JPS581638Y2 - 直接噴射式デイ−ゼル機関のシリンダヘツド冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、直接噴射式ディーゼル機関のシリンダヘッド
冷却装置に関する。

従来の直噴式機関のシリンダヘッドの冷却は、吸・排気
弁間の冷却を主とし、燃料噴射弁の冷却を従とするもの
が多い。

即ち、シリンダブロックからシリンダヘッドに流入した
冷却水は、吸・排気弁間を通過した後に、噴射弁に当る
ように設計されていた。

したがって、従来のものでは、噴射弁の冷却は不充分と
なり、また、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間
の主なる冷却水連絡孔が１カ所であるため、シリンダブ
ロック内での（即ちシリンダライナまわりの）水流が均
一でないという欠点をもっていた。

本考案は、このような従来例の欠点を解消しようとする
ものであって、本考案は、燃料噴射弁をシリンダの中央
に持たない直接噴射式ディーゼル機関に於て、シリンダ
ブロック内の冷却水通路からシリンダヘッド内の冷却水
通路への主なる連絡孔を少くとも２カ所に設け、その連
絡孔の一つを、冷却水を噴射弁の後方より噴射弁まわり
に導き、冷却水が噴射弁のまわりを下方から上方に噴出
するように設けるとともに、残りの連絡孔の一つを、前
記連絡孔と向かい合って噴射弁をはさむ位置であって、
かつ吸気弁案内と排気弁案内との間にある位置に設けて
、該残りの連絡孔の一つを通ってシリンダヘッド内の冷
却水通路へ入ってくる冷却水を、吸・排気弁案内間に噴
出させたのち、噴射弁保持筒の前面に当接させて拡散さ
せるように構成したことを特徴とするものである。

本考案によれば、噴射弁はシリンダブロックの方から流
入してくる新鮮な冷却水によって直接冷却されると共に
吸・排気弁間も、シリンダブロックの方から流入した、
他の冷却水流によって冷却されることになり、両者とも
充分な冷却が行われることになる。

さらに、シリンダブロックからシリンダヘッドへの連絡
孔が２カ所（以上）となるため、シリンダブロック内の
冷却水の流れは均一となり、シリンダライナの冷却が均
一に行われるという作用、効果を奏することができるこ
とになる。

次に、図面により、本考案の一実施例を説明する。

１はシリンダヘッドで、シリンダブロック２の上部にガ
スケット３を介して固着される。

シリンダブロック２にはシリンダライナ４が嵌入されて
釦り、シリンダライナ４の外周には、冷却水通路５が形
成されている。

一方、シリンダヘッド１には、燃料噴射弁６が、シリン
ダの中央からはずれた位置に、傾斜状に保持筒１３によ
り取付けられている。

７はシリンダヘッド１の冷却水通路で、これは冷却水通
路５とは、２カ所の連絡孔８，９を介して連通している
。

連絡孔８は、燃料噴射弁６の下方に通じ、ここに導かれ
る冷却水は、該噴射弁６の外周に沿って、下から上方に
むかって流れるようになっている。

一方、連絡孔９ば、吸気弁案内１０と排気弁案内１１と
の間の部分に開口し、該開口１２から噴出した冷却水は
、吸・排気弁間に流れた後に、噴射弁保持筒１３の前面
に当接する。

このように、本考案によれば、シリンダフロック２内の
冷却水通路５かもシリンダヘッド１内の冷却水通路７に
流れる冷却水は、２つの連絡孔８゜９を通ることになる
。

したがって、冷却水通路５内での冷却水は、左・右均等
に流れることになり、シリンダライナ４の冷却は均等と
なる。

さらに、一方の連絡孔８かも、シリンダヘッド１内に流
入した冷却水は、直接燃料噴射弁６を、ぞの下方から上
方にむかって流れる間に、冷却する。

燃料噴射弁６は、その下端は直接燃焼室１４に露出１〜
でいるため、特に下側が高温となるのであるが、本考案
では、これを下方から冷却水で冷却するようにしている
から噴射弁６の冷却は、効果的に行えることになる。

また、他方の連絡孔９から、シリンダヘッド１内に流入
した冷却水は、吸・排気弁間に流入し、両弁案内１０，
１１を冷却した後に、噴射弁保持筒１３の前面に当接し
、て、冷却水通路７内に拡散するため、吸・排気弁の案
内の冷却並びに噴射弁保持筒１３の冷却が効果的に行わ
れることになる。

したがって、本考案によれば、従来例のように、燃料噴
射弁が、冷却不足になるようなことはなく、また、シリ
ンダブロックの冷却水通路内での冷却水の流れが不均一
になって、シリンダライナの冷却が不均一となるという
ようなこともなくなり、燃料噴射弁の適度な冷却とシリ
ンダライナの均一な冷却を行うことができ、特に、燃料
噴射がシリンダの中央に設けられていない、直接噴射式
ディゼル機関に適用するとき、極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例であって、第１図は要部断面側面図
、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図である。 １・・・シリンダヘッド、２・・・シリンダブロック、
４・・・シリンダライナ、５，７・・・冷却水通路、６
・・・燃料噴射弁、８，９・・・連絡孔、１０・・・吸
気弁案内、１１・・・排気弁案内。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料噴射弁をシリンダの中央に持たない直接噴射式ディ
   ーゼル機関に於て、前記燃料噴射弁の先端部分はシリン
   ダヘッドに形Ｉｉ、すれた保持筒内に側面に間隙をあげ
   た状態で挿入され、シリンダブロック内の冷却水通路か
   らシリンダヘッド内の冷却水通路への主なる連絡孔を少
   なくとも２カ所に設け、その連絡孔の一つを、冷却水を
   前記保持筒内に導入して燃料噴射弁と保持筒との間の間
   隙を通って燃料噴射弁のまわりを下方から上方に噴出す
   るように設けるとともに、残りの連絡孔の一つを、前記
   連絡孔と向かい合って燃料噴射弁をはさむ位置であって
   、かつ吸気弁案内と排気弁案内との間にある位置に設け
   て、該残りの連絡孔の一つを通ってシリンダヘッド内の
   冷却水通路へ入ってくる冷却水を、吸・排気弁案内間に
   噴出させたのち、噴射弁保持筒の前面に当接させて拡散
   させるように構成した直接噴射式ディーゼル機関のシリ
   ンダヘッド冷却装置。