JPS582456Y2 - エア−レス塗装機におけるポンプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンプレッサを装備しない所謂、エアーレス塗
装機におけるポンプ装置の改良構造に関するもので、塗
料の種類、すなわち油性、水性を問うことなく両者とも
良好に噴霧可能とし、その塗装効果を向上することを目
的とするものである。

一般にこの種塗装機は第１図示のように本体１に収納し
たソレノイドコイル２にアマチュア３を連結し、本体１
と一体に伸長垂下したグリップ４にスイッチ５を突設し
て上記コイル２に交流電圧を印加することにより上記ア
マチュア３を往復動作可能とするとともに本体１と一体
に、且つグリップ４と直交方向に伸長するハウジング６
にシリンダ７をビス８にて螺着固定し、本体１からハウ
ジング６の長さ方向にピストン９を上記アマチュア３に
係合してシリンダ６に貫挿支持し、シリンダ７とピスト
ン９とにバネ１０を弾設することによりピストン９をバ
ネ１０の弾性作用で上記アマチュア３と共動して上記シ
リンダ７内で往復動作可能とし、更に本体１に蓋体１１
を一体に成型して液体塗料を収納する容器１２を螺着吊
設するとともに上記シリンダ７から容器１２へ連絡する
吸入口１３と排出口１４とを形成し、且つ上記ハウ、ジ
ング６の自由端部に弁作用をするバルブコーン１５を中
介してノズル１６を螺着することにより上記ソレノイド
コイル２とバネ１０とによる上記アマチュア３とピスト
ン９との往復運動によって容器１２から塗料をシリンダ
７内に吸引し、ノズル１６から周知のように噴霧するよ
う構成している。

ところで、上記在来装置にあっては、ピストン９が復側
位置、すなわち後退位置に移動したときにはバルブコー
ン１５が弁作用によりシリンダ７の軸線方向での先端開
口部分を閉塞し、これに伴うシリンダ７内での負圧作用
によって容器１２内の塗料を吸入口１３を介して上記シ
リンダ７内に吸引するとともにピストン９が往側位置、
すなわち前進位置に移動したときにはシリンダ７内の正
圧作用によりバルブコーン１５を開放し、ノズル１６か
ら塗料が吐出され、上記動作が普通毎分５００〜６００
回の速度で繰り返えされることにより塗装作業が行われ
るものであるが、ビスＩ・ン９とシリンダ７とは上記負
圧、正圧作用と密接な関係にあるためピストン９とシリ
ンダ７とは一定の間隙を介在して係合されており、この
ため、水性塗料のように粒子の粗いものを使用した場合
には、上記間隙に塗料が目詰まりし、次第に塗料の吸引
・吐出効果を阻害し、ついにはピストン９とシリンダ７
とが固着し、動作不能の事態が発生してしまい、従って
もっばら粒子の細い油性塗料のために使用されており、
水性塗料の普及とともに甚だ不便であり、且つ不経済で
あるという問題がある。

ここで、ピストン９とシリンダ７との保合面積を少なく
するとともに吸入口１３と排出口１４との距離を短かく
してシリンダ７内での吸引吐出残液をピストン９の往復
運動に伴って上記排出口１４より容器１２内への帰環を
促進してピストン９とシリンダ７との間隙に上記塗料残
液の固着を防止することが考えられるが、吸入口１３と
排出口１４とを近づけると両日１３．１４が一種の短絡
状態となってシリンダ７内で゛のピストン９の移動によ
る負圧作用が低下して塗料の吸引効果を阻害し、従って
正圧作用による吐出効果を低下させるという問題があり
、またシリンダ７のピストン９に対する軸受効果が低下
して安定なポンプ作用をも阻害してしまうという問題が
ある。

本考案は上記在来装置の諸問題を解決し、油性塗料はも
ちろんのこと、水性塗料をも良好に噴霧可能としたもの
で以下添付第２図・第３図に基づいて本考案の実施例を
詳述する。

第２図において、７はシリンダ、１３はシリンダ７の前
部下側に形成され、且つ塗料の収納容器１２と連絡する
吸入口、１４はシリンダ７の後部下側に形成されて上記
容器１２に連絡する排出口、９はピストン、１７はピス
トン９の前部に、ピストン９の前進・後退の各々の移動
位置で上記吸入口１３を交互に閉塞し、開放するよう形
成した径大部分、１８はピストン９の後部に、ピストン
９の上記前進・後退位置とも上記排出口１４を常時開放
するよう形成した径大部分、１９はピストン９の上記シ
リンダ７内での運動範囲にある基部に上記径小部分１８
と隣接して形成した上記径大部分１７とほぼ同径の部分
を各示す。

上記構成においてその作動を説明する。

ピストン９が第２図実線位置に後退移動したときにはピ
ストン９の前部に形成した径大部分１７がシリンダ７下
部の吸入口１３を開放するため、容器１２の塗料が吸入
口１３を通ってシリンダ７内に導入され、ついでピスト
ン９が同図破線位置に前進移動して上記塗料が第１図示
のバルブコーン１５の弁作用によりノズル１６から吐出
される。

このとき、シリンダ７下部の排出口１４はピストン９の
後部に形成した径小部分１８によりピストン９の往復運
動に関係なく開放状態にあるが、上記ピストン９の径大
部分１７によってシリンダ７の吸入口１３と排出口１４
とほぼ気密状態を保持することができ、ピストン９の上
記運動に伴うシリンダ７内の負圧・正圧作用が良好に行
われ、この結果塗料の吸引・吐出が円滑に行われる。

ところで、シリンダ７内での塗料の吸引・吐出残液はピ
ストン９の往復運動に伴ってピストン９の径大部分１７
とシリンダ７の内壁とに一定のクリアランスを保有して
形成した間隙に侵入し、上記目詰まり現象を誘発する傾
向を呈すが、上記ピストン９の径小部分１８はシリンダ
７の排出口１４を常時開放状態に保持するため、少なく
とも上記径小部分１８はピストン９の往復運動に伴って
シリンダ７の内壁との間に拡大された流路を形成し、上
記間隙に侵入した残液はピストン９の上記繰り返えし運
動により排出口１４に掻き集められて案内され、従って
ピストン９とシリンダ７との係合間隙への塗料残液の固
着を良好に防止し、粒子の粗い水性塗料をも安定に噴霧
することができる。

また、ピストン９の基部を前部の径大部分１７と同径な
部分１９として形成することによりピストン９のシリン
ダ７内での軸受効果を低下させることがなく、且つ上記
径小部分１７からの上記残液がピストン９の基部へ回わ
り込んでその後方に位置する機構部分への漏洩侵入をも
確実に防止することができる。

また、第３図においてはピストン９の前部径大部分１７
の後側に他の径小部分２０を隣接形威し、ピストン９の
後部径小部分１８の前側に他の径大部分２１を隣接形成
することによりピストン９の外壁とシリンダ７の内壁と
に拡大された間隙での流路を二重に区画して形成するこ
とによって上記残液の排出作用を一層助長するよう構成
している。

以上詳述したように本考案は、ピストン９の前部を径大
部分１７に形成し、後部を径小部分１８に形成するとと
もに、上記径大部分１７はシリンダ７に形成した吸入口
１３との関係において、ピストン９の前進移動に伴って
吸入口１３を閉塞し、ピストン９の後退移動に伴って上
記吸入口１３を開放するように形成することにより上記
ピストン９の往復運動に基づくシリンダ７内での負圧・
正圧作用を向上して塗料の吸引・吐出によるポンプ運動
を円滑にすることができ、また、ピストン９の上記運動
に伴って上記径小部分１８とシリンダ７の内壁との間に
残液の排出流路が形成され、上記径小部分１８で常時開
放されている排出口１４に上記残液を間断なく導入し、
従って上記ピストン９の径大部分１７とシリンダ７の内
壁との間隙への上記残液の目詰まりをピストン９の往復
運動に伴う上記流路による洗浄効果によって確実に防止
し、上記ポンプ運動を円滑に保持することができ、しか
もピストン９の基部を上記径小部分１８と隣接して上記
径大部分１７と同径な部分１９に形成することによりピ
ストン９をシリンダ７内で良好に軸受することができ、
従って、これらの機能を効果的に作用させることにより
油性塗料に比較してその粒子が粗い水性塗料をも自由に
選択して使用することができる。

また、この場合ピストン９の上記径大部分１７に隣接し
てその後側に他の径小部分２０を、上記径小部分１８に
隣接してその前側に他の径大部分２１を形成することに
よりシリンダ７との間に二重の流路を形成し、ピストン
９とシリンダ７との塗料の吸引・吐出効果を阻害するこ
となくその残液を良好に排出して上記ポンプ運動を一層
円滑にすることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は在来装置の一部を断面にした側面図、第２図は
本考案の一実施例を示す要部の拡大断面図、第３図は本
考案の他実施例を示す要部の拡大断面図。 シリンダ・・・・・・７、ピストン・・・・・・９、容
器・・・・・・１２、吸入口・・・・・・１３、排出口
・・・・・・１４、径大部分・・・・・・１７，２１．
径小部分・・・・・・１８，２０゜

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ピストンを駆動手段によりシリンダ内で往復運動
   させ、ピストンの上記運動によってシリンダ内に液体塗
   料を吸引してシリンダ外に吐出噴霧するようにしたもの
   において、シリンダの前部下側には上記塗料が収納され
   る容器に連絡する吸入口を、またシリンダの後部下側に
   は上記吐出塗料の残液が上記容器に帰還される排出口と
   を各々形成するとともに、ピストンの前部にはピストン
   の前進・後退の各々の運動位置で上記吸入口を閉塞し、
   開放する径大部分を、ピストンの後部にはピストンの上
   記前進・後退移動位置ともに上記排出口を常時開放する
   径小部分を形成し、且つピストンの上記シリンダ内での
   運動範囲にある基部は上記径小部分と隣接して上記径大
   部分とほぼ同径に形成したエアーレス塗装機におけるポ
   ンプ装置。
2. （２）上記シリンダの内部で、上記吸入口と排出口とを
   結ぶ最短距離の間に位置し、上記径大部分に隣設して他
   の径小部分を、上記径小部分に隣設して他の径大部分を
   形成した登録請求の範囲第１項記載のエアーレス塗装機
   におけるポンプ装置。