JPS5817712Y2 - フイクスチヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトランスファマシンなどの工作機械に使用さ
れるフイクスチャに関し、複数のクランプ個所を１モー
シヨンで均等に押圧クランプするようにしたものである
。

各種工作機械によって所定のワークに切削加工を施す場
合には、ワークを何らかの手段で固定保持することは周
知の通りであるが、例えばワークの数個所を均等にクラ
ンプする場合には、従来は各々のクランプ爪にそれぞれ
スプリングによってクランプ力を付与し、別々のクラン
プ操作によって一方をクランプした後に他方をクランプ
するいわゆるスプリングクランプ方式のものが多く採用
されている。

しかしながら、スプリングによるクランツブ力にはおの
ずから限度があり、しかも別々のクランプ操作によるも
のであるので最終的なりランプ時には位置決め誤差を生
じ、高精度な加工を要する場合には不適であった。

そこでこの考案は、上記のような問題点に鑑みてなされ
たもので、互いに逆向きのねじ部を有するねじ軸の回転
によって、この両ねじ部に螺合するクランプロッドを互
いに逆方向に進退動作させるとともに、これにより対向
配置された一対のクランプアームをワーク固定基準面に
対してクランプ動作させ、クランプ力を均等にしてクラ
ンプするようにした高精度な加工に適応し得るフイクス
チャを提供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

図面は一例としてフランジ部を有するワークをクランプ
するフイクスチャを示すもので、１は水平ベース２上に
固定された基体であって、この基体１の上面中央部には
ワーククランプ時の固定基準面となる平板状の基準プレ
ート３が水平に固着され、この基準プレート３の上面に
はワークＷの下面部に係合して位置決めする位置決めピ
ン４がその中央部と外周方向に偏倚した位置にそれぞれ
突設しである。

５は上記基体１の脚部中央においてその前後方向に回転
自在に配設された主軸であって、この主軸５の基体１内
における中央部にはウオームギヤ６が一体的に固着しで
あるとともに、上記基体１の前後面に突出する主軸５の
両端部はそれぞれ角柱状に形成され、これに図示しない
ドライバの如き外部駆動手段の一部が嵌合してウオーム
ギヤ６を回転させるようにしである。

７は上記基体１内の両端部方向に貫通形成された支持孔
１ａ内にあって、上記主軸５と直交方向に水平に横架さ
れたねじ軸で、このねじ軸７の中央大径部にはすべりキ
ー８を介して上記ウオームギヤ６に歯合するウオームホ
イール９が固着されているとともに、このねじ軸７の両
端小径部には一方には右ねじが、また他方には左ねしお
ねじ部がそれぞれ形成され、同一方向の回転によって互
いに反対方向のリードを後述するクランプロッドに対し
て付与するようにしである。

１０．１０は上記基体１の両側部からその支持孔１ａ内
に摺動可能に嵌挿されたスリーブ状のクランプロッドで
、このクランプロッド１０，１０の内周めねじ部はそれ
ぞれ上記ねじ軸７０両端おねじ部に螺合し、このクラン
プロッド１０，１０は上記ねじ軸７の回転に伴なって互
いに反対方向に摺動するようになっている。

１１．１１は上記基体１の上面両側に対向配置された支
持ブロック１２．１２にそれぞれピン１３．１３を介し
て回動自在に、かつ互いに対向するように配置されたク
ランプアームで、この一対のクランプアーム１１，１１
の下端部はピン１４．１４を介して上記クランプロッド
１０，１０の一端に回動可能に連繋され、上記ねじ軸７
の回転に伴なうクランプロッド１０．１０の摺動動作に
よって基準プレート３に対して開閉動作、すなわちクラ
ンプ動作およびアンクランプ動作するようになっている
。

次に上記のように構成されたフイクスチャの動作につい
て説明する。

第１図に示すアンクランプ状態において、所定のワーク
Ｗを基準プレート３上に位置決め載置するとともに、主
軸５の両端のいずれか一方に図示しない外部駆動手段の
一部を嵌合させて回転させると、この上軸５に固着され
たウオームギヤ６およびこれに歯合するウオームホイー
ル９を介してねじ軸７が矢印イ方向に回転し、このねじ
軸７の回転に伴なってクランプロッド１０，１０がそれ
ぞれ支持孔１ａ内を基体１の両側方向に向かって移動す
る。

するとこのクランプロッド１０，１０に連繋されている
クランプアーム１１，１１はそれぞれ矢印口方向に回動
し、基準プレー１へ３に対してクランプ動作する。

そして上記クランプアーム１１，１１のいずれか一方が
最初にワークＷのフランジ部に当接するとその最初に当
接したクランプアーム側のクランプロッド１０の移動は
停止し、その後、更にクランプ方向に移動させようとす
る駆動源からの負荷がかかると、そのクランプロッド１
０はわし軸７を相対的に逆方向に移動させることになる
。

すなわちいずれか一方のクランプアーム１１がクランプ
限界に達し、その後、更にクランプ力が加えられると、
ねじ軸７が相対的に不完全なりランプ状態にある他方の
クランプアーム１１側にわずかに移動してこれを完全に
クランプ動作させる。

この後、わずかに遅れて後からクランプ動作した側のク
ランプアーム１１のクランプ力が大きすぎると、再び前
記とは逆方向にねじ軸７が移動しこのような動作を微小
的に反覆することによって両クランプアーム１１，１１
のクランプ力を均等にして、このクランプアーム１１，
１１と基準プレート３間にワークＷを強固に固定保持す
るものである。

尚、過剰クランプ力の逃げは外部駆動手段側のクラッチ
によって行なわれる。

一方、アンクランプ操作に際しては前記とは逆に、ねじ
軸７を逆転させると、クランプロッド１０゜１０は支持
孔１ａ内をそれぞれ基体１の中心に向かって移動復帰す
るとともに、クランプアーム１１．１１はそれぞれ矢印
口′方向に回動して、ワークＷは解放状態となる。

尚、前記実施例においてはねじ軸の回転伝達手段として
ウオームギヤおよびウオームホイールを使用したが、本
考案はこれに限定されるものではなく、例えばラックと
ピニオンを使用することも可能である。

以上の説明から明らかなように、この考案に係るフイク
スチャにあっては、両端部に互いに逆向きのリードを有
するねじ部を設け、かつその軸方向に微動可能に配設さ
れたねじ軸を外部駆動手段によって回転し、これにより
ワーク固定基準面の両側に互いに対向配置された一対の
クランプアームを、このクランプアームにそれぞれ連繋
し、かつ上記ねし軸の両端にそれぞれ螺合して進退動可
能に設けられたクランプロッドを介してクランプ動作さ
せるとともに、このクランプ時における上記ねじ軸の軸
方向の微動によって両クランプアームのクランプ力を均
等にしてクランプするように構成したものであるから、
クランプ時にワークの変形や偏心あるいはずれなどを生
じることはなく、またねじによってクランプ力が付与さ
れるので従来のスプリングクランプ方式のものに比して
振動に強く、高精度な位置決めクランプ状態を維持する
ことができるので、加工精度の優れた均一な製品の加工
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るフイクスチャの正面説明面、第
２図は同じく第１図におけるＡ−Ａ’断面矢視図である
。 ３・・・・・・基準プレート、７・・・・・・ねじ軸、
１０・・・・・・クランプロッド、１１・・・・・・ク
ランプアーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基体上に設けられた基準プレートのワーク固定基準面の
   両側にあって互いに対向しかつこのワークの固定基準面
   に対して開閉動作する回動可能な一対のクランプアーム
   と、このクランプアームの回動中心と直交方向に回転可
   能に、かつその軸方向に微動可能に配設されると共にそ
   の両端に互いに逆向きのリードを有するねじ部を形成し
   てなるねじ５軸と、その一端が前記ねし軸のねじ部に各
   々螺合すると共に他端部は上記クランプアームにそれぞ
   れ作動可能に連結され前記ねし軸の回転によってその軸
   方向に進退動するように設けられたクランプロッド＆、
   前記基体に設けられ前記ねし軸の軸方向と直交する方向
   に配設されて回動可能に設けられたウオームギヤを有す
   る主軸と、前記ねし軸の外周にすべりキーを介して設け
   られ前記ウオームギヤと噛合するウオームホイールとを
   備え、前記ねじ軸を前記ウオームギヤおよびウオームホ
   イールとを介して回転することにより前記クランプロッ
   ドを前進させてクランプアームをクランプ動作させると
   共に、クランプ時におけるねじ軸の軸方向の微動によっ
   て両クランプアームのクランプ力を均等にして、このク
   ランプアームと前記ワーク固定基準面間にワークを挟持
   固定するように構成したことを特徴とするフイクスチャ
   。