JPS5818706B2 - テ−プカセツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカセット式記録再生装置等において用いられる
テープカセットに関する。

テープレコーダに用いられるテープカセットにおいては
、リールハブに巻回された磁気テープが一対のハーフに
よって構成されたカセットケーシング内に収納されてい
る。

そしてこの磁気テープの巾方向の両側の端面とカセット
ハーフとの間には滑性効果に優れた四弗化エチレンシー
ト等の滑性シートが組込まれ、これによって磁気テープ
が走行する際に生ずる摩擦抵抗を小さく保ち、安定した
テープ走行を得るようにしている。

前記滑性シートはそれ自体に剛性がなく、このために非
常に取扱いが面倒であシ、テープカセットの組立ての自
動化が防げられていた。

すなわち従来はテープカセットの組立ての際に人手によ
って滑性シートを組込むようにしていた。

このために時には誤った状態で組込１れたシ、複数の滑
性シートが重ねて組込まれたりする等の事故が発生して
いた。

また組込まれた後において一対のハーフを組立てる際に
前記滑性シートが脱落する等の問題点があった。

そこでカセットハーフに吸引孔を設けて、滑性シートを
真空吸引して保持することが考察されるが、カセットハ
ーフにあまシ大きな吸引孔を設けると、たとえこの吸引
孔をラベル等で塞いでも、ラベルに凹みができたり、あ
るいは破れてカセットケーシング内に異物が入ったりす
る。

また吸引孔を小さくすると滑性シートの保持力が弱くな
シ、組立ての際に滑性シートが脱落する。

また吸引孔を小さくして大きな負圧で吸引することも考
えられるが、このようにすると滑性シートが局部的に変
形する等の問題点がある。

本発明はこのような問題点を是正することを目的とする
ものであって、一対のカセットハーフから成るケーシン
グ内に、リールハブに巻装された磁気テープを収納する
とともに、この磁気テープの巾方向の端面と前記カセッ
トハーフとの間に滑性シートを介装するようにしたテー
プカセットにおいて、前記一対のカセットハーフの内の
少なくとも一方の・・−フに吸引孔と、この吸引孔と連
続しかつ前記カセットハーフの前記滑性シートとの接触
面に臨む比較的浅い凹部とを形成し、これらの吸引孔と
比較的浅い凹部とによって前記滑性シートを真空吸引し
得るようにしたことを特徴とするテープカセットに係る
ものである。

従って本発明によれば、カセットケーシングに大きな吸
引孔を設けることなく確実に滑性シートを保持するとと
が可能となる。

以下本発明をポケットサイズの超小型テープレコーダに
おいて用いられるミニカセットに適用した一実施例を図
面につき説明する。

第１図および第２図はこのマイクロカセットのカバーハ
ーフ１１を示すものであって、このカバーハーフ１１は
、後述するベースハーフ１２と同様に、合成樹脂によっ
て一体成型されている。

そしてこのカバーハーフ１１には、一対のリールハブ軸
挿通孔１３、カセット位置決めピンおよびキャプスタン
挿通用の長孔１４等が形成されている。

またこのカバーハーフ１１の外表面にはラベル貼付用の
凹部１５が形成されている。

そしてこの凹部１５には滑性シート１６を吸引するだめ
の３つの円形孔１７が形成されている。

なお組立てられた後に、カバーハーフ１１およびベース
ハーフ１２の凹部１５にはラベルが貼付されることにな
り、このために吸引用円形孔１７は閉塞される。

従ってこの円形孔１７から異物や塵埃がカセット内に入
ることはない。

これらの吸引孔を用いてカセットを組立てる場合には、
第３図に示すようにカバーハーフ１１およびベースハー
フ１２の内側に介装される一対の滑性シート１６を、前
記吸引用円形孔１７に臨み、かつ図外の真空ポンプに接
続されているパイプ２０．２１によって吸引させて保持
させるようにする。

このようにして組立てを行うと、滑性シート１６は確実
に保持されることになシ、滑性シート１６の脱落は防止
される。

そしてカセットは、リールハブ２２．２３の外周面に巻
装された磁気−ｒ−７”２４の巾方向の端面とカセット
・・−フ１１１２の内表面との間に前記滑性シート１６
が挟持されるようにして組立てられることになる。

なおパイプ２０．２１の吸引部分２７．２８の内径が前
記吸引用円形孔１７の直径よシも大きく構成されており
、このためにこれらのパイプ２０，２１でＩｔ性シート
１６の保持と、カバーハーフ１１およびベースハーフ１
２の保持とを一緒に行うことができるようになっている
。

すなわち真空ポンプで前記パイプ２０．２１を吸引する
と、滑性シーＮ６がカバーハーフ１１およびベースハー
フ１２の内表面にそれぞれ密着した状態となり、このた
めにパイプ２０．２１の吸引部分２７ 、２８の内側の
空間２９が負圧となる。

従ってカバーハーフ１１およびベースハーフ１２もそれ
ぞれ吸引されて保持されることになる。

さらに上記カセットハーフｌＬ１２には、滑性シート１
６をより確実に保持するために、上記吸引孔１７に連続
する比較的浅い凹部３２が形成されている。

すなわち、特に第４図および第５図に示すように、ハー
フ１１．１２の内表面に前記吸引用貫通孔１７と連続す
る比較的浅い四部３２を形成し、これによって滑性シー
ト１６の吸引される面積を大きくして滑性シート１６の
保持をより確実にしている。

また比較的浅い凹部３２を設けたことによって、シート
１６に局部的に大きな負圧が働くことが防止されること
になシ、滑性シート１６の局部的変形を少なくすること
ができる。

また吸引孔１７を小さくすることができるために、この
吸引孔１７をラベルで塞いでも、この部分のラベルがへ
こんだシ段差になったシ、あるいは破れたりすることも
ない。

また滑性シート１６を保持する面積が広くなったので、
保持が確実となシ組立ての作業のスピードアップが可能
と々る。

以上本発明を実施例につき説明したが、本発明は上記実
施例によって限定されるものではなく、本発明の技術的
思想に基いて各種変更が可能である。

例えばハーフ１１，１２に設けられている円形孔１７の
個数を、例えばカバーハーフ１１には３個、ベースハー
フ１２には４個ずつそれぞれ設け、これによってカバー
ハーフ１１とベースハーフ１２との識別を行うようにし
てもよい。

このハーフ１１，１２の識別は機械的にも行い得るし、
人間の視覚によって行うようにしてもよい。

さらに例えばカバーハーフ１１の吸引孔を円形に、ベー
スハーフ１２の吸引孔を多角形にしてハーフ１１゜１２
を識別するようにしてもよい。

また吸引用の円形孔１７の配置を前後に非対称にするこ
とによってカセットの前方、後方の識別を行うことも可
能である。

以上に述べたように本発明は、一対のカセット・・−７
の内の少なくとも一方のハーフに吸引孔と、この吸引孔
と連続しかつカセットハーフの滑性シートとの接触面に
臨む比較的浅い凹部とを形成し、これらの吸引孔と比較
的浅い凹部とによって滑性シートを真空吸引し得るよう
にしたものであるから、ハーフに大きな吸引孔を設ける
ことなく滑性シートを確実に保持することが可能となる
。

また滑性シートは吸引孔のみならず比較的浅い凹部にお
いても吸引されることになるために、局部的に滑性シー
トに負圧がかかつてこのシートが変形することもない。

また滑性シートの保持が確実になるために、カセットの
組立て作業のスピードが向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明をミニカセットに適用した一実施例を示す
ものであって、第１図はこのカセットのカバーハーフの
平面図、第２図は第１図における■〜■線断面図、第３
図はこのカセットの組立ての状態を示す要部縦断面図、
第４図は同要部拡大縦断面図、第５図は同斜視図である
。 なお図面に用いた符号において、１１・・・・・・カバ
ーハーフ、１２・・・・・・ベースハーフ、１６・・・
・・・滑性シート、１７・・・・・・吸引用円形孔、２
２・・・・・・リールハブ、２３・・・・・・リールハ
ブ、２４・・・・・・磁気テープ、３２・・・・・・比
較的浅い凹部、である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対のカセットハーフから成るケーシング内に、リ
   ール・・ブに巻装された磁気テープを収納するとともに
   、この磁気テープの巾方向の端面と前記カセットハーフ
   との間に滑性シートを介装するようにしたテープカセッ
   トにおいて、前記一対のカセットハーフの内の少なくと
   も一方のハーフに吸引孔と、この吸引孔と連続しかつ前
   記カセットハーフの前記滑性シートとの接触面に臨む比
   較的浅い凹部とを形成し、これらの吸引孔と比較的浅い
   凹部とによって前記滑性シートを真空吸引し得るように
   したことを特徴とするテープカセット。