JPS58113514A - 水平対向型内燃機関のオイル戻し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、多気筒の水平対向型内燃機関において、勘弁
機構に給油された潤滑用オイルをクランク室側に強制的
に戻すオイル戻し装置に関するものである。

例えば水平対向型内燃機関において動弁機構のｉｍｍ用
オイルを戻す場合にも縦型の内燃機関の如く、機関中心
のクランク室に対してその左右側方に配置されて勘弁機
構を有するロッカー室の下部から、オイルをオイル戻し
通路中自重落下させてクランク室側に戻すように構成さ
れている。ここで、縦型の内燃機関ではクランク室に対
しその上方に勘弁機構が配置され、このためオイル戻し
通路が略垂直になることで、上述の自重落下方式でも比
較的多量にオイル戻しを行い得る。これ（対し、水平対
向型内燃機関ではクランク室と動弁機構が略同−レベル
で、両者を連通するオイル戻し通路が水平の状態から若
干傾斜するにすぎない。

従って、この場合のオイル戻し通路においてオイルを自
重落下させる実質的な＾さ成分は非常に小さく、このた
めオイルの戻りが悪いという問題がある。

また、４気筒の水平対向型内燃機関では、隣り合う２気
筒のピストンが同時に上昇または下降し且つその２気筒
のピストンのクランク室が共通になっているので、クラ
ンク室ではピストン背圧により大きく圧力が変動し、比
較的大きい脈動圧を生じる。この脈動圧は一方のクラン
ク室が正圧である場合に他方のクランク室は１８０度位
相がずれて負圧になるため、オイルパン側を軽で相互に
相殺されるが、特に＾速回転時には、上記脈動圧による
空気の激しい脈流がオイル戻し通路の出口に作用するこ
とでその通路が閉塞状態になり、オイルが充分に戻らな
いでロッカー室等に多く残留し、オイル吹き等の不具合
を生じることがある。

本発明はこのような事情に鑑み、クランク室に生じる脈
動圧をオイル戻しに積極的に利用するもので、クランク
ケース内にロッカー室側に連通した構造でピストン背圧
による脈動圧を生じるクランク室を形成し、このクラン
ク室の脈動圧により大気側からロッカー室、オイル戻し
通路、クランク室、更にはオイル落下用の孔、オイルパ
ンを経て外部への一方向に空気を流し、この空気流でロ
ッカー室からクランク室にオイルを強制的に戻し、オイ
ル戻りの良化を図るようにした水平対向型内燃機関のオ
イル戻し装置を提供することを目的とする。

尚、本発明のように気密のクランク室を形成する点に関
する先行技術として、例えば特公昭４８−３４００５号
公報があるが、これは気密クランク室の脈動圧で２次空
気供給用のポンプ作用を行うものである。また、クラン
ク室の脈動圧を利用しそのクランク室を含む空気系路を
構成する点に関しては、特公昭４６−２３９７７号公報
の先行技術があるが、これは完全なりローズドシステム
の空気循環系路でなく、且つクランク室の換気とブロー
バイガスの排出を行うものである。更に、ロッカー室か
らクランク室に空気の吸入系路を設けた点に関する先行
技術として、例えば特公昭４７−４８５４号公報がある
が、これはクランク室から機関吸気系の負圧によりブロ
ーバイガスの還元を行う際にクランク室に新気を導入す
るものであり、いずれも本発明の目的とするオイル戻し
には関係がない。

以下、図面を参照して本発明の一実施例を具体的に説明
する。図において符号１はクランクケースであり、この
クランクケース１の中心にクランク軸２が回転自在に軸
支して設けられ、クランク軸２の下方にオイルパン３が
取付けられて側溝用のオイルを貯溜している。クランク
ケース１の例えば右側の前後に２個のシリンダ４ａ、　
４ｂが横向きに形成され、これと対向するクランクケー
ス１の左側の前後にも同様に２個のシリンダ４ａ’　、
　４ｂ’が横向きに形成され、これらの４１ｉ１のシリ
ンダ４ａ。

４ｂ、　４ａ’　、　４ｂ’内に挿入されているピスト
ン５ａ。

５ｂ、　５ａ’　、　５ｂ’　がフンロッド６等により
クランク軸２に連接しである。

ここで、第２図の状態から、例えば右前方のピストン５
ａが下降して吸−気行程に入る場合は、それと対向する
左前方のピストン５ａ’も下降して燦発行桿に入る。一
方、これらと１８０度位相がずれている右後方のピスト
ン５ｂは上昇して排気行程に入り、これと対向する左後
方のピストン５ｂ′　も上昇して圧縮行程に入るように
なっている。これにより、左右前方の２１１のピストン
５ａ、　５ａ’　と左右後方の２個のピストン５ｂ、　
５ｂ’は同時に上昇及び下降し、更に一方が上昇すると
き他方が下降するように逆の関係になっている。従って
、同一の往復運動を行う左右前方の２１１のピストン５
ａ、　５ａ’のシリンダ４ａ、　４ａ’　と連通するク
ランク室を共通にし、これに対し左右後方の２個のピス
トン５ｂ、　５ｂ′のシリンダ４ｂ、　４ｂ’　と連通
するクランク室を共通にすると、これら２組のクランク
室においてそれぞれピストン背圧の圧力変動による脈動
圧を発生することが可能になる。

また、クランクケース１の右側方にはシリンダヘッド７
が取付けられて燃焼室８や吸、排気ポート９が形成して
あり、このシリンダヘッド７の更に側方ロッカーカバー
１０が被着され、ロッカーカバー１０内のロッカー室１
１に吸、排気弁１２を開閉する勘弁機構１３が設けであ
る。そして、このようなロッカー室１１のオイルが溜ま
る下部から、シリンダヘッド７及びクランクケース１内
において水平の状態から若干傾斜して連続的に形成され
るオイル戻し通路１４を介しオイルパン３に連通構成さ
れる。尚、クランクケース１の左側においてもシリンダ
ヘッド１′、動弁機構１３′　を有するロッカー室１１
′、そのロッカー室１１′　とオイルパン３を連通する
オイル戻し通路１４′等を設けて全く同様に構成されて
おり、符号１５は吸気管、１６は気化器、１７はエアク
リーナである。

このような構成において、まずクランクケース１のオイ
ルパン３と連通する下部開口部において、第２図のよう
にクランク軸２のセンタジャーナル１８を軸支するメタ
ルハウジング１９が孔等の無いものにされて、これによ
り前方の２−のシリンダ４ａ。

４ａ’　と後方の２個のシリンダ４ｂ、　４ｂ’　とに
２分割される。次いで、第１図及び第３図のようにクラ
ンクケース１下部のロッカー室１１．１１’からのオイ
ル戻し通路１４．１４’　より下った位置において、オ
イル溜めに適した漏斗状の底板２０で閉塞され、且つこ
の底板２０の略中間と上記メタルハウジング１９との間
に隔１２１を設けて仕切られる。こうして、これらのメ
タルハウジング１９、底板２０及び隔壁２１で囲まれた
２組のクランク室２２ａ　、　２２ｂが、それぞれ前方
の２個のシリンダ４ａ、　４ａ’　と後方の２個のシリ
ンダ４ｂ、　４ｂ’に対応し、ロッカー室１１．．１１
’からのオイル戻し通路１４．１４’　と連通して形成
されることになる。これにより機関運転時クランク室２
２ａでは同一に往複運動する２個のピストン５ａ。

５ａ’の背圧、即ち上死点に移行する際の負圧と下死点
に移行する際の正圧が作用し、圧力が大きく変動して脈
動圧を生じ、且つこの脈動圧が直ちにオイル戻し通路１
４．１４’及びロッカー室１１．１１’に作用可能にな
る。また、他のクランク室２２ｂでもクランク室２２ａ
の脈動圧により減衰されることなく独立して大きい脈動
圧を生じ、且つその脈動圧が同様にロッカー室側に作用
可能になる。

かかるクランク室２２ａの脈動圧に対し、オイル戻し通
路１４のクランク室２２ａへの出口に脈動圧の負圧で開
く逆止弁２３が設けられ、この脈動圧の負圧による吸引
作用でロッカー室１１のオイルを強制的に戻す。そして
、クランク室２２ａの底部の底板２０には脈動圧に影響
しない程度の小さいオイル落下用の孔２７が穿設されて
、この孔２１から更にオイルを自重落下するようになっ
ている。

ここで、クランク室２２ａにおいて脈動圧の正圧の際の
排出、ロッカー室１１には外部からの吸入がないと、機
関運転中にクランク室２２ａに対してロッカー室１１の
圧力がいずれバランスしてしまう。

そこで、ロッカー室１１を大気に開放することは可能で
あり、このことからエアクリーナ１７とロッカー室１１
とが新気導入用の通路２４で連通される。また、クラン
ク室２２ａはそこにブローバイガスがあって大気に排出
することはできず、且つクランク室２２ａから直接排出
した構造にすると脈動圧にも影響を与えることになる。

ところで、クランク室２２ａは孔２７を介してオイルパ
ン３に連通しこのオイルパン３にブローバイガスも流入
することから、オイルパン３からブローバイガスの還元
を兼ねた排出通路２５により吸気系の例えば吸気管１５
に連通しである。こうして、１アクリーナ１７からロッ
カー室１１、オイル戻し通路１４を経てクランク室２２
ａに至る空気吸入系路と、そのクランク室２２ａから孔
２７、オイルパン３を経て排出通路２５に至る空気排出
系路とが連続して構成される。

尚、クランク室２２ａからは他のピストン５ａ’側のロ
ッカー室１１′　にも同様の空気系路が構成され、更に
クランク室２２ｂにおいても全く同様に構成されること
は勿論である。

本発明はこのように構成されているから、機関運転時ク
ランク室２２ａの脈動圧の負圧で逆止弁２３が開いてエ
アクリーナ１７から新気がロッカー室１１、オイル戻し
通路１４を軽でクランク室２２ａ１．：＠引されること
になり、この吸引作用によりロッカー室１１の下部に溜
るオイルがクランク室２２ａに強制的に戻される。そし
て、このようにロッカー室１１から強制的に戻され、ま
たはクランク室２２ａ内でクランク軸２のジャーナル部
やピストンとシリンダの摺動部等を潤滑した後に落下す
るオイルは底板２０で受は止められ、その孔２７から適
宜オイルパン３に落ちて溜まる。

次いで、脈動圧の正圧の場合には逆止弁２３が閉じて上
述のオイル強制戻し作用は一時停止することになり、こ
れに対゛してクランク室２２ａ内の空気と共にブローバ
イガスが孔２７を経てオイルパン３側に排出され、更に
排出通路２５を経て吸気系に還元される。このことから
、脈動圧の負圧と正圧の際にそれに同期してオイルの強
制戻しとブローバイガスの還元とが交互に行われる。

一方かかるクランク室２２ａの作用で他のロッカー室１
１′からのオイル強制戻しも同時に行われることは勿論
であり、このクランク室２２ａの脈動圧に対しクランク
室２２ｂの脈動圧は１８０度位相がずれて、クランク室
２２ａによるオイル強１１戻しの前後で同様にオイル強
制戻しを行う。従って、このように２組のクランク室２
２ａ　、　２２ｂで交互に戻し作用することで、機関運
転中左右の２個のロッカー室１１．１１’からはＷ（−
ことなく常時オイルの強制戻しが行われることになる。

モして、特に高速回転時潤滑油量が増大すると、それに
適応して脈動圧の周期が短かくなってその負圧によるオ
イルに強制戻し壷も多くなる。

以上の説明から明らかなように本発明によると、クラン
ク室２２ａ　、　２２ｂがロッカー室側と連通した構造
でピストン背圧により脈動圧を生じるように形成され、
且つその脈動圧を利用した一方向の空気流によりロッカ
ー室１１．１１’の潤滑後のオイルを強制的に戻すので
、水平対向型内燃機関において構造的にオイル戻し通路
１４．１４’の傾きが非常に小さい場合のオイル戻しが
良好になり、高速回転時の不具合も解消される。ここで
、水平対向型内燃機関のピストンの配置、運動等の特性
を利用して２個のピストンを１組にし、１８０度位相の
異なる脈動圧を生じる２組のクランク室２２ａ　、　２
２ｂを形成しているので、脈動圧も大きく、且つ常にオ
イル戻し作用が行われて効果が大きい。また、オイル戻
し通路１４．１４’は閉塞状態になることがなく、吸引
作用でオイルを強制的に戻すので、細くすることが可能
になる。更に、吸入系路の新気導入によりクランク室２
２ａ　、　２２ｂの換気が行われ、排出系路の空気の排
出の際にブローバイガスの還元も行われる等の付随的効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置の一実施例を一部断面して示
す正面図、第２図と第３図は同要部の水平及び垂直断面
図である。 １・・・クランクケース、５ａ、　５ａ’　、　５ｂ、
　５ｂ’−ピストン、ｉｉ、　１ｉ’・・・ロッカー室
、１４．１４’　・・・オイル戻し通路、２２ａ　、　
２２ｂ・・・クランク室、２３・・・逆止弁、２４・・
・新気導入用通路、２５・・・排出通路、２７・・・孔
。 特許出願人　　　富士重工業株式会社 代理人弁理士　　小　橋　信　淳 同　弁理士　　村　井　　　　進 第１図 第２図 第３図 ７７一

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. クランクケースの左右にシリンダを水平に対向して形成
   し、該シリンダの側方にシリンダヘッドを介して動弁機
   構を有するロッカー室を設け、該ロッカー室から上記ク
   ランクケース中心に向って水平の状態から若干下り傾斜
   のオイル戻し通路を設け、上記クランクケースの中心下
   部にオイルパンを取付けて成る水平対向型内燃機関にお
   いて、上記クランクケース内中心にロッカー室からのオ
   イル戻し通路と連通した構造でピストン背圧による脈動
   圧を生じるクランク室を形成し、該クランク室の脈動圧
   により大気側からロッカー室、オイル戻し通路を経てク
   ランク室に空気を吸引し、且つ該クランク室から空気を
   更にオイル落下用の孔、オイルパンを経て排出させる一
   方向の空気系路を構成し、該糸路の空気流により上記ロ
   ッカー室のオイルをクランク室に強制的に戻すように構
   成したことを特徴とする水平対向型内燃機関のオイル戻
   し装置。