JPS5813058Y2 - ジドウ ２ リンシヤヨウタキトウ ４ サイクルキカンノ ハイキシヨウオンソウチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機関の低速回転時の出力向上をはかった自動
２輪車用多気筒４サイクル機関の排気消音装置に関する
ものである。

高速形の４サイクル機関においては、吸気弁が閉じるの
をやや遅らせ高速回転時の吸気流入による慣性で燃焼室
内の吸気の充填量を増加しているが、低速回転時は吸気
が減少し慣性が少なくなりピストンが上昇になると直ち
に燃焼室側に向っている流れが逆流し、吸気の充填量が
減少し、出力が低下することがある。

そこで、低速回転時は吸気弁と排気弁とのオーバラップ
時において、排気の流出による慣性を利用して、吸気の
充填効率を高めることが考えられる。

しかし、自動２輪車用内燃機関の消音器の場合、スペー
スの関係上ディフューザパイプに連通ずる膨張室は制約
され、さらに排気騒音を消去する梢音機能を備えなけれ
ばならないため、膨張室の容積が小さく、排気が第２膨
張室に至るとき絞られることになり、排気の流出が円滑
でなく、排気の慣性作用を期待できない。

このため、低速回転時に充填効率を高めて出力を向上さ
せることは困難であるという問題があった。

この考案は、前述した問題を解決し、自動２輪車に搭載
する多気筒４サイクル機関の低速回転時における出力を
簡単な構成で向上させるようにした排気消音装置を提供
しようとするものである。

すなわち、２気筒または２気筒以上の自動２輪車用４サ
イクル機関では、各気筒から各々突出する排気管にそれ
ぞれ独立して消音器を接続するこのが普通であることに
より、この考案では、テ゛イフユーザパイプの外周側に
形成したこれらと連通ずる各々の消音器の第１膨張室を
互に連通させ、互に異なった消音器の第１−膨張室を利
用し、倍近くの大きな容積にして排気の流出を円滑にし
、低速回転時の排気慣性による吸気の充填効率を高め、
ｆ馬連における出力を向上させるものである。

以下この考案の一実施例につき図面を参照して説明する
。

図面において、１，１は左右排気管で、これらの前端は
自動２輪車の車体２に搭載された２気筒４サイクル機関
３のそれぞれのシリンダの排気通路に連通されている。

左右排気管１，１は車体２の後方に延び左右消音器４，
４のテ゛イフユーザパイプ５，５の前端に連通されてい
る。

左右消音器４，４は同構成であるから、一方についてだ
け説明すると、ディフューザパイプ５を嵌合した外管６
の前端がジヨイント７を介して排気管１の後端に固定さ
れ、外管６の前端部内周面にテ゛イフユーザパイプ５の
前端が気密に固定され、外管６は後方に至るに従って大
径となるテーパが形成され、ディフューザパイプ５の後
端より後方部分には第１．第２隔壁８，９が固着され、
また小径に絞られた外管６の後端には端板１８が固着さ
れ、前方の第１隔壁８より前方のテ゛イフユーザパイプ
５の外周側には第１膨張室１０が、第２隔壁９と端板１
８との間には第２膨張室１１が、第１．第２隔壁８，９
の間には第３膨張室１２がそれぞれ形成されている。

第１．第２膨張室１０．１１は第１．第２隔壁８，９を
貫通する小径管１３で連通され、第２膨張室１１は第２
隔壁９に形成した第１の小孔１４を介して第３膨張室１
２と連通されている。

第３膨張室１２は第２隔壁９を貫通する小径の尾管１５
に形成された第２の小孔１６を介して前記尾管１５内と
連通され、この尾管１５は端板１８を貫通してその後方
で大気に開放されている。

また、左右消音器４，４のテ゛イフユーザパイプ５゜５
の外周側に形成された第１膨張室１０．１０は連通管１
７で互に連通されている。

以上のように構成された排気消音装置は、左右排気管１
，１から排出される排気が左右消音器４，４を通る際に
消音されて大気に放出される。

これを一方の消音器４につき詳述すると、排気管１から
の排気はディフューザパイプ５を経て第１膨張室１０に
導かれて膨張し、次に小径管１３で絞られて第２膨張室
１１に導かれ、ここで再び膨張される。

この第２膨張室１１から排気は第１の小孔１４で紋られ
て第３膨張室１２に導かれて膨張され、さらに第２の小
孔１４で絞られて尾管１５に導かれ、この尾管１５から
大気に放出されるものである。

前記のように排気が絞りと膨張を繰返えすことにより消
音されるものであるが、前述したように左右消音器４，
４の第１膨張室１０．１０が連通管１７で互に連通され
ているので、各シリンダからの排気の流出はタイミング
が互に一致しないことにより、第１膨張室１０．１０そ
れぞれ単独での容積を大きくしなくても連通管１７で連
通された互に他の第１膨張室１０を利用して膨張室の容
積を大きくすることにより、排気の流出が抵抗なく行な
われ、低速回転時の吸気の充填量を排気により慣性で増
大させることか゛できる。

以上説明したようにこの考案は、各気筒から突出する排
気管に各々独立して消音器を接続した自動２輪車用多気
筒４サイクル機関において、排気管に連通したデ゛イフ
ユーザパイプの外周側に形成されたこれらと連通ずる各
々の消音器の第１膨張室を連通管で互に連通させること
により、簡単な構造で、出力を向上させると共に、自動
２輪車に好適する排気消音装置を提供するものである。

すなわち、各気筒の排気管を互に連通管で連通させると
、排気管は細いので、これらを流れる排気の圧力が高く
また速度が速いため、排気が真直ぐに消音器に流れ易く
連通管に流入し難いので排気のスムーズな流出が期待で
きず、さらに排気管を流れる排気の圧力が高く連通管が
気筒に近いので各々の気筒の排気干渉が起こり易くなり
、連通位置の選定が難しい。

これに対し、この考案では、消音器の第１膨張室を連通
させたので、各気筒の排気タイミングが一致しないこと
により、他の気筒の第１、膨張室を利用して、それぞれ
の第１膨張室の容積を大きくしたと同様の作用が得られ
、しかも、第１膨張室はテ゛イフユーザパイプから流出
した排気が減衰し、一時的に滞留するところであるため
、排気が他方の第１膨張室に拡散し易く、スムーズにテ
゛イフユーザパイプから流出し、排気の慣性によって吸
気の充填効率を高め、出力が向上する。

さらに、この考案の連通管は、エンジンの気筒から離れ
ている上に、排気自体が第１膨張室で減衰されて圧力が
低下しているので、排気干渉の恐れがなく、連通位置が
自由に選定され、とくに排気をスムーズに流すのに新た
に大容積の膨張室を設けることなく、前述したように第
１膨張室を利用してこれらの第１膨張室を大きくしたと
同様な作用が得られるので、スペースが小さくてすむこ
とにより、自動２輪車のようにスペース上制約を受ける
ものにおいてはきわめて都合がよく、簡単な構造で、僅
かな改造で実施でき実用的効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の排気消音装置を備えた自
動２輪車の一例を示すその後部の側面図、第２図はこの
考案の一実施例を示す一部を切欠いた平面図である。 １．１・・・・・・排気管、４，４・・・・・・消音器
、５，５・・・・・・ティフユーザパイプ、１０．１０
・・・・・・膨張室、１７・・・・・・連通管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各気筒から突出する排気管に各々独立して消音器を接続
   したものにおいて、排気管に連通したディフューザパイ
   プの外周側に形成されたこれらと連通ずる各々の消音器
   の第１膨張室を連通管で互に連通させたことを特徴とす
   る自動２輪車用多気筒４サイクル機関の排気消音装置。