JPS581511B2 - 無電極螢光灯 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、螢光体膜を塗布したランプバルプを高周波
エネルギーで励起し、照明光を得る無電極螢光灯に関す
るものである。

まず、従来の無電極螢光灯について図面を使って説明す
る。

第１図は従来の無電極螢光灯の一例の構成を示す破断側
面図である。

図において、１はガラスなどからなる球状をした透明な
外被体、２は外被体１壁面に塗布された螢光物質、３は
外被体１の中に封入された水銀等を主体としたガス、４
は外被体１と螢光物質２およびガス３とからなるランプ
バルブ、５は、たとえば放物面形状を有する、高周波お
よびランプバルブ４からの発光波に対して不透明な反射
器、６は、金属網などからなる高周波に対して不透明で
かつランプバルプ４からの発光波に対して透明な透光体
、７は反射器５と透光体６とからなる高周波の空胴共振
器、８は反射器５に設けられた高周波の結合孔、９は空
胴共振器Ｔ内に結合孔８を介して高周波を供給する高周
波発振器、１０は発振器９に電力を供給するためのケー
ブルである。

このように構成された従来の無電極螢光灯においては、
発振器９によって励振された高周波は結合孔８を介して
空胴共振器７内に供給される。

このたへ空胴共振器７内に高周波の電極界が生じ、ラン
プバルブ４内のガス３が励起され放電が生じる。

この放電によって発生した紫外線が螢光物質２を照射す
ることにより可視光線が発生する。

この可視光線は、直接あるいは反射器５により反射され
た後、透光体６を通過し照明光として用いられる。

この従来の無電極螢光灯においては、１つの結合孔８を
介して空胴共振器７を励振しているため、空胴共振器Ｔ
の内壁を流れる高周波電流は内壁面に沿ってあらゆる方
向に流れ、高周波エネルギーの空胴共振器７壁面におけ
る損失が大きいという欠点があった。

この壁面電流が多いという欠点は、とくに透光体６での
熱損失の増加をもたらし、これを避けるため、たとえば
、金属網を構成する金属線を太くすると、可視光線のし
や蔽量が多くなるという欠点や、透光体６部からの電波
漏洩量が多くなるという欠点の原因となっていた。

この発明はこれらの欠点を除去するため、空胴共振器７
内に電気力線が、それ自身で閉じる高周波のモード波を
主として励振せしめ、この電気力線に沿うようにランプ
バルブ４を配置し、空胴共振器７の壁面電流を少なくす
るとともに、高周波エネルギーの可視光線への変換効率
の向上を図ったものである。

以下図面を用いて詳細に説明する。

第２図はこの発明の一実施例を示す破断側面図である。

図において、７は反射器５と透光体６からなる円柱空胴
共振器、４は円形断面を有する環状ランプバルブ、１１
は発振器９の高周波電力を二等分する分配器、１２は１
８０度の移相器、１３、は環状ランプバルブ４の支持棒
である。

さて、第２図においては、発振器９で励振された高周波
は、分配器１１によシ、その電力が二等分される。

その後、１８０度移相器１２によＱ分配後の二つの波の
間に１８０度の位相差が与えられる。

したがって円柱空胴共振器７は結合孔８を介して、等振
幅でかつ逆相の関係にある二波で励振される。

このため、円柱空胴共振器７の高さ、およびその直径を
適当に選ぶと、円柱空胴共振器７内に第３図に示すよう
な、電気力線がそれ自身で．閉じたループを作るモード
波を励振することができる。

なお、第３図中の破線は結合孔８によって励振される磁
力線、実線は磁力線に直交する電気力線の様子の概略を
示している。

したがって、この電気力線に沿うように、円柱空
胴共振器７内に環状ランプバルブ４を配置すると高周波
電界によシ環状ランプバルブ４が励起され従来の無電極
螢光灯と同様に可視光線を発生する。

この実施例においては、まず、環状ランプバルプ４が高
周波電界の強い位置に、しかも電気力線に沿って配置さ
れるため、高周波エネルギーが非常に効率よく可視光線
に変換される利点がある。

つぎに、第３図に於て、１５、並びに１６は円柱空胴共
振器７内の磁力線、並びに電気力線である。

第３図に示す磁力線の分布状態から明らかなように、円
柱空胴共振器Ｔの壁面を流れる電流は円柱の中心軸に同
心的な周方向電流のみであるため、壁面における高周波
エネルギーの熱損が少ない利点がある。

このことは、さらに、透光体６を金網で構成する場合、
従来よりも直径の細い金属線を用いることができるので
可視光線の透光体６通過量を多くできる利点、ならびに
電波漏洩の少ない利点を生じせしめる。

きらに構造的には、円柱空胴共振器７内に周方向電界成
分しかないため、円柱の中心軸に平行に金属棒を設け環
状ランプバルブ４を支持できる利点もある。

第４図にこの発明の他の実施例を示す。

第２図に示す実施例と埴較しての構造上の特徴は、ラン
プバルブ４の形状が円柱であシ、かつ、ランプバルブ４
の外面が円柱空胴共振器７の内面に密着している点にあ
る。

この実施例の動作原理ならびに、利点は第２図の場合と
同様である。

なお、以上は空胴共振器として円柱空胴共振器Ｔを用い
た場合について説明したが、この発明はこれに限らず、
球状空胴共振器、角柱空胴共振器などに使用してもよい
。

また、ここでは１個の発振器９を用いた場合一ついて説
明したいるが、これに限らず２個以上の発振器を用いて
もよい。

さらに、発振器９と空胴共振器７との結合手段は結合孔
８のみに限られず、ループ等を用いてもよい。

以上のように、この発明に係る無電極螢光灯においては
、電気力線がそれ自体で閉じたループを作る高周波のモ
ード波でランプバルブを励振するため、高周波エネルギ
ーの可視光線への変換効率が高い、透光体の可視光線に
対するしや蔽量を少なくすることができる、透光体部か
らの高周波漏洩を非常に少なくすることができるなどの
利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の無電極螢光灯の破断側面図、第１２図は
この発明の一実施例を示す破断側面図、第３図は動作原
理の説明を容易にするための電磁界分布図、第４図はこ
の発明の他の実施例を示す破断側面図である。 図中、４はランプバルブ、５は反射器、６は透冫光体、
７は反射器５および透光体６からなる空胴共振器、８は
高周波の結合孔、９は高周波の発振器、１１は分配器、
１２は移相器、１５は磁力線、１６は電気力線である。 なお、図中同一あるいは相当部分には同一符号を付して
示してある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 壁面に螢光体膜を塗布した透光性外被体と、前記外
   被体内に封入された電離可能なガスとからなるランプバ
   ルブを、高周波に対し不透明で、かつ前記ランプバルブ
   からの発光波に対して局部的に不透明な特性を有する空
   胴共振器内に配置し、高周波エネルギーによりランプバ
   ルブを発光させる無電極螢光灯において、前記空胴共振
   器が空胴共振器内の電気力線自体で閉ループを形成する
   高周波のモードで発振する機構を設けたことを特徴とす
   る無電極螢光灯。 ２ ランプバルプの形状を環状とした、特許請求の範囲
   第１項記載の無電極螢光灯。 ３ ランプバルブの外面を空胴共振器の内面に密
   着させた、特許請求の範囲第１項記載の無電極螢光灯。