JPS5818329Y2 - 自動車用アンテナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のトランク蓋上に装着されるアンテナ
例えば市民バンドによる送受信用アンテナに係り、特に
その取付手段の改良に関する。

一般にこの種の自動車用アンテナは、トランク蓋のヒン
ジ部側の端縁部に、アンテナ固定用絶縁基体に取付けで
ある鉤状の取付片を係合させ、且つこの取付片をトラン
ク蓋に対してねじ止めすることによりトランク蓋上に固
定されるものとなっている。

上記構成のアンテナは一般に鉤状の取付片のトランク蓋
端縁部に係合する部分の空隙の大きさを、トランク蓋端
縁部の厚みよりも十分大きなものにしである。

したがって取付片をトランク蓋端縁部に係合させる１で
の作業は容易であるが、取付片をトランク蓋の所定位置
にねじ止めする作業が非常に困難になる。

すなわち取付片はトランク蓋端縁部に対して遊嵌状態に
なっている為、作業者が１人である場合にはねじ止め作
業時においてアンテナ側つまり取付片側を一方の手で固
定化した状態を保ち乍ら、他方の手でねじ止め作業を行
なわなければならない。

アンテナの取付位置が自動車の中心位置から左右いずれ
かに近い位置ならば上記作業もさして困難ではない。

しかし一般にこの種のアンテナは指向性向上の見地から
自動車の中心位置すなわちトランク蓋端縁部の略中央部
位に取付けることが要請される。

したがって１人の作業者のみではその取付作業が上述し
た如く極めて困難になるものである。

なお、上述ねじ止め作業を容易化する為に、取付片のト
ランク蓋端縁部に係合する部分の空隙の大きさをトラン
ク蓋の端縁部の厚みと略同じものにすることが考えられ
る。

しかしこのようにすると、今度は取付片とトランク蓋端
縁部との係合作業そのものが困難になるばかシでなく、
一旦係合させてしまったのちは容易にその位置を変更さ
せ得ないことになる。

この考案はこのような事情を考慮してなされたもので、
その目的はトランク蓋端縁部に対する取付片の係合を容
易に行なえると共に、トランク蓋に対する取付片の固定
作業をも極めて容易に行なえる格別な取付手段を備えた
自動車用アンテナを提供することである。

以下、この考案の詳細を図面に示す実施例によって明ら
かにする。

第１図および第２図はこの考案の一実施例の概略を説明
するための側面図と上面図である。

第１図および第２図において、１は自動車であり、２は
アンテナである。

第１図および第２図から明らかなように、アンテナ２は
開閉自在なトランク蓋３のヒンジ部側の端縁部に固定さ
れている。

第３図および第４図は上記アンテナ２の基端部周辺を切
欠して示した拡大側面図および底面図である。

第３図および第４図に釦いて１１は例えば合成樹脂で一
体成型した絶縁基体である。

この基体１１の底部周辺１１ａは自動車のトランク蓋３
の上面に接合可能な如く形成されている。

すなわち上記底部周辺１１ａはトランク蓋３の上面の彎
曲塵に応じて密着させうる如くその端縁形状を定められ
ている。

上記絶縁基体１１の頂部１１ｂにはロッドアンテナ素子
１２の基端が固定されている。

すなわちロッドアンテナ素子１２はその基端を絶縁基体
１１の中心部に予め埋設されている導電性軸体１３の基
体頂部から外部に突出している頂部に対し、たとえば螺
合手段あるいは嵌合手段によって結合されることによう
基体頂部に固定される。

第３図および第４図中、１４は給電線である。

この給電線１４の一端は絶縁基体１１内に予め埋設され
ている前記導電性軸体１３の端部に対して電気的に接続
されており、この給電線１４の他端は図示してない受信
機あるいは送信機などに電気的に接続されている。

取付片１５はその一端が絶縁基体１１の底面に固定され
）他端の延長部が略Ｕ字状に折曲されている。

このＵ字状に折曲された延長部は絶縁基体１１の底部１
１ａと所定の間隙Ｇを隔ててほぼ平行に延長したものと
なっておりこの一部に前記給電線１４を保持する保持部
を有している。

上記間隙Ｇは、トランク蓋３の厚みに対し十分余裕をも
った大きさになっている。

取付片１５の延長部には固定用のねじ１６が取付けられ
ている。

絶縁基体１１の底面中央部位には吸盤１７が設けられて
いる。

この吸盤１１は例えば軟質な合成樹脂あるいはゴム等の
可撓性に富んだ材料にて形成されたもので、椀状をなす
吸着部１７ａと、この吸着部１７ａの底部に設けた係止
部１７ｂとからなっている。

上記係止部１７ｂは第３図から明らかなように先端にや
じジ状の突起を有するものである。

したがってこの係止部１７ｂを基体１１の底面に装着さ
れている底板１８にあけた穴に押込むと、係止部１１ｂ
におけるやじシ状の突起部分が上記穴を通り抜け、結局
係止部１Ｔｂの細径な付は根の部分が穴の周縁部に嵌合
した状態で安定する。

一旦このような状態になれば上記係止部１７ｂは取付板
１８から容易には離脱しないものとなる。

つ１ｂ吸盤１７は吸着部１７ａが絶縁基体１１の底面か
ら一定量突出した状態で取付板１８に固定化されたもの
となる。

このように構成された本案のアンテナは次のようにして
トランク蓋３に取付けられる。

先ず取付片１５の延長部に取付けである固定用のねじ１
６を十分ゆるめた状態で、上記延長部をトランク蓋３の
ヒンジ部側の端縁部に引掛けるようにする。

このとき上記延長部と絶縁基体１１の底部１１ａとの間
に存在する間隙Ｇの大きさがトランク蓋３の端縁部の厚
みよりも十分大きいので上記係合作業は容易に行なえる
。

なおアンテナ２の取付位置はアンテナの指向性を考慮し
て車体の中心位置に設定するものとする。

このときアンテナ２を車体の左右方向に移動調整する必
要が生じるが、この調整に際しても間隙Ｇの大きさがト
ランク蓋３の端縁部の厚みようも十分大きいことから、
その移動調整は容易に行なえる。

次に絶縁基体１１の底部周辺１１ａがトランク蓋３の上
面に密着するように上記基体１１をトランク蓋上面に押
圧する。

そうすると、絶縁基体１１の底面中央部位に設けである
吸盤１１の吸着部１７ａがトランク蓋３の上面に吸着す
る。

したがって絶縁基体１１はトランク蓋３上に安定に保持
される。

つ１勺仮止めされる。この状態になれば作業者が絶縁基
体１１から手を離しても基体１１はトランク蓋３上に安
定に保持される。

したがって作業者は引き続き固定ねじ１６の締付は作業
をトランク蓋３の裏面側から例えば両手を用いて行なえ
る。

固定ねじ１６の締付けが十分になされると、取付片１５
はトランク蓋３に堅固に固定化され）アンテナ２の取付
作業は終了する。

なお、吸盤１１は可撓性を有する柔軟な材料にて形成さ
れているのでトランク蓋３の上面を損傷するおそれがな
い。

また吸盤１Ｔは磁石などに比較してスリップする危険性
が少ないので、トランク蓋３を開けた状態すなわち第１
図に示されているようにトランク蓋３が傾斜面を呈して
いる状態においてもアンテナ２を安定に仮止め状態にす
ることができる利点がある。

さらに吸盤１７の変形量は絶縁基体１１の底面からの突
出量により自ら制限されるので吸着力は仮止めに適した
程度のものに一定化される。

このため取付位置の移動調整が容易となる。

また給電線１４が取付片１５に保持されることから給電
線保持手段を別設する必要がなく構造が簡単になる。

なおこの考案は上述した一実施例に限定されるものでは
ない。

例えば前記実施例では取付片１５として金属板を折曲さ
せたものを示したカヘ合成樹脂などの部材にトランク蓋
端縁部に係合する切込み部を設けたものであってもよい
し、さらに絶縁基体１１の一部に上記のような切込み部
を一体的に設けるようにしてもよい。

また前記実施例では吸盤を１個だけ設けるようにした場
合を示したが、複数個の吸盤を設けるようにしてもよい
。

捷た前記実施例ではアンテナ素子として単一ロッドアン
テナ素子を示したが、異径導電管を摺動自在に接続した
伸縮アンテナ素子であってもよい。

この他この考案の要旨を変えない範囲で種々変形実施可
能であるのは勿論である。

以上説明したように、この考案は底部周辺を自動車のト
ランク蓋上に接合可能な如く設けられた絶縁基体の頂部
にロッドアンテナ素子を固定し、このロッドアンテナ素
子の基端を給電線にて送信機あるいは受信機等に接続し
、上記絶縁基体を特定の固定手段を以ってトランク蓋上
に固定するようにしたものである。

そして上記固定手段は、絶縁基体に一部が固定され他部
がトランク蓋端縁部に遊嵌すると共に給電線保持部をこ
の一部に有する取付片と、この取付片をトランク蓋の端
縁に遊嵌させた状態においてトランク蓋上面に吸着可能
な如く吸着部を絶縁基体底面から一定量突出させて絶縁
基体の底部に設けた吸盤と、この吸盤をトランク蓋上に
吸着させた状態において前記取付片をトランク蓋に裏面
側から固定化するねじとからなることを特徴とする自動
車用アンテナである。

したがってこの考案によれば、取付片の一部をトランク
蓋の端縁部に遊嵌させるようにしたものであるから、少
なくとも取付片とトランク蓋端縁部との係合作業を容易
に行なえると共に、絶縁基体をその底部に設けた吸盤に
よってトランク蓋上に安定に仮止めすることができるの
でトランク蓋に対する取付片の固定作業が取付位置の如
何に拘らず１人の作業者によシ容易に行なえるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の一実施例の概要を示す
側面図と上面図、第３図および第４図は同実施例の主要
部の構成を切欠して示した拡大側面図と底面図である。 １・・・・・・自動車、２・・・・・・アンテナ、３・
・・・・・トランク蓋、１１・・・・・・絶縁基体、１
２・・・・・・ロッドアンテナ素子、１３・・・・−・
導電性軸体、１４・・・・・・給電線、１５・・・・・
・取付片、１６・・・・・・固定用ねじ、１１・・・・
・・吸盤、１８・・・・・・底板、１９スペーサ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のトランク蓋上に底部周辺を接合可能な如く形成
   された絶縁基体と、この絶縁基体の頂部に基端を固定さ
   れたロッドアンテナ素子と、このロッドアンテナ素子の
   基端に一端を接続し他端を送信機及び又は受信機に接続
   した給電線と、前記絶縁基体を自動車のトランク蓋上に
   固定する手段とを具備し、上記固定手段は、絶縁基体に
   一部が固定され他部がトランク蓋の端縁部に遊嵌する如
   く設けられその一部に給電線保持部を有する取付片と、
   この取付片をトランク蓋の端縁に遊嵌させた状態におい
   て前記絶縁基体の底部周辺をトランク蓋上面に接合した
   際上記トランク蓋上面に吸着可能な如く前記絶縁基体の
   底部中央部位に吸着部を上記底部の底面から一定量突出
   させて設けた吸盤と、この吸盤をトランク蓋上面に吸着
   させた状態にかいて前記取付片の端部をトランク蓋に裏
   面側から固定するねじとからなることを特徴とする自動
   車用アンテナ。