JPS5825147Y2

JPS5825147Y2 - クラツチ

Info

Publication number: JPS5825147Y2
Application number: JP1978086638U
Authority: JP
Inventors: 剛太郎加藤
Original assignee: 気仙沼デイ−ゼル株式会社
Priority date: 1978-06-26
Filing date: 1978-06-26
Publication date: 1983-05-30
Also published as: JPS556518U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は既設の各種原動機から回転出力を取出す際に用
いるクラッチに関するものである。

従来より船舶用の主機関或は農業機械等が原動機から動
力を取出すためにクラッチを多用している。

このクラッチは、一般に機関のフライホイール等につな
がれてクラッチの入力軸となる回転体（ケーシング）と
、クラッチの出力軸につながる回転体（インサイドディ
スク）と、前記両回転体の間において、前記ケーシング
と一体に設けたフックジョンディスク及び前記インサイ
ドディスクの軸上に配設されたインナーディスク並びに
アウトサイドディスクと、クラッチの出力軸上をその軸
方向に摺動されて前記アウトサイドディスクを梃子状の
爪で前記フリクションディスク面に対し圧接、解放する
スライダから横取されている。

而して、従来のクラッチは、スライダを出力軸の軸方向
に摺動させるためのシフト機構として、梃子式のシフト
レバ−とぐ前記スライダのアウトサイドディスク側の周
上に設けられて該アウトサイドディスクをフリクション
ディスクに圧接するための挺子状の爪とが不可欠である
ところから、構造的に煩雑になるのをまぬがれ得す、ま
た前記挺子状の爪はスライダーの周上の３ケ所程度にし
か設けられないので、その加工誤差や組立精度のバラつ
きなどによって圧接力が各ディスクの周上で均一になり
難いという難点がある。

また、前記シフトレバ−は外部から操作するため、クラ
ッチの外側に大きく露出するように位置づけられている
ので、他の作業中に該レバーに作業者の身体が強く触れ
たりすると突然クラッチが入ったり或は切れたりして、
危険な状態を招いたり、動力取出しが中断されるなど作
業上不都合なことがある。

本考案は前述のような従来のクラッチの難点に鑑み、構
造を簡潔にすると共にアウトサイプ及びインサイドの各
ディスクとフリクションディスクの圧接を均一にし、且
つシフトレバ−のようなものがクラッチの外部に露出し
ない型式のクラッチを提供することを目的として考えら
れたもので、その横取は、クラッチの出力軸となる軸の
先端に軸受を介して回転自在に装着されたケーシングと
該ケーシングの内部にそれと一体に設けられた円環状の
フリクションディスクと、前記ケーシング内に於て、前
記軸にその数階筒部をキーを介して固定され前記フリク
ションディスクの前方に位置するインサイドディスクと
、該インサイドディスクの数階筒部に摺動自在に装着さ
れ前記にフリクションディスクの後方に位置するアウト
サイドディスクから成り、アウトサイドディスクの前方
摺動によって該アウトサイドディスクとインサイドディ
スクとの間にケーシングのフリクションディスクを圧接
挾持し、前記ケーシングの回転を軸に伝達するようにし
た摩擦式クラッチに於て、前記軸に圧縮空気の流路を形
成すると共に該軸の後端にロータシールを設け、また前
記アウトサイドディスクの後面に突出させて、前記イン
サイドディスクの数階筒部に気密に遊接するピストン部
を前記アウトサイドディスクと同一部材で一体形成する
と共に該ピストン部を気密に遊嵌するシリンダ部を前面
に形成したシリンダディスクを前記軸に被ｌして前記イ
ンサイドディスクの数階筒部後端に固定する一方、前記
ピストン部の外側で前記アウトサイドディスクの後面周
上に複数の支持軸を後向きに立設してこれらの支持軸を
前記シリンダディスクに貫設した収装孔に遊嵌し、前記
支持軸に発条を嵌装して前記アウトサイドディスクに常
に後方へ向う力を付勢すると共に、前記ピストン部の外
側でシリンダディスクの後面周上に、ねじ込まれて前記
アウトサイドディスクの後面に当接され該アウトサイド
ディスクを前方へ摺動させるボルト杆を複数本植設し、
更に、前記軸の圧縮空気の流路を、前記アウトサイドデ
ィスクのピストン部とシリンダディスクのシリンダ部間
の空隙に、前記流路の先端部と前記シリンダディスク後
面の間に配設したパイプを介して連通させたことを特徴
とするものである。

次に、本考案の実施例を図に拠り説明する。

１は先端側をテーパ部１ａに形成し、該部１ａより後側
を空気の流路２となるように中空に形成した軸で、クラ
ッチの出力軸として機能する。

３は該軸１の後端に装着したロータシールで、その開口
部３ａは前記軸１の流路２に連通しており、この部に適
宜の圧縮空気源が接続される。

４は全体として段付きで有底の短円筒状に形成したケー
シングで、前記軸１への数階部として機能すると共に、
原動機の出力軸との接続部としても機能する装着部４ａ
とクラッチのハウジングとして機能するハウジング部４
ｂとから戊り、該ハウジング部４ｂ内には、円環状のフ
リクションディスク５の複数枚が適宜の間隔をおいて設
けられている。

なお、４ｃはケーシング４を原動機の出力軸に接続する
ためのボルト穴である。

６は前記軸１のテーパ部１ａにキー７を介して装着した
インサイドディスクで、その後面側に、軸１に装着する
ための数階筒部６ａが一体に設けられている。

而して、インサイドディスク６はその数階筒部６ａを軸
１の後端側に向けて該軸１に嵌挿し、数階筒部６ａとテ
ーパ部１ａとの間にキー７を嵌合して軸１に取附けてあ
り、このディスク６を覆うようにして前記ケーシング４
がその開口側を軸１の後端側へ向は該軸１の先端に軸受
１ｂを介して取附けられる。

１ｃは前記ディスク６の数階筒部６ａの前端に位置する
ように軸１に装着されたインサイドディスク固定用のナ
ツトである。

８は前記インサイドディスク６の数階筒部６ａにＱ
ＩＪソングｂを介して遊嵌したアウトサイドディスクで
、該ディスク８はその後面（軸１の後端側）に、外形が
ピストンとして機能する短円筒状のピストン部８ａを同
一部材で一体に具備し、また、前面（軸１の先端側）が
前記ケーシング４のフリクションディスク５への当接面
に形成されている。

尚、インサイド及びアウトサイドの各ディスク６．８と
ケーシング４の各フリクションディスク５との間には、
通常のクラッチの場合と同様にインナーディスク９を介
在させである。

１０は、前記にアウトサイドディスク８のピストン部８
ａをＱＩＪソング１を介して気密に遊嵌するシリン
ダ部１０ａを軸１の前端側に向は形成し、軸１に遊挿し
たシリンダディスクで、前記インサイドディスク６の数
階筒部６ａの後端にボルト１０ｂによって固定しである
。

而して、前記ピストン部８ａとシリンダ部１０ａとによ
って形成される空隙１０ｃはシリンダディスク１０の後
面側において前記軸１の流路２とパイプ１０ｄによって
連通しである。

また、前記シリンダディスク１０の外周縁には、前記ア
ウトサイドディスク８の外周縁に前記軸１に沿い且つ軸
１の後端に向は植設した発条の支持軸１２を遊挿する収
装孔１０ｅが設けである。

而して、該孔１０ｅ内に於ては、前記支持軸１２に圧縮
発条１２ａを嵌装すると共に該軸１２の先端にナラＮ２
ｂを螺装し、該ナツト１２ｂを締込めば前記アウトサイ
ドディスク８がシリンダディスク１０側へ引寄せられる
ようになっている。

１３は前記シリンダディスク１０の外周縁で且つアウト
サイドディスク８の後端面に相当する部に、シリンダデ
ィスク１０の後面側から前面側へ貫通して植設したロッ
クナツト付の安全ボルトで、該ボルト１３をねじ込んで
行けば、その先端がアウトサイドディスク８の後面を前
方へ押圧するようにしである。

以上により、本考案クラッチを構成するが、その作動は
次の通りである。

ケーシング４の装着部４ａを原動機の出力側、例えばフ
ライホイール軸などに接続する一方、軸１の後端側にブ
ーりなどを設け、そこから出力を取出す点、及び、クラ
ッチの大切動作自体は従来のものと同様であるが、本考
案クラッチは構造が簡潔な点に特徴がある。

而して、軸１の後端にあるロータシール３に適宜の開閉
弁（図示せず）を介して圧縮空気源を接続し、弁を閉じ
て圧縮空気が遮断されている時は、アウトサイドディス
ク８が発条１２ａによってシリンダディスク１０側に引
寄せられているので、インサイドディスク６とアウトサ
イドディスク８は、インナーディスク９を介してケーシ
ング４と一体のフリクションディスク５に圧接せず滑り
状態にあり、従って、原動機の回転によって回転される
ケーシング４は空転する。

開閉弁が開かれ、圧縮空気が軸１の流路２、パイプ１０
ｄを通ってアウトサイドディスク８のピストン部８ａと
シリンダディスク１０のシリンダ部１０ａが形成する空
隙１０ｃに供給されると、シリンダディスク１０はイン
サイドディスク６と一体で軸１上での位置が固定されて
いるので、アウトサイドディスク８がそれをシリンダデ
ィスク側に引寄せている発条１２ａの撥力に抗して前方
へ押出され、先にケーシング４と一体に空転していたフ
リクションディスク５をインナーディスク９を介してイ
ンサイドディスク６側に押圧する結果インサイドディス
ク６がフリクションディスク５と一体回転を始めるので
、軸１に回転が伝達され後端側のプーリ（図示せず）な
どから原動機の回転を取出すことが出来るのである。

而して、本考案クラッチは、アウトサイドディスク８の
ピストン部８ａがシリンダディスク１０のシリンダ部１
０ｃ内に供給される圧縮空気によって、全面略均−な力
で前方へ押圧されるから、アウトサイドディスク８の摺
動に偏りが生じず、この結果、該ディスク８の全面が均
一な力でインナーディスク９を介してフリクションディ
スク５に圧接され、各ディスクの片減りが生じないとい
う効果があることは勿論、前記ピストン部８ａをアウト
サイドディスク８と同一部材で且つ該ディスクの後方へ
突出させて形成する一方、該ピストン部に被嵌されるシ
リンダディスク１０を、インサイドディスク６の数階筒
部６ａの後端に固着して設けたから、本クラッチの大切
作動をするピストン部の構成が従来公知のものに比べ簡
潔にできる利点がある。

しかも、本考案クラッチでは、アウトサイドディスク８
と一体形成されたピストン部に、単一部材によりシリン
ダ部１０ａを形成したシリンダディスクを単に被嵌する
という構成によって圧縮空気が給排される空隙１０ｃを
形成したから、この部を気密にするための構造が比較的
簡単ですむほか、アウトサイドディスク８を自己復帰さ
せる部分の構造も、該ディスク８の後面に立設した支持
軸１２をシリンダディスク１０上の収装孔１０ｅ内に発
条１２ａを介して遊挿させれば足りるので、製造組立或
はその後の調整が容易であるという利点がある。

また、本考案クラッチではその入切を、圧縮空気の供給
を制御する開閉弁の開閉動作で行なうことができるから
、操作が簡便であることは勿論、空気回路を任意に配設
することでクラッチの遠隔操作が可能になり、また、従
来品に不可欠であった梃子式の操作レバーが不要である
から、従来のようにそれを誤動作したりするおそれがな
いのみならず、クラッチの構造が簡潔になってコストの
低減に資する効果がある。

なお、本考案に於て、圧縮空気をクラッチ人切動作の駆
動源に用いるのは、従来よりこの種クラッチが漁船や農
兼機械などの主機関に用いられているディーゼル機関か
らの動力取出しに多用されており、ディーゼル機関には
圧縮空気を発生するコンプレッサが付設されているので
、該コンプレッサを利用すれば、圧縮空気源を別途用意
する必要がないという利点があるからである。

また、ケーシング４を支持する軸受１ｂは軸１の先端に
位置付けているので、その取替えが容易にでき、更に、
シリンダディスク１０にアウトサイドディスクを押圧す
るための安全ボルト１３を植設したので、万一圧縮空気
の供給ができなくなったときでも動力の伝達が可能であ
るほか、軸１に形成される空気の流路２とその空気が給
排される空隙１０ｃとを、パイプ１０ｄで連結したので
、この部の製造が容易であるなど、製作上或は実用上多
くの実用的効果がある。

本考案は以上の通りであるから、漁船や農業機械その他
の装置の主機関から作業用駆動力を取出すためのクラッ
チとして極めて有用である。

【図面の簡単な説明】第１図は本考案クラッチの一部を縦断した側面図、第２
図は右側面図である。１・・・・・・軸、２・・・・・・空気の流路、３・・
・・・・ロータシール、４・・・・・・ケーシング、５
・・・・・・フリクションディスク、６・・・・・・イ
ンサイドディスク、６ａ・・・・・・インサイドディス
クの数階筒部、７・・・・・・キー、８・・・・・・ア
ウトサイドディスク、８ａ・・・・・・アウトサイドデ
ィスクのピストン部、８ｂ・・・・・・０−リング、９
・・・・・・インサイドディスク、１０・・・・・・シ
リンダーディスク、１０ａ・・・・・・シリンダ一部、
１０ｂ・・・・・・ボルト、１０ｃ・・・・・・シリン
ダ一部の空隙、１０ｄ・・・・・パイプ、１０ｅ・・・
・・・発条の収装孔、１１・・・・・・Ｏリング、１２
・・・・・・発条の支持、１２ａ・・・・・・圧縮発条
、１２ｂ・・・・・・ナツト、１３・・・・・・安全ボ
ルト。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

クラッチの出力軸となる軸の先端に軸受を介して回転自
在に装着されたケーシングと、該ケーシングの内部にそ
れと一体に設けられた円環状のフ」クションディスクと
、前記ケーシング内に於て、前記軸にその数階筒部をキ
ーを介して固定され前記フリクションディスクの前方に
位置するインサイドディスクと、該インサイドディスク
の数階筒部に摺動自在に装着され前記フリクションディ
スクの後方に位置するアウトサイドディスクとから成り
、アウトサイドディスクの前方摺動によって該アウトサ
イドディスクとインサイドディスクとの間にケーシング
のフリクションディスクを圧接挾持し、前記ケーシング
の回転を軸に伝達するようにした摩擦式クラッチに於て
、前記軸に圧縮空気の流路を形成すると共に該軸の後端
にロータシールを設け、また前記アウトサイドディスク
の後面に突出させて、前記インサイドディスクの数階筒
部に気密に遊接するピストン部を前記アウトサイドディ
スクと同一部材で一体形成すると共に該ピストン部を気
密に遊嵌するシリンダ部を前面に形成したシリンダディ
スクを前記軸に破壊して前記インサイドディスクの数階
筒部後端に固定する一方、前記ピストン部の外側で前記
アウトサイドディスクの後面周上に複数の支持軸を後向
きに立設してこれらの支持軸を前記シリンダディスクに
貫設した収装孔に遊嵌し、前記支持軸に発条を嵌装して
前記アウトサイドディスクに常に後方へ向う力を付勢す
ると共に、前記ピストン部の外側でシリンダディスクの
後面周上に、ねじ込まれて前記アウトサイドディスクの
後面に当接され該アウトサイドディスクを前方へ摺動さ
せるボルト杆を複数本植設し、更に、前記軸の圧縮空気
の流路を、前記アウトサイドディスクのピストン部とシ
リンダディスクのシリンダ部間の空隙に、前記流路の先
端部と前記シリンダディスク後面の間に配設したパイプ
を介して連通させたことを特徴とするクラッチ。