JPS6331442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はマイクロ波により放電灯を点灯させ
るマイクロ波放電光源装置に関するものである。
空胴共振型のマイクロ波放電光源装置は、マイク
ロ波発振器と、このマイクロ波発振器で発生した
マイクロ波を伝送するための導波管と、この導波
管に設けられたマイクロ波の入射口となる給電口
を介して接続された空胴共振器と、この空胴共振
器内に配設された無電極放電灯とで構成されてい
る。この場合空胴共振器は、マイクロ波および光
を透過しない金属性部材よりなる一方が開口した
壁面と、この開口部を覆うマイクロ波は透過しな
いが光を透過する網面で構成されている。そして
壁面は光学的な反射面としても利用されている。
しかしながら給電口を通して入射したマイクロ波
は空胴共振器壁面のある大きさ、形状により共振
状態となり一定の電界パターンを形成し、無電極
放電灯を安定して点灯することができるが、この
空胴共振器の壁面を得ようとする光学特性を満足
する反射面としての大きさ、形状と一致させるこ
とがむずかしく、設計上および製品の多様化を図
る上での障害となつていて、現状では必ずしも十
分な性能のマイクロ波放電光源装置が得られてい
るとは言い難い。また、この種空胴共振器に用い
られる網面は、光を効率よく外部に放出させるた
めに、たとえば特開昭56−126250号公報に記載さ
れているように0.1mm程度の薄いステンレス板を
エツチングなどの加工を施したものが用いられ
る。このため、外部から衝撃力を受けると容易に
変形したり破損を起こし、マイクロ波電磁界を乱
し、放電灯の光出力低下やマイクロ波の外部漏洩
などを招く。しかも、網面は、「光取出口」とし
て外部に露呈されるため、表面に大気中のほこり
やごみの付着が生ずると、目詰まりによつて開口
率が低下し、光の通過量を減少させるなどの問題
も起こす。

この考案は、これらの現状における問題点に鑑
みなされたもので、網面の前方に空胴共振器と一
連の光学反射板を備えて、空胴共振器と網面を通
過した光の反射制御を行う光学反射板とを独立さ
せて設計できるようにし、製品の多様化を容易な
らしめ、また、網面に衝撃が加わつたり、ほこり
やごみが付着したりするのを軽減し、光量の低下
防止およびマイクロ波の漏洩も図れるマイクロ波
放電光源装置を提供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例を第１図および第２
図に基づいて説明すると、第１図において、１は
図示されていない導波管により、マイクロ波発振
器（図示せず）と接続された空胴共振器２はこの
空胴共振器を構成する金属部材より成り、一方が
開口してわん状をした壁面、３は壁面２の開口部
を覆うように設けられた、光は透過するがマイク
ロ波は透過しない金属性メツシユ板からなる網面
４は空胴共振器１内に配設された無電極放電灯
で、図示されていない固定手段により、空胴共振
器１のほぼ中央に配設されている。

導波管により導かれたマイクロ波は壁面２の一
部に設けられた給電口（図示せず）より空胴共振
器１内に入射され、一定の電界パターンを形成し
て、電界内の無電極放電灯４を点灯させる。５は
網面３の前方に位置するように、壁面２の開口端
より一体に連設された反射板で、網面３を通過し
た無電極放電灯４からの光を反射制御するための
ものである。

かかる構成において無電極放電灯からの光は、
網面３を通過して拡散し、一部が限定された被照
射面７以外の方向へ進む光６となるが、反射板５
により被照射面７の方向に反射させることが可能
となり、効率を上げることができるばかりか、反
射板５の形状を変化させることによつて、均一照
度が必要な配光も含め色々な配光制御が行なえ、
しかも空胴共振器１はマイクロ波的な特性のみを
追求したもので良くなるので、この点での効率ア
ツプも期待できるものである。また、反射板５
は、網面３の外側を囲繞するので、外部からの飛
来物が網面３に衝突したり、あるいはほこりやご
みが付着することに対し遮蔽体として作用するた
め、網面３の変形や破損あるいはほこりやごみに
よる目詰まりを軽減できる。

また、第２図に示すように壁面２を鏡面など、
反射特性の優れた仕上部材によつて構成すれば、
壁面２上での光の吸収、拡散が防止でき、したが
つて反射板５による反射光６と同程度の強さを有
する反射光６１を反射させ得るので、一層効率の
良いマイクロ波放電光源装置を提供することも可
能である。

さらに、空胴共振器１の壁面２を網面３に直交
するとともに、無電極放電灯４を含む軸を中心と
した回転体で形成することによつて、製造が容易
になる他、網面３からの光の広がり方が上記軸を
中心に対称な配光となるので、反射板５の設計製
造を容易にできる利点をもつている。

このようにこの考案によれば空胴共振器と光学
反射板を独立した形で設計、実験検討できるの
で、開発期間を大巾に短縮できるばかりか、十分
の配光特性が得られると同時に、製品の多様化に
も応じ易くなる。また、網面の変形や破損も軽減
でき、光出力の向上およびマイクロ波漏洩事故の
現象が図れ、さらに、網面の目詰まりも軽減でき
るので、光の通過量を大きくできるなど、実用的
価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は第１図における壁面を鏡面仕上げした他の
実施例を示す断面図である。 図中、１は空胴共振器、２は壁面、３は網面、
４は無電極放電灯、なお各図中同一符号は同一ま
たは相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光を透過しマイクロ波を透過しない網面を一
   面に設けた空胴共振器、この空胴共振器内に配
   設されマイクロ波電磁界内で点灯される放電
   灯、上記空胴共振器と一連に形成されるととも
   に上記網面の前方に位置しその網面を通過した
   放電灯の光を制御する光学反射板を備えたこと
   を特徴とするマイクロ波放電光源装置。 (2) 空胴共振器を網面と、この網面に直交する軸
   を回転軸とする回転面で形成された壁面とで構
   成したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のマイクロ波放電光源装置。 (3) 空胴共振器の壁面を光を反射する部材で形成
   した実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載のマイクロ波放電光源装置。