JPS6245254Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ゲーム機、自動販売機の前面パネル
の硬貨投入口から投入硬貨を機内の硬貨選別器の
硬貨入口に案内する硬貨投入口シユートに関する
ものである。

（従来の技術） 従来の硬貨投入口シユートとしては、例えば第
１図に示すようなものが既知である。図において
１は硬貨取付用ブラケツト、２はその前板または
前面パネルで、この前板２の表側には硬貨投入口
３、返却用ボタン４および返却口５が設けられ、
前板２の裏側には硬貨投入口シユート６および硬
貨受入および返却用シユート７が上下に離間して
設けられ、これらの上下シユート６，７間に、い
わゆるドロツプ型硬貨選別器８がねじ９等により
組付けられるよう構成されている。

ドロツプ型硬貨選別器８は、一般に概知のよう
に、上端の硬貨入口１０から硬貨がほぼ垂直に落
下し、硬貨入口１０のほぼ直下位置でピン１１に
よつて枢着されたクレードル１２の一対の離間し
た掛合片（図示せず）上に硬貨が乗ることによつ
てクレードル１２がバランスを失なつて矢Ａの方
向に回転し、これにより硬貨は前側に位置する傾
斜レール（図示せず）上に放出され、この傾斜レ
ール上に転動しながら、磁石１３による磁界を横
切つて通過し、これにより硬貨材質に対応した磁
気制動力を受ける。一般に、選別すべき正貨が
100円または500円硬貨のような白銅貨であること
からこれらの硬貨は他の不適正貨に比べ磁界によ
つて受ける制動力が小さく、したがつて傾斜レー
ルの終端から自由落下する際に反発片（図示せ
ず）に当つて強くはね反えり、硬貨入口１０の下
方に位置する硬貨受入シユート部分７ａに通過
し、他方、制動力が大きく作用する不適正貨は反
撥片に当ることなく落下して硬貨入口１０とは対
角線上または反対側下方に位置する返却シユート
部分７ｂに通過するよう構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） したがつて、かかるドロツプ型硬貨選別器がゲ
ーム機等の前面パネルの内側に、これに対して垂
直に直接に取付けられる場合、または、図示のよ
うなブラケツト１によつて取付けられる場合に
は、ゲーム機等の前面パネルに位置する垂直溝孔
の硬貨投入口３から硬貨選別器８の前面パネル取
付側とは反対側の上端に開口する硬貨入口１０に
まで硬貨選別器８の横幅にほぼ対応する水平距離
にわたつて転動させまたは滑らせて移動させるた
め硬貨投入口シユート６は第１図に示すように所
要の傾斜角度で傾斜させることが必要であり、し
たがつて、前面パネルまたは前板２における垂直
溝孔の硬貨投入口３を硬貨選別器８の硬貨入口１
０より相当上方位置に設けて硬貨投入口３から硬
貨入口１０まで硬貨投入口シユートを傾斜させて
設けることが必要であり、この結果、ドロツプ型
硬貨選別器を用いる場合には、硬貨選別器自体を
小型化し得ても、装置全体としての寸法、特に、
高さを低くすることができないという問題があつ
た。

本考案は、前面パネルから相当離れた位置で前
面パネルに対して直角方向に延長して開口する硬
貨入口に前面パネルの硬貨投入口から投入された
硬貨を垂直に落下させるよう案内するため、硬貨
投入口から水平方向に延長する硬貨投入シユート
の高さを極限まで、すなわち投入硬貨の外径にほ
ぼ等しい高さにまで低減した硬貨投入シユートを
提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、ゲーム機等の前面パネルの硬貨投入
口を水平溝孔で構成し、この硬貨投入口の下側縁
にほぼ接する投入側端位置から硬貨選別器の上端
に開口する硬貨入口の前面パネル反対側端にまで
緩傾斜して延長する案内レールと、この案内レー
ルの投入側端位置より僅かに下方位置から硬貨入
口の前面パネル側端にまで急傾斜して延長する滑
り板とを設け、前記案内レールの案内側縁を前記
硬貨投入口の水平方向の中心より片側に位置さ
せ、これにより硬貨投入口からシユート内に投入
された硬貨の重心が前記案内レールより滑り板側
に位置して硬貨外周縁が滑り板上に線接触をしな
がら硬貨入口に向け移動するにしたがつてほぼ水
平位置からほぼ垂直位置に姿勢を変えるように構
成することを特徴とする。

（作用） 上述の構成になる本考案の硬貨投入シユートに
おいては、硬貨は水平位置で投入口から投入さ
れ、この投入硬貨は、第７ａ図に示すように、そ
の重心の位置が案内レール１８上より滑り板２０
側にずれていることによつて案内レール１８から
滑り落ちて硬貨外周縁が直ちに滑り板２０に接触
し、厳密に言えば、滑り板２０と側板１９とに接
触し、案内レール８と滑り板２０との高さの差に
よつて決まる傾斜姿勢で滑り板２０の傾斜によて
自重により滑り移動する。

同様にして、第７ｂ〜７ｆ図に示すように、硬
貨は硬貨入口１０に近づくにしたがつて、案内レ
ール１８と滑り板２０との高さの差が次第に大き
くなるとともに案内レール１８の側縁１８ｂと対
向シユート側板１９との間隔が次第に狭くなるこ
とによつて硬貨傾斜姿勢はほぼ水平に近い状態か
ら45゜以上の傾斜状態となり、案内レール１８の
側縁部分１８ｃを通過した時点において硬貨の外
周縁部は硬貨入口１０内に部分的に落ち込むこと
によつて、第７ｇ図に示すようにほぼ垂直姿勢と
なり、これにより硬貨は前面パネル２に対して直
角方向に開口する硬貨入口１０に垂直に通過して
落下することができる。

したがつて、相当の水平距離にわたり傾斜面上
に硬貨をその自重を利用して転動または滑らせて
垂直姿勢で硬貨入口に落下させる必要のある硬貨
投入口シユートが必要とする高さを硬貨の外径ま
たはこれより小さい寸法に低減させることができ
る。

（実施例） 次に、本考案の１実施例を図面につき説明す
る。

第２図は本考案による硬貨投入シユート１５を
取付けたドロツプ型硬貨選別器取付用ブラケツト
を示し、１６は硬貨投入口金具を示す。

第３図は水平溝孔で形成した硬貨投入口１７の
一端が硬貨選別器８の上端の硬貨入口１０の一側
とほぼ同一線上に位置するよう構成した硬貨投入
口シユートの実施例を示す斜視図であり、第４図
は水平溝孔で形成した硬貨投入口１７の中心が硬
貨入口１０の中心とほぼ同一線上に位置するよう
構成した硬貨投入口シユートの実施例を示す斜視
図であり、以下、後者の実施例につき説明し、前
者の実施例には同じ部分に同じ符号をつけてその
説明を省略する。

図示のように、案内レール１８は硬貨投入口１
７の下側縁１７ａにほぼ接する投入側端１８ａの
位置から硬貨選別器の硬貨入口１０の表面パネル
から遠い側端または表面パネル反対側端１０ａに
まで緩く傾斜して延長し（第６図参照）、硬貨下
面と線接触してこれを案内すべき案内側縁１８ｂ
を硬貨投入口１７の水平方向の中心より片側に位
置させて投入口１７より投入された硬貨が案内レ
ール１８上に位置する際に、硬貨の中心、すなわ
ち重心が案内レール１８上より外れることによつ
て案内レール１８上から片側に後述するように滑
り落ちるよう構成し、また、案内レール１８の側
縁１８ｂと対向して位置するシユート側板１９と
の間隔を徐々に狭め、硬貨入口１０の前面パネル
側端１０ｂに対応する位置を過ぎた部分１８ｃを
適当な曲率で彎曲させて硬貨入口１０の側縁１０
ｃにほぼ接するように形成するのが良い（第５図
参照）。

滑り板２０は案内レール１８の投入側端１８ａ
位置より僅か下方位置（第６図参照）から硬貨入
口１０の前面パネル側端１０ｂにまで案内レール
１８より急な角度、好ましくは26゜〜30゜の角度
で傾斜して延長して設ける。

上述の構成になる投入口シユートの作用を第７
図につき説明する。なお、第７図において、Ａは
最大処理硬貨である直径30.8mmのゲーム機用メダ
ル、Ｂは最小処理硬貨である直径20mmのアルミニ
ウム１円硬貨を示し、A′およびB′はそれぞれの
重心位置を示し、図示の投入口シユートにはこれ
らの硬貨Ａ，Ｂばかりでなく、これらの最大ない
し最小処理可能硬貨直径範囲内にある50円、10
円、100円および500円硬貨をも用い得ること勿論
である。

先づ、硬貨投入口１７から投入された硬貨は第
７ａ図に示すように、その重心の位置が案内レー
ル１８上より外れていることによつて案内レール
１８から滑り落ちて硬貨外周縁が直ちに滑り板２
０に接触し、厳密に言えば、滑り板２０と側板１
９とに接触し、案内レール１８と滑り板２０との
高さの差によつて決まる傾斜姿勢で滑り板２０の
傾斜によつて自重により滑り移動する。

同様にして、第７ｂ〜７ｆ図に示すように、硬
貨は硬貨入口１０に近づくにしたがつて、案内レ
ール１８と滑り板２０との高さの差が次第に大き
くなるとともに案内レール１８の側縁１８ｂと対
向シユート側板１９との間隔が次第に狭くなるこ
とによつて硬貨傾斜姿勢はほぼ水平に近い状態か
ら45゜以上の傾斜状態となり、案内レール１８の
側縁部分18cを通過した時点において硬貨の外周
縁部は硬貨入口１０内に部分的に落ち込むことに
よつて、第７ｇ図に示すようにほぼ垂直状態とな
り、これにより硬貨は垂直姿勢で硬貨入口１０に
通過する。

本考案によれば、最大処理可能硬貨の直径にほ
ぼ等しいかまたはこの直径以下の高さの硬貨投入
シユートによつて硬貨を前面パネルに位置する硬
貨投入口から硬貨選別器の横幅に対応する水平距
離で離間した硬貨選別器の硬貨入口に硬貨自身の
重力作用によつて移動させて硬貨入口に垂直に落
下させることができ、これにより、ドロツプ型硬
貨選別器を用いる硬貨選別装置の全体としての寸
法、特に高さを著しく低くすることができるとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の硬貨投入口シユートを有する硬
貨選別器取付用ブラケツトおよびドロツプ型硬貨
選別器の側面図、第２図は本考案による硬貨投入
シユートを有する硬貨選別器取付用ブラケツトの
側面図、第３図および第４図は本考案による硬貨
投入口シユートの異なる実施例を蓋を除去して示
す斜視図、第５図は第４図に示す硬貨投入シユー
トの蓋を除去して示す平面図、第６図は第５図の
−線上で断面として矢の方向に見た断面図、
第７図は作用説明図である。 １……硬貨選別器取付用ブラケツト、２……前
板または前面パネル、８……硬貨選別器、１０…
…硬貨入口、１０ａ……前面パネル反対測端、１
０ｂ……前面パネル側端、１７……硬貨投入口、
１７ａ……下側縁、１８……案内レール、１８ａ
……投入側端、１８ｂ……案内側縁、１８ｃ……
彎曲部分、１９……シユート側板、２０……滑り
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ゲーム機等の前面パネルに開口する硬貨投入口
   から水平方向に延長して投入硬貨を機内の硬貨選
   別器の上端に前面パネルに対して直角方向に延長
   して開口す硬貨入口に垂直に落下させるよう案内
   する硬貨投入口シユートにおいて、前記硬貨投入
   口１７がほぼ水平の溝孔で形成され、この硬貨投
   入口の下側縁１７ａにほぼ接する投入側位置から
   前記硬貨入口１０の前面パネル反対側端１０ａに
   まで緩傾斜する案内レール１８と、この案内レー
   ルの前記投入側端位置１８ａより僅かに下方位置
   から硬貨入口１０の前面パネル側端１０ｂにまで
   急傾斜する滑り板２０とを具え、前記案内レール
   １８の案内側縁１８ｂが前記硬貨投入口１７の水
   平方向幅の中心より片側に位置し、これにより硬
   貨投入口からシユート内に投入された硬貨の重心
   が前記案内レール１８より滑り板２０側に位置し
   て硬貨周縁が前記滑り板２０上に線接触しながら
   硬貨が硬貨入口１０に向け移動するにしたがつで
   ほぼ水平姿勢からほぼ垂直姿勢に姿勢を変えるよ
   う構成したことを特徴とする硬貨投入口シユー
   ト。