JPS5823731Y2 - シ−トベルトの支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートベルトの支持構造の改良に関する。

近年、例えば第１図およγ゛第２図に示されるように一
端がシート１０車両中央側位置に支持されたシートベル
ト２をドア４の後端のサツシュ６に取付けられたバック
ル８またはスルーリング１０等のシートベルト支持部材
により支持させ、ドア４を開けたときシートベルト２が
リトラクタ１２または１４から引出され非装着位置に移
動させて乗員の乗降を可能にし、ドア４を閉じたときは
シートベルト２がリトラクタ１２または１４に巻戻され
てシート１に着座した乗員の上体にフィツトするように
構成されたパッシブシートベルトが実用されている。

この種の装置において、ドア４のサツシュ６にシートベ
ルト支持部材弾に取付けた場合、車両衝突時等にシート
ベルト２が前方へ引張られたときにサツシュ６もしくは
シートベルト支持部材の取付部材が変形してシートベル
ト２がその機能を十分に果せない不具合があり、またシ
ートベルト２の上端位置が固定されているために体格の
小さい乗員にとっては同シートベルト２が首の付近に位
置してわずられしいばかりでなく、車両衝突時等には首
吊り現象を惹起する不具合がある。

本考案は上記不具合を解消するために創案されたもので
、ドア後部の縦サツシュに沿って形成されたガイド、同
ガイドに摺動自在に取付けられたりトラクタ、スルーリ
ング、アンカおよびバックル等のシートベルト支持部材
、同シートベルト支持部材を上記ガイドの任意位置に保
持すべく付勢する弾性部材を有する固定装置を具備した
ものにおいて、上記ベルト支持部材の後部に同支持部材
と一体的に形成されたフック部と、上記サツシュに隣接
する車体ピラーに形成され上記フック部の上記ガイドに
沿う移動範囲全長に亘って延びたキャッチとを備え、車
両衝突時等に上記シートベルトにより上記ベルト支持部
材が車両前方へ強く引張られて上記サツシュまたはガイ
ドが変形したときに上記フック部が上記キャッチに係止
されるように構成されたことを特徴とするシートベルト
の支持構造を要旨とするものである。

本考案によれば、乗員の体格に合わせてシートベルトの
上端の位置を調節することができ、シートベルトによる
乗員のわずられしさ釦よび首吊り現象を防止することが
でき、また車両衝突時等にシートベルトによりシートベ
ルト支持部材が前方に強く引張られサツシュまたはベル
ト支持部材・の取付部材が変形してもベルト支持部材と
一体的に形成されたフック部が上記ピラーのキャッチに
係止されるので、上記ベルト支持部材の変位が規制され
て該シートベルへの本来の機能を十分に確保できるとい
う効果を奏する。

また、車両衝突時等に上記シートベルトを介して上記ベ
ルト支持部材に入った天主な入力は、同ベルト支持部材
と一体的に形成されたフック部から直接キャッチに伝わ
るので、上記固定装置は通常使用時における上記ベルト
支持部材を保持できる程度の強度のみ要求され、これに
より同固定装置を極めてコンパクトにかつ軽量に製作で
きるという効果を奏する。

以下、本考案の実施例を第３図〜第１２図に従って説明
するが、上記従来装置と実質的に同一な部分には上記と
同一符号を付して詳細な説明を省略する。

第３図〜第５図に示される第１実施例は、サツシュ６に
表面にローレット１５が形成された第１のガイドプレー
ト１６および同ガイドプレート１６と所定間隔を有すべ
く形成された第２のガイドプレート１８がねじ２０によ
り固定され、間両ガイドプレート１６および１８の間に
リトラクタ、スルーリング、アンカまたはバックル等の
シートベルト支持部材２２が位置するとともに第１のガ
イドプレート１６に対する当接面にはローレット２３が
形成され、後端部には車室内方に向う鉤形のフック部２
４が一体的形成されており、また第２のガイドプレート
１８との間には一端をリベット２６によりベルト支持部
材２２に固定されたスプリング２８が縮設され、同スプ
リング２８はベルト支持部材２２のローレット２３が第
１のガイドプレート１６のローレット１５に係合するよ
うに付勢し、これら両ガイドプレー）１６．１８、およ
びスプリング２８により固定装置が構成される。

またピラー３０には、車両衝突時等にシートベルトによ
りベルト支持部材２２が車両前方へ強く引張られてサツ
シュ６等が変形したときフック部２４を係止するように
同フック部２４の両ガイドプレーＮ６，１８に沿う移動
範囲全長に亘るキャッチ３２がねじ３４により固定され
ている。

また同キャッチ３２の取付部ピラー３０の裏面には補強
材３６がねじ３４に共線めされている。

上記構成により、ベルト支持部材２２をスプリング２８
に抗して図面右方に押しローレット２３とローレット１
５の係合を外して上方もしくは下方に移動させ、その手
を離せばスプリング２８によりローレット２３はローレ
ット１５に係合してベルト支持部材２２はその位置に固
定され、高さ調整をなすことができ、乗員にとって最適
位置にシートベルトをセットすることができる。

また、車両衝突時等においてもベルト支持部材２２のフ
ック部２４がキャッチ３２に係止されるので、シートヘ
ルドの機能を十分に確保することができる。

また車両衝突時等にシートベルトを介してベルト支持部
材２２に入った大きな入力は、同ベルト支持部材２２と
一体的に形成されたフック部２４から直接キャッチ３２
に伝わるので、両ガイドプレート１６．１８、およびス
プリング２８により構成される固定装置は通常使用時に
おけるベルト支持部材２２を保持できる程度の強度のみ
要求され、これにより同固定装置を極めてコンパクトに
かつ軽量に製作できるという効果を奏する。

また、第６図および第７図に示すように、ろプリング２
８の代わりに合成樹脂により一体に成形された筒状の嵌
合部３８釦よびスプリング部４０から成るスプリング部
材４２をシートベルト支持部材２２に取付けても良く、
更に嵌合部３８にロレット４４を形成するように構成す
れば、ローレット２３よりも低コストで製作できる。

また、サツシュ６にはフック部２４を覆うとともにドア
４を閉じたときにキャッチ３２をも覆うフランジ４６が
形成され、外観も優れるものである。

第８回転よび第９図に示される第２実施例は、サツシュ
６に車両後方に延びるとともに複数の係合部４８が形成
されたフランジ５０を有する第１のガイドプレート５２
と第２のガイドプレート５４がねじ５６により固定され
、ベルト支持部材２２は両ガイドプレート５２および５
４の間に位置するとともにロックピン５８が固定され、
後端にはフック部２４が形成され、また第２のガイドプ
レート５４との間には中央部をリベット６０により固定
されたスプリング６２が縮設されている。

上記構成により、ベルト支持部材２２をスプリング６２
に抗して図面右方に押してロックピン５８を係合部４８
から外して上方もしくは下方に移動させ、その手’１せ
ばスプリング６２によりロックピン５８は係合部４８に
係合してその位置に固定され、ベルト支持部材２２の高
さ調整をなすことができ、乗員に対して最適位置にシー
トベルトをセットすることができる。

またピラー３０には第３図および第４図に示されるもの
と全く同一のキャッチ３２および補強材３６が取付けら
れて釦り、その作動も同一であるので、説明は省略する
。

この実施例においてもスプリング６２０代わりに第６図
および第７図に示すようなスプリング部材４２を用いる
ことができ、その場合ローレット４４は不要であること
は勿論である。

第１０図および第１１図に示される第３実施例は、サツ
シュ６に第１のガイ ドブレート６４と車両前方に延び
るフランジ６６を有する第２のガイドプレート６８がね
じ７０により固定され、ベルト支持部材２２は両ガイド
プレート６４および６８の間に位置し、後端にフック部
２４が形成され、また第２のガイドプレート６８のフラ
ンジ６６を挾むように断面がＭ字状を成すクリップ７０
がリベット７２により取付けられ、ベルト支持部材２２
がクリップ７０により固定されるように構成されている
。

上記構成によりクリップ７０の一端に取付けられたレバ
ー７４を押して同クリップ７０のフランジ６６に対する
挟持を解除し、そのままベルト支持部材２２を上方もし
くは下方に移動させて手を離せばクリップ７０により再
び固定され、高さ調節がなされる。

またピラー３０には上記第３図および第４図に示される
ものと全く同一のキャッチ３２および補強材３６が取付
けられておりその作動も同一である。

またー、第１２図に示すように上記第１〜第３実施例に
示されるキャッチ３２の代わりにピラー３０にベルト支
持部材２２のフック部２４が入り込む凹所７２を一体に
底形しても良く、同凹所７２の背面には補強材７４を溶
着しておくことが好ましい。

この構成によれば、ドア４を開けたときにピラー３０の
表面に露出するのは凹所７２のみであり外観を損ねるこ
とがほとんどないという効果を奏する。

なお、第３図〜第１２図に示すフック部２４はドア４の
開閉時にキャッチ３２および凹所７２と何んら干渉しな
いように構成されていることは勿論である。

また上記各実施例において、フック部２４の形状を図示
のキャッチ３２の形状とし、キャッチ３２の形状を図示
のフック部２４の形状としても上記各実施例と同様の効
果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

一第１図はパッシブシートベルトの一例を示す斜視図、
第２図はパッシブシートベルトの別の例を示す斜視図、
第３図は本考案の第１実施例を示す断面図、第４図は第
３図のＩＶ−ＩＶ線に沿う矢視断面図、第５図はベルト
支持部材２２の斜視図、第６図はスプリング部材４２を
取付けたベルト支持部材２２の斜視図、第７図は第６図
の■−■線に沿うスプリング部材４２の断面図、第８図
は第２実施例を示す断面図、第９図は第８図のＩＸ−Ｉ
Ｘ線に沿いサツシュ６側の部材を見た矢視図、第１０図
は第３実施例を示す断面図、第１１図は第１０図の矢印
Ｍ、に沿いサツシュ６側の部材を見た矢視図、第１２図
は変形例を示す断面図である。 ２・・・シートベルト、４・・・ドア、６・・・サツシ
ュ２２・・・シートベルト支持部材、２４・・・フック
部、３０・・・ピラー ３２・・・キャッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドア後部の縦サツシュに沿って形成されたガイド、同ガ
   イドに摺動自在に取付けられたりトラクタ、スルーリン
   グ、アンカ卦よびバックル等のシートベルト支持部材、
   耘よび同シートベルト支持部材を上記ガイドの任意位置
   に保持すべく付勢する弾性部はを有する固定装置を具備
   したものにおいて、上記ベルト支持部材の後部に同支持
   部材と一体的に形成されたフック部と、上記サツシュに
   隣接する車体ピラーに形成され上記フック部の上記ガイ
   ドに沿う移動範囲全長に亘って延びたキャッチとを備え
   、車両衝突時等に上記シートベルトにより上記ベルト支
   持部材が車両前方へ強く引張られて上記サツシュまたは
   ガイドが変形したときに上記フック部が上記キャッチに
   係止されるように構成されたことを特徴とするシートベ
   ルトの支持構造。