JPS5824568B2 - 複合注入工法およびこれに用いる注入管 - Google Patents

複合注入工法およびこれに用いる注入管

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JPS5824568B2
JPS5824568B2 JP54172074A JP17207479A JPS5824568B2 JP S5824568 B2 JPS5824568 B2 JP S5824568B2 JP 54172074 A JP54172074 A JP 54172074A JP 17207479 A JP17207479 A JP 17207479A JP S5824568 B2 JPS5824568 B2 JP S5824568B2
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ground
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は二重管の軸方向に異なる位置に開口した複数の
吐出口からゲル化時間(セメント等の固結時間も含む)
の異なるグラウトを吐出して地盤を改良する複合注入工
法に拘わるものである。
軟弱地盤は通常、粗粒土層と細粒土層とが互層になって
形成された軟弱な地盤であるが、これは該地盤内にグラ
ウトを注入して均質に固結することが必要である。
又、最近の建設工事における環境保全、水質保全の問題
から、注入した水ガラスグラウトが注入範囲外へ逸脱す
ることなく注入した地点で確実に固結する事が公害防止
の点から望まれている。
前述の欠点を改良するために本出願人は先願として地盤
中に多重管からなる注入管を挿入し、この注入管を通じ
て浸透性の異なる複数のグラウトを地盤中に注入する注
入工法を提示したが、本発明は上記発明においてパッカ
ー効果にすぐれかつゲル化時間の異なるグラウトの切り
換えを簡便に行う事を可能ならしめる方法に関するもの
である。
即ち、本発明者は注入工法の原理からみて、ゲル化時間
の長いグラウトの注入こそ土粒子間浸透を可能ならしめ
均質浸透、低圧注入固結体同志の連続性、地盤隆起の防
止を可能ならしめる事に着目し、この現象を不均質地盤
において実現するためには上部から瞬結性グラウトを吐
出してパッカーを形成し、下部から浸透性グラウトを注
入して逸脱せしめる事なく土粒子間浸透をはかる事に想
到し、これを簡便に行う方法を発明したものである。
軟弱地盤の固結法として、従来、次の方法が公知である
(1) ロンド注入工法 この方法はグラウトとして無機物質系反応剤の水溶液あ
るいはセメント物質を含む懸濁液(A液)と、水ガラス
水溶液(B液)とを用い、これらをY字管を用いて合流
させながら地盤中に圧入する方法であり、工程が非常に
簡便で優れた方法であるが、次の欠点を有している。
すなわち、ポーリング爾ツドと地盤との間にすき間が生
じ、このすき間からグラウトが地表面に噴出してしまい
、このため、細粒土層部分へのグラウトの浸透が困難と
なり、また、この噴出を防ぐためにグラウトのゲル化時
間を速めれば、グラウトは速やかにゲル化してしまい、
やはり浸透しにくいという欠点を有していた。
(2)二重管注入工法 これはA液として水ガラスを、B液としてゲル化反応剤
を用いて、地盤中に設置された二重管の先端部で合流し
て短いゲル化時間で固結する配合のグラウトを注入する
方法である。
これによれば、ゲル化時間が短いため、ロンド周辺にそ
ってグラウトが地上部に噴出することは防止出来るがゲ
ル化時間が短いため、粗い層を脈状にしか固結しえず、
土粒子間に浸透させる事は出来ず土粒子を移動させてゲ
ルを圧入させる事になる。
このため地盤隆起を生じたり、固結体同志の連続性をえ
られないため掘削に当って湧水あるいは土砂の崩壊等が
生じやすい。
(3)−ショット注入工法 この方法は、エステル等を反応剤として用いる溶液型水
ガラス工法であり、ゲル化時間を非常に長く定めること
ができる。
したがって、この方法では前述のような合流操作を必要
とせず、水ガラスおよび反応剤をあらかじめ正確に配合
しておき、これをいわゆるワンショット方式で注入でき
、しかも溶液型薬液であるので細粒土層にまで均質に注
入可能である。
しかしながら、この方法では、グラウトのゲル化時間が
長いので、浸透性が良い反面、地盤の大きな空隙や粗粒
土層部分が存在すると、注入したグラウトがその部分に
集中する可能性がある。
このため、実際には、注入管の側壁に深度方向に数十セ
ンチごとに吐出口を設け、その上をゴムスリーブでおお
った注入管をあらかじめ削孔した孔中に設置してのち、
内管を挿入して、セメントグラウト等を一次注入してか
ら、浸透性のよいグラウトを二次注入するといった数工
程をもって地盤を改良する方法が用いられている。
本発明はこのような複雑な粗粒土層および細粒1土層を
簡便に一工程でくまなく固結して全体的に一体化された
、均質で、止水の完全な、しかも高強度な固結地盤を形
成する軟弱地盤の固結法を提供することにある。
上記従来の注入工法との関連のもとに本発明の詳細な説
明すると以下のようである。
ただし、一本発明において瞬結性グラウトとは固結時間
が30秒以内のグラウトであり、浸透性グラウトとは適
用した瞬結性グラウトの固結時間よりも長い固結時間を
有するグラウトを云う。
ゲル化時間が短いのがよいか、長いのがよいかは常に論
議の対象となってきた。
しかしはっきりいえることは、注入管まわりからの逸脱
を防ぐためにはゲル化時間を短くした方がよいが、そう
すると地盤への浸透は脈状が主体となってしまう。
このため固結の連続性かえられない。
実際に、注入工事における失敗、掘削時の崩壊事故の殆
んどは、部分的には十分固結していながら、固結の不連
続部分からの湧水の発生、土砂の噴出、次いで全体的崩
壊に至るものである。
一方、土粒子間浸透を行なうためにはゲル化時間が長い
方がよいが、そうすると注入管まわりの空隙から逸脱し
やすくなる。
このような相反する施工上の要素を一つのグラウトで同
時に満足させようとすると無理が生じやすい。
したがって、ゲル化時間の短いグラウトには、注入管ま
わりの空隙を填充してパッカーを形成する機能を受けも
たせ、ゲル化時間の長いグラウトには土粒子間浸透によ
る固結という機能を分担させれば、無理のない注入が可
能になる。
地盤注入工法の本質は、土の骨格構造をこわすことなく
グラウトを粒子間浸透せしめ、間隙水とおきかえて固結
させることにあり、このようなグラウトの浸透と固結は
地中における均質な固結、固結体同志の連続性、低圧注
入による地盤の変状防止を可能ならしめる。
このような注入工法の本質は本発明で簡便に実現が可能
である。
即ち、多重管を用いゲル化時間が30秒以内の瞬結性グ
ラウトでパッカー機能を形成せしめたあとでゲル化時間
の長いグラウトを注入すると浸透性のよいグラウトはゲ
ル化時間が長いにもか\わらず注入管まわりがシールさ
れ、かつ適切な吐出量で注入されるかぎり、グラウトの
浸透断面は注入口を中心とした球面全体となり、大きな
浸透面積でゆるやかに球状の浸透がなされるから、注入
量に相当した固結体が注入口を中心として形成され逸脱
の心配なく対象範囲を計画通り固結しつる。
かつ、このような粒子間浸透を基本にして注入が行なわ
れる限り、注入管を中心とする固結体同志の連続性は保
持されやすく、かつ低圧で注入出来るため周辺構造物の
変状や地盤の変状を防ぐことができる。
以上の工程を一工程で連続的に行うために本発明では注
入工程中の任意の時点で注入液をポーリング水に切りか
えて注入管末端部より吐出して削孔しうる注入管であっ
て複数のグラウトが吐出される吐出口の位置が異った深
さの個所に位置する二重管を用いて上部の吐出口から瞬
結グラウトを地盤中に注入して注入管まわりの空隙を填
充し、かつ弱い層、大きな空隙の層にも瞬結グラウトを
圧入して大きな空間を填充すると共に弱い層を圧密強化
して注入領域を拘束化した上で下部の吐出口から浸透性
グラウトを注入して浸透性グラウトが注入対象範囲外へ
逸脱することなく、所定の深度において細粒土間(ども
粒子間浸透を行わせしめたものである。
通常ゲル化時間の長いグラウトを地盤中に注入した場合
注入抵抗の少ない上方の地表面の方向に注入液は逸脱し
ていく傾向を有するが本発明では上部の吐出口からの瞬
結グラウトにより上部の層に瞬結グラウトによる固結層
が形成される傾向があるためゲル化時間の長いグラウト
は上部に逸脱する事なく所定の深度に浸透固結する事が
可能になる。
しかも本発明に用いる注入管は薬液にきりかえてポーリ
ング水を二重管内の一つの管路のみから送る事”によっ
てバルブの作動で注入管最下端より吐出せしめる事が出
来るため注入ステージを上から下へと整向して瞬結性グ
ラウトの注入→浸透性グラウトの注入→ポーリング水を
吐出して下方ステージへ注入管の整向→くりかえし、が
可能になるため簡便に効果的な注入を行う事が出来る。
勿論、注入すべき計画深度の最下部までポーリングして
のち上部に注入ステージを整向しなから瞬結性グラウト
の注入→浸透性グラウトの注入→上方へのステージの整
向→くりかえし、も可能である。
もし、削孔後注入管末端部が閉束されてしまったままで
側面のみからしか吐出されない場合は注入工程中にポー
リングして削孔する事が出来ず、上;から下への注入ス
テージの整向は不可能になる。
以上を第1図にて説明すると注入管Aを地盤中に設置し
て上部の吐出口Bより浸透性の悪いグラウトを注入する
と、グラウl−Dは注入管まわりの空隙を填充し、かつ
弱い層に圧入され注入対象領域を拘束状態にしかつ脈状
を主体にして弱い層を圧密強化する。
(第1図a)(これだけでは水密性は得られず又、地盤
全体の強化も不充分なため掘削時に湧水崩壊が生じやす
い。
)次いで下部の吐出口Cより、浸透性グラウトEを注入
すると注入管まわりと特に上部の粗い層や弱い層が浸透
性の悪いグラウトで填充されているので浸透性の良いグ
ラウトは地表面の方向に逸脱する事を阻害され所定深度
で固化され更に浸透性の悪いグラウトが浸透しきれなか
った細粒土間にも粒子間浸透して地盤強化のみならず水
密性の付与も可能にする。
(第1図b) 更にステージを上げて以上をくりかえして地盤全体を完
全に改良する事が出来る。
(第1図C9d)ここにいうグラウトの例は以下の通り
である。
■ セメントや粘土を有効成分とする懸濁型グラウト ■ セメント、水ガラスグラウトのように懸濁物を含み
、かつ液全体がゲル化するグラウト■ 懸濁物を含まな
い溶液性水ガラスグラウト浸透性の悪いグラウトとして
30秒以内のゲル化時間は注入管と地盤の間の空隙に効
果的なゲルの膜をつくってシールするために重要である
これによってその後に長いゲル化時間の注入液を注入す
る場合、注入液が注入管をつたわって地上部に噴出する
のを防ぐ事が出来るのみならず、注入液の吐出口の位置
のゲルの膜が破れて長いゲル化時間の注入液がそのステ
ージの部分の土層に浸透する事が出来る。
しかも30秒以内のゲル化時間の配合液はロンド注入に
おけるロンド上端部のY字管から合流した場合はロンド
中につまってしまって注入不能になるが、本発明におけ
る二重管を用いてその先端部で合流すれば、このように
ゲル化時間の短いグラウトの適用が可能である。
このグラウトのゲル化時間が1分以上になると、グラウ
トは注入管周辺から地上部に噴出してしまい、密実なゲ
ル膜のシールを注入管口りにつくる事は出来ないため、
その後にゲル化時間の長いグラウトを注入すると、注入
管口りから地表面に噴出したりして所定の深度における
注入が不可能になる。
本発明において通常用いられる水ガラスグラウトの反応
剤とは下記の例に示すように、酸(無機酸、有機酸等)
、塩(無機塩、有機塩、塩基性塩。
中性塩、酸性塩等)エステル類、アルデヒド類。
アミド類、アルコール類、石灰のようなアルカリ類等、
任意のものを用いる事が出来る。
〔反応剤〕
エステル類: 酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸アミル類の
ような1価アルコールの脂肪酸エステル。
エチレングリコールジ酢酸エステル、クリセリントリ酢
酸エステル、コハク酸ジエステルのような多価アルコー
ルの脂肪酸エステル。
(全エステル)δ−ブチルラクトン、ε−カプロラクト
ンのような分子内エステル。
(環状エステル:ラクトン類)エチレングリコールモノ
ギ酸エステル、エチレングリコールモノ酢酸エステル、
エチレングリコールモノプロピオン酸エステル、グリセ
リンモノギ酸エステル、グリセリンモノ酢酸エステル、
グリセリンモノプロピオン酸エステル、グリセリンジギ
酸エステル、グリセリンジ酢酸エステル、ソルビトール
モノギ酸エステル、ソルビトールモノ酢酸エステル、グ
リコール酸モノ酢酸エステル、低重合度部分ケン価酢酸
ビニル等のような多価アルコール部分エステル。
炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレ
ン(プロピレンカーボネート)、グリセリンカーボネー
ト等の環状カーボネートのようなカーボネート類。
アルデヒド類: グリオキザール、コハク酸ジアルデヒド、マロンジアル
デヒド、スクシンアルデヒド、グルタルジアルデヒド、
フルフラールジアルデヒド等のジアルデヒド類。
アミド類: ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、
ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ブチルアミ
ド、アクリルアミド、マロンジアミド、ピロリドン、カ
プロラクタム等。
アルコール類: エチルアルコール、メチルアルコール、アミルアルコー
ル、グリセリン、ポリビニルアルコール等、1価、多価
のアルコール、あるいは合成高分子アルコール。
酸類: 硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、マロン酸
、コハク酸、マレイン酸、酒石酸等の有機酸。
無機塩:(酸性塩、中性塩、塩基性塩など)塩化カルシ
ウム、塩化ナトIJウム、塩化マグネシウム、塩化カリ
、塩化アルミニウムなどの塩化物、硫酸カルシウム、硫
酸ナトリウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩、アルミ
ン酸ソーダ、アルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩、
塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどの
塩酸塩、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、過塩素酸
ナトリウム、過塩素酸カリウムなどの塩素酸塩、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸ナ
トリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウムなどの
炭酸塩、重硫酸ナトリウム、重硫酸カリウム、重硫酸ア
ンモニウムなどの重硫酸塩、重亜硫酸ナトリウム、重亜
硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウムなどの重亜硫酸塩
、ケイフッ化ナトリウム、ケイフッ化カリウムなどのケ
イフッ酸塩、珪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土金属塩
、アルミニウム塩等の珪酸塩、ホウ酸ナトリウム、ホウ
酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどのホウ酸塩、リン
酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ア
ンモニウムなどのリン酸水素塩、ピロ硫酸ナトリウム、
ピロ硫酸カリウム、ピロ硫酸アンモニウムなどのピロ硫
酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピ
ロリン酸アンモニウムなどのピロリン酸塩、重クロム酸
ナトリウム、重クロム酸カリウム、重クロム酸アンモニ
ウムなどの重クロム酸塩、過マンガン酸カリ、過マンガ
ン酸ナトリウムなどの過マンガン酸塩等。
生石灰、アルミナ、酸化鉄、酸化マグネシウム、等の金
属酸化物、スラグ、フライアッシュ、カルシウムシリケ
ート、セメント、粘土等のCa、A7゜Mg塩。
有機塩: 酢酸ソーダ、コハク酸ソーダ、ギ酸カリ、ギ酸ソーダ等
懸濁性反応剤は、アルミナ、酸化鉄、酸化マグネシウム
等のようにアルミニウム、鉄、マグネシウムの酸化物、
スラグ、フライアッシュ、カルシウムシリケート、セメ
ント、等のように珪酸のCa、Al、Mg塩等、それ自
体は溶解性はなく、溶液中で懸濁液を形成するが、遊離
のCa 、Al! 、 Fe等が水ガラス中のケイ酸と
反応するものである。
水ガラスとしてはモル比(SiO□/M20):1.5
〜5.0液状水ガラス、無水水ガラス、和水水ガラス、
結晶性水ガラス等を含めた任意のモル比の珪酸のアルカ
リ金属塩、或は珪酸のアルカリ金属塩と珪酸の混合物を
いう。
又水ガラスグラウトとしてはアルカリ領域、中性領域、
酸性領域等、いかなるpH領域のものも用いることが出
来る。
本発明における二重管並びに工法は以下の通りである。
又、本発明において通常用いられる瞬結性水ガラスグラ
ウトあるいは浸透性水ガラスグラウトにおける瞬結用反
応剤配合液、および浸透用反応剤配合液は、反応剤の種
類ないしは反応剤そのものは同じであって濃度を変える
事により定められる。
たとえば、無機塩や無機酸の反応剤は瞬結用反応剤配合
液に適しているしエステルやグリオキザール等は浸透用
配合液に適しているが、たとえば水ガラス濃度をうずく
し、かつ無機反応剤の濃度をうずくして用いる事により
浸透性水ガラスグラウトとして用いる事も出来るし、有
機反応剤に無機反応剤を併用して瞬結性水ガラスグラウ
トに用いる事も出来る。
又酸性水ガラス水溶液に対しては水ガラスやアルカリ性
基セメント含有配合液やその他アルカリ反応剤としで作
用し、濃度が濃ければ瞬結用反応剤配合液ともなり、う
すければ浸透用反応剤配合液ともなる。
従って本発明においてはこれらも反応剤として含まれる
ものとする。
本発明において用いる二重管は浸透性の異なるグラウト
が注入管の軸方向に異なった位置にある吐出口から吐出
される構造を有する注入管を用いるが、実際の施工にお
いては浸透性の異なるグラウトをいかに簡便にきりかえ
る事が出来るか否か又注入工程の任意の時点で注入材を
ポーリング水に切りかえて、削孔する事によって上方の
みならず下方にもステージを移向して注入をくり返す事
が出来るか否かがその実用上必要になる。
従来公知の注入用二重管を用いる注入工法はまず二重管
の下端から送水して削孔し、次いで下端部への吐出口を
閉束して上部の注入管側面に位置する吐出口を開放して
瞬結性グラウトを注入するという方法がとられた。
゛本発明は二重管管路内を通る一つの配合液の送入
の有無によって生ずる流体圧の変化のみによって二重管
内に装着されたバルブの位置を変位せしめて上下の吐出
口から浸透性の異なるグラウトの吐出を変換ならしめた
ものであり、非常に簡便に複合注入が可能になる。
本発明にかかる二重管の一具体例を第2図にて説明する
これは注入工程中の任意の時点で注入液をポーリング水
にきりかえて注入管末端部より吐出して削孔しつる注入
管であって、かつ注入材が吐出される吐出口の位置が注
入管の軸方向の異った個所に位置する二重管において該
流路内にはバルブが装置されており、該二重管内の二つ
の流路内には複数の注入材を構成する複数の配合液が送
液され、該二つの流路中に該配合液が同時に送液される
と該バルブが下方に移向して下部吐出口への流路を閉束
しかつ上記吐出口への流路が開放され同時に上記二つの
流路が連通して上記複数の配合液が混合してのち該上部
吐出口より吐出され、一方上記二つの流路のうちの一つ
の流路中への送液が中断されると上記バルブが上方に移
向して上部吐出口への流路を閉束し、同時に下部吐出口
への流路が開放されて上記二つの流路のうちの他の流路
中へ送液されている配合液が吐出される事により上記複
数の吐出口からの複数の注入材の注入の切りかえを行う
注入管の例を示したものである。
第2図a 、 a’、 b 、 b’において、8は内
管逆止弁、8′は外管逆止弁、5はバルブ、6はバネ、
7はメタルクラウン、9は混合室である。
内外管1,2からグラウトを形成する配合液が管路1’
、 2’を通して加圧輸送される時は8,8′が開いて
バルブ5が内管の液の流体圧により下方へ変位して下部
の吐出口を遮閉し、同時に内外管からの二種の配合液は
混合室9にて混合されてから吐出口3より地盤中に吐出
される。
このような注入管を用いて、内管管路1′を通して瞬結
用反応剤配合液を送り、外管管路2′を通して、浸透性
水ガラスグラウト或は水ガラス水溶液を送ると両液は混
合室9にて混合されて瞬結性水ガラスグラウトを形成し
て吐出口3を通じて地盤中に吐出される。
所定量の瞬結性グラウトを注入してのち、瞬結性反応剤
配合液の送液をいったん中止してから浸透性グラウトを
そのまま注入するか或は浸透用反応剤配合液を二重管よ
りも前の段階で水ガラス水溶液中に合流して得られる浸
透性水ガラスグラウトのみを注入するとバルブは内管管
路1′からの送液がないので、上方に変位して、吐出口
3を遮閉し、下方の吐出口4が開放するため該浸透性水
ガラスグラウトは下方の吐出口から吐出される。
浸透性水ガラスグラウトを所定量注入したら、注入管を
移動して注入ステージを移動して上記と同様の工程をく
り返す。
第2図の注入管を用いる方法は注入管先端部の内部にて
瞬結性水ガラスグラウトを形成してから地盤中に吐出さ
せる場合を示したが上部吐出口からグラウトを構成する
配合液を吐出し、これらを注入管外で混合して瞬結性水
ガラスグラウトを形シ成して地盤中に注入してのち下部
吐出口から浸透性グラウトを注入してもよい。
以上の例において、瞬結性グラウトは水ガラス水溶液と
瞬結性反応剤水溶液を混合して形成したが、水ガラスと
反応剤の混合液からなるそれ自体ごゲル化しうる充分ゲ
ル化時間の長い浸透性水ガラスグラウトと瞬結性反応剤
水溶液を合流して形成することも出来る。
前者は後者にくらべて瞬結性水ガラスグラウトの水ガラ
ス濃度を濃くする事が出来るため、瞬結性グラウトの濃
度が高くかつゲJル化時間を短く出来、このため瞬結性
グラウトによるすぐれたパッカー効果を期待出来るとい
う点においてすぐれており後者は前者にくらべて浸透性
グラウトと瞬結性グラウトの変換の操作が簡便である点
で特徴をもっている。
4以上に述べたように本発明は各ス
テージを変える毎に瞬結性反応剤配合液の送入をon、
offにするのみで、その流体圧の変動によって自動的
に瞬結性水ガラスグラウトと浸透性水ガラスグラウトの
吐出口の位置の変換が行われるため非常に簡便に複合注
入を可能にする。
なお、本発明では外管又は内管にメタルクラウンをつけ
て注入管で削孔してもよく、また、二重管を回転しなが
ら注入してもよい。
又、本発明において、二重管を移動させて注入ステージ
を変え、ゲル化時間の異なる複数のグラウトを地盤中に
注入する複合注入工法とは、所定の注入深度で、ゲル化
時間の異なる一方のグラウトを注入してのち注入管を移
動しないま5、他方のグラウトを注入する方法、或は一
方のグラウトを注入してから注入管を移動して、他方の
グラウトを注入する方法をも意味するのは勿論である。
以下本発明の実施例を示す。
以下、瞬結性グラウトと浸透性グラウトの変換例を示す
変換例 1 ■液と■′液を同量づつ合流させるとゲル化時間は5分
になり、■液と1液を同量づつ合流させるとゲル化時間
は2秒になる。
二重管を所定の深度に設置したのち、外管より■液を内
管より■液を同量づつ吐出して瞬結性グラウトを注入し
てのち、I液の注入を中止し、外管上端部で■液、■′
液を同量づつ合流して浸透性グラウトの注入に変換出来
る。
実施例 1 第2図の二重管を用いて地下水のある河床砂レキ層で本
発明を用い、試験工事を実施した。
I液ニリン酸ナトリウム5% ■液:硫酸に水ガラスを加えCS r 02 )を7モ
ル濃度としpHを3に調整し、ゲル化時間が1時間にな
るように配合を設定した。
■液、■液を同量づつ合流すると15秒でゲル化する。
二重管を所定の深度に設定してのち内管より1液を、外
管より■液を同量づつ合流して所定量注入してのち■液
のみを注入してステージを引き上げ、この繰り返しで注
入を続けた。
注入後、掘削したところ、注入管まわりと地盤の粗粒土
層に瞬結性グラウトが主として固結し、細粒土層には浸
透性グラウトが主として浸透し固結していた。
浸透性グラウトの逸脱はなかった。変換例 2 ■液:硫酸水溶液に3号水ガラスを混入して〔SiO2
〕: 7モル濃度 pH:1.o、ゲル化時間15時間の配合液を調整した
H′液二重炭酸ナトリウム10%液 I液:3号水ガラス水溶液20%液 内管からI液を、外管から■液を送り、これらを合流し
てpHが7.5でゲル化時間が2秒を呈する合流液を注
入してのち、■液の合流を中断して内管上端部にてY字
管で■′液を■液に合流しpHが5.5、ゲル化時間が
10分を呈する浸透性グラウトに変換される。
変換例 3 ■液:変換例2の■液と同じ ■′液液:換例2の■′液と同じ まず外管から■液を、内管から1液を送り、これらを合
流してゲル化時間が5秒を呈する合流液を注入してから
■液の合流を中断して■′液を外管上端部のY字管を用
いて■液に合流し、pHが5.5ゲル化時間が10分を
呈する浸透性グラウトに変換される。
実施例 2 第2図の二重管を用いて東京部内の砂レキと細砂の互層
よりなる地盤にて本発明の注入実験を行った。
〔配合〕
この配合液は20分/20℃でゲル化する。
I液、H液を同量づつ合流すると20秒でゲル化する。
二重管を所定の深度に設置したのち、外管より■液を、
内管よりI液を同量づつ吐出して瞬結性グラウトを注入
してのち、I液の注入を中止して■液のみを注入し、所
定量注入しおわってからステージを上げて以上をくり返
した。
注入後掘削調査したところ、注入管と地盤との間並びに
粗い層には瞬結性グラウトが脈状に浸透し、上記瞬結性
グラウトが浸透しきれなかった部分及び細い層には浸透
性グラウトが浸透して均質に固結しているのが判った。
【図面の簡単な説明】
第1図a、b、c、dはそれぞれ本発明にかかる注入機
能を示すための模型図であり、第2図は本発明に用いる
二重管の具体例であり、a、bは縦断面図、a′、b′
は横断面図である。 A:二重管、B:上部吐出口、C:下部吐出口、D:瞬
結性グラウト固結部、E:浸透性グラウト固結部、1:
内管、1′:内管管路、2:外管、2′:外管管路、3
.3’:上部吐出口、4:下部吐出口、5:バルブ、5
′:バルブ内の流路、6:メタルクラウン、8.8’:
チャツキバルブ、9:混合室。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 注入工程中の任意の時点で注入液をポーリング水に
    切り換えて前記ポーリング水を注入管末端部より吐出し
    て地盤を削孔しうる注入管であって、複数のグラウトが
    吐出される吐出口の位置が注入管の軸方向の異った個所
    に位置する二重注入管を用い、前記二重管を移動させて
    注入ステージをかえてゲル化時間の異なる複数のグラウ
    トを地盤中に注入する複合注入工法において、前記二重
    管内に構成された二つの管路中の一方の管路には瞬結用
    反応剤配合液が、他方の管路には水ガラス水溶液あるい
    は浸透性グラウトからなる配合液が送り込まれ、前記ゲ
    ル化時間の異なる複数のグラウトとしてゲル化時間が3
    0秒以内の瞬結性グラウトと、前記瞬結性グラウトより
    もゲル化時間の長い浸透性グラウトを用い、かつ前記瞬
    結性グラウトは前記瞬結用反応剤配合液と水ガラス水溶
    液または浸透性グラウトが混合して形成され、前記瞬結
    性グラウトは上部吐出口より吐出せしめ、かつ前記浸透
    性グラウトは下部吐出口より吐出せしめることを特徴と
    し、かつ少なくとも、前記瞬結用反応剤配合液が通過す
    る管路にはバルブが上下に変位自在に装着されており、
    このバルブは送液される瞬結用反応剤配合液の流体圧に
    より下方に変位し、かつこの送液を中断すると上方に変
    位するものであって、前記二つの管路に同時に前記配合
    液が送液される場合には瞬結性グラウトが上部吐出口よ
    り地盤中に注入され、さらに瞬結性配合液の送液が中断
    された場合には浸透性配合液が下部吐出口より地盤中に
    注入されることを特徴とする複合注入工法。
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