JPS5821660Y2 - 気体圧駆動型打撃工具における安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、釘、鋲、ステーブルなどの止め金具等を圧縮
空気を利用して打込むようにした気体正駆動型打撃工具
における安全装置に関するものである。

この種の打撃工具は、全体がピストル型の形状に形成さ
れており、打撃工具本体のグリップ部を握り、このグリ
ップ部の近傍位置に配置させたトリガーの引き込み及び
解放操作を繰り返すことにより、連続的に止め金具を被
打込材に打込むようにしている。

ところで、近年、止め金具の打込み作業時における安全
性確保のため、トリガーの引き込み操作だけでは釘が発
射せず、コンタクトアームの先端部を被打込材に押し当
てコンタクトアームを上動させることにより始めて止め
金具の打込みが可能となるような誤射防止用のコンタク
トアームを備えた打撃工具が広く使用されるに至ってい
る。

しかし、この種の打撃工具は、気体圧を駆動源とするた
め非常に強固に本体を製作する必要がある。

そのため、打撃工具全体を金属性材料で作製することと
なり、したがって比較的に重いものである。

そのため、作業者は、止め金具の打込み作業終了後他の
作業現場に上記打撃工具を移動させる際、グリップ部を
強く握り締めた状態で持ち運ばなければならない。

したがって、人差し指でトリガーを引き込みその状態で
打撃工具を移動させることが経験則上頻繁に行なわれて
いる。

しかし、トリガーを引き込んだ状態で打撃工具を移動さ
せると、打撃工具の本体内部には圧縮空気が貯溜されて
おり、直ちに止め金具の打込み作業が開始し得る状態と
なっているため、その移動途中において何らかの事情、
例えば作業者の足にコンタクトアームを押し当ててしま
うと、不用意に止め金具を打込んでしまうこととなり、
大変危険である。

以上のように、止め金具の誤射防止用のコンタクトアー
ムを備えた打撃工具にあっても、打撃工具の移動中には
上記の如きの事態が発生することが多い。

したがって、作業者から上記の如きの事態が発生しない
ようにコンタクトアームのほかに、さらに別個に誤射防
止用の安全装置が設けられることが要求されていた。

本考案は、このような実際の作業現場で働く作業者から
の要請に応えるべく案出されたものであり、簡単な操作
で止め金具の打込み作業の安全が確保されるようにした
ものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すように、気体圧を駆動源とし、トリガーの
引き込み及び解放の各操作により操作される打撃工具の
本体を構成する打撃工具本体１の駆動部２の側壁面には
、一対のブラケット３，３が突出形成されており５この
各ブラケット３，３間の内部には、第１の回転軸４を介
して回動自在に枢着されたトリガー５と２本の固定ピン
６．７によって固着された断面形状が略コ字状のコンタ
クトアームガイド板８がそれぞれ挿入されている。

前者のトリガー５は、長尺でかつ湾曲形状の指当て部５
ａとこの指当て部５ａの両側部分に立ち上がり形成され
た２枚の補強側部５ａ、５ｂとにより、全体が略Ｕ字状
に形成されている。

このトリガー５の各補強側部５ａ 、ｓｂ間の内部には
、同じく全体形状が略Ｕ字状のコンタクトレバー９が挿
入されており、このコンタクトレバー９の一端９ａは、
前記第１の回転軸４とは反対側のトリガー５の部位に設
けた第２の回転軸１０を介して回動自在に枢着されてい
る。

なお、このコンタクトレバー９の他端９ｂは、前記第１
の回転軸４上部に載置されるように、あるいは第１の回
転軸４の近傍位置まで至るように延設されている。

後者のコンタクトアームガイド板８は、誤射防止用とし
て機能するコンタクトアーム１１のスライド移動を正し
く案内させるもので、このアームガイド板８の内部、す
なわち、コンタクトアームガイド板８の側壁ガイド部８
ａと２本の固定ピン６．７との間には、コンタクトアー
ム１１の基端１１ａが挿入されている。

コンタクトアームガイド板８の内部に挿入されたコンタ
クトアーム１１は、このアーム１１の下端位置に折り曲
げ形成された折曲部１２を有しており、この折曲部１２
上面に突出形成した突起１３と打撃工具本体１の駆動部
２の側壁部に突出形成した突片１４との間に配設された
圧縮スプリング１５の弾発力によって、常時下方向、す
なわち図示しないトリガーバルブ室内に内装されたトリ
ガーバルブステム１６の配置位置と反対側方向に弾発付
勢されている。

第１図は、平常時におけるコンタクトアーム１１の取付
は状態が示されている。

コンタクトアーム１１には、第２図に示すようにこのア
ーム１１の長手方向に沿う長尺な縦孔１７とこの縦孔１
７に直交する横孔１８とを含む係止穴１９が形成されて
いる。

この係止穴１９内には、第７図に示すような係止部材２
０が挿通されている。

この係止部材２０は、コンタクトアームガイド板８の側
壁ガイド部８ａに形成した貫通孔２１内にも挿通された
回転軸２２とこの回転軸２２の径方向に突出した一対の
突起２３，２３とさらに回転軸２２の一端に固着された
回転板２４とから形成されている。

上記一対の突起２３．２３は、コンタクトアーム１１に
形成した係止穴１９の長尺な縦孔１７あるいは横孔１８
のいずれにも挿入される形状に形成されている。

なお、上記縦孔１Ｔと横孔１８はいずれも貫通礼状に形
成されているが、溝状に形成した縦溝又は横溝であって
もよい。

打撃工具本体１の駆動部２の側壁面に形成したバネ用座
穴２５と、係止部材２０の回転軸２２の他端との間には
、圧縮バネ２６が配設されている。

したがって、係止部材２０を圧縮バネ２６の弾発力に抗
して強制的に押し込み、そして係止部材２０の回転軸２
２を９０１ｉの角度回転させ、次にその押し込み力を解
除すれば、係止部材２０の各突起２３．２３は、係止穴
１９の長孔１７、あるいは横孔１８のいずれかに選択的
に挿入されるようになっている。

なお、上記実施例では、圧縮バネ２６を座式２５と回転
軸２２の他端間に配設したが、回転軸２２上で、かつ、
コンタクトアームガイド板８の側壁ガイド部８ａの外周
面と回転板２４の裏面間に配設するようにしてもよい。

次に、以上のような構成を有する打撃工具において、打
撃工具の使用時あるいは使用休止時における安全装置の
作用について説明する。

打撃工具を使用とするときには、まず第１図及び第２図
に示すようにコンタクトアーム１１に形成した係止穴１
９の長孔１７内に係止部材２０の一対の突起２３．２３
を挿入する。

次に、このような状態において、コンタクトアーム１１
の先端部（図示せず）を被打込み材に押し当てる。

すると、コンタクトアーム１１は、係止部材２０を構成
する突起２３，２３の下端面２３ａと係止穴１９を構成
する長孔１７ｔｏ下端内面１７ａと当接する範囲内で自
由にスライド移動し得るようになっているため、圧縮ス
プリング１５の弾発力に抗してコンタクトアーム１１は
トリガーバルブステム１６側の方向に押し上げられる。

コンタクトアーム１１が押し上げられると、その基端１
１ａは、トリガー５に第２の回転軸１０を介して回動自
在に枢着されているコンタクトレバー９の他端９ｂを押
し上げる。

次に、コンタクトレバー９の他端９ｂが上方向に押し上
げられた状態にて、第３図に示すように、トリガー５の
引き込み操作を行なうと、トリガー５はこのトリガー５
の補強側部５ｂの上端面が打撃工具本体１の側壁面と当
接する位置まで、第１の回転軸４を支点として第３図中
反時計方向に回動する。

このトリガー５の回動に伴い、コンタクトレバー９も、
コンタクトアーム１１の基端１１ａとコンタクトレバー
９の他端９ｂとの係合部分を中心として第３図中反時計
方向に回動する。

このため、コンタクトレバー９の底面部９ｃは、トリガ
ーバルブステム１６の下端部と当接し、このステム１６
を上方向に押し上げる。

したがって、打撃工具本体１内に貯溜されている圧縮空
気の力により止め金具の打込み作業を開始することが出
来る。

次に、打撃工具を長時間あるいは一時休止しようとする
ときには、まず、第２図に示すようにコンタクトアーム
１１の係止穴１９の長孔１７内に挿入されている係止部
材２０の各突起２３ 、２３を、一度上記長孔１７内よ
り外部に押し出すべく係止部材２０の回転板２４を圧縮
バネ２６の弾発力に抗して第４図中矢印方向に押圧する
。

係止部材２０の突起２３．２３が上記長孔１７内より外
部に押し出されたら、その状態で今度は係止部材２０の
回転板２４を約９０度の角度分回転させる。

第５図は、この回転板２４の回転途中の状態を示してい
る。

確実に係止部材２０の回転板２４を約９０度の角度分回
転完了したら、今度は回転板２４への押圧力を解除する
。

すると、係止部材２０は圧縮バネ２６の弾発力によって
押圧前の元の位置方向へ押圧され、その突起２３，２３
は今度はコンタクトアーム１１に形成した係止穴１９の
横孔１８内に挿入される。

第６図、第８図及び第９図は、この挿入状態を示してい
る。

なお、第６図に示すように、突起２３．２３は、コンタ
クトアームガイド板８の側壁ガイド部８ａの内側面でそ
り移動を阻止されるので、コンタクトアム１１の横孔１
８内で確実に停止する。

以上のような操作で、係止部材２０の突起２３゜２３を
コンタクトアーム１１の係止穴１９を構成する横孔１８
内に挿入しておけば、係止部材２０はコンタクトアーム
ガイド板８の貫通孔２１内に挿通されており、その位置
で上下方向への移動は阻止されるようになっているので
、仮りに被打込材にコンタクトアーム１１の先端部を押
し当てた場合でも、コンタクトアーム１１は上記係止部
材２０の突起２３．２３によってトリガーバルブステム
１６方向への移動は阻止される。

このため、コンタクトレバー９の他端がコンタクトアー
ム１１の基端１１ａによって押し上げられるようなこと
がない。

したがって、仮りにトリが−５の引き込み操作を行なっ
た場合でも、第１の回転軸４の近傍を支点としてコンタ
クトレバー９は反時計方向に回動する。

その結果、第１０図に示すようにこのコンタクトレバー
９を打撃工具本体１の側壁面とトリガー５の補強側部５
ｂの上端面とが互いに当接し合う位置まで最大限引き込
んだ場合でも、コンタクトレバー９の底面部９ｃとトリ
ガーバルブステム１６とは当接しない。

したがって、打撃工具は全く止め金具の打込み状態とは
ならない。

すなわち、止め金具の誤射を完全に防止することが出来
、したがって止め金具の打込み作業の安全を確保するこ
とが出来る。

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、係止
部材の押し込み及び回転操作という簡単な操作で、コン
タクトアームのトリガバルブステム方向への移動を阻止
することが出来、したがって打撃工具の移動時等におい
て止め金具等の誤射を確実に防止することが出来る。

また、本考案によれば、構成が簡単であるので大量生産
に適し、安価に製作することが出来るなで実用上有益な
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の安全装置の一実施例を示し、第１図はコ
ンタクトアームへの係止部材の非ロツク状態においてト
リガーを引き込み操作しない状態を示す要部拡大断面図
、第２図はコンタクトアームへの係止部材の非ロツク状
態を示す右側面図、第３図はコンタクトアームへの係止
部材の非ロツク状態においてコンタクトアームの上動を
完了した状態を示す要部拡大断面図、第４図ないし第６
図は係止部材のコンタクトアームへの非ロツク状態から
ロック状態への操作順序を示す平面断面図、第１図はコ
ンタクトアーム及び係止部材等を示す分解斜視図、第８
図はコンタクトアームへの係止部材のロック状態におい
てトリガーを引き込み操作しない状態を示す要部拡大断
面図、第９図は係止部材のコンタクトアームへのロック
状態を示す右側面図、第１０図は係止部材のロック状態
においてトリガーの引き込み操作を完了した状態を示す
要部拡大断面図である。 １・・・打撃工具本体、５・・・トリが− ８・・・コ
ンタクトアームガイド板、９・・・コンタクトレバー、
１１・・・コンタクトアーム、１５・・・圧縮スプリン
グ、１６・・・トリガーバルブステム、１１・・・縦孔
又は縦溝、１８・・・横孔又は横溝、１９・・・係合穴
、２０・・・係止部材、２３ 、２３・・・突起、２６
・・・圧縮スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 打撃工具本体に回動自在に枢着されたトリガーと、上記
   打撃工具本体に上下動自在に弾発支持されかつ被打込材
   に押し当てられる先端部を有するコンタクトアームと、
   上記トリガーの一端に回動自在に枢着され、かつ、他端
   が上記コンタクトアームの基端と係合されたコンタクト
   レバーと、上記トリが−の取付位置側に臨むようにトリ
   ガーバルブ室内に内装された圧縮気体制御用のトリガー
   バルブステムとを備え、上記コンタクトアームの上動に
   よりコンタクトレバーの他端を上記トリガーバルブステ
   ム方向に回動させると共に、トリガーの引き込み操作の
   両操作を行なうことにより、コンタクトレバーを介して
   前記トリガーバルブステムを押圧し、これにより止め金
   具を被打込材へ打込み得るようにした気体正駆動型打撃
   工具において、前記コンタクトアームにその長手方向に
   沿う長尺な縦孔又は縦溝及びこの縦孔又は縦溝と直交す
   る横孔又は横溝とを含む係合穴を形成する一方、上記打
   撃工具本体に上記係止穴に対して係脱自由な係止部材を
   設けるとともに、この係止部材に上記縦孔又は縦溝ある
   いは上記横孔又は横溝内に選択的に挿入される突起を設
   け、打撃工具の使用時には係止部材の突起を上記係合穴
   の縦孔又は縦溝内に挿入することによりコンタクトアー
   ムの上下動を自在とすると共に、打撃工具の使用休止時
   には係止部材の突起を上記係合穴の横孔又は横溝内に挿
   入するこ、とによりコンタクトアームの上動を阻止する
   ようにしたことを特徴とする気体正駆動型打撃工具にお
   ける安全装置。