JPS5820814B2 - ル−プ状給電トロリの給電装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はループ状給電トロリの給電装置に関するもので
ある。

給電ト０１Ｊは第１図に１で示すように地上に敷設され
た状態で、２個の前輪３及び２個の後輪４を持つ車両５
を給電トロリ１に沿って自走させるのに用いる。

車両５は集電器６を具え、この集電器を給電トロリ１上
で、車両５に追従して走行可能とする。

この目的のため、集電器６は第２図に示すように、平板
１の下面４隅の角に夫々垂直走行ローラ８を取付けて構
成し、平板７の上面中央をボールジヨイント９及びパン
ダグラフリング機構１０を介して、第１図示の如く車体
前方に横架したスライドレール１１に連係スる。

これにより、集電器６は車両５のローリング、ピッチン
グ及びヨーイングの影響を受けることなく、給電トロリ
１上をローラ８の転動により走行し得るよう、車両５に
装架される。

給電トロリ１はその横断面を示す第３図から明らかなよ
うに、地上に敷設されるスペーサ１２と、その上に固着
した逆Ｔ字型断面の架台１３と、架台１３の両側に係着
した絶縁外被１４とで構成される。

各絶縁外被１４はその長手方向に給電導体１５を埋設さ
れており、その一部を露出させる溝１４ａと、この溝の
開口部を塞ぐ回動自在のカバー１４ｂとを有する。

カバー１４ｂはその遊端縁に防水ファスナ１４ｃを有し
、この防水ファスナが窪み１４ｄに陥入することで、カ
バー１４ｂを閉位置に保つ。

給電トロリ１には更に、絶縁外被１４の溝１４ｃ内に収
納して誘導ケーブル１６を設ける。

第２図に示すように、集電器６の平板７には、その下面
両側に各一対の水平ローラ１７を設け、これら各対の水
平ローラ間に配して平板７の下面両側に平行リンク機構
１８を介して集電シュー１９を吊下する。

水平ローラ１７はカバー１４ｂの内側面と第４図の如く
係合し、カバー１４ｂを走行ローラ８間において第２図
及び第４図に示すように開位置に保つ。

そして、これにより開かれた溝１４ａの箇所より集電シ
ュー１９が第２図及び第５図に示すように溝１４ａ内に
侵入して給電導体１５に接触する。

かくて、一対一組の給電導体１５から集電シュー１９を
経て、車両５に搭載したモーフ（図示せず）に電力が供
給され、モーフは車両５を走行させることができる。

この走行中車両５はその前後両側に設けた検知コイル２
０ａ 、２０ｂ及び２１ａ。

２１ｂ（第１図参照）により、誘導ケーブル１６（第３
図参照）が発する磁界２２（第１図参照）の強度を検出
しており、前進走行中は前方の検知コイル２０ａ 、２
０ｂを、又後退走行中は後方の検知コイル２１ａ、２１
ｂを切換えて用い、使用中の検知コイル２０ａ 、２０
ｂ間又は２１ａ、２Ｉｂ間で磁界強度が等しくなるよう
ステアリング装置（図示せず）を介して前輪３を転舵す
る。

かくて、車両５は給電トロリ１に跨がりこれに沿って自
動操縦されつつ、自走することができる。

上記給電トロリ１をループ状に敷設する場合、給電導体
１５及び誘導ケーブル１６は模式的に示せば、第６図に
示す配置となり、これに対して給電用電源２３及び誘導
用発振器２４は同図に示す如くに結線する。

そして、通常、給電用電源２３は例えば２００■、５０
Ｈｚの低周波走行電流を一対１組の給電導体１５〜に通
電し、誘導用発振器２４は例えば９ ＫＨｚの高周波誘
導電流を誘導ケーブル１６が発生させる磁界２２（第１
図参照）は以下に説明する如く給電導体１５内に磁界２
２を打消されるような起電力を発生させる。

即ち、誘導ケーブル１６はこれに流す誘導電流と同じ周
波数で向きを変える磁界２２を発するが、ここで説明の
便宜上磁界の向きが第６図に細線２５で示す場合を想定
すると、この磁界２５は給電導体１５のループ内を横切
ることで、これら給電導体内に誘導電流と同じ周波数の
起電力を発生させる。

これにより各給電導体１５内に、誘導ケーブル１６を通
る電流とは逆向きの電流２６が流れ、この電流によって
給電導体１５の周りに磁界２５とは逆向きの太線２７で
示す磁界が形成される。

磁界２７は磁界２５を打消すよう作用し、結果として誘
導磁界２２（第１図参照）は著しく低下するのを免れ得
ず、前述した如くにして誘導縁。

縦される車両５は誘導磁界２２の強度不足により誘導不
能となる。

これを防止する一対束として、誘導ケーブル１６を、こ
れにより発生される誘導磁界２２が給電導体１５にとど
かないよう、給電導体１５から。

大きく離間させて配置することが考えられるが、この場
合給電トロＩＪが大型になると共に、その敷設費が嵩み
、実用的でなく、又他車両への迷惑もはなはだしく実現
困難である。

そこで一般的には、第７図に示すように各給電・導体１
５をその一部分１５ａにおいて切断する対策が考えられ
ている。

しかし、この対策では集電シュー１９（第２図及び第５
図参照）が給電導体切断部１５ａに達した時、第６図に
示したと同様の給電導体１５のループを形成してしまい
、この時点で一瞬間にせよ誘導磁界２２の強度不足によ
り車両の誘導不足を招き、完全な問題解決を実現できな
い。

又、上記問題解決のため、各給電導体１５を第８図に示
すように２ヶ所１５ａ、１５ｂにおいて切断することも
考えられるが、この場合給電用電源２３を第６図及び第
７図に示す従来通りに結線するのでは、給電導体１５に
給電不能な部分が生じ、車両が走行不能になることから
、給電用電源２３を第８図に示すように各給電導体１５
に対し２ケ所で結線せざるをえない。

しかしかかる構成では、集電シュー１９が給電導体切断
部１５ａを通過する時、点線および一点鎖線で示すよう
なループが形成され、同じく誘導磁界２２（第１図参照
）の低下を免れず、この構成も完壁なものでない。

本発明はコイルが低周波数の電流に対して大きな抵抗を
示さず、高周波数の電流に対してのみ大きな抵抗きなる
のを利用し、各給電導体を個々に２ケ所以上で電気的に
分断し、両給電導体共、分断された部分のうち少なくと
も１つおきの部分にコイルを経て前記低周波走行電流を
供給すると共に、他の部分に直接低周波走行電流を供給
するよう構成すれば、前記した誘導磁界の低下という問
題を確実に解決できるとの観点から、この着想を具体化
したループ状給電トロリの給電装置を提唱するものであ
る。

この目的のため本発明においては１．ループ状給電トロ
リの給電装置を例えば第９図に示す構成とする。

即ち、一対１組の給電導体１５を個々に第８図の場合と
同様に２ヶ所１５ａ、１５ｂにおいて切断し、給電用電
源２３を第８図の場合と同様の結線により各給電導体１
５に対し２ケ所で接続して両給電導体１５共、分断され
た部分に個々に電源２３からの低周波走行電流を供給す
る。

そして、本発明においては、両給電導体１５共、分断さ
れた部分のうち少なくとも１つおきの部分に低周波走行
電流を供給する電路２８中に例えばインダクタンスが１
２０μＨのコイル２９を挿入する。

この場合、電源２３の周波数５０Ｈｚに対してコイル２
９のインピーダンス２は Ｚ ＝−２πｆＬ＝ ０．０３７．Ｑ となり、電源２３からの電流はほとんど抵抗なくコイル
２９を通り、給電導体１５の対応切断部分１５ａ、１５
ｂ間に供給される。

ここで、集電シュー１９が第８図に示すように給電導体
切断部分１５ａに達して、点線及び一点鎖線により示す
ループが形成され、これらのループ内を、前述したよう
に誘導ケーブル１６に供給されていると同じ高周波数（
９ＫＨｚ）の逆電流が流れようとしても、この高周波電
流に対するコイル２９のインピーダンスＺは Ｚ＝２πｆＬ＝６．７８Ω となり、コイル２９は上記ループ内に流れようとする高
周波逆電流の流れを阻止する。

これがため、集電シュー１９が第８図に示すように給電
導体切断部分１５ａに達して点線及び一点鎖線で示すル
ープが形成されても、このループ内に高周波逆電流が流
れるのをコイル２９で制限でき、誘導磁界２２（第１図
参照）を低下させるような磁界の発生を抑えて、この誘
導磁界の強度を高く保ち、車両が誘導不能になるのを防
止できる。

又、集電シュー１９が給電導体切断部分１５ｂに達して
、内側の切断部分１５ｂ、対応するコイル２９及び電路
２８を通るループと、外側の切断部分１５ｂ、対応する
コイル２９及び電路２８を通るループが形成される場合
も、これらループ内を誘導ケーブル１６におけると同じ
高周波の逆電流が流れようとするのを両コイル２９が同
様に阻止し、誘導磁界２２の低下を抑えて車両が誘導不
能になるのを防止できる。

なお、上述した例では、両給電導体１５を夫々２個所で
分断する場合について説明したが、これらを個々にそれ
以上の箇所で分断する場合も同様の考え方を適用するこ
とにより、即ち各給電導体の分断された部分のうち少な
くとも１つおきの部分にコイルを経て電源２３からの低
周波走行電流を供給し、他の部分に電源２３からの低周
波走行電流を直接供給するよう構成すれば前述した例と
同様の作用効果が奏し得られることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両の無人誘導装置を示す全体斜視図、。 第２図は同じくその集電器を示す斜視図、第３図は給電
トロリの横断面図、第４図は第２図の集電器による給電
トロリのカバー開放作動説明図、第５図は第２図の集電
器の集電状態説明図、第６図は給電トロＩＪをループ状
にした場合における給電導体及び誘導ケーブルの配置説
明図、第７図及び第８図は同じくその別の配置例を示す
第６図と同様の説明図、第９図は本発明によるループ状
給電トロリの給電装置を示す第６図乃至第８図と同様の
説明図である。 １・・・・・・給電トロＩＪ、３・・・・・・前輪、４
・・・・・・後輪。 ５・・・・・・車両、６・・・・・・集電器、７・・・
・・・平板、８・・・・・・垂直走行ローラ、９・・・
・・・ボールジヨイント、１０・・・・・・パンタグラ
フ機構、１１・・・・・・スライドレール、１２・・・
・・・スペーサ、１３・・・・・・架台、１４・・・・
・・絶縁外被、１５・・・・・・給電導体、１６・・・
・・・誘導ケーブル、１７・・・・・・水平ローラ、１
８・・・・・・平行リング機構、１９−・・・・−集電
シュー、２０ａ、２０ｂ、２１ａ。 ２１ｂ・・・・・・磁界検知コイル、２２・・・・・・
誘導磁界、２３・・・・・・給電用電源、２４・・・・
・・誘導用発振器、１５ａ、１５ｂ・・・・・・給電導
体切断部分、２５，２７・・・・・・磁界、２６・・・
・・・逆電流、２８・・・・・・電路、２９・・・・・
・コイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高周波誘導電流を供給されるループ状の誘導ケーブ
   ルと、低周波走行電流を供給される一対１組のループ状
   給電導体とを並設して具えるループ状給電トロリにおい
   て、前記各給電導体を個々に２ケ所以上で電気的に分断
   し、両給電導体共、分断された部分のうち少なくとも１
   つおきの部分にコイルを経て低周波走行電流を供給する
   と共に、他の部分に直接前記低周波走行電流を供給する
   よう構成したことを特徴とするループ状給電トロリの給
   電装置。