JPS5820870B2 - 交流エレベ−タの加速制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、交流エレベータの加速制御装置に関するもの
で、例えばサイリスクを用いて加速制御を行なう速度制
御装置を備えた交流エレベータに使用できる。

一般に、交流エレベータの加速を制御する場合、起動時
及び加速終端の乗心地が特に重装となる。

特に起動においては負荷の影響や起動タイミングの影響
などの外乱要因が多く、裕度が少ない。

ギャードエレベータでは起動時の飛出しが、反転よりも
、問題となる。

これを抑制するために、従来、起動時の電流の急変を抑
えるように三相誘導電動機の電流を負帰還する方法や電
流ダンピングをかける方法が採用されている。

ここで電流ダンピングをかける場合を考えると、起動時
の飛出しを防止するのに十分なだけの量をダンピングと
して与えると、加速前半の加速度が小さくなる。

このため速度指令と実速度の偏差が増加して後半で加速
度が犬となり、加速終端で加速度が急激に減衰する形と
なって加速終端の生理定数が犬となり、ショックを感じ
やすくなる。

高速の交流エレベータで短階高運転をするときは三相誘
導電動機の同期速度より低い速度で運転する場合があり
、このときは加速時間が短かく、かつ、加速後半で制御
する電流量が犬である。

このため、従来のように、電流ダンピング回路の抵抗に
並列にダイオードを設けて加速度増加域のダンピングを
弱める方法ではダンピング効果に遅れが生じ、加速度に
一時落ち込みが生じる。

一方、長階高運転では加速後半のダンピングは短階高運
転時以上に弱めないと終端でショックを生じる。

本発明はこの点に着眼してなされたもので、上述した従
来技術の問題点を解決し、円滑な加速時性を得ることが
できる交流エレベータの加速制御装置を提供することを
目的とするものである。

本発明の特徴は、短階高運転においては長階高運転に比
し加速前半ではダンピング量が小さく、加速後半では大
きくなるような構成とすることにある。

以下図面により本発明を説明する。

第１図は本発明の一実施例のブロック構成図である。

第１図において、１は三相誘導電動機、２は電動機１に
よって駆動されるエレベータ乗かご、３は平衡錘である
。

電動機１はその実速度が速度検出器４によって検出され
、この速度検出器４の出力が調整抵抗５を介して比較器
７に与えられて速度指令装置６の出力と比較され、比較
器７の出力が増幅器８に入力され、増幅器８の出力によ
り電動機１の一次電流が制御される。

エレベータの乗心地の面から、ダンピング回路９を設け
て一次電流の変化を取出して前記の実速度と指令速度と
の偏差検出部である比較器７に帰還している。

ダンピング回路９は抵抗器１１，１２．２９と。

コンデンサ１３、ダイオード２８及び短階高運転指令１
０ａ、１０ｂより構成される。

このダンピング回路９の出力が犬のときは制振効果が犬
であるが、一方、制御遅れが大となる。

第２図Ａに示す実線の加速度曲線は上記の現象を表わし
ており、。

加速終端の変化率すなわちφが大きく、ショックを感じ
ることになる。

なお、第２図の横軸は時間ｔを、縦軸は加速度ｇを示す
。

ここで、第１図において短階高運転指令１０ａ。

１０ｂがない場合を考えると、短階高運転時は加。

速時間が短かいこと及び電動機１の周期速度近辺のトル
ク垂下特性を利用できないこと等のために加速前半から
電流ダンピングを弱めておく必要があるが、そうすると
、長階高運転ではダイオード２８の効果により加速前半
ではダンピングを強め、。

後半の加速度減少域では抵抗器２９によりダイビングを
弱めることになる。

そこで本発明では、抵抗１１及び１２と並列にそれぞれ
短階高運転指令１０ａ、１０ｂを接続することにより短
階高運転時の加速前半のダンピン・グを弱めるようにす
る。

その結果が第２図Ａの破線で示す加速度曲線であり、円
滑な加速度特性が得られる。

第３図は第１図のブロック図に対応する具体的な一実施
例回路図である。

これは、比較器７として磁気移相器７Ａ、７Ｂを用い、
増幅器８としてパルスアンプ８Ａ、８Ｂ、制御極付整流
器８Ｃを用い、交流三相Ｒ，Ｓ、ＴのうちのＲ相、Ｔ相
を制御する二相制御の場合である。

速度検出器４としては交流発電機を用い、これを整流器
２５で整流し、調整抵抗５を介して磁気移相器７Ａ、７
Ｂの制御巻線Ｃ２，Ｃ５に信号を与え、速度指令装置６
の出力は制御巻線Ｃ１，Ｃ４に与えられ、そして制御系
は速度指令装置６の出力が犬となるとき加速する方向に
働く。

一方、電流ダンピングはＲ相を制御する比較器に対して
はＲ相に設けた交流器２１から信号を携り出し、整流器
２３で整流し、ダンピング抵抗２９Ａ、１１Ａ、１２Ａ
、ダンピングコンデンサ１３Ａを介してダンピング信号
を制御巻線Ｃ３に与え、短階高運転では短階高運転指令
１０ａＡが閉じて１０ｂＡが開くように構成される。

同じくＴ相に対しては、Ｔ相に挿入された変流器２２、
整流器２４、ダンピング抵抗１１Ｂ、１２Ｂ、２９Ｂ、
ダンピングコンデンサ１３Ｂを介して制御巻線Ｃ６に信
号が与えられる。

そして、短階高運転時には短階運転指令１０ａＢが閉じ
て１０ｂＢが開くように構成される。

以上のような構成をもつ第３図回路は、第１図のブロッ
ク図の場合と全く同様に動作し、短階高運転時にもショ
ックのない円滑な加速制御が得られる。

一方、起動時のダンピング効果が弱まることから、起動
補償を負荷範囲に対し１点あるいは２点で切替えて信号
を与える場合に裕度が減り、同一起動補償条件の軽負荷
側で飛び出し現象が生じやすい。

第２図Ｂの実線がこれを示している。そこで、本発明で
は速度指令装置６の入力側に、第３図に破線で囲んで示
すように、起動補償回路２６を設け、短階高運転時抵抗
２７を短階高指令１０Ｃによって挿入し、起動補償の信
号を起動補償回路２６に図示したように実線から破線に
変更すると、第２図Ｂに破線で示すように、飛び出し現
象のない円滑な乗心地が得られる。

以上のように、本発明によれば、短階高運転時と長階高
運転時とで電流ダンピング量を抵抗により切替える構成
とすることで短階高運転時は加速前半のダンピングを弱
め、逆に後半では強くし、これにより短階高運転でも円
滑な乗心地が得られる加速制御とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図、第２図は
加速度特性図、第３図は本発明の一実施例を示す回路図
である。 符号の説明、１・・・・・・三相誘導電動機、２・・・
・・・エレベータ乗かご、３・・・・・・平衡錘、４・
・・・・・速度検出器、５・・・・・・調整抵抗、６・
・・・・・速度指令装置、７・・・・・・比較器、８・
・・・・・増幅器、９・・・・・・電流ダンピング回路
、１０・・・・・・短階高運転指令。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エレベータ１駆動源となる三相誘導電動機と、上記
   電動機に一次電流を供給する増幅器と、長階ゴ高運転及
   び短階高運転に応じて出力を発生する速度指令装置き、
   電動機実速度と指令速度との偏差を求めて上記増幅器に
   制御入力を与える偏差検出部と、上記電動機の一次電流
   の変化を検出し変化を抑える方向に上記偏差検出部に帰
   還するダンピニング回路とを備え、上記ダンピング回路
   の出力を短階高運転時は長階高運転時に比較して加速度
   増加域では小さくし加速度減少域では大きくすることを
   特徴とする交流エレベータの加速制御装置。 ２ エレベータ１駆動源となる三相誘導電動機と、ご上
   記電動機に一次電流を供給する増幅器と、長階高運転及
   び短階高運転に応じて出力を発生する速度指令装置と、
   電動機実速度□と指令速度との偏差を求めて上記増幅器
   に制御入力を与える偏差検出部と、上記電動機の一次電
   流の変化を検出し変化；を抑える方向に上記偏差検出部
   に帰還するダンピング回路と、上記速度指令装置の前段
   に設けられて起動時の指令速度を補償する起動補償回路
   とを備え、上記起動補償回路からの起動補償量を短階高
   運転時は長階高運転時より小さくしたことを特徴とする
   交流エレベータの加速制御装置。