JPS5820763B2 - 万十唐草瓦の成型金型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は力士唐草瓦の様に力士部及び花模様部の引掛か
りのため型からの取出しが困難な形状のものを上方傾斜
状の取出し操作にて容易に且つ機械的に取出し可能なら
しめる様にした力士唐草瓦の成型金型に関するものであ
る。

従来力士唐草瓦を成型する場合は第２図乃至第４図に図
示する様に、下型に力士開閉機構及び花模様部を有する
万＋側サックと、シリケン側サック及び切落しを設け、
上型には山峠及びエリ側にサックを設けた構造としてお
り、かかる成型金型では成型素地を取出すには熟練を要
していた。

即ち力士部を開き、シリケン側を曲げぎみにして先に取
出し、そして花模様部を下に抜きながら下型から取出し
ていたので自動化はもとより未熟練者では非常に困難で
あった。

本発明はかかる欠点に鑑み、力士唐草瓦の成型金型を特
殊な構造にして成型素地を上方傾斜状に容易に取出し可
能ならしめて上記欠点を解消せんとしたものにして、以
下本発明実施の一例を図面に基づいて説明すると、 １は力士唐草瓦２の裏成型面３を有する下型であり、４
はこれに対応して表成型面５を有する上型である。

下型１には力士唐草瓦２前部の万＋６、剣７を成型せし
める万＋側サック８を螺着せしめると共に該万＋側サッ
ク８の内面所定位置に花模様９を成型せしめるための花
模様型１０を一体突設せしめ、一方上型４には力士唐草
瓦２の左側部の山峠１１に対応する山峠側サック１２、
右側部のエリ１３に対応するエリ側サック１４、後部の
シリケン１５に対応するシリケン側サック１６及び後方
左角部の切落し１７に対応する切落しサック１８を夫々
上型４の各周壁に螺着せしめている。

１９．２０は万＋側サック８及びシリケン側サック１６
が加圧成型時の抑圧により外方へ開くのを防止せしめる
ために補助的に設けたサック開き止めである。

尚、万＋側サック８の万＋６に対応する部分は従来型と
同様に開閉式であっても良い。

次にかかる構成を有する下型１、上型４により成型した
力士唐草瓦２の取付し装置を成型工程と共に説明すると
、 ２１は瓦のプレス成型機であり、油圧、カム、クランク
等によりラム２２を昇降自在に制御せしめており、該ラ
ム２２の下面に前記上型４を取付け、一方前記下型１は
台部２３上のスライドベース２４上に型搬送シリンダー
２５によって上型４の下方対向位置から取出し部２６へ
往復移動自在に取付けせしめている。

２７は力士唐草瓦２の取出し装置であり、前記取出し部
２６の上方に支持板２８を位置せしめ、該支持板２８の
下面にリンク２９．２９’の上端を枢着せしめると共に
該リンク２９．２９’の下端には下面に成型素地３０の
成型面に対応する多数の吸盤３１，３１’・・・を備え
、吸引装置（図示せず）にホース３２により連繋されて
成型素地３０を吸着、解除せしめる把持具３３を枢着せ
しめ、又前記支持板２８の下面水平方向にシリンダー３
４を取付けそのロッド３５を把持具３３の端部に一体突
設せしめた突片３６に枢着せしめ、シリンダー３４の作
用により把持具３３を水平状態にて所定の軌道を前後に
往復移動自在ならしめている。

又支持板２８の上方には基板３７を位置せしめ、該基板
３７にシリンダー３８を垂直に取付けそのロッド３９を
下方に突出せしめて前記支持板２８に取付けると共にロ
ッド３９の両側方に並設したガイドシャフト４０の下端
を支持板２８に取付けその上端方を基板３７及びシリン
ダー３８の後端に固着したブラケット４１に挿通支持せ
しめシリンダー３８の作用により前記把持具３３を支持
板２８と共に昇降自在ならしめている。

４２は移送機構部であり、上記取出し装置２７を取出し
部２６と適宜なるタメシ入れ直立機４３の載置部４４と
の間を往復移送せしめるものであって、プレス成型機２
１の前方に位置するフレーム４５の下部に下端を枢着せ
しめたリンク４６゜４６′の上端に前記基板３７を枢着
支持せしめ、該基板３７の端部に突設した突片４７に前
記フレーム４５の上部に取付けた移送シリンダー４８の
ロッド４９を枢着せしめ、移送シリンダー４８の作用に
より取出し装置２７と共に把持具３３を取出し部２６と
載置部４４との間を往復移送可能ならしめている。

次に本発明に係る力士唐草瓦の成型金型を使用した成型
及び取出し状態について説明すると、適宜手段により下
型１内に荒地が投入された後ラム２２と共に上型４が下
降して荒地を加圧し力士唐草瓦２の成型素地３０がプレ
ス成型され、しかる後上型４は上昇し、下型１は型搬送
シリンダー２５に押出されて取出し部２６迄移動する。

次に取出し部２６の上方で待機している取出し装置２７
のシリンダー３８が前進動作して支持板２８と共に把持
具３３を下降せしめ下型１上の成型素地３０に吸盤３１
，３１’・・・を密着させると共に吸着作用せしめ、し
かる後シリンダー３８を後退せしめて把持具３３を上昇
せしめると同時にシリンダー３４を前進せしめて把持具
３３をリンク２９．２９’を介して所定軌道を前方へ水
平移動せしめ、これら相互の合力により把持具３３を上
方傾斜状の所定軌道（Ａ方向）に移動せしめる様にして
成型素地３０を下型１から取出すのである。

即ち、成型素地３０は万＋６及び花模様９がアンダーカ
ットとなって引掛かり、直上方向には取出せないので上
方傾斜状（Ａ方向）に取出す様にしており、この場合シ
リケン側サック１６及び切落しサック１８を上型４に設
けたのでかかるＡ方向への取出しは何ら障害となる物が
なく容易に行われるのである。

この様にして下型１から成型素地３０を取外した後移送
シリンダー４８を後退させて取出し装置２７を支持する
リンク４６，４６’を載置部４４側へ回転せしめ、把持
具３３を載置部４４の上方に移送せしめた後シリンダー
３４を後退復帰せしめ、次にシリンダー３８を前進させ
て把持具３３を下降せしめると共に吸着を解除して成型
素地３０を載置部４４に位置する受型５０上に載置せし
め、再び把持具３３を上昇せしめると共に移送シリンダ
ー４８の前進動作により取出し部２６の上方位置に復帰
せしめるのである。

かかる間にプレス成型機２１により次の成型が行われ次
の成型素地３０は下型１と共に取出し部２６へ移動する
。

この様にプレス成型機２１による成型動作、下型１の移
動、取出し装置２７の取出し動作、移送機構部４２によ
る成型素地３０の移送動作が検出スイッチにより相互に
関連動作して連続的に繰゛り返される様になっている。

要するに本発明は、力士唐草瓦の成型金型における下型
１に万＋６、剣７を成型せしめる万＋側サック８を螺着
せしめると共に該万＋側サック８の内面所定位置に花模
様９を成型せしめる花模様型１０を一体突設せしめ、一
方上型４には山峠１１に対応する山峠側サック１２、エ
リ１３に対応するエリ側サック１４、シリケン１５に対
応するシリケン側サック１６及び切落し１７に対応する
切落しサック１８を夫々螺着せしめたので、かかる成型
金型をプレス成型機に装着せしめて成型する場合成型完
了後上型４の上昇離型の際上型４における成型面に対し
何ら引掛かる部分がないため円滑に離型せしめることが
出来、又下型１から成型素地３０を取出す場合下型１に
は万＋側サック８のみが装着され、左右の山峠側サック
１２、エリ側サック１４及び後部のシリケン側サック１
６は全て上型４に装着されており三方面の取出しに際し
障害となる部分がないため成型素地３０を後方へ向って
上方傾斜状に取出すことが可能となり、かかる取出操作
によれば万＋６及び花模様９に対応する開閉機構を設け
ることなく成型素地３０の機械的取出しを可能ならしめ
ることが出来よって力士唐草瓦の成型工程を一般の瓦素
地の成型と同様に簡易迅速化せしめることが出来、金型
の開閉機構が不要となることにより成型素地３０にパリ
が付かず優美に成型出来ると共に金型自体のコストの低
減化及び金型の寿命の向上を期することが出来る等その
実用的効果甚だ犬なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明実施の一例を示すものにして、第１図は力士
唐草瓦の斜視図、第２図は従来の下型の平面図、第３図
は同上側面図、第４図は同上上型の平面図、第５図は本
発明に係る力士唐草瓦の下型の平面図、第６図は同上側
面図、第７図は同上上型の平面図、第８図は同上下型の
斜視図、第９図は同上上下型の嵌合状態を示す図、第１
０図は取出し装置の正面図、第１１図は同上使用状態を
示す図である。 １・・・・・・下型、２・・・・・・力士唐草瓦、４・
・・・・・上型、１６・・・・・・シリケン側サック、
１８・・・・・・切落しサック、２７・・・・・・取出
し装置、２８・・・・・・支持板、２９゜２９′・・・
・・・リンク、３０・・・・・・成型素地、３３・・・
・・・把持具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 力士唐草瓦の成型金型における下型に力士、剣を成
   型せしめる万＋側サックを螺着せしめると共に該万＋側
   サックの内面所定位置に花模様を成型せしめる花模様型
   を２休突設せしめ、一方上型には山峠に対応する山峠側
   サック、エリに対応するエリ側サック、シリケンに対応
   するシリケン側サック及び切落しに対応する切落しサッ
   クを夫々螺着せしめたことを特徴とする力士唐草瓦の成
   型金型。