JPS5814160B2 - デンドウキクドウヨウインバ−タ ノ ヒジヨウウンテンホウホウ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、交流電源に接続された制御可能な整流器を介
して直流入力電流を供給される交流電動機駆動用自励イ
ンバータの非常運転方法に関する。

この種の自励インバータはしばしば電流形インバータと
呼ばれ、例えば富士時報第４７巻第２号第２３６〜２４
１により公知である。

このような電流形インバータは、よく知られているよう
に、直流入力電流が不足すると転流失敗が起きる。

従つて停電になると電流形インバータが転流失敗を起す
恐れがある。

比較的長い停電の場合にはたとえ転流失敗が起きたとし
てもインバータの電流が自然消滅した後に復電があるの
で問題がないかもしれないが、しかしながらその電流消
滅前に復電があるような短時間の停電の場合には復電直
後に過犬な短絡電流が発生してインバータや整流器内の
構成素子が焼損する危険がある。

復電時点を予め知ることは困難であるので、上述の危険
を避けるためには、例えば停電を検知したら直ちに整流
器の運転を停止することによってインバータの直流入力
電流をしゃ断し自励インバータの運転を一旦停止して、
それから復電を確認したとき再起動を行うようにしなけ
ればならない。

しかしながらインバータを一旦停止したならば、再起動
のためのむだ時間を生じ、これがため設備全体の運転に
支障がもたらされる。

停電中に電動機速度が零近くに低下するような比較的長
い停電の場合はしかたがないとしても、例えば数秒以下
の瞬間的な停電の場合は設備全体の運転に支障をもたら
すことなくインバータの運転を継続させたいという要望
がある。

本発明の目際は、バッテリーや発電機等の非常用電源を
使用しないで上述の要望を満足させることにある。

この目的は本発明によれば特許請求の範囲に記載した構
成によって達成される。

以下図示の実施例を参照しながら本発明を詳細に説明す
る。

図によれば、３相交流電源１に３相ブリッジ結線された
サイリスクからなる整流器２が接続され、この整流器の
直流出力側に平滑リアクトル３を介して３相ブリッジ形
自励インバータ４が接続されている。

自励インバータ４としてはここでは３相ブリッジ結線さ
れたサイリスクと、各サイリスタのそれぞれに直列に挿
入接続されたダイオードと６つの転流コンデンサとから
構成された公知の直列ダイオード形３相インバータが使
用されている。

しかしながら自励インバータ４としては種々の公知のい
わゆる電流形インバータを使用することができ、例えば
富士時報第４７巻第２号第２３６頁第１図に示されてい
るような消弧用の補助サイリスタを備えたインバータを
使用することもできる。

自励インバータ４の交流側には例えば３相誘導電動機５
の固定予巻線が接続される。

自励インバータ４の個々のサイリスクの点弧パルスはパ
ルス分配器６から与えられる。

パルス分配器６には電圧周波数変換器７からパルス列が
与えられる。

電圧周波数変換器Ｔは周波数指令値に相当する電圧をこ
れに比例した周波数を有するパルス列に変換する。

インバータのための周波数指令値としての電圧は速度調
節器８によって与えることができる。

速度調節器８は電動機５の回転軸に結合された速度検出
用発電機からの速度実際値が速度設定器９からの速度目
標値に一致するように作用する。

速度調節器８の出力電圧は電流指令演算器１０にも導か
れている。

電流指令演算器１０は速度調節器８の出力電圧を全波整
流して絶対値に変換して、次段の電流調節器１１のため
の電流目標値を形成するが、その場合に電動機のトルク
と電流との関係を考慮して非線形特性を持たされている
。

点弧角調整器１２はこの電流調節器１１の出力電圧に応
じた点弧角にて整流器２内の個々のサイリスクのための
点弧パルスを発生する，その場合に電流調節器１１は電
流検出器１３からの電流実際値が電流指令演算器１１か
らの電流目標値に一致するように作用する。

電流検出器１３はここでは直流交流器として直流中間回
路の電流を検出するようになっているが、交流変流器に
よって整流器２またはインバータ４の交流側の電流を検
出しこれを直流に変換して電流実際値とすることもでき
る。

しかしながら整流器２の交流側に電流検出器を設ける場
合には停電時の電流が検出できず、従って停電時のため
の電流検出器を別に設ける必要があるので図示のように
インバータの直流側かまたは交流側に電流検出器を設け
るのが望ましい。

以上のような構成によれば電動機磁束をほゾ一定に保ち
ながらインバータ周波数により電動機の速度制御を行う
ことができる。

更に、本発明による非常運転方法を実施するために、停
電時専用の電流調節器１７が設けられ、この電流調節器
には電流設定器１８から電流目標値がそして電流検出器
１３から電流実際値が導かれている。

電流調節器１７の出力電圧は電圧周波数変換器７の入力
回路に導かれ、ここで速度調節器８の出力電圧に重量さ
れる。

３相交流電源１の電圧監視のために停電検出器１９が設
けられ、この停電検出器の出力信号が運転指令装置２０
に導かれる。

運転指令装置２０は、電源電圧が正常である間は、電流
調節器１７を零ホールドさせ、そして他の制闘回路部分
は自由に動作できる状態におく。

停電検出器１９は電源電圧が例えばある定められた短い
時間連続して所定値以下になったとき停電と判定し、停
電検出信号を運転指令装置２０に与える。

運転指令装置２０は停電検出信号を受け取るや否や、点
弧角調整器１２に一斉点弧指令を与え、電流調節器１７
に対する零ホールド指令を解除し、これと同時に速度調
節器８に零ホールド指令を与える。

電流調節器１７の零ホールドを解除し、速度調節器８に
零ホールドさせることによって電圧周波数変換器７に与
えられる周波数指令値は、電流調節器１７によって調節
されるようになる。

即ち、電流検出器１３によって検出される電動機電流の
実際値が設定器１８において設定された目標値を下回れ
ば電流調節器１γは電圧周波数変換器７に与えられる周
波数指令値を低下させるように作用し、その結果自励イ
ンバータ４の出力周波数によって決まる同期速度が実際
の電動機速度よりも低くなって電動機５は発電運転され
る。

従って、電動機５によってそれの機椋的エネルギーが電
気エネルギーに変換されこの電気エネルギーがインバー
タ４および整流器２の一斉点弧されたサイリスクを介し
てリアクトル３へ供給さヘこれによってリアクトル電流
即ち電動機電流が目標値に２致させられる。

このように停電期間中、電動機速度は下降してゆくが、
これに応じてインバータ周波数の低下（同期速度の低下
）を行なわせてゆくことにより電動機の発電運転状態を
制御して電動機電流を一定に保つという動作が行なわれ
る。

場合によっては完全なる停電とはならず交流電源電圧が
若干残っていて、これにより整流器２が非制Ｎｕ流器と
して動作してリアクトル３にエネルギーを供給し続ける
ことも考えられるが、このような場合でも電流調節器１
７の作用により自動的にインバータ周波数が高められ電
動機が電動機運転状態に戻され得るので、電動機電流が
過大となって電動機５の磁束飽和が起るような危険は生
じなく、インバータ４の安全運転を続行することができ
る。

停電期間が長びいて電動機速度が所定値以下となって電
動機の発電運転の続行が不可能になった場合にのみイン
バータ２および整流器４の運転が停止される。

短時間の停電の場合には停電期間中インバータの運転が
継続され、電源電圧が正常な状態に回復して停電検出器
１９から運転指令装置２０へ与えられていた停電検出信
号が解除されるや否や、運転指令装置２０は点弧角調整
器１２に対する一斉点弧指令および速度調節器８に対す
る零ホールド指令を解除し、これと同時に電流調節器１
７に対して零ホールド指令を与える。

これによって速度調節器８によって電動機速度が設定器
９で設定された目標値に復帰するようにインバータ４に
対する周波数指令値が高められてゆき、また電流調節器
１１によって電流実際値が電流指令演算器１１が発生す
る電流目標値に一致するように整流器２の制御が行なわ
れる。

以上のように本発明の非常運転方法によれば、停電期間
中インバータの運転を継続できるので、復電時にすみや
かに正常運転への復帰が可能となる。

しかも、本発明は装置の大形化および設備費の増大を招
くようなバッテリー等の非常用電源を使用しないで停電
期間中におけるインバータの運転の継続を行なわせるこ
とができるという利点を持つ。

第１図において、停電期間中、電流調節器１１は全体の
制御動作には関与しないので、運転装置２０によって停
電期間中この電流調節器に零ホールド指令を与えるよう
にするとよい。

更に、停電期間専用の電流調節器１７は磁束調節器に置
き換えることもできる。

この場合には設定器１８は磁束設定器として用いられ、
電流調節器１７の実際値入力端子には、電流検出器１３
からの電流実際値ではなくて別に設けた磁束検出器から
の電動機磁束実際値が導かれる。

このような磁束検出器としては電動機内に埋め込んだ磁
気感応素子または電動機端子電圧を導かれる積分要素な
どによって構成される公知の磁束検出器を使用すること
ができる。

この場合には停電期間中電動機磁束が一定に保たれるよ
うにインバータ周波数の制飢が行なわれる。

しかしながら、実用上第１図のように電流一定制御で停
電期間の非常運転を行うやり方で十分であることが多い
。

更に、第１図の実施例において電流調節器１１を停電期
間中にも使用して電流調節器１７を省略することも可能
である。

第２図はζの場合の実施例を示す。

第２図において第１図と異なる点は、電流調節器１７が
省略されて、電圧周波数変換器７の入力端を速度調節器
７の出力端から電流調節器１１の出力端へ切換接続する
切換スイッチ２１が設けられ、停電期間中の電流目標値
を与えるために設定器１８の代りに運転指令装置２０か
ら電流調節器１１の入力側に付加的なバイアスが加えら
れるようになっている点である。

切換スイッチ２１は運転指令装置２０によって制薗され
、電圧周波数変換器７の入力端を正常時には速度調節器
８の出力端に接続するが、停電時には電流調節器１１の
出力端に接続する。

停電時の速度調節器８の零ホールドにより電流指令演算
器１０の出力電圧は零に近い最小値に落ち込み、所望の
電流目標値とならないので、運転指令装置２０からのバ
イアス電圧がこれに加算されて電流調節器１１のための
電流目標値として与えられる。

もちろんこの実施例では停電時に電流調節器１１に零ホ
ールド指令は与えられない。

このようにすることによって１つだけの電流調節器１１
を用いて停電期間中に第１図の実施例の場合と実質的に
同じ制御ループを構成してインバータの運転の継続を行
なわせることができる。

また、停電検出器１９の停電検出信号が解除されたとき
運転指令装置２０は各部分を元の正常な状態に戻し、こ
れによって第１図の場合と同様にして電動機の正常運転
への復帰が行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明の互いに異なる実施例を示
すブロック線図である。 １・・・交流電源、２・・・整流器、３・・・平滑リア
クトル、４・・・自励インバータ、５・・・交流電動機
、６・・・パルス分配器、７・・・電圧・周波数変換器
、８・・・速度調節器、１０・・・電流指令演算器、１
１・・・電流調節器、１２・・・点弧角調整器、１３・
・・電流検出器、１７・・・電流調節器、１８・・・電
流設定器、１９・・・停電検出器、２０・・・運転指令
装置、２１・・・切換スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 交流電源に接続された制御可能なブリッジ整流器か
   ら平滑リアクトルを介して直流入力電流を供給される交
   流電動機駆動用自励インバータにおいて、前記交流電源
   の電圧を監視する装置から停電検出信号が発生した際に
   前記整流器内の可制御電気弁のうち少なくとも互いに直
   列関係にある２つの可制御電気弁を点弧すると共に、電
   動機電流または電動機磁束が与えられた目標値に一致す
   るよう自励インバータの周波数を制御するようにしたこ
   とを特徴とする電動機駆動用インバータの非常運転方法
   。