JPS5817704Y2 - 歯車軸継手のラッピング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はたわみ軸継手の一種である歯車軸継手の歯車歯
面ラッピング装置に関するものである。

従来歯車軸継手の歯面ラッピングは、例えば旋盤のチャ
ックに歯車軸継手に連着した一方の軸を支持させ、他方
の軸を旋盤のベット上に載設した適宜の揺動機構により
可揺動に支持させるようにして行なっていたものである
が、大型の設備と多大の労力を必要とするものであった
。

また歯車軸継手は回転試験を行うものであるが、従来は
ラッピング後に別工程でこれを行っていたため、多くの
作業時間を要する能率のわるいものであった。

本考案は上記従来のラッピング加工および回転試験時に
生じた問題点を解消せんとしてなされたもので、その目
的とするところは、歯車形軸継手を直接使用してラッピ
ング加工が行えると共に、これに続く回転試験も同時に
施行できるようにし、簡単な構造で作業時間を短縮を行
うことができるラッピング装置を提供せんとするにある
。

次に本考案の一実施例を示す添附図面に基づいて、その
詳細を説明すると下記の如くである。

第１図は装置全体の配置を示すもので、二組の歯車軸継
手１および２を両側に適当な間隔を存して同軸芯状に配
備し、第１図左側に位置する歯車継手１の軸受３で支承
した入力軸４を回転駆動機５の出力軸６と継手を介して
連結する。

第１図右側に位置する歯車軸継手２の出力軸７は軸受８
によって支持すると共に、図示左側の歯車軸継手１にお
ける出力軸９と同右側歯車軸継手２の入力軸１０は揺動
機構１１で連結支持する。

揺動機構１１は第２図に示す如く、両側歯車軸継手１と
２の中間において、出力軸９および入力軸１０の上部に
クランク軸１２を交差状に配備する。

クランク軸１２は両端部を軸受１３によって可回動に支
持され、両端に固定した歯車１４に、該クランク軸１２
と平行状に配備した駆動軸１５の歯車１６を噛合する。

駆動軸１５は回転駆動機１７の出力軸と連結し、その回
転を歯車１６と１４を介してクランク軸１２に伝達する
ものである。

前記クランク軸１２の偏心軸部１８に、上部の筒体１９
を外嵌装してホルダー２０を取付け、このホルダー２０
の下部で出力軸９および入力軸１０を支持する。

このクランク軸１２の偏心回転によりホルダー２０は上
下動および左右動を行い、この運動を両側歯車軸継手１
と２に与えるものである。

また、前記歯車軸継手１と２の構造は第３図に示すもの
で、筒状に形成した一対の本体２１と２２間で環状の中
心板２３を挾み、側本体２１．２２を衝合側に周設した
フランジ２４０部分においてボルト２５およびナツト２
６の緊締によって固定化する。

側本体２１と２２の開放側端部内に内歯歯車２７を組込
み、この歯車２７を外端面にボルト２８で固定した押え
板２９によって抜止状とする。

側本体２１と２２内には前記内歯歯車２７と噛合する外
歯歯車３０を組込み、この外歯歯車３０と中心板２３と
の間に該歯車３０を常時外方に押圧する弾機３１を縮設
する。

外歯歯車３０には一方に入力軸をまた他方に出力軸を各
々キー３２での結合によって一体動するよう連結する。

外歯歯車３０は内歯歯車２７内において回動および軸方
向の移動が可能であり、内歯歯車２７との噛合する歯面
がラッピング加工を受けることになり、側本体２１と２
２内にはラッピング剤３３が封入しである。

なお、揺動機構１１は図示のような偏心量が一定のもの
に何ら限定されるものではなく、偏心量を任意に変化さ
せることができる構造とすることができ、また両側の軸
受３と８は歯車軸継手の大小によって変位させ得るよう
にすることも可能であり、更に実施例の場合二組の歯車
軸継手を同時にラッピング加工するようにしたが、一方
を省くこともできる。

本考案は上述せる如き構造であり、歯車軸継手をラッピ
ング加工するには、第３図に示す如く内部にラッピング
剤３３を封入し、両端部に内歯歯車２７および外歯歯車
３０を組込んだ歯車軸継手１と２を第１図に示す如く揺
動機構１１の両側に配備し、入力軸４および出力軸７を
軸受３，８により支持すると同時に、入力軸４を回転駆
動機５と連結し、更に出力軸９および人力軸１０を揺動
機構１１のホルダー２０によって支持した状態とする。

このような状態で駆動機構５と１７を起動すると、噛合
する内歯歯車２７と外歯歯車３０の回転イｉ達により両
歯車軸継手１と２は回転を行う。

これと同時に揺動機構１１のクランク軸１２によりホル
ダー２０が上下動および左右動を行い、この運動を両側
の歯車軸継手１と２に与える。

両歯車軸継手１と２において、噛合する内歯歯車２７と
外歯歯車３０の噛合面に回転の伝達によって面圧が生じ
ると共に、揺動機構１１によって与えられる軸方向およ
び上下方向の運動によって噛合面に回動と軸方向の動き
が加わった摺動が生じ、噛合面は全面で接触することに
なり、封入されているラッピング剤３３によって噛合面
のラッピングが行われることになる。

このような状態を一定時間繰返すことによりラッピング
完了となると、揺動機構１１を停止して更に回転のみを
続け、回転試験を同一段取で行うものである。

以上のように本考案は、内部にラッピングを行わんとす
る内歯歯車と外歯歯車およびラッピング剤を組込んだ歯
車軸継手の一方軸に回転駆動機を連結し、他方軸に径お
よび軸方向の運動を与える揺動機構を連結したため、歯
車軸継手のラッピング加工が簡単な構造で行うことがで
きると共に、連続して回転試験も実施することができ、
ラッピングおよびこれに続く回転試験に要する作業時間
の短縮を可能とする優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るラッピング装置の配置を示す平面
図、第２図は同上における揺動機構部分を示す縦断面図
、第３図は歯車軸継手の縦断面図である。 １と２は歯車軸継手、４は入力軸、５は回転駆動機、９
は出力軸、１１は揺動機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２軸間を接続させる撓み軸継手のうち、２軸の端部にそ
   れぞれ嵌着せしめる一対の外歯歯車と、これら外歯歯車
   に噛合する内歯歯車をその両端部内側に備えて一体的に
   外嵌装着せしめる筒状形成された継手本体とからなる歯
   車軸継手の歯車歯面ラッピング装置であって、前記歯車
   軸継手を、これに連着された２軸の一方を軸受支持する
   ことにより適宜の回転駆動機で駆動回転可能とすると共
   に、他方の軸をこれとは直交状にその両端を軸受支持し
   て駆動回転可能に横設したクランク軸の中央偏心軸部に
   遊嵌装着させた上部筒体の下部に前記他方の軸を挿入支
   持せしめる軸孔を備えたホルダーによって支持せしめる
   ように構成して戒り、ラッピングすべき歯車軸継手に軸
   を介して回転および軸方向と径方向の運動を与へ得るよ
   うにしたことを特徴とする歯車軸継手のラッピング装置
   。