JPS582225Y2 - コンバインにおける薬剤散布装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は刈取脱穀作業を行いながら肥料又はその他各種
の薬剤の散布を行うコンバインにおける薬剤散布装置に
関する。

肥料、除草剤又は土壌に対する殺虫剤等は土壌に直接散
布することが望ましく、また切藁の腐植促進剤又は切藁
に対する殺虫剤等は切藁に直接散布することが望ましい
。

本考案はコンバインから排出される排藁を藁切断装置に
より細断して圃場に散布する際、散布する薬剤の種類又
は使用目的に応じて最も適切な状態に散布することがで
きると共に土壌に散布した薬剤の逸散又は流密を前記藁
切断装置から排出される切藁で被覆することにより防止
することができるコンバインにおける薬剤散布装置を提
供せんとするものであって、脱穀装置と、散布装置と、
排藁切断装置等を備えたコンバインにおいて、前記散布
装置の散布口を藁切断装置から切藁が落下する部位の前
部と後部に向けて開口せしめて土壌に散布する薬剤は切
藁が落下する部位より前位に散布してその上を切藁によ
り被覆し、切藁に対して施す薬剤は圃場に散布された切
藁に散布するようにしたことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について本考案を更に詳細に説明
すると、１は走行装置２を有する機台３上の１側寄りに
搭載した脱穀装置で他側寄りには前部から順に操作盤４
、座席５、籾袋受フロワー６が設けてあり、前方には刈
取装置７が上下傾動可能に装着されている。

また、前記脱穀装置１の後方へ向けて殻稈を搬送する扶
植し−ル付のフィードチェーン８の終端部には排藁用の
搬送帯９とチェーン１０，１０’とが連設してあり、そ
れらの終端下方に臨設したカッター１２は多数の丸鋸刃
１１と掻込輪１１′とをそれぞれ横軸に取付けてなり、
ベルト１３を介して脱穀装置１の適宜の軸により駆動さ
れる。

１４は機台３上に搭載したエンジンであって、その出力
軸に取付けられていて油圧シリンダー１５ａによって作
動するレバー１５ｂとカム１５ｃとによって巾が拡縮さ
れる割Ｖプーリー１６ａとＶベルト１７の緊張度に応じ
てスプリング１８に抗して拡縮する割Ｖプーリー１６ｂ
とからなる無段変速装置を介して中間軸１９を駆動し、
その動力はレバー２０ａを有する主クラッチ２０を介し
てサブケース２１内の伝動機構に伝達される。

そして、上記サブケース２１の中間部の出力軸に取付け
たＶプーリー２２はＶベルト２３を介して刈取装置γ及
び刈取殻稈を脱穀装置１に搬送して供給する搬送体２４
等の前処理装置の入力プーリー２５を駆動し、サブケー
ス２１の前部に連設したミッションケース２６は車軸２
Ｔを駆動する。

また、前記カッター１２の上部には腐植促進剤、消毒薬
、除草剤又は殺虫剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置Ａ
のタンク２８が装着してあり、その下部に内装したギヤ
ポンプ２９の吐出口に上端を連通せしめた導薬管３０の
下部は前後２つに分岐し、それ等分岐部の末端に取付け
ると共にステーａで支持したノズル３１．３１’は前記
カッター１２の藁排出口１２ａの前方と後方に臨んでお
り、各分岐部にはそれぞれ切換パルプ３２，３２’が付
設してあり、その一方を開き他方を閉じることにより、
いずれか一方のノズル３１又は３１′のみにて薬剤を散
布することができ、両方開けば前後のノズル３１．３１
’にて同時に散布することができる。

また、いずれか一方のノズル３１又は３１′のみにて薬
剤を散布せんとする場合は導薬管３０の分岐部に切換パ
ルプを設けても良く、各分岐管において第４図に示すよ
うに中央から左右両側に延長しそれぞれの延長部の基部
にパルプ３２ａ。

３２８′を設けて散布を機体の左右に切換えるようにす
ると、畦畔に沿った狭い部分等に対し適当中散布するこ
とができる。

而して、この薬剤散布装置Ａの入力プーリー３３は中間
プーリー３４及びベルト３５ ａ 、３５ｂを介して主
クラッチ２０が取付げられている中間軸１９に固定した
プーリー３６に連動連結してあり、上記ベル）３５ｂに
は揺動アーム３１の先端に取付けたタイトプーリー３８
が接離可能に付設されている。

また、上記揺動アーム３Ｔは弾機３９と操作ワイヤー４
０とを介して操作盤４の操作レバー４１に連結してあり
、この操作レバー４１は操作ワイヤー４２を介して前記
主クラッチ２０のレバー２０ａにも連結されていて操作
レバー４１を傾動して主クラッチ２０を切って走行装置
２及び前処理部の入力プーリー２５への動力を断つと操
作ワイヤー４０が弛み、タイトプーリー３８がベルト３
５ｂから離れて薬剤散布装置Ａが停止する。

更に上記揺動アーム３７は弾機３９ａ及び操作ワイヤー
４３を介して刈取装置Ｔの枠体７ａに連結してあり、油
圧シリンダー４４で枠体１ａを上下動させると、枠体７
ａは枢支点７ｂを中心として上下傾動し、それにともな
って揺動アーム３Ｔを上下回動させるのでタイトプーリ
ー３８はベルト３５ｂを緊張せしめたり弛めたりする。

この時及び前記操作レバー４１によって揺動アーム３７
を作動させる時、強制作動されない側の弾機３９又は３
９ａは追従して伸縮する。

４５は座席５の近傍に設けた手動操作レバーであって連
杆４６により前記揺動アーム３７に連繋してあり、薬剤
散布装置Ａへの動力の伝達を断った状態に保持する場合
はフック４Ｔを手動操作レバー４５に掛けてロックして
おく。

次に作用について説明すると、各作動部を駆動しながら
機体を立毛殻稈中に侵入させた時刈取装置７によって刈
取られた殻稈は搬送体２４により脱穀装置１に供給され
て脱穀処理される。

そして、一方では脱穀装置１の排稈口から排出された排
藁は排藁ベルト９及び排藁チェーン１０゜１０′により
後送されてカッター１２に供給され、適当な長さに切断
されてからその排出口から圃場に散布される。

他方タンク２８内の薬剤はギヤポンプ２９により送り出
されるのでノズル３１又は３１′から噴出され、カッタ
ー１２から落下する切藁より前方の圃場又は落下した切
藁上に散布され、薬剤が肥料又は土壌殺虫剤である場合
、前方のノズル３１により散布すると、その上に切藁が
堆積するので散布した薬剤が覆われ、また、切藁に対す
る腐植促進剤又は殺虫剤等は後方のノズル３１′から噴
出すると無駄なく切藁に対して散布することができる。

この時、走行装置２及び薬剤散布装置Ａは共に無段変速
装置を介して駆動される中間軸１９によって駆動される
ので走行速度とギヤポン１２９０回転とが比例して変動
するので、単位面積当りの散布量は略一定となる。

そして機体を停止させるべく操作レバー４１により主ク
ラッチ２０を切ると、操作ワイヤー４０が弛み、タイト
プーリー３８がベル）３５ｂから離れるのでギヤポンプ
２９への動力は断たれ散布は中断される。

また、機体を回向させる際に油圧シリンダー４４を作動
させて刈取装置Ｉの枠体１ａを上昇させると主クラッチ
２０は切れず機体が進行しているにも拘らず操作ワイヤ
ー４３を介して揺動アーム３１が下降回動してベルト３
５ｂが弛み、ギヤポンプ２９は停止する。

なお薬剤の散布量は別途設けた開閉弁の開度により調節
するようにしても良い。

本考案は前述のように脱穀装置と、散布装置と、排藁切
断装置等を備えたコンバインにおいて、前記散布装置の
散布口を藁切断装置から切藁が落下する部位の前部と後
部に向けて開口せしめたので、肥料、除草剤等は前方の
散布口から土壌に直接散布することができ、また、腐植
促進剤や切藁に対する殺虫剤は後方の散布口から藁切断
装置から排出されて土面上に堆積された切藁上に散布す
ることができるというように薬剤の性質又は使用目的に
応じて最も適切な散布を行うことができる。

しかも土壌に対して散布して薬剤が大気中に逸散したり
又は雨水によって流亡し易いものであってもそれが藁切
断機から排出される切藁によって被覆されるのでそれら
の薬剤の逸散又は流亡を防止して有効に利用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
平面図、第２図は側面図、第３図は要部の一部を破断し
た側面図、第４図は要部の平面図、第５図は伝動機構の
側面図、第６図は同上平面図である。 １・・・脱穀装置、１・・・刈取装置、１２・・・カッ
ター１６ａ 、 １５ｂ・−・割Ｖプーリー １９−・
・中間軸、２０−・・主クラッチ、１７，２３，３５ａ
、３５ｂ・・・ベルト、２６・・・ミツミョンケース、
２８・・・タンク、２９・・・ギヤポンプ、３１，３１
’・・・ノズル、３２．３２’ ・・・パルプ、３８・
・・タイトプーリー、４０．４２，４３・・・操作ワイ
ヤー ４１・・・操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀装置と、散布装置と、排藁切断装置等を備えたコン
   バインにおいて、前記散布装置の散布口を藁切断装置か
   ら切藁が落下する部位の前部と後部に向けて開口せしめ
   たことを特徴とするコンバインにおける薬剤散布装置。