JPS5817823B2 - Crを含有するNi基合金の熱処理方法 - Google Patents

Crを含有するNi基合金の熱処理方法

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JPS5817823B2
JPS5817823B2 JP3136979A JP3136979A JPS5817823B2 JP S5817823 B2 JPS5817823 B2 JP S5817823B2 JP 3136979 A JP3136979 A JP 3136979A JP 3136979 A JP3136979 A JP 3136979A JP S5817823 B2 JPS5817823 B2 JP S5817823B2
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Japan
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corrosion cracking
stress corrosion
heat treatment
based alloy
cooling
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JP3136979A
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工藤赳夫
長野博夫
柘植宏之
南孝男
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、Crを含有するNi基合金の耐応力腐食割
れ性を向上させる熱処理方法に関する。
ここでNi基合金とは、加圧水型原子炉の蒸気発生器管
や仕切板等のような高温高圧水中で用いられる対応力腐
食割れ性にすぐれたCr 13〜35%、Ni60〜8
0%、C001%以下を含む合金であって、その他Si
、Mn等の脱酸用元素や加工性改善のためにFe 、
Ti等の元素を含むN1基合金である。
上記Ni基合金は、元来、耐応力腐食割れ性に□すぐれ
た材料であるため、加圧水型原子炉の蒸気発生器管のよ
うに、極度に応力腐食割れを嫌う部品には、インコネル
600(75%Ni 、 15%C’r 。
8%Fe、商品名)のどときCrを含有するNi基合金
が使用されている。
ところが上記のような成分のN1基合金であっても、使
用条件如何では応力腐食割れを生じる場合がある。
この応力腐食割れは、およそ、引張応力の存在、使用す
る環境条件、および材料自体の要因の3要素が揃ったと
きに発生するのであり、その1要素でも完全に除去すれ
ば、この割れは防止できるものである。
しかし、上記の蒸気発生器においては、その表面研摩お
よび曲げ加工による残留応力、また運動時の熱応力等に
よる引張応力は不可避なものである。
さらに使用環境についても、非常に厳格な水質管理を行
っているが、それとても完全な使用環境ともいい難い。
従って応力腐食割れの防止は、材料の特性自体を改善し
応力腐食割れ感受性を下げることが最善の方法である。
すなわち、Crを含有する高Ni合金では、Cの固溶量
が小さいため、精錬過程でC含有量を可能なかぎり低下
させても、後の熱処理工程でCr炭化物が主として結晶
粒界に析出するため、結晶粒界におけるCrの欠乏層が
形成されて、その部分の耐食性が劣化するものである。
この粒界型応力腐食割れの原因がCr欠乏層の形成にあ
るので、Cr炭化物の析出を防止することによって、あ
るいは、一旦形成されたCr欠乏層を回復させることに
よって応力腐食割れを防止できる。
前述した蒸気発生器のような製品では、通常900〜1
050℃での最終焼鈍を行うので、その冷却時に結晶粒
界にCr炭化物の析出がみられCr欠乏層が形成されて
耐応力腐食割れ性が劣化する。
このCr炭化物の析出防止には、冷却速度を速くする方
法があるが、工業的に達成し得る冷却速度でCr炭化物
の析出を完全に防止することは困難である。
また、すでに析出したCr炭化物を所定温度で長時間加
熱することにより、Cr欠乏層へその周辺からCrの拡
散を図りCr欠乏層を修復する方法は応力腐食割れ感受
性を下げるのに有効であるが、加熱処理後の冷却時に再
びCr欠乏層を形成せしめることがある。
以上に述べた点に鑑み、この発明は、一旦生成したCr
欠乏層を、一定温度域内で加熱処理して十分にCr欠乏
層を修復したのち、再び冷却時にCr欠乏層を形成させ
ないよう冷却条件を一定にして耐応力腐食割れ性にすぐ
れたCrを含有するNi基合金を得るものである。
すなわち、650°Cから750℃の温度域で加熱処理
し十分にCr炭化物を析出させた後に、その温厳域から
550℃までは、100°C/hr以下の徐冷を行い、
さらに550℃以下の温度域では10℃/―以上の急冷
を行うことによって耐応力腐食割れ性を向上させる熱処
理方法である。
□この発明におけるNi基合金の化学成分を限定したの
は、次の理由による。
Cは耐応力腐食割れ性に有害な元素であるため0.1%
以下とした。
Crは耐食性(耐全面腐食性、耐塩素イオンSCC性)
に必須な元素であり、含有量が多いほど耐食性がよい。
したがって、13%未満の含有では耐食材料でなく、ま
た35%を超えると加工性が劣化するため、13〜35
%tti限定した。
NiはCrと同様に耐食性に重要な元素であり、特にア
ルカリ環境中の応力腐食割れ性にすぐれているが、60
%未満では十分な効果があがらず、又80%を超えると
その効果は飽和するため60〜80%とした。
上記元素は高温高圧下の応力腐食割れが発生する環境に
おいて用いられる材料の必須成分であるが、その他に少
量のFeやTiの加工性改善元素やSi、Mnのような
脱酸元素を含有する。
又、この発明において熱処理方法を限定した理由を以下
に述べる。
650℃から750℃の温度域内で加熱処理するのは、
結晶粒界でのCr欠乏層付近のCrを十分分散させて、
Cr欠乏層の修復を図るもので、650℃未満の温度で
はCr欠乏層を修復させるのに長大な時間を要すること
になり、操業上経済的でない。
また750°Cをこえると炭化物の析出が少なくCr欠
乏層の修復効果が飽和するためである。
ここで650〜750°Cでの熱処理時間は、Cr欠乏
層を修復させるに十分な時間とし限定はしない。
なぜなら、Ni基合金のCの含有量の違いあるいは焼鈍
条件等の違いによって、Cr欠乏層の修復時間が著しく
異なるためである。
なお、このCr欠乏層の修復が完了したか否かは、加熱
処理後100’C/―より速い速度で常温まで冷却した
材料を沸騰40%HNO3に24時間浸漬し、その腐食
速度が0.5?/m’hr以下であればCr欠乏層が修
復される。
次に、上記温度域から550℃までの冷却を冷却速度1
00°C/hr以下とする理由は、100°’C;/h
r以上の急冷を施すと応力腐食割れ感受性が著しく高
くなる上、たとえば蒸気発生器管製造工程上管の曲りが
生じるなどの問題が起るためである。
上述の550℃までの徐冷に続いて550℃以下の冷却
速度は10℃/―以上の急冷とする理由は、それ以下の
冷却速度ではCr欠乏層が形成されて応力腐食割石感受
性が急激に上がるためである。
これらの熱処理条件の限定理由は、以下の実施例によっ
てさらに具体的に説明する。
実施例 I C0,015%、Si0.26%、Mn 0.34%、
Cr15.61%、Fe 7.80%、残部Niの組成
を有するインコネル600を700℃で30時間加熱処
理し、その後700°C〜550°Cまでの冷却速度を
500°C/―から25°C/hrまで種々変化させた
この冷却速度を種々変化させたNi基合金のそれぞれに
応力腐食割れ性を検討するため、前述の蒸気発生器の場
合、その2次側において海水リークによる腐食を考慮し
、l0pI)IIIの塩素イオンを有し脱気しない30
0℃の高温水中に1000時間浸漬して、応力腐食割れ
最大割れ深さく mv= )を測定する応力腐食割れ試
験を行った。
ここでは。所定の熱処理を施した厚さ2mm、幅10m
m、長さ75mmの板状試験片を2枚重ねてU字型に曲
げ、さらにボッ、レトナットで57n11L拘束したい
わゆる2重U字曲げ試験片を用いた。
すなわちこの場合、2枚の試験片のうち内側の試験片の
曲げの外側に引張応力がかかり、しかもそこに隙間があ
るため、この部分に最も応力腐食割れが生じやすい条件
設定である。
この試験結果を第1図に示す。
第1図から明らかなように、700℃から550℃にお
ける冷却速度が100°C/hr以上のものは、著しく
耐応力腐食割れ性が劣ることがわかる。
また、10°Φ−以上の場合には、応力腐食割れ感受性
が低くなっているが、この急速な冷却を施したものは、
製管中に管の曲りが生じるという問題が起ってくるので
実用とはならない。
実施例 2 実施例1で用いた合金と同一成分のものを、700℃で
30時間熱処理後、700℃から550°Cまでの冷却
速度を50℃/ hrで冷却したのちさらに550℃以
下での冷却速度を種々変化させて冷却したものに対して
、実施例1で述べた応力腐食割れ性試験を行なった。
その結果は第2図に示す。
第2図から明らかなように、550°C以下での冷却速
度が10℃/1nin以上では、その最大割れ深さがご
く微少であるのに対して、10℃/−以下であると顕著
にその最大割れ深さが増し、耐応力腐食割れ性が悪化す
ることがわかる。
実施例 3 下記第1表に示す組成成分を有する各Ni基合金に対し
て、この発明による熱処理方法を施したもの、また比較
のためこの発明による限定範囲外の条件で熱処理を施し
たもの、さらに従来法により熱処理を施したものすなわ
ち最終焼鈍後の950℃から500℃までの冷却速度が
100°C/―なる条件で熱処理したもののそれぞれに
対して、実施例1で述べた応力腐食割れ性試験を行ない
、応力腐食割れ最大深さを測定した。
その結果は第2表に示す。
なお、鋼種7,8についてのCr欠乏層の回復の有無の
判定はC’r含有量が多いので沸騰65%HNO3に2
4時間浸漬し、その腐食速度が0.5′?/ m h以
下であればCr欠乏層が修復されたものと認定した。
第2表から明らかなように、比較材および従来法による
材料と比較した場合、この発明による熱処理条件を施し
たものは著しくその応力腐食割れ最大深さが微少である
か又は皆無であり、すぐれた耐応力腐食割れ性を有して
いることがわかる。
以上の実施例のごとく、この発明によるCrを含、有す
るNi基合金の熱処理方法は、前述の用途等においてす
ぐれた耐応力腐食割れ性を有するCrを含有するN1基
合金を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は700℃から550℃までの冷却速度と応力腐
食割れ最大深さとの関係を示す図表、第2図は550℃
以下での冷却速度と応力腐食割れ最大深さとの関係を示
す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. IC0,1%以下、Cr13〜35%、Ni60〜80
    %を含有するNi基合金を650℃から750℃で熱処
    理を行ないCr欠乏層を十分に修復させた後、該熱処理
    温度から550°Cまで冷却速度を100℃/hr以下
    とする徐冷によって冷却し、550℃以下は10°C/
    ynin以上の冷却速度で急冷を行うことを特徴とする
    耐応力腐食割れ性のすぐれたCrを含有するNi基合金
    の熱処理方法。
JP3136979A 1979-03-16 1979-03-16 Crを含有するNi基合金の熱処理方法 Expired JPS5817823B2 (ja)

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JP2714552B2 (ja) * 1996-03-21 1998-02-16 オリンパス光学工業株式会社 一眼レフカメラ

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