JPS5816042Y2 - 硬貨選別機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特定メタルおよび特定硬貨のみにて作動させ
る硬貨装置における硬貨選別機構に関するものである。

従来、自動販売機およびコインタイマー等においては、
大半は特定硬貨によってのみ作動する機構となっており
、極一部特定メタルによってのみ作動する機構のものも
あったが、特定硬貨と特定メタル共用の機構のものは、
その内部構造が複雑であった。

上記両用型の装置は会員制のクラブ等で、会員には割引
価格で予め特定メタルを販売して置き、会員以外は特定
硬貨を使用させる差別価格販売用として用いるものであ
る。

本考案は上記の要望に応えて、特定メタルおよび特定硬
貨の何れを用いても作動する簡単な硬貨選別機構を提供
することを目的とする。

以下、第１図乃至第６図に示す実施例に基づいて、本考
案を説明する。

本考案の構成をわかり易くするために基板を透視して示
した第１図において、基板１の裏面には、通路部材２が
固定されている。

通路部材２の基板１と向き合った面上には、垂直の向き
に段状の溝が設けられ、基板１と合体して、段溝形の通
路３を形成している。

段溝形の通路３は、第２図に示すように、厚さが厚く、
巾の狭いメタル通路４（符号ａ−ｂ−Ｃ−ｄで囲まれる
部分）と、厚さが薄く、巾の広い硬貨通院５（符号ｅ
−ｆ −ｇ −ｈで囲まれる部分）とからなっていて、
符号ｉ −ｊ −Ｃ−ｄで囲まれる部分を上記両通路は
共有している。

上記メタル通路４の巾と厚さは、特定メタルの直径と厚
さよりわずかに大きく、硬貨通路５の巾と厚さは特定硬
貨の直径と厚さよりわずかに大きく形成されている。

通路部材２の下流には、選別レバー７が支軸８により揺
動自在に枢着されている。

上記レバー７の一端は段溝形の通路３に相対して設けら
れていて、上記段溝形の通路３と厚さは同じで巾のみが
、特定メタルならびに特定硬貨よりそれぞれわずかに狭
い選別ゲージ９が形成されている。

また他端には選別ゲージ９を硬貨通路の出口に近づける
向きの習性を与えるための重錘１０が固装されている。

選別レバー７を挾んで上下にストッパー１１ ａと１１
ｂが基板１に固装されていて、上記レバー７の揺動範
囲を規制している。

上記レバー７が特定硬貨または特定メタルの載置によっ
て揺動してストッパー１１ ｂに当接した位置、換言す
れば、選別ゲージ９が最大の傾斜に達したときの上記ゲ
ージ９の先端位置の近傍には、基板１と合体して案内通
路１２が設けられている。

案内通路１２は、その人口１２ａにより受は止めた特定
硬貨または特定メタルを案内通路の出口１２ ｂより図
示されないコインタイマー等の検出機構に導くためのも
のである。

本考案の実施例は上記のように構成されていて、その動
作について第３図乃至第６図に従って逐次説明する。

第３図に示すように、投入口６より段溝形の通路３に投
入された特定メタル１３は、第２図において符号ａ−１
） −ｃ−ｄにて示すメタル通路４内を落下して選別レ
バー７の選別ゲージ９上に達する。

上記ゲージ９においてメタルを規制するゲージ巾、換言
すれば内側縁９ａ−９ｂ間の距離は、特定メタル１３の
直径よりわずか小さく規制されているので、特定メタル
１３は、内側縁９ａ−９ｂ間に保持される。

選別レバー７は重錘１０によって矢印で示す向きの回動
習性が与えられているが、特定メタル１３が載置されな
いときにはストッパー１１ ａによって第３図に示す位
置を保っている。

特定メタル１３が保持された選別レバー７は、支軸８に
対する重錘１０側のモーメントよりも選別ゲージ９側の
モーメントの方が大きくなるため、第４図に示すように
選別レバー７はその回動習性に抗して２点鎖線で示した
位置から矢印の向きに回転して、実線で示す位置まで支
軸８を中心として揺動し、ストッパー１１ ｂに当接し
て揺動を停止する。

選別レバー７の揺動により、選別ゲージ９は傾けられる
ため、載置された特定メタル１３は投げ出されて、案内
通路１２の入口１２ａに受けとめられて下縁１２ Ｃに
沿って落下してゆき、図示されない装置へ送り込まれる
。

第３図において、投入されたメタルが小径の非特定メタ
ルであるときは、選別ゲージ９の内側縁９ａ−９ｂ間を
通り抜けて、そのまま落下して排出される。

従って図示されない、コインタイマー等の検出機構に導
かれることはない。

次に第５図に示すように、投入口６から小径の非特定硬
貨１４が段溝形の通路３に投入された場合には、上記硬
貨１４は、第２図において符号ｅｆ−ｇ−ｈにて示す硬
貨通路５内を通り、選別ゲージ９の内側縁９Ｃ−９ｄ間
を通り抜けて、そのまま落下して排出される。

そして、第６図に示すように、投入された硬貨が特定硬
貨１５の場合には、硬貨通路５内を落下した特定硬貨１
５は選別ゲージ９上に達し、特定硬貨１５の直径よりわ
ずかに小さく規制された内側縁９Ｃ−９ｄ間を通り抜け
られないため、選別ゲージ９上に保持される。

特定硬貨１５の載置によって、支軸８に対する重錘１０
側のモーメントよりも、選別ゲージの９側のモーメント
が大きくなると、選別レバー７は支軸８を中心として矢
印の向きに揺動し、第４図で説明した特定メタル１３の
場合と同様にして、特定硬貨１５は、第４図に示す案内
通路１２内に投げ込まれ、その下縁１２ Ｃに沿って落
下してゆき、図示されないコインタイマー等の検出機構
を作動する。

本考案においては、厚さが厚く、巾が狭い特定メタルと
、厚さが薄く、巾が広い特定硬貨を共用する硬貨選別機
構について説明したが、その逆の場合、すなわち、厚さ
が薄く、巾が広い特定メタルと、厚さが厚く、巾が狭い
特定硬貨を共用することも上記と同様に可能である。

本考案は、以上のように、特定メタルおよび特定硬貨の
みで作動し、非特定メタルおよび非特定硬貨では作動し
ない硬貨機構における簡単な選別機構を提供するもので
あり、メタルと硬貨との共用の選別機構として新規なも
のである。

本機構を用いることにより、自動販売機またはコインタ
イマーにおける新らしい分野を開くものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は段溝
形の通路を示す底面図、第３図および第４図は特定メタ
ルによる動作説明図、第５図は小径の非特定硬貨による
動作説明図、第６図は特定硬貨による動作である。 ４・・・・・・メタル通路、５・・・・・・硬貨通路、
９・・・・・・選別ゲージ、１３，２９・・・・・・特
定メタル、１５・・・・・・特定硬貨。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 厚さが厚く、巾が狭い特定メタル用のメタル通路と、上
   記メタル通路と共通部分を有して形成されていて、メタ
   ル通路より厚さが薄く、巾が広い特定硬貨用の硬貨通路
   と、厚さは上記両通路と略同じであるが、巾が両通路よ
   りも僅かに小さくて、上記特定メタルと特定硬貨は保持
   可能であるが、特定メタル、特定硬貨よりも小径の非特
   定メタル、非特定硬貨は通過させる選別ゲージを有して
   いて、選別ゲージが上記両通路の出口に対して接離する
   向きに揺動自在の選別レバーと、この選別レバーに対し
   て、上記選別ゲージが上記両通路の出口に対向する位置
   へ向かう揺動習性を与えていて、上記選別ゲージが特定
   メタル、特定硬貨を保持したときには、選別レバーの揺
   動を許す質量を有する重錘と、上記選別レバーの揺動角
   を規制するストッパーと、上記選別ゲージが上記出口に
   対向しているとき該ゲージを通過して落下する非特定メ
   タル、非特定硬貨の落下通路から外れていて、特定メタ
   ル、特定硬貨を保持して揺動し、上記ストッパーで停止
   させられた選別レバーの選別ゲージの近傍に設けられた
   案内通路とからなる硬貨選別機構。