JPH0435161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、積層シートに関し、更に詳細には、
組柄シートを一部に備えた積層シートに関する。

（従来の技術） 組柄のシートとして古くから作られてきたもの
としては、セルロイドがあるが、このものは、原
料樹脂としてニトロセルロースを使用するため極
めて燃え易く、また貯蔵中に樹脂の分解が起こり
自然発火するといつた危険性を有している。

（考案の目的） 本考案は、組柄シートを一部に備えた積層シー
トにおいて、その耐熱性を向上させることを目的
とするものである。

（考案の構成） 本考案の積層シートは、組柄シートをセルロー
ススプロピオネートで形成し、その組柄シートの
両面に塩化ビニール系樹脂のシートを貼り合わせ
たことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案の積層シートにおいては、組柄シートを
セルロースプロピオネートを用いて成形したの
で、自然発火するようなことがなく、耐熱性にす
ぐれている。また、セルローススプロピオネート
を用いてセルロイドと同様の製造方法により組柄
シートを製造すると、セルローススプロピオネー
トは、熱融着性が劣るため、組柄の境界より割れ
やすいという欠点があるが、本考案においては、
組柄シートの両面に塩化ビニール系樹脂のシート
を貼り合わせたので、割れやすいという欠点を解
消することができた。なお、強度の点だけからい
えば、上記塩化ビニール系樹脂のシートは、組柄
シートの片面のみに貼りあわせればよいが、そう
すると、積層シートに反りが発生し、使用上問題
となる。また、塩化ビニール系樹脂のシートを用
いたことにより、更に耐熱性が向上する。

（実施例） 以下、添付図面を参照して本考案の好ましい実
施例による積層シートについて説明する。

第１図は、本考案の実施例による積層シートの
一部を示す斜視図であり、第２図は、第１図の線
Ａ−Ａに沿う断面図である。

これらの図において、符号１は積層シートをし
めし、この積層シート１は、中央の組柄シート層
２、およびこの組柄シート層２の両表面に貼り合
わされた透明保護層３からなつている。この透明
保護層３は、塩化ビニール系樹脂のシートで形成
されており、上記透明とは、無色透明、有色透
明、乳白色等、下の組柄シート層２の組柄が見え
るものであるならばいずれであつてもよい。

また、組柄シートの製造は、金属光沢顔料（例
えば、パール顔料）、または洗顔料で着色した２
色以上のシートまたは偏平状や塊状のブロツクを
型枠プレスの中に入れ、加熱圧縮し厚い直方体状
のブロツクを形成した後、このブロツクをプレー
ナで削り、シート状の組柄シートを作る。更に、
貼り合わせの方法としては、塩化ビニール系樹脂
のシートまたは組柄シートの何れかの接着面に予
めウレタン系塩化ビニール系、アクリル系等の接
着剤を塗布した後、重ね合わせて、熱プレスで加
熱圧着することにより、積層シートを得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例による積層シートの
一部を示す斜視図、第２図は、第１図の線Ａ−Ａ
に沿う断面図である。 １……積層シート、２……組柄シート層、３…
…透明保護層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. セルロースプロピオネートの組柄シールの両面
   に、塩化ビニール系樹脂のシートを貼り合わせた
   積層シート。