JPS6130867B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、釘、鋲、ステープル等の止め金具を
圧縮空気等の圧力を利用して被打込材に打込むよ
うにした気体圧駆動型打撃工具における安全装置
に関し、特に上記止め金具の空打ち、二度打ち及
び誤射を防止するようにした安全装置に関するも
のである。

この種の打撃工具は、全体がピストル型の形状
を成しており、打撃工具本体に突設したグリツプ
部を握り、このグリツプ部の基端近傍の位置に内
蔵されているトリガバルブを該バルブと対峙する
ように上記本体に枢動自在に配設されているトリ
ガレバーの引上げ及び解放両操作によつて作動さ
せることにより、連続的に止め金具を被打込材に
打込む構造のものである。

ところで、従来、止め金具の打込み作業時にお
ける安全性を確保するためにトリガレバーの引上
げ操作だけでは止め金具が発射されず、打撃工具
本体に突設した釘打出し部となるノーズの軸方向
に往復移動自在であつて先端が常時ノーズの先端
よりも突出するように弾発付勢されているコンタ
クトアームを被打込材に押付け該コンタクトアー
ムを往動させることにより始めて止め金具の打込
みが可能となるような誤射防止機構を備えた打撃
工具が広く使用されている。

しかし、この種の打撃工具は気体圧を駆動源と
しているために非常に強固に本体を製作する必要
がある。そのために該本体は金属性材料で成形さ
れており、比較的重いものである。そのため、作
業者が該本体に圧縮空気等が供給されている状態
で打撃工具のグリツプ部を握り作業現場を移動す
る場合において、作業者は該グリツプ部を強く握
り締めた状態で持ち運ばなければならない。そし
て、このような移動時において作業者は移動した
現場で即座に打込み作業が再び行なえるように人
差し指でトリガレバーを引上げ操作したままの状
態で打撃工具を移動させているのが実情である。

しかし、このようにトリガレバーを引上げ操作
したままの状態で打撃工具を移動させると、その
移動途中において何らかの事情、例えば作業者が
誤まつて自分の足にコンタクトアームの先端を押
付けた場合、または障害物にコンタクトアームの
先端を押付けた場合等不用意に止め金具を発射さ
せてしまうことになり、自分ばかりでなく他人に
対しても大変危険である。

また、止め金具を被打込材の所定位置に狙い打
ちする作業においては、通常コンタクトアームの
先端を被打込材の打込み所定位置に押付けノーズ
先端を該被打込材の打込み所定位置に位置決めし
た後トリガレバーを引上げ操作することによつて
行なわれている。しかし、この操作を長時間繰返
し行なつていると、上記各操作が不完全になるこ
と（コンタクトアームの往動操作が不十分のまま
トリガレバーを引上げ操作してしまうこと）があ
る。そうすると、打撃工具本体内のエアーシーケ
ンスがくずれ止め金具の空打ち、あるいは二度打
ち（ドリブル）等の事故が起こり、被打込材の表
面を損傷させてしまうことになる。

そこで、本発明は上記従来の欠点を解消するた
めに提案されたものであり、コンタクトアームを
先に往動終端まで往動操作しその後トリガーレバ
ーを引上げ操作した時のみ止め金具を発射し得る
ようにし止め金具の不用意な発射を阻止するとと
もに止め金具の空打ち及び二度打ちを確実に防止
することを目的とする。

以下、本発明の好適な実施例を図面に基づき具
体的に説明する。なお、この実施例は圧縮空気の
圧力を駆動源とする空気圧式釘打機に適用したも
のである。

第１図に示すように、この空気圧式釘打機１の
本体２内には図示しない打撃ピストン・シリンダ
機構からなる打撃駆動部が内蔵されている。そし
て、この釘打機１は上記打撃駆動部に該本体２の
一側に突設されているグリツプ部３内を介して圧
縮空気を供給し、この供給した圧縮空気の圧力に
よつて上記打撃ピストンを往動させ、該ピストン
に一体結合した図示しないドライバを上記本体２
の下端に突設した釘打出し部となるノーズ４内で
往動させ、予め該ノーズ４内に供給されている図
示しない釘を該ノーズ４の先端４ａから打出す構
造のものである。

そして、上記グリツプ部３の基端近傍には上記
打撃駆動部への圧縮空気の供給・遮断の切換バル
ブとなる図示しないヘツドバルブへON・OFF信
号を送る役目のバルブステム５を内装したトリガ
バルブ６が配装されている。なお、このバルブス
テム５はトリガ６内に配装されている図示しない
圧縮コイルバネによつて常時外方へ突出するよう
に弾発付勢されている。

また、第２図にも示すように上記本体２には上
記バルブステム５と対峙するようにトリガレバー
７が配設されている。このトリガーレバー７は回
動支軸８を支点として枢動自在である。このトリ
ガレバー７は第３図に示すように彎曲形状の指当
て板９とこの指当て板９の両側縁から立ち上がり
形成されている補強側板１０，１０とから構成さ
れている。上記トリガレバー７の枢支部１１の下
端１１ａには後述するコンタクトアーム１８の往
復移動を制御するコンタクトアーム移動制御片１
２，１２が並列するよう設けられている。この制
御片１２，１２は上記トリガレバー７の引上げ操
作に伴ないコンタクトアーム１８の移動線上に突
出する。なお、この制御片１２，１２と上記指当
て板９との間には後述するコンタクトアーム１８
の基端１８ａが上記トリガレバー７の内部に突出
入自在となるように切欠き穴部１３が開設されて
いる。

また、上記補強側板１０，１０間には上記バル
ブステム５と上記指当て板９との間に配設された
コンタクトレバー１４の一端１４ａ側が回動支軸
１５を支点として枢支されている。このコンタク
トレバー１４は第３図に示すようにステム当接板
１６とこのステム当接板１６の一端側の両側縁か
ら立ち上がり形成されている回動支軸挿入用側板
１７，１７とから構成されている。

一方、上記釘打機本体２には前記ノーズ４の軸
方向に往復移動自在なコンタクトアーム１８が配
設されている。このコンタクトアーム１８は上記
本体２の一側に設けられているアームガイド１９
によつて移動方向が案内されるとともに該コンタ
クトアーム１８と上記本体２との間に配装されて
いる圧縮コイルスプリング２０の弾発力によつて
第１図中下方向に押圧されており、該コンタクト
アーム１８の先端１８ｂは常時ノーズ４の先端４
ａよりも突出するように弾発付勢されている。

そして、上記コンタクトアーム１８の基端１８
ａ側は前記トリガレバー７に開設されている切欠
き穴部１３を介して前記トリガレバー７の内部に
出入り自由となるように挿入されている。そし
て、このコンタクトアーム１８の基端１８ａは前
記トリガレバー７内において前記コンタクトレバ
ー１４の他端１４ｂ側を支持している。また、上
記コンタクトアーム１８の基端１８ａ側の両側端
縁２１，２１には前記トリガレバー７を引上げ操
作することにより前記コンタクト移動制御片１
２，１２係合する突条片２２，２２が突設されて
いる。すなわち、この突条片２２，２２は上記コ
ンタクトアーム１８を往動操作した後に上記トリ
ガレバー７を引き上げ操作すると前記コンタクト
アーム移動制御片１２，１２によつて保持され、
コンタクトアーム１８の往動を保持し、逆に上記
トリガレバー７を引上げ操作した後に上記コンタ
クトアーム１８を往動操作すると前記コンタクト
アーム移動制御片１２，１２に打当り、コンタク
トアーム１８の往動を規制する作用をなすもので
ある。

次に、上記構成からなる釘打機１におけるトリ
ガレバー７とコンタクトアーム１８の作用につい
て説明する。

まず、コンタクトアーム１８を先に往動操作
し、その後にトリガレバー７を引上げ操作した場
合について第４図に従い説明する。

コンタクトアーム１８の先端１８ｂを被打込材
に押付け、コンタクトアーム１８を往動操作する
と該コンタクトアーム１８の基端１８ａ側は第４
図Ａに示す如く、トリガレバー７の内部に深く進
入し、コンタクトレバー１４の他端１４ｂを押上
げる。この時、コンタクトアーム１８の突条片２
２，２２はトリガレバー７の内部に進入してい
る。そして、この状態を維持しながらトリガレバ
ー７を引上げ操作（第４図Ｂ中矢印Ａ方向への回
動操作）して行くと、上記コンタクトレバー１４
は他端１４ｂを支点として反時計方向に回動し、
コンタクトレバー１４全体が上方向に持ち上げら
れて行く。そうすると、上記トリガバルブ６のバ
ルブステム５は上記コンタクトレバー１４のステ
ム当接板１６によつて押上げられ、前記ヘツドバ
ルブにはON信号が送られ打撃駆動部はON動作し
釘をノーズ４の先端４ａから打出す。なお、上記
トリガレバー７を引上げ操作して行くことによ
り、コンタクトアーム移動制御片１２，１２は上
記突条片２２，２２の下端２２ａ，２２ａ側に入
り込み、該突条片２２，２２を第４図Ｃに示す如
く下側から受け止めるように保持する。そうする
と、コンタクトアーム１８は往動したままの状態
で保持されることになり、上記バルブステム５は
押し上げたまま保持される。このように、上記バ
ルブステム５を押上げたままの状態で保持すると
釘打機本体２内の打撃駆動部は往動終端の位置で
停止させられ、釘をノーズ４の先端４ａから打出
した図示しないドライバを打撃終了状態のままノ
ーズ４内で停止させることができる。すなわち、
釘を被打込材の所定位置に狙い打ちすることがで
きる。

そして、引上げ操作のまま保持していたトリガ
レバー７を解放操作するとトリガレバー７は回動
支軸８を支点として第４図Ｂ中時計方向に回転
し、上記コンタクトアーム制御片１２，１２は上
記突条片２２，２２の保持状態を解除する。そう
すると、上記コンタクトアーム１８は圧縮コイル
スプリング２０の弾発力によつて復動し、コンタ
クトレバー１４の他端１４ｂの押上げ状態を解除
する。そうすると、トリガバルブ６のバルブステ
ム５は押上げ前の状態に復帰し、ヘツドバルブに
OFF信号を送る。そうすると、打撃駆動部は
OFF動作（ドライバが打撃ピストンのリターン
によつて釘打機本体内に入り込むこと）し、再び
打撃始動状態に戻る。

このように、トリガレバー７の引上げ操作終了
時においてコンタクトアーム１８の往動を保持す
ることができるのでバルブステム５を押し上げ操
作したままの状態で保持することができる。した
がつて、打撃駆動部をトリガレバー７の引上げ操
作及解放操作ごとに動作させることができるの
で、釘の空打ち及び二度打ちは起こらず釘を一本
ずつ確実に被打込材に打込むことができる。

次に、トリガレバー７をコンタクトアーム１８
の往動操作よりも先に引上げ操作した場合につい
て第５図に従い説明する。

第５図Ａに示すようにトリガレバー７を先に引
上げ操作すると、コンタクトアーム移動制御片１
２，１２はコンタクトアーム１８の突条片２２，
２２の上端２２ｂ，２２ｂ側に入り込んで来る。
そうすると、上記コンタクトアーム１８のその後
の往動は上記突条片２２，２２の上端２２ｂ，２
２ｂが上記制御片１２，１２の下端１２ａ，１２
ａに打当ることによつて阻止され、コンタクトア
ーム１８の基端１８ａによつて支持されているコ
ンタクトレバー１４の他端１４ｂ側を押し上げる
ことができない。すなわち、バルブステム５を押
し上げ操作することができない。

したがつて、トリガレバー７を引上げ操作した
ままの状態で作業現場を移動した際、誤まつてコ
ンタクトアーム１８の先端１８ｂが障害物に触れ
コンタクトアーム１８を往動させようとしても、
この往動を確実に阻止することができる。

以上のように、本発明は打撃工具本体内の打撃
駆動部にON・OFF信号を送るバルブステムを内
装したトリガバルブと、このトリガバルブと対峙
するように上記本体に枢動自在に配設されたトリ
ガレバーと、このトリガレバーと上記トリガバル
ブとの間に配設されるとともに一端が該トリガレ
バーに枢支されたコンタクトレバーと、上記本体
に突設したノーズの軸方向に往復移動自在に配装
され基端近傍が上記コンタクトレバーの他端に係
合するとともに先端が常時上記ノーズの先端より
も突出するように弾発付勢されたコンタクトアー
ムとを備え、このコンタクトアームの先端を被打
込材に押付けコンタクトアームを往動させる操作
と上記トリガレバーを引上げる操作の両操作を行
なうことによつて、上記コンタクトレバーを介し
て前記バルブステムを押上げ操作し、これにより
前記打撃駆動部を動作させるようにした気体圧駆
動型打撃工具において、上記トリガレバーに該ト
リガレバーの引上げ操作に伴ない上記コンタクト
アームの移動線上に突出するコンンタクトアーム
移動制御片を設け、このコンタクトアーム移動制
御片は上記コンタクトアームを先に往動操作しそ
の後に上記トリガレバーを引上げ操作した時には
往動したコンタクトアームを保持するとともに、
逆に上記トリガレバーを先に引上げ操作した時に
はコンタクトアームのその後の往動を規制するよ
うにしたことを特徴とするものであり、止め金具
の不用意な発射を阻止するとともに止め金具の空
打ち及び二度打ちを確実に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す空気圧式釘打
機におけるコンタクトアーム、トリガレバー及び
コンタクトレバーの係合関係を示す一部断面側面
図、第２図はその拡大側断面図、第３図はその概
略拡大斜視図、第４図Ａはコンタクトアームをト
リガレバーの引上げ操作よりも先に往動操作した
状態を示す拡大側断面図、第４図Ｂは第４図Ａの
状態からトリガレバーを引上げ操作した状態を示
す拡大側断面図、第４図Ｃは第４図Ｂの状態にお
けるコンタクトアーム制御片とコンタクトアーム
との係合状態を示す拡大側面図、第５図Ａはコン
タクトアームを往動操作する前にトリガレバーを
引上げ操作した状態を示す拡大側断面図、第５図
Ｂは第５図Ａの状態におけるコンタクトアーム制
御片とコンタクトアームとの係合状態を示す拡大
側面図である。 １……空気圧式釘打機、２……本体、４……ノ
ーズ、４ａ……ノーズの先端、５……バルブステ
ム、６……トリガバルブ、７……トリガレバー、
１２……コンタクトアーム移動制御片、１４……
コンタクトレバー、１８……コンタクトアーム、
１８ｂ……コンタクトアームの先端、２２……突
条片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 打撃工具本体内の打撃駆動部にON，OFF信
   号を送るバルブステムを内装したトリガバルブ
   と、このトリガバルブと対峙するように上記本体
   に枢動自在に配設されたトリガレバーと、このト
   リガレバーと上記トリガバルブとの間に配設され
   るとともに一端が該トリガレバーに枢支されたコ
   ンタクトレバーと、上記本体に突設したノーズの
   軸方向に往復移動自在に配装され基端近傍が上記
   コンタクトレバーの他端に係合するとともに先端
   が常時上記ノーズの先端よりも突出するように弾
   発付勢されたコンタクトアームとを備え、このコ
   ンタクトアームの先端を被打込材に押付けコンタ
   クトアームを往動させる操作と上記トリガレバー
   を引上げる操作の両操作を行なうことによつて、
   上記コンタクトレバー介して前記バルブステムを
   押上げ操作し、これにより前記打撃駆動部を動作
   させるようにした気体圧駆動型打撃工具におい
   て、上記トリガレバーには上記コンタクトアーム
   の基端部が貫通し得る切欠穴部を有し、さらに上
   記切欠穴部に近接して上記コンタクトアームの基
   端部の移動範囲に上記トリガレバーの操作によつ
   て進入される移動制御片が配設され、また上記コ
   ンタクトアームの基端部にはコンタクトアームの
   非操作時において上記移動制御片の下方に位置
   し、操作時には上記移動制御片の上方に位置され
   る突条片が形成され、上記トリガレバーの操作に
   よつて上記移動制御片をコンタクトアーム基端部
   の移動範囲内に突出させることによりコンタクト
   アームの突条片の動きを阻止するようにしたこと
   を特徴とする気体圧駆動型打撃工具における安全
   装置。