JPS5823009Y2 - スタ−タモ−タの安全機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、始動用のスタータモータを有するエンジンに
Ｄいて、エンジン始動後の運転中にその操作スイッチを
操作した際には、スタータモータが起動することなくエ
ンジンが停止するようにしたスタータモータの安全機構
に関するものである。

従来、スタータモータによりエンジンを始動した運転中
に、エンジンが回転していることを知らずに又は誤って
スタークモータのスイッチを操作するとスタータモータ
が駆動されるので、スタータモータの駆動回転をエンジ
ンに伝達する歯車がエンジン側に噛合しようと接触して
異音な発生すると共に、この歯車が噛み込んだり損耗す
る恐れがあった。

しかるに、従来このスタータモータを装備したエンジン
の始動または停止を行う始動スイッチ、停止スイッチの
誤操作の防止策としては、単に両スイッチを色分けした
り文字表示により判別して注意を促すようにしているだ
けであり、停止スイッチを押すつもりが始動スイッチを
押してしまい、スタータモータを起動させてしまうよう
な誤操作はどうしても避は難い問題であり、この誤操作
により前記不具合が発生していた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、エンジ
ンの昇温を検出して運転状態を検出するヒートスイッチ
により運転中には操作スイッチを操作するとスタータモ
ータは起動せずエンジンを停止せしめるスタータモータ
の安全機構を提供し、前記従来の欠点を解消するもので
ある。

以下、本考案の構成を実施例につき図面に基づいて説明
する。

図面において、１はスタータモータ回路、２はエンジン
点火回路（図示せず）に連係したエンジン停止回路であ
り、上記スタータモータ回路１において、３はエンジン
（図示せず）を始動せしめるスタータモータ、４は該ス
タータモータ３の電磁スイッチ、５はバッテリである。

６は操作スイッチで、それぞれ連動して開閉する第１接
点６ａと第２接点６ｂとを有している。

７はヒートスイッチで、エンジンの昇温を検知して開成
する第１接点７ａとエンジンの昇温を検知して閉成する
第２接点１ｂとを有している。

又、８は緊急用スイッチで、操作時に閉成する常開接点
８ａと非操作時に閉成する常閉接点８ｂとを有している
。

前記スタータモータ回路１は、スタータモータ３が電磁
スイッチ４の断続接点４ａを介してバッテリ５に接続さ
れ、この断続接点４ａを開閉する励磁コイル４ｂに対す
る励磁回路１ａに操作スイッチ６の第１接点６ａとヒー
トスイッチ７の第１接点Ｌａとを直列に介装してバッテ
リ５に接続すると共に、ヒートスイッチ７の第１接点７
ａと並列に緊急用スイッチ８の常開接点８ａを接続して
なる。

一方、前記エンジン停止回路２には、前記操作スイッチ
６の第２接点６ｂと緊急用スイッチ８の常閉接点８ｂと
ヒートスイッチＩの第２接点７ｂとをそれぞれ直列に介
装してなり、このエンジン停止回路２が閉成するとエン
ジン点火回路を無効にしてエンジンを停止させるもので
ある。

同、９は操作スイッチ６の内部の混線によりエンジン停
止回路２にバッテリ５が接続した際の回路保護用の抵抗
器である。

上記ヒートスイッチ１は、例えば、バイメタルにて形成
され、エンジンのシリンダヘッド、マフラーなどのエン
ジンの運転により温度が上昇し、エンジン停止時との温
度差の大きな部所に設置し、低温時には第１接点７ａが
閉成して第２接点７ｂが開成し、エンジン始動後の昇温
により第１接点７ａを開成して第２接点７ｂを閉成する
ように作動する。

このヒートスイッチ７は接点切替型の他に、動作の逆な
ものを２個使用するようにしてもよい。

又、前記操作スイッチ６および緊急用スイッチ８はハン
ドル等の操作部分に設置され、スタータモータ３、点火
回路等はエンジンに設置されるものである。

次に、作用を説明すれば、先ず、エンジンが始動してい
ない常温状態においては、ヒートスイッチ７は第１接点
？ａが閉成、第２接点７ｂが開成しており、操作スイッ
チ６を第１接点６ａおよび第２接点６ｂが閉成するよう
に始動操作すると電磁スイッチ４の励磁コイル４ｂに電
流が流れてその断続接点４ａを閉じることにより、スタ
ータモータ３が起動してエンジンを始動せしめるもので
ある。

一方、エンジンが始動して運転状態となると、エンジン
の昇温によりヒートスイッチ７は第１接点７ａが開成、
第２接点７ｂが閉成する。

この運転中に操作スイッチ６を第１接点６ａおよび第２
接点６ｂが閉じるように操作すると、緊急用スイッチ８
の常閉接点８ｂ釦よびヒートスイッチ７の第２接点７ｂ
が閉成していることにより、エンジン停止回路２が閉じ
、点火を無効にしてエンジンを停止せしめる。

その際、スタータモータ回路１はヒートスイッチ７の第
１接点７ａが開成していることにより電磁スイッチ４は
励磁されず、スタータモータ３は起動しない。

又、エンジン停止後すぐに再始動させる場合には、エン
ジン温度が高くてヒートスイッチ７の第１接点７ａは開
成してふ・す、操作スイッチ６を操作してもスタータモ
ータ３は起動しないことになるが、この場合には緊急用
スイッチ８を操作し、その常閉接点８ｂを開成、常開接
点８ａを閉成した状態で操作スイッチ６を操作し、スタ
ータモータ３を起動せしめるものである。

冑、この緊急用スイッチ８は作動させた後に復帰させて
おく必要があり、自動復帰式のものを採用するのが好ま
しい。

従って、以上のような本考案によれば、エンジンの運転
中にはヒートスイッチの作動により、スタータモータ回
路とエンジン停止回路とを切替えるために、エンジン始
動時には操作スイッチの操作にてスタータモータ回路が
働き、スタータモータを起動させるものであるが、エン
ジン始動後の運転中には操作スイッチの操作にてエンジ
ン停止回路が働き、エンジンを停止させるものである。

よって、エンジンの運転中にはスタータモータが起動す
ることなく、従来多発していた誤操作による異音の発生
、歯車の噛み込み、損耗を防止することができるもので
ある。

また、緊急用スイッチの介装により、エンジン停止直後
のようにエンジン温度が高いときには操作スイッチによ
らずに始動が行えるようにしているために、実用上エン
ジンの始動が不能となるような支障もなく、前記操作ス
イッチの誤操作による弊害が有効に防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す基本回路図である。 １・・・・・・スタータモータ回路、２・・・・・・エ
ンジン停止回路、３・・・・・・スタータモータ、４・
・・・・・電磁スイッチ、５・・・・・・バッテリ、６
・・・・・・操作スイッチ、６ａ・・・・・・第１接点
、６ｂ・・・・・・第２接点、７・・・・・化−トスイ
ッチ、７ａ・・・・・・第１接点、７ｂ・・・・・・第
２接点、８・・・・・・緊急用スイッチ、８ａ・・・・
・・常開接点、８ｂ・・・・・・常閉接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのスタータモータ回路に、エンジン始動後に該
   エンジンの昇温を検知して開成するヒートスイッチの第
   １接点を操作スイッチの第１接点と直列に介装すると共
   に、該ヒートスイッチの第１接点と並列に緊急用スイッ
   チの操作時に閉成する常開接点を接続し、一方、エンジ
   ン点火回路に連係したエンジン停止回路に、前記操作ス
   イッチの第１接点の開閉と連動して開閉する第２接点と
   、エンジン始動後に該エンジンの昇温を検知して閉成す
   るヒートスイッチの第２接点と、および緊急用スイッチ
   の非操作時に閉成する常閉接点とをそれぞれ直列に介装
   したことを特徴とするスタータモータの安全機構。