JPS5824630Y2 - 自動二輪車のフレ−ム構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車の主にヘッドパイプ周囲を接合する
フレーム構造に関する。

更に詳細には、左右一対の半割部材からなる補強体と、
同様のフレーム本体とからなり、補強体をフレーム本体
でカシメ付け、且つ本体と補強体間に貫通するエンジン
取付用カラー又はナツトを設け、これらの接合部をろう
材を介して同時にろう付接合し、自動二輪車のフレーム
の接合作業の簡略化、量産性の向上、コストダウン等を
図った自動二輪車のフレーム構造に関する。

自動二輪車のヘッドパイプ周囲の接合構造は従来では第
３図の如く行われている。

第３図はヘッドパイプ周囲の側面図を、第４図は第３図
４−４線断面図を示し、フレーム１の前端に設けられる
ヘッドパイプ２はフレーム本体を構成する左右の半体３
，３間に挟着接合される。

半体３，３の向い合う上下端縁には接合フランジ部３ａ
、 ３ｂ・・・が一体に形成され、この部分を突き合
せて合掌せしめ、接合端縁をＴＩＧ溶接４によす接合し
、ヘッドパイプ２にかかる部分のフレーム本体上下には
凹型のパッチ５，５をブリッジの如く架は渡し、両端を
夫々ＭＩＧ溶接６により半体３，３に接合して補強する
。

そして半体３゜３のヘッドパイプ２後方内側には板状の
パッチ７゜７を夫々スポット溶接８により接合し、パッ
チ７゜１の内側面にプロジェクション溶接１０でエンジ
ンハンガー用カラー又はナツト９・・・を接合している
。

以上の従来構造は、部品をＭＩＧ、ＴＩＧ、スポット、
プロジェクション等の多くの溶接工程で溶接しなければ
ならず、溶接工数、工程数が多く。

量産を図る上で最良とはいえず、コストも必然的に高く
ならざるを得ない。

又上記各部品の溶接時には位置決め治具を必要とし、こ
の点でも余分な治具、余分な作業を要し１作業能率の点
で好ましくなく、更には多くの溶接設備を必要とする。

本考案者等は以上の如き従来構造の問題点を解決すべく
本考案をなしたものである。

本考案の目的は、自動二輪車のヘッドパイプ周囲の構造
において、フレーム本体の左右分割半体内に左右の分割
半休よりなる補強体を介装し、これの接合部をフレーム
本体の分割半休のカシメ付けにより仮付し、更に内・外
の半体間にエンジン取付用カラー又はナツトを嵌挿し、
各接合部にろう材をセットし、各部品を同時にろう付す
るようにした自動二輪車のフレーム構造を提供し、従っ
て多くの溶接工程を全熱必要とせず、工程の大幅な簡易
化、量産化、コストダウン、位置決め治具等を不要とす
る等の多くの利点を有する自動二輪車のフレーム構造を
得せしめるにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図はフレームのヘッドパイプ周囲の側面図を、第２
図は第１図２−２線断面図を示す。

１０は自動二輪車のフレームで、フレーム１０の前端部
にはヘッドパイプ１２が縦設される。

フレーム本体１１は第２図で明らかな如く左右に分割さ
れた夫々に外方に膨出した半休１３．１４よりなり、夫
々の上下には接合フランジ部１３ａ。

１３ａ、１４ａ、１４ａを備え、且つ上下方向の中間部
の一部には膨出段部１３ｂ、１４ｂを備え。

夫々の半休１３．１４は鋼板素材のプレス成形で一体成
形されている。

一方の半体１４のフランジ部１４ａは他方に比しこれに
かぶさるように延長して形成されている。

かかるフレーム本体１１をなす半休１３．１４内のヘッ
ドパイプ１２の周囲の部分の内側には補強体１５が介装
される。

補強体１５は左右の分割された半休１６．１７よりなり
、夫々１６．１７は上記半休１３．１４に略々倣った断
面形状をなし、上下端に接合フランジ部１６ａ、１６ａ
。

１７ａ 、 １７ａを備えるとともに、中間部の一部に
前記膨出段部１３ｂ、１４ｂと内側から嵌合する膨出段
部１６ｂ、１７ｂを備え、半休１６゜１７の夫々は鋼板
素材のプレス成形品よりなる。

以上において、内・外の半休１６．１７，１３゜１４の
膨出段部１６ｂと１３ｂ及び１７ｂと１４ｂを合せ、予
じめこの部分の夫々に形成した取付孔を介してエンジン
取付用段付カラー又はナツト１８・・・を押通し、軸方
向に加圧してカラー又はナツト１８・・・を段部１６ｂ
と１３ｂ及び１７ｂと１４ｂにカシメ付ける。

これによりカラー又はナツト１８の位置決めと段部１６
ｂと１３ｂ及び１７ｂと１４ｂの仮組付がなされる。

そして内側の半休１６．１７の上下のフランジ部１６ａ
。

１７ａ・・・を突き合せて合掌せしめ、これの端部の外
側に外側の半休１３．１４の上下のフランジ部１３ａ、
１４ａを当て、延長部１４ａを他方１３ａ側に折曲し、
カシメ付け１４Ｃする。

これにより内外の半休１６．１７，１３．１４の各フラ
ンジ部１６ａ、１７ａ、１３ａ、１４ａは仮組付される
。

爾後、或は事前にこのフランジ部１６ａ、１７ａ、１３
ａ、１４ａ、段部１３ｂ。

１６ｂ、１４ｂ、１７ｂ、カラー１８周の各接合部にろ
う材をセットし、ろう付炉中に投入し、各接合部を同時
に炉中ろう付１９する。

以上により第２図で示される如き断面のフレームを得る
。

以上で明らかな如く本考案によれば、多くの溶接工程を
経ることなく一回のろう付工程でフレームのヘッドパイ
プ周囲に必要な部材の夫々を同時に接合でき、工数、工
程の大幅な簡略化が図れ。

省力化、作業性向上、量産性向上に資する処頗る犬であ
る。

又カシメ付は採用により仮組付精度維持が容易で１位置
決め治具を必要とせず、これの作業を必要とせず、上記
を一層向上せしめ得る。

更に補強体を内装したためパッチ等が外部に表れること
がなく、且つ溶接ビードもなく、外観性は極めて良好で
、更に補強体の内蔵、一体化により補強効果が向上し、
更に又カシメフランジ、ろう付による疲労強度の向上と
相俟って材料の薄肉軽量化を図ることかできる等実用性
に富む。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図はフレー
ムヘッドパイプ周りの側面図、第２図は第１図２−２線
断面図、第３図は従来構造の側面図、第４図は第３図４
−４線断面図である。 尚図面中１１はフレーム本体、１３．１４はこれの分割
部材、１４Ｃはカシメ付は部、１５は補強体、１６．１
７はこれの分割部材、１６ａ。 １７ａはフランジ部、１８はカラー又はナツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 薄板部材で形成した左右一対の接合フランジ付半割部材
   を接合した補強体と、該補強体の外側に、左右一対の半
   割部材で、一方を延長して前記補強体の合掌接合部を挾
   んでカシメ付けるようにしたフレーム本体と、該フレー
   ム本体と上記補強体の両部材を重ね合わせて当該両部材
   間を貫通する如く設けられたエンジン取付用カラー又は
   ナツトとからなり、カシメ付は部、補強体の接合部、補
   強体とフレーム本体、カラー又はナツトとフレーム本体
   、補強体との接合部の夫々をろう材を介して同時にろう
   付接合したことを特徴とする自動二輪車のフレーム構造
   。