JPS5817890Y2 - 引違い建具の敷居枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、引違い建具の敷居や鴨居として用いられる
敷居枠に係り、特に限定するものではないが、鉤単によ
って鴨居に吊持されるタイプの引違い建具が取付けられ
る敷居として特に有用な敷居枠に関する。

この種の引違い建具においては、その上縁側が釣車によ
って鴨居に吊持されているため、その下縁側を摺動自在
に保持する手段が必要になり、このため従来においては
、建具の下縁にその長手方向に沿って案内溝を形成し、
敷居の上面には上記案内溝内に摺動自在に嵌合するガイ
ドを設け、このガイドによって建具の開閉方向を案内す
るようにしている。

しかしながら、従来のこの種のガイドにおいては、この
ガイドを敷居の全長に亙って取付けると、このガイドが
敷居の上面に突出するので素足で踏みつけた時に足裏に
喰い込んで極めて痛いものであり、又、敷居の上面とガ
イドとが形成する隅角部内に埃や塵がたまり易く、これ
らの埃や塵の掃除が極めて面倒な作業になる。

このため、この種の引違い建具においては、敷居の全長
に互ってガイドを設けるのではなく、建具の側縁部が互
いに重なり合う敷居の中央部分の上面にのみ短寸のガイ
ドを取付けるようにされているが、このように短寸のガ
イドを使用した場合には、建具の下縁側の安定性が不充
分であるばかりでなく、敷居と建具の下縁との間に隙間
が生じ、外部から室内に埃等が侵入する原因ともなって
いた。

この考案は、かかる観点に鑑み、引違い建具の敷居や鴨
居として用いられる敷居枠のほぼ全長に亙ってガイドレ
ールを取付けると共に、敷居枠の表面より突出するガイ
ドレールの案内部を出没可能に形成し、これによって上
記従来の引違い建具の敷居枠における種々の欠点を一挙
に解決することができるようにした引違い建具の敷居枠
を提供するものである。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて、この考案の内
容を詳細に説明する。

第１図ないし第３図において、この考案の実施例に係る
引違い建具の敷居枠が示されている。

この敷居枠は、敷居として用いられる枠本体１が長手方
向に沿って表面側に開口する嵌合溝１１を有する敷居木
１２とこの敷居木１２の嵌合溝１１内に嵌着された金属
製の溝型材１３とで形成されており、溝型材１３の凹溝
条が枠本体１の凹溝２となっている。

又、上記枠本体１の凹溝２の表面側には、溝型材１３の
上縁に沿って形成された一対の内向フランジ部１４との
間に、全長に亙って互いに平行な一対のスリット開口３
を夫々形成する表面材４が配設されており、この表面材
４と上記凹溝２とで形成される空隙５内にはその長平方
向全長に亙って建具７を案内するためのガイドレール６
が配設されている。

このガイドレール６は硬質合成樹脂又は金属によって溝
型状に形成されており、又、上記表面材４は、ガイドレ
ール６の底壁１５を摺動自在に貫通して溝型材１３の底
壁１６に溶接１７等の固定手段で固定された適宜数の支
柱１８の上端に止着子２３等の固定手段で固定されてい
る。

更に、上記支柱１８には、ガイドレール６の底壁１５と
溝型材１３の底壁１６との間に介装されてガイドレール
６を上方に押圧する方向に付勢するスプリング１９が設
けられており、このスプリング１９によってガイドレー
ル６の一対の案内部１０がスリット開口３より上方に出
没可能に突出し、建具７の下縁８に設けた案内溝９内に
摺動可能に嵌合するようになっている。

この実施例においては、溝型材１３の一対の内向フラン
ジ部１４と表面材４の両側縁に夫々弾性材料で形成され
たリップ状のシール材２０が設けられており、これらの
シール材２０によってスリット開口３に生じるガイドレ
ール６の案内部１０との間の隙間を密閉すると共に、ガ
イドレール６の案内部１０が枠本体１の凹溝２内に没入
した際にスリット開口３を完全に閉塞し、枠本体１の空
隙５内に埃や塵等が侵入するのを防止することができる
ようになっている。

次に、第４図は第二実施例に係る引違い建具の敷居枠を
示すもので、上記第一実施例の場合とは異なり、敷居木
１２のみで形成された枠本体１にはその長手方向に沿っ
て表面側に開口する凹溝２が形成されており、この凹溝
２の表面側には、その中央部長手方向に沿って配設され
る表面中央部材４ａと凹溝２の開口縁部長手方向に沿っ
て設けられる一対の表面縁部材４ｂとで構成された表面
材４が設けられ、表面中央部材４ａの両側縁と一対の表
面縁部材４ｂとの間に互いに平行なスリット開口３が形
成されており、又、表面材４を横取する表面中央部材４
ａは、敷居木１２の底壁２１を貫通する止着子２２によ
って凹溝２内に立設された適宜数の支柱１８の上端に止
着子２３により固定されている。

尚、この第二実施例における表面材４については、第５
図に示すように、その長手方向中央部分において不連続
な一対のスリット開口３ ａ 、３ ｂを有する板材で
一体に形成してもよく、この場合にはガイドレール６を
スリット開口３ａ、３ｂの長さに合せて二つに分割する
か、あるいはガイドレール６の案内部１０の長手方向中
央部分に切欠きを設け、ガイドレール６の案内部１０が
スリット開口３ａ、３ｂより上方に突出できるようにす
ることが必要である。

尚、上記各実施例においては、敷居木１２を有する枠本
体１について説明したが、この敷居木１２は必ずしも必
要ではなく、例えば、第２図に示す溝型材１３のみで枠
本体１を構成してもよいことは勿論であり、この場合に
は図示外の床仕上材に直接溝型材１３が取付けられるも
のである。

又、ガイドレール６の底壁１５と溝型材１３の底壁１６
又は敷居木１２の底壁２１との間に介装されてガイドレ
ール６の案内部１０を表面材４が形成するスリン１〜開
口３より出没させるスプリング１９についても、例えば
表面材４とガイドレール６の底壁１５との間に介装され
る引張スプリングであってもよく、又、板バネ等化のス
プリングを用いることもできる。

以上の通り、この考案に係る引違い建具の敷居枠は、そ
の枠本体１の長手方向に沿って表面側に開口する凹溝を
形成し、この凹溝の表面側にはそのほぼ全長に亙って互
いに平行なスリット開口を形成する表面材を設け、この
表面材と上記凹溝とで形成される空隙内には建具を案内
するガイドレールを配置し、上記建具の下縁又は上縁に
その長手方向に沿って形成された案内溝部に摺動自在に
嵌合して建具を案内する上記ガイドレールの案内部を上
記表面材のスリット開口がら出没可能に突出させたので
、この敷居枠を例えば釣車によって鴨居に吊持されるタ
イプの引違い建具の敷居として使用した場合には、枠本
体の上面にほぼ全長に亙って突出するガイドレールの案
内部が建具の下縁に設けた案内溝内に摺動自在に嵌合し
、このガイドレールの案内部によって枠本体の上面と建
具の下縁との間に生じる隙間を完全に遮蔽し、外部から
室内に埃等が侵入するのを完全に防止することができ、
又、建具の下縁にその長手方向に沿って設けた案内溝が
その全長に亙ってガイドレールの案内部に摺動自在に嵌
合係止されるので、建具の下縁側が揺動するようなこと
がなく、その安定性が著るしく向上するものであり、更
に、ガイドレールの案内部は、表面材によって形成され
たスリット開口から枠本体の上面側に出没自在に形成さ
れているので、たとえ枠本体の上面とガイドレールの案
内部とが形成する隅角部に埃や塵かつもっても、例えば
ガイドレールの案内部を踏みつけることによりこのガイ
ドレールを枠本体内に容易に没入させることができ、敷
居枠の上面の掃除が極めて容易になるほか、敷居枠の上
面を素足で踏みつけても、ガイドレールの案内部が枠本
体内に没入するのでこの案内部が足裏に喰い込んで足裏
が痛くなるようなことがない。

又、上記実施例においては、本考案の敷居枠を敷居とし
て使用する場合について説明したが、建具の重量を敷居
で支持するタイプの建具にあっては、建具の上縁を支持
する鴨居としても使用することができ、この場合にはガ
イドレールの案内部によって鴨居の表面と建具の上縁と
の間に生じる隙間を完全に遮蔽することができるほか、
ガイドレールの案内部を上方に押上げることによりこの
ガイドレールの案内部を枠本体内に没入させ、これによ
って建具の取付けや取外しの作業を容易に行うことがで
きる。

又、上記実施例において、ガイドレールの案内部の両端
部に、夫々この案内部の上端縁よりも上方に突出する案
内突起を設け、このガイドレールの案内部を枠本体の空
隙内に没入させた際に案内突起のみが建具の下縁に設け
た案内溝内に嵌合係止するようにし、これによって掃除
等の際にガイドレールの案内部を枠本体の空隙内に没入
させた時に、建具の下端がふらついたり、あるいは、掃
除等の終了後にガイドレールの案内部を枠本体の上面に
突出させる時に案内部の上端縁が建具の下縁に設けた案
内溝の周縁に引掛ったりすることがないようにし、ガイ
ドレールの案内部の出没動作が゛円滑に行なわれるよう
にすることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一実施例に係る敷居枠が適用され
た引違い建具を示す部分正面図、第２図は第１図のＩＩ
−ＩＩ線断面図、第３図はガイドレールの案内部が枠本
体の空隙内に没入した状態を示す敷居枠の部分斜視図、
第４図は第二実施例に係る敷居枠を示す断面図、第５図
は第二実施例の表面材の変形例を示す斜視図である。 符号説明 １・・・・・・枠本体、２・・・・・・凹溝
、３・・・・・・スリット開口、４・・・・・・表面材
、５・・・・・・空隙、６・・・・・・ガイドレール、
７・・・・・・建具、８・・・・・・建具の下縁、９・
・・・・・案内溝、１０・・・・・・ガイドレールの案
内部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠本体１にその長手方向に沿って表面側に開口する凹溝
   ２を形成し、この凹溝２の表面側にはそのほぼ全長に亙
   って互いに平行なスリット開口３を形成する表面材４を
   設け、この表面材４と上記凹溝２とで形成される空隙５
   内には建具７を案内するガイドレール６を配設し、上記
   建具７の下縁８又は上縁にその長手方向に沿って形成さ
   れた案内溝９内に摺動自在に嵌合して建具７を案内する
   上記ガイドレール６の案内部１０を上記表面材４のスリ
   ット開口３から出没可能に突出させたことを特徴とする
   引違い建具の敷居枠。