JPS6229700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は動力伝達装置に関するものである。

エンジンのフライホイールと、変速機の入力軸
は、フライホイールに圧接され又は離脱されるク
ラツチデイスクを介して動力の伝達、遮断が行な
われ、クラツチデイスクは入力軸にスプライン嵌
されている。

クラツチデイスクは入力軸に対し上記スプライ
ン嵌合によつて摺動自在に形成されているが、初
期には該摺動力は数gr〜10数grの範囲であるのに
対し、長時間使用後にはスプライン部分自体の摩
耗粉及びクラツチデイスクの摩耗粉等がスプライ
ン部分に堆積し、上述の摺動力が数Kgrの単位に
まで増大する場合があり、このときにはクラツチ
デイスクは入力軸に対して摺動不良となり、クラ
ツチ切れ不良を生じる不具合があつた。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、変速機
入力軸に形成したスプラインに嵌合されたクラツ
チデイスク、上記入力軸を外挿するようにクラツ
チケースに設けられ上記クラツチデイスク方向に
突出する筒状部材、同筒状部材外周面に摺動自在
に配設され上記クラツチデイスクを作動可能とす
るレリーズベアリング、上記筒状部材に設けられ
一端に上記スプライン方向に指向した開放端を有
する通路、同通路の他端に連通され上記レリーズ
ベアリングを摺動変位させる気体圧作動式のクラ
ツチ作動装置を具備し、上記クラツチデイスク接
続作動時のみ上記クラツチ作動装置から排出され
た気体が上記通路の開放端から上記スプライン部
分に向けて噴射されるように構成したことを特徴
とする動力伝達装置を要旨とする。

第１図は本考案の一実施例を示す。

２はエンジンのクランク軸４に設けられたフラ
イホイール６と、クラツチ装置８と、変速機１０
の入力軸１２とを有した動力伝達装置である。

入力軸１２は変速機１０のケース１４に枢支さ
れるとともにフライホイール６側に突出した軸部
１６にはスプライン１８が形成され、クラツチ装
置８のクラツチデイスク２０を有するクラツチハ
ブ２２がスプライン嵌合されている。

２４はプレツシヤプレートで、クラツチデイス
ク２０を押圧してフライホイール６との間に摩擦
係合せしめ、又はクラツチデイスク２０に対する
押圧を解除して係合を遮断せしめる。

２６はプレツシヤプレート２４をダイヤフラム
スプリング２８を介して作動せしめるレリーズベ
アリングで、クラツチケース３０から突出形成さ
れた筒状部材３２外周面に摺動自在に配設され、
クラツチケース３０に枢支されたレリーズレバー
３４の一方の端部である係合端３６が係合してい
る。同レリーズレバー３４の他端である作動端３
８には空気圧式のクラツチ作動装置４０の作動ロ
ツド４２が係合している。

クラツチ作動装置４０は、シリンダ４４と、同
シリンダ４４とともに圧力室４６を形成するピス
トン４８と、同ピストン４８に連結された上記作
動ロツド４２と、ピストン４８を圧力室４６側に
押圧するスプリング５０と、エアポンプ５２の吐
出圧を圧力室４６に導通する通路５４に設けられ
たバルブ装置５６を有している。

同バルブ装置５６は通路５８を有したバルブ本
体６０を有しており、同通路５８はバルブ本体６
０を回動することにより通路５４を開作動し、又
は圧力室４６と排出通路６２を連通するよう形成
されている。

排出通路６２は、クラツチケース３０の筒状部
材３２内に一体に形成されたパイプ６４に連通
し、同パイプ６４の開放端６６は入力軸１２のス
プライン１８方向に指向している。

６８は、クラツチケース３０の下方に配置され
た磁石である。

上記構成による本実施例の作動について以下説
明する。

クラツチ作動装置４０のバルブ装置５６を、図
示位置に保持すると、圧力室４６の圧力は通路５
８、排出通路６２、パイプ６４から大気中に放出
され、ピストン４８はスプリング５０の押圧力に
よつて図示の如く左端位置に保持され、レリーズ
レバー３４によりクラツチ装置８は接続作動され
ている。バルブ装置５６を図中矢印に示すように
反時計回方向に回動して通路５８を、通路５４開
作動すると、圧力室４６にはエアポンプ５２の吐
出圧が供給され、ピストン４８を図中右方向に押
圧し、レリーズベアリング２６を図中左方向に押
圧し、ダイヤフラムスプリング２８を介してプレ
ツシヤプレート２４を図中右方向に押圧してクラ
ツチ装置を遮断せしめる。

この後、さらにバルブ装置５６を図中矢印に逆
つて回動して図示位置に保持すると、圧力室４６
の空気圧は通路５８、排出通路６２、パイプ６４
を介しスプライン１８部分に放出される。このと
き、該空気圧によつてスプライン１８に溜つてい
たスプライン１８自体の摩耗粉、及びクラツチデ
イスク２０又はプレツシヤプレート２４等の摩耗
粉を吹き飛ばして該スプライン１８への堆積を防
止し、該摩耗粉は磁石６８に吸引付着される。

従つて本実施例によれば、クラツチ装置８のス
プライン１８にスプライン１８自体の摩耗粉又は
クラツチデイスク２０の摩耗粉等が堆積せず、ス
プライン１８部分における摺動抵抗を低減し、ク
ラツチ切れ不良、ひきずり等の不具合を解消する
効果を奏する。

上記パイプ６４には、クラツチ作動装置４０の
圧力室４６から大気中へ放出される空気を供給し
たが、バキユームポンプの吐出圧又はエンジン排
気ガスの一部等を供給しても同様の作用効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す概略説明図で
ある。 ２：動力伝達装置、８：クラツチ装置、１０：
変速機、１２：入力軸、１８：スプライン、２
０：クラツチデイスク、４０：クラツチ作動装
置、４６：圧力室、６４：パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 変速機入力軸に形成したスプラインに嵌合され
   たクラツチデイスク、上記入力軸を外挿するよう
   にクラツチケースに設けられ上記クラツチデイス
   ク方向に突出する筒状部材、同筒状部材外周面に
   摺動自在に配設され上記クラツチデイスクを作動
   可能とするレリーズベアリング、上記筒状部材に
   設けられ一端に上記スプライン方向に指向した開
   放端を有する通路、同通路の他端に連通され上記
   レリーズベアリングを摺動変位させる気体圧作動
   式のクラツチ作動装置を具備し、上記クラツチデ
   イスク接続作動時のみ上記クラツチ作動装置から
   排出された気体が上記通路の開放端から上記スプ
   ライン部分に向けて噴射されるように構成したこ
   とを特徴とする動力伝達装置。