JPS5820764B2 - コンクリ−ト製品製造用型枠の内枠 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はボックスカルバートや暗渠等のコンクリート
製品製造用型枠、特にその内枠に関するものである。

一般に内部に空胴部分を有するボックスカルバートや暗
渠等のコンクリート製品を製造するための型枠は空胴部
分の形状を形成する内型枠すなわち内枠と、外形を形成
する外型枠すなわち外枠とから構成されている。

この様な型枠はその組立および分解の容易さを考慮して
複数個に分割されている。

その作業方法はこれら複数個に分割された内枠および外
枠を多数のボルトで締付けて組立てており、また分解の
ときにはこの様な締付けたボルトを弛めて取外すことに
よって行っている。

しかし、従来のこの様な組立分解作業において、特に内
枠の組立解体を行うためには狭い内枠に作業者が入って
作業しなければならないので作業が困難で、危険を伴い
、時間と労力を要する等の欠点がみられる。

従って、この発明の目的はこの様な従来における欠点を
解決するために、底板上に設置される上から下へ縮幅す
るくさび形型枠部材と、上から下へ拡幅するくさび形型
枠部材とを交互に隣接して相対的に滑動可能に連結し、
型枠の組立脱型を簡単容易にし且つ作業性を改善するよ
うにしたコンクリート製品用型枠の内枠を提供すること
にある。

この発明の他の目的と特長や利点は以下の添付図面に沿
っての詳細な説明から明らかになろう。

図面にはこの発明のコンクリート製品用型枠の内枠の一
実施例が示される。

第１図乃至第４図に示される様に、この発明のコンクリ
ート製品用型枠の内枠２は底板１に設置され、外枠（図
示しない）と相俟ってコンクリート成形品３を成形すべ
く用いられるものである。

この内枠２は互に対向する対称な三角形状のくさび形型
枠部材４．４’。

５．５′で構成されており、互に組をなす上から下へ縮
幅するくさび形型枠部材４，４′と上から下へ拡幅する
くさび形型枠部材５，５′とを有している。

これらくさび形型枠部材４．４’、５．５’は互に隣接
する接合部に、互に滑動係合する凹凸面を有した平鋼抜
板６，６’、７，７’が溶接の様な適宜な手段により固
着されている。

上から下へ縮幅するくさび彫型枠部材４，４′に固着さ
れた平鋼抜板６゜６′には上下に２個所、必要ならば２
個所以上、に長孔８，８′が穿けられており、他方のく
さび彫型枠部材５，５の対応する平鋼抜板１，７′とボ
ルトの様な取付金具９，９′により互にくさび彫型枠部
材４．４’、５．５’が上下方向に滑動可能に連結して
いる。

また、これら平鋼抜板６，６’、７．７’は図示される
様に内枠周面に対して直角な方向に、且つ所要の縮幅お
よび拡幅をなすよう上下方向に傾斜して配置されている
。

また、くさび彫型枠部材４．４’、５．５’の上部縁板
１０，１０’、１１，１１’には引揚用取手１２゜１２
’、１３，１３’が夫々設けられると共に、くさび彫型
枠部材４，４′は連結具１４により互に連結され且つ上
部縁板１０，１０’から下部縁板１６゜１６′に垂直に
貫く案内パイプ１７．１７’が夫々設けられている。

上部および下部縁板１０，１０’。１６．１６’を貫通
して延びる案内パイプ１７．１７’に対応して底板１に
は孔１８が設けられていると共に底板１の裏面にボルト
用のナツト１９が溶着されている。

従って、底板１上に設置された内枠２は、上から下へ縮
幅するくさび彫型枠部材４゜４′の上部縁板１０，１０
’の上面から長尺ボルト２０を案内パイプ１７．１７’
に沿って貫通して底板１の裏面のナツト１９に螺着する
ことによって底板１に内枠２がしつかり締付は固着され
る。

また、底板１と内枠２のくさび彫型枠部材４．４’。

５．５′との嵌合部２１にはテーパーが付けられていて
、底板１から内枠２を容易に離脱できるようになってい
る。

更に、内枠２の各くさび彫型枠部材４．４’、５．５’
の内側には補強用のリブ２２が適当な数設けられていて
くさび彫型枠部材４，４′。

５．５′を強固にしている。

１５ 、１５’はくさび彫型枠部材５，５′の下部縁板
である。

この様に構成されたこの発明のくさび彫型枠部材４．４
’、５．５’から構成された内枠２は先づ底板１の上に
載置されて長尺のボルト２０ ２０’をくさび彫型枠４
，４′の案内パイプ１７．１７’を通って底板１のナツ
ト１９に螺着して締付ければ、隣接のくさび彫型枠部材
５，５′とのくさび作用によって内枠２を外側に向って
拡幅するようなし、底板１に内枠２の嵌合部２１を密着
させて底板１に内枠２が固着される。

次いで取付金具９９′をしつかり締着してくさび彫型枠
部材４．４’、５゜５′が相互に且つ底板１と一体的に
しつかり固定される。

こうして底板１と内枠２とが組合せられたならば、これ
に関連する外枠（図示しない）を組合せて所要の型枠を
完成し、型枠にコンクリートを充填することによってコ
ンクリート製品が成形される。

こうしてコンクリート製品が成形されたならば、成形品
から外枠および内枠が取外される。

先づ、外枠は通常の様に外枠を組立て＼いる取付金具を
取外して外枠が幾つかの部材に分けられて取外される。

次に、この発明に従って構成された内枠２がコンクリー
ト製品すなわち成形品３から取外される。

先づ、長尺のボルト２０，２０′が弛められてくさび彫
型枠部材１０．１０’から取外される。

次いで、クレーンの様な吊上げ機械からのワイヤを上か
ら下へ拡幅する一対のくさび彫型枠部材５，５′の取手
１３．１３’に取付けてワイヤにより引き揚げれば、重
力によって内枠２すなわちくさび彫型枠部材４，４′を
外側へ拡幅する力が作用して成形品３と内枠２を同時に
底板１から離脱できるので、これを所定の位置にまで運
んでそこに下ろす。

次に、もう一方の上から下に縮幅するくさび彫型枠部材
４．４′の取手１２．１２’にワイヤを取付けて引き揚
げれば、長孔８，８′によってくさび彫型枠部材４．４
’、５．５’が互に滑動して第４図の様な状態になって
内枠２の寸法Ｂが成形品３の内寸法Ａよりも小さくなり
、容易に内枠２を成形品３から引き揚げることができる
。

しかも取付金具９９′によりくさび彫型枠部材４．４’
、５．５’が連結されているので内枠２全体が一体とな
って脱型されるので、内枠２をこのま＼底板１の処にま
で運んで底板１の上に設置して長尺ボルト２０，２０’
を螺着することにより底板１と内枠２の組立ができ、こ
れに外枠を組合せれば次の成形準備が完了する。

この様に、この発明のコンクリート製品製造用型枠の内
枠に依れば、底板より成形品を離脱させる際の吊り具と
して内枠を利用することができ、くさび彫型枠部材が取
付金具や連結具により一体となって個々に分散しないよ
う連結されているのでクレーン等の吊上げ機械の一回の
往復動作で内枠の解体と成形品の脱型と内枠の組立とが
でき、またボルト類の使用が長尺ボルト２本だけと極端
に少なくて済み、従ってこの発明の内枠の使用により内
枠の脱型、組立作業を大幅に省力化することができる等
の利点が得られる。

以上、この発明を角形断面の成形品の内型に就いて説明
したが、円筒状断面および他の任意の断面の成形品の内
枠にも適用できることは勿論である０

【図面の簡単な説明】

第１図は底板にセットされたこの発明のコンクリート製
品製造用型枠の内枠の斜視図、第２図はこの内枠を用い
て成形したコンクリート製品と底板と内枠とを外枠を取
外して示す断面図、第３図は脱型時におけるこの発明の
内枠の斜視図、第４図は脱型時における内枠とコンクリ
−外装品との断面図である。 図中、１：底板、２：内枠、３：成形品（コンクリート
製品）、４，４’、５，５’：＜さび彫型枠部材、６，
６’、７，７’：平鋼抜板、８，８’：長孔、９．９’
：取付金具、１２．１２’、１３．１３’：取手、１４
：連結具、２０，２０’：長尺ボルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 底板上に設置される上から下へ縮幅するくさび形型
   枠部材と、上から下へ拡幅するくさび形型枠部材とを内
   枠周面に対して夫々直角な面の接合部にて互に隣接して
   相対的に滑動可能に連結して成り、該くさび形型枠部材
   の接合部を、互に滑動係合する凹凸面を有した平鋼接板
   にて形成して、一方のくさび形型枠部材の平鋼接板に長
   孔を、且つ隣接する他方のくさび形型枠部材の乎鋼接板
   に取付金具を夫々設けて滑動自在に連結し、上から下に
   縮幅するくさび形型枠部材を貫通する長尺ボルトにより
   底板に固着するようにしたことを特徴とするコンクリー
   ト製品製造用型枠の内枠。