JPS582590Y2 - 縮小装飾具用熱収縮性多層シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案ぺ熱処理によって縮小されたペンダント、ブロー
チ、ボタン、名札などの装飾具を作成するための熱収縮
性多層シートに関するものである。

従来、適当な大きさに切断された熱収縮性プラスチック
シートの表面に印刷あるいは文字や絵を書いた後、加熱
して該熱収縮性プラスチックシートを収縮させて、玩具
、ペンダント、ブローチあるいは名札カードを作成する
ことが行なわれていた。

これは、比較的薄い熱収縮性プラスチックシートの表面
に、比較的大きな画像を設けて、加熱収縮させて、表面
積および画像を数分の−に縮小させるとともに、該プラ
スチックシートの厚さを加熱処理前の数倍にした縮小装
飾具を得るものである。

これらの装飾具の製造方法としては、特開昭５２−１１
９６６０号がある。

しかし、これら熱収縮性プラスチックシートの表面に画
像を設けたものを熱処理すると縮小物が得られるが、そ
の縮小画像は表面光沢が減少し、見栄えが劣ると云う欠
点があり、また縮ｌトシたプラスチックシートと縮小画
像の接着強度が弱く、その画像が剥落し易いと云う欠点
があった。

これらの原因は、プラスチックシートが熱収縮する特性
がある反面、印刷画像や手書きされた文字や絵の画像（
層）は、熱収縮特性をもたないため、加熱時には、熱収
縮性プラスチックシートの熱収縮挙動に抵抗しながら無
理に収縮しているため、画像と該プラスチックシートと
の間に微細なずれが起り、縮小画像の表面がわずかなが
ら凸凹状となり光沢を失なったり、縮小画像と縮／Ｊヅ
ラスチツクシートとの接着強度が低下するためと思われ
る。

本考案者ら＆東 これらの欠点を解決するために鋭意研
究を行なったところ、実質的に同一の熱収縮性を有する
２枚の熱可塑性合成樹脂シートの間に、印刷層ならびに
接着剤層を設けた熱収縮性多層シートを用いることによ
って解決できることを見い出したものである。

本考案の熱収縮性多層シートは加熱処理を行うと該シー
トの印刷画像ま、接着剤層とともに２枚の熱可塑性合成
樹脂シートの間に、該シートに力任されつつ、かつ外気
に触れることなく熱収縮し、極めて、美観でしかも丈夫
な縮小装飾具が得られるものである。

本考案に用いられる熱収縮性を有する熱可塑性合成樹脂
シートは、二軸延伸法あるいはインフレーション法によ
って得られたポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン系合成樹脂などの
厚さ０．０４〜０．５ｒＩｗｎの比較的腰のあるシート
が用いられ、特に好ましくは、二軸延伸法あるいは、イ
ンフレーション法によって、縦、横方向にそれぞれ２〜
６倍延伸された厚さ５０〜２００μのポリスチレンシー
トが用いられる。

また、これらのシートは、透明或いは淡色に着色された
ものが用いられるが、用いられる２枚の内のｉｓま完全
に不透明に着色されたものを用いてもよい。

また、本考案に用いられる接着剤は、用いられる熱可塑
性合成樹脂シートの種類によって異なるが、熱処理温度
によって耐え、かつ比較的接着力のあるものであれば、
一般市販のものでよく、塩化ビニル系、 酸ビニル系、
イソプレン系、エポキシ系、イソシアネート系など各種
のものが用いられる。

本考案の縮小装飾具用熱収縮性多層シートの製造法は、
特に限定しないが、一般に多層シートを作成する方法が
そのまま応用できるものである。

すなわち、１枚の熱収縮性を有する熱可塑性合成樹脂シ
ートの表面に、フレキソ法、グラビア法、スクリーン法
など一般に行なわれる印ｉ＋ｉによって所望の画像を印
刷し、該印刷面と別途準備された熱収縮性を有する熱可
塑性合成樹脂シートとを前述の接着剤によって、ドライ
ラミネーターなど一般に用いられる貼合機で貼合すれば
よい。

なお貼り合わされる２枚の熱可塑性合成樹脂シートは、
実質的に同一の熱収縮性を有するものであれば、基本的
に（東材質及び厚さは異なってもよいが、好ましくは、
同一の材質を用いて、同一の製造方法により、同一延伸
倍率で同一の厚さを有する物を貼り合わせたものがよい
。

さらに得られた熱収縮性多層シートは、断裁あるいは打
抜きによって、適当な形状、大きさにし、必要に応じ釣
り下げあるいは固定用の穴を少くとも１個穿けてから熱
収縮させる。

本考案の熱収縮性多層シートを熱処理によって縮小させ
る方法は、該シートをその融点以下でかつ収縮する温度
、すなわちその素材である合成樹脂の第２次転移温度以
上で融点以下の温度範囲の雰囲気中に数秒〜数分間放置
すればよく、その為の装置としては、各種のホットトン
ネル、あるいは電気オーブンなどが用いられる。

本考案を実施例にもとすいてさらに説明する。

実施例 二軸延伸法によって縦横それぞれの方向に約２倍に延伸
した厚さ１５０μつ透明ポリスチレンシートの片面に、
グラビア印刷によって、赤、青２色の画像を印刷し、さ
らに全面に白色インキを印刷した。

この印刷面に、印刷に用いたと同一ロット◇透明ポリス
チレンシートをイソシアネート系接着剤を用いてドライ
ラミネーターにより貼合し、厚さ約３１０μの熱収縮性
多層シートを得た。

さらに、直径約１Ｏｃｒｒｌの円型シートを打抜き、該
円型シートの周縁部の１個所に、直径約５ｍｍの釣り下
げ用穴を穿孔し、縮小装飾共用熱収縮性多層シートを得
た。

これを１３０〜１３５℃に加熱したオーブン中に約５分
間放置し熱収縮させた後、取出し、表面を軽く押え表面
を平滑にしつつ冷却して、直径約５ｃｒｒ１で厚さ約１
．３ｙ＋ｏｎの縮小装飾具を得た。

この釣り下げ用穴に細い鎖を通してペンダントとして用
いたところ、該縮小装飾具の印刷画像は、約ｌ／４ に
縮小しているにもかかわらず、光沢および色調が良好で
あり、丈夫で鮮明な画像を持つ装飾具として好評であっ
た。

本考案による縮小装飾共用熱収縮性多層シート（′！、
手軽な勤処理によって、丈夫で色調および光沢のよい印
刷画像をもつ縮小装飾具が得られるものである。

また、もしも印刷画像以外に手書きによる追加画像を必
要とするならば該多層シートの表面に書画像を設けて熱
処理すれば従来品と同様の縮小画像も得られることは云
うまでもない。

本考案の縮小装飾共用熱収縮性多層シートは、比較的薄
く加工性がよいので、所望の大きさおよび形状（必要に
応じて、釣り下げや固定の為の小孔を穿孔して）に断裁
あるいは打抜くことが可能であり、しかも簡単な熱処理
によって厚さが３〜３０倍の厚みがあり、かつ１／３〜
１／３０の丈夫で色調、光沢の優れす縮小画像をもつ縮
小装飾具が得られるので、絵付きボタン、ブローチ、ペ
ンダント、洋酒ボトルタッグ、名札など多くの用途に利
用できるものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の縮ｌト装飾具用熱収縮性多層シートの
構成を示す断面図、第２図および第３図は本考案の縮小
装飾具用熱収縮性多層シートの一例を示す平面図である
。 １．１′・・・・・・熱収縮性を有する熱可ｍ合成樹脂
シート、２・・・・・・印刷層、３・・・・・・接着剤
層、４・・・・・・釣り下げあるいは固定用の小孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ｌ 実質的に同一の熱収縮性を有する２枚の熱可塑性合
   成樹脂シートの間に、印届１層ならびに接着剤層が設け
   られていることを特徴とする縮小装飾具用熱収縮性多層
   シート。 ２ 熱収縮性多層シートが、少なくとも１個以上の穿孔
   穴が設けられている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の縮小装飾具用熱収縮性多層シート。 ３ 熱可塑性合成樹脂シートが、縦、横方向にそれぞれ
   ２〜６倍延伸された厚さ５０〜２００μのポリエチレン
   シートである実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の縮小装飾具用熱収縮性多層シート。