２ａ
に突設された抜止め片１２ｂの挿入を許容する溝９ａが
凹設されている。

さらに、支持軸１２の水平軸部１２ａが第２図に示すよ
うに嵌合孔９に対し所定位置まで嵌挿された状態におい
て、前記支持軸１２に対しサンバイザー１を回動しても
前記水平軸部１２ａの抜止め片１１ｂが嵌合孔９の内壁
面に当たることがないように前記軸受部８の図示右端部
には切欠き部５ａが形成されている。

また、軸受部８の長手方向はぼ中央部の肉厚は他の部分
より薄く形成されるとともに、その図示上端には、軸受
部８左右方向の中心線に平行する開口部１０ａが形成さ
れて弾性縮小可能の断面Ｃ字筒状の挾持筒部１０が第４
図に示すように形成されている。

上記挾持筒部１０の外周には、該挾持筒部１０を常に縮
小する方向へ付勢するための帯板はね鋼板よりなるクリ
ップ１１が被着されている。

このクリップ１１は、第４図に示すように、挾持筒部１
０の開口部１０ａに跨がり該挾持筒部１０の外周面を押
圧する抑圧部１１ａと、該押圧部１１ａの雨下端部に延
出されて相対向状をなす脚片１１ｂ。

１１ｂとを有し、この両脚片１１ｂ、１１ｂ下端部が軸
受部材５の中央やや下部に貫設された貫孔５ｂ内に相対
向して折曲されるとともにこれら先端には該貫孔５ｂ内
において係脱可能に係合する鉤形状のフック１１ｃ、１
１ｃがそれぞれ形成されている。

すなわち、クリップ１１はその両フック１１ｃ、１１ｃ
の貫孔５ｂ内における係合によって、両脚片１１ｂ、１
１ｂの対向間隔が所定に挾まるとともに抑圧部１１ａが
縮まり、挾持筒部８を常に縮小する方向へ所定の力で押
圧する。

上記したように構成された本実施例において、軸受部材
５を合成樹脂によって形成したから、軸受部材５におけ
る挾持筒部１０を含めた軸受部８と、支持軸１２の水平
軸部１２ａとの回動部分に金属接触による焼付きが生ず
ることなく、支持軸１２に対しサンバイザー１を円滑に
回動することができる。

また、クリップ１１の押圧部１１ａによって挾持筒部１
０を常に縮小する方向へ付勢したから、挾持筒部１０の
嵌合孔９内周壁面が支持軸１２の水平軸部１２ａ外周面
に所定の圧接力で接触するため、支持軸１２に対しサン
バイザー１を所定のトルクで回動することができるとと
もに、挾持筒部１０と水平軸部１２ａとの回動部分に生
ずる摩擦抵抗によって、サンバイザー１を所望とする回
動位置に保持して車体の振動等が起因するサンバイザー
１の回動ずれを防止することができる。

また、本実施例では、クリップ１１の両フック１１ｃ、
１１ｃが、軸受部材５の両側面より突出することがない
ように、同軸受部材５の孔５ｂ内で両フックＩｌｃ、１
１ｃを係合したから安全面において好適である。

さて、本考案は、車体に装着される支持軸を中心として
回動可能に支持されるサンバイザーにおいて、該サンバ
イザーに内蔵される軸受部材を合成樹脂によって形成し
、この軸受部材には前記支持軸が回動可能に嵌挿される
嵌合孔を有する軸受部が一体に形成され、この軸受部の
一部を弾性縮小可能に断面Ｃ字筒状に形成して挾持筒部
を設け、該挾持筒部の下方の軸受部材部位には貫孔が貫
設され、挾持筒部の外周及び前記貫孔間には帯板ばね材
よりなり挾持筒部を縮小する方向へ常に付勢しかつ両端
部にフックを有するクリップを被着し、該被着したクリ
ップの両フックを前記貫孔内にて係合して環状になして
なる自動車用サンバイザーの軸受支持部の構造であって
、前記軸受部材を合成樹脂によって形成するとともにク
リップのばね力によって軸受部材の挾持筒部を縮小する
方向へ常に付勢したから、軸受部材における挾持筒部を
含めた軸受部とこの軸受部の嵌合孔に嵌挿された支持軸
との回動部分に、金属接触による焼付きが生ずることが
ないとともに支持軸に対しサンバイザーを所定のトルク
で円滑に回動することができ、かつ軽量化やコスト低減
をも図ることができる。

そして、本考案は支持軸に対しサンバイザーを所望とす
る位置まで回動した状態において、帯板よりなるクリッ
プによって常に縮小する方向へ付勢された挾持筒部の嵌
合孔内周壁面が支持軸の外周面に所定の圧接力で面接触
するため、この接触による摩擦抵抗によって車体の振動
等が起因するサンバイザーの回動ずれをも積極的に防止
し得る。

また、本考案においてクリップは軸受部材の貫孔内にて
両端のフックが係合されるため、フックがサンバイザー
の表皮と接触せずクリップの係合性がよく、クリップの
ずれがなく支持軸と挾持筒部の嵌合性を良好にする。

従って本考案は、自動車用サンバイザーの軸受支持部の
構造として極めて有効で実用性の高い好ましい考案とい
える。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図はサンバイ
ザーを一部破断して示す正面図、第２図は軸受支持部を
一部破断して示す拡大正面図、第３図は第２図の■−■
線断面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ線断面図である
。 １・・・・・・サンバイザー、２・・・・・・芯体、４
・・・・・・骨枠、５・・・・・・軸受部材、８・・・
・・・軸受部、９・・・・・・嵌合孔、１０・・・・・
・挾持筒部、１１・・・・・・クリップ、１２・・・・
・・支持軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に装着される支持軸を中心として回動可能に支持さ
   れるサンバイザーにおいて、該サンバイザーに内蔵され
   る軸受部材を合成樹脂によって形成し、この軸受部材に
   は前記支持軸が回動可能に嵌挿される嵌合孔を有する軸
   受部が一体に形成され、この軸受部の一部を弾性縮小可
   能に断面Ｃ字筒状に形成して挾持筒部を設け、該挾持筒
   部の下方の軸受部材部位には貫孔が貫設され、挾持筒部
   の外周及び前記貫孔間には帯板ばね材よりなり挾持筒部
   を縮小する方向へ常に付勢しかつ両端部にフックを有す
   るクリップを被着し、該被着したクリップの両フックを
   前記貫孔内にて係合して環状になしたことを特徴とする
   自動車用サンバイザーの軸受支持部の構造。