JPS5810765B2 - カセツト型磁気ヘツド消磁装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はカセット型磁気ヘッド消磁装置に係り、とくに
カセットテープレコーダの録音再生ヘッドの消磁に好適
なカセット型磁気ヘッド消磁装置に関する。

一般に、テープレコーダの録音再生ヘッドは、長期間の
使用により帯磁し、録音再生特性の劣化を生じるから、
この劣化を避けるため、定期的にヘッドの消磁を実行す
る必要がある。

ところで従来の磁気ヘッド消磁装置は、一定の交流磁界
を発生するものであるため、消磁したい録音再生ヘッド
に接近した位置から徐々に遠ざけることにより、そのヘ
ッドに加わる磁界を徐々に弱くして消磁を行っていた。

しかし、この場合、磁気ヘッド消磁装置を手動によりヘ
ッド近接位置から徐々に遠ざけなければならないため、
作業に熟練を要する欠点があった。

さらに近年テープレコーダが広い層に使用されるように
なり、この点が重大になってきた。

またカセットテープレコーダの機種によっては、従来の
磁気ヘッド消磁装置を録音再生ヘッド近くに挿入するこ
とが困難であるため、消磁不能となる不都合を有してい
た。

本発明は上記の欠点を除去し、操作の簡単なカセット型
磁気ヘッド消磁装置を提供しようとするものである。

以下、本発明に係るカセット型磁気ヘッド消磁装置の実
施例を図面に従って説明する。

第１図は実施例の電気結線を示し、第２図乃至第５図は
その機械的構造を示す。

これらの図において、カセットケース１の上下面には、
カセットテープレコーダの駆動軸が貫通するカセット駆
動穴２Ａ、２Ｂが形成されており、前面には、カセット
テープレコーダの消去ヘッド挿入穴３、録音再生ハンド
挿入穴４、及びピンチローラ挿入穴５が各々形成されて
いる。

その録音再生ヘッド挿入。穴４の開口部には、両端がカ
セットケース１に支持されている弾性片６により、消磁
電磁石７が前後に移動可能に設けられる。

この消磁電磁石７の前面（カセットテープレコーダの録
音再生ヘッド８に対向する面）には、非磁性体、例えば
合成樹脂テープ等のカバー９が取り付けられていて、録
音再生ヘッド８が直接消磁電磁石７に接触するのを防止
するとともに、そのヘッド８が傷付くのを防止するよう
になっている。

またカセットケース１内には、前記カセット駆動穴２Ａ
とほぼ同径の。

穴を有する環状の大容量コンデンサ１０がその穴２人の
周囲に設けられ、一方カセット駆動穴２Ｂの周囲にそれ
とほぼ同径の穴を有する基板１１が取り付けられる。

この基板１１上には、前記消磁電磁石７の巻線１２を負
荷とし、トランジスタ１３及び１４を含むコンデンサ結
合のマルチバイブレークから成る駆動回路としての発振
回路１５が組立られる。

また基板１１上には、前記コンデンサ１０の両端に接続
される充電用端子１６と、抵抗器を介してコンデンサ１
０の両端に接続される表示器としての発光ダイオード１
７と、コンデンサ１０と発振回路１５とを接続するスイ
ッチ１８とが設置される。

そして、このスイッチ１８は前記弾性片６の中央部に固
着された作動片１９により作動されるようになっている
。

なお、カセットケース１の上面には表示用窓２０及び端
子引出口２１が形成されている。

次に上記実施例の作用について説明する。

カセットテープレコーダに装着していない状態において
は、第４図に示す如く消磁電磁石１は弾性片６の働きに
より最も前進した状態となっており、またスイッチ１８
は作動片１９と軽く接触している程度であるから開始状
態となっている。

この状態で充電用端子１６に外部直流電源を接続して大
容量コンデンサ１０の充電を行う。

コンデンサ１０の端子電圧が所定の電圧値以上となると
、発光ダイオード１７が発光するから、表示用窓２０を
見ることにより充電の確認が可能である。

充電完了後外部電源を端子１６から取り外し、装置をカ
セットテープレコーダに装着した後、カセットテープレ
コーダも録音もしくは再生状態にセットする。

すると、カセットテープレコーダの録音再生ヘッド８が
第５図に示すようにカセットケース１の録音再生ヘッド
挿入穴４内に侵入する。

この結果、消磁電磁石７はカバー９を介して録音再生ヘ
ッド８に密着した状態で後退して弾性片６を彎曲させる
。

しかして、作動片１９によりスイッチ１８が押圧されて
閉路し、コンデンサ１０よりの電荷が発振回路１５に供
給される。

ここで、コンデンサ１０の端子電圧は時間の経過ととも
に減少するから、発振回路１５の発振出力も時間の経過
とともに減少する。

したがって、その発振出力により励磁される消磁電磁石
７は、当初は消磁に充分な強さであって、時間の経過と
ともに減衰して零となる交流磁界を発生するから、これ
に近接した位置の録音再生ヘッドを確実に消磁できる。

以上説明したように上記実施例によれば、コンデンサ１
０を充電後、カセットテープレコーダに装着して録音又
は再生状態にセットするだけで自動的に消磁が行なわれ
るから、消磁操作が簡単で何ら熟練を要しない。

また消磁電磁石７の励磁周波数を高くすることにより消
磁を数秒以内に終了させることができる。

このことは、とくに自動復帰式のカセットテープレコー
ダに使用する場合に好都合となる。

第６図は他の実施例を示す。

この実施例においては、大容量コンデンサ１０を外部電
源により充電する替りに、電池２０及びＤＣ−ＤＣコン
バータ２１をカセットケース１内に内蔵し、電池２０の
直流電圧をＤＣ−ＤＣコンバータ２１で昇圧し、この昇
圧した直流電圧によりスイッチ２２を通してコンデンサ
１０を充電するようにしている。

そしてコンデンサ１０の充電後、スイッチ２２を切換え
て、駆動回路１５にコンデンサ１０を接続すれば第１図
の場合と同様に消磁電磁石７は始めに消磁に充分な強さ
であって、時間の経過とともに減衰して零となる交流磁
界を発生する。

この第６図に示した実施例によれば、コンデンサ充電用
外部電源を用意する必要がなくなり、カセットケース内
に内蔵可能な小形電池によりコンデンサに充分な電荷を
貯えることができるので、実用性をより向上させること
が可能である。

なお、上記実施例ではコンデンサの充電電荷により作動
される駆動回路を例にとって説明したがコンデンサの替
りに小形電池を電源として用いて時間の経過にしたがっ
て減衰する交流出力特性を有する駆動回路に電力の供給
を行うようにしてもよい。

叙上の様に、本発明によれば、極めて簡単な操作により
カセットテープレコーダの録音再生ヘッドの消磁を行う
ことができるカセット型磁気ヘッド消磁装置を得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るカセット型磁気ヘッド消磁装置の
実施例の電気結線を示す回路図、第２図はその構造を示
す斜視図、第３図はカセットケース内部の構造を示す斜
視図、第４図は消磁動作実行前の状態を示す平面図、第
５図は消磁動作状態を示す平面図、第６図は他の実施例
を示すブロック図である。 １・・・カセットケース、４・・・録音再生ヘッド挿入
口、６・・・弾性片、７・・・消磁電磁石、８・・・録
音再生ヘッド、９・・・カバー、１０・・・大容量コン
デンサ、１５・・・発振回路、１６・・・充電用端子、
１７・・・発光ダイオード、１８・・・スイッチ、１９
・・・作動片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カセットケースの録音再生ヘッド挿入口に前後に移
   動自在に設けられかつ弾性体により前方に付勢される消
   磁電磁石と、該消磁電磁石に対向する録音再生ヘッドに
   より押圧されて該消磁電磁石が後退した時に作動される
   スイッチと、充電されたコンデンサから電力の供給を受
   けかつ前記スイッチの作動に連動して前記消磁電磁石の
   励磁を開始する駆動回路とを前記カセットケース内に備
   えたことを特徴とするカセット型磁気ヘッド消磁装置。 ２ カセットケースの録音再生ヘッド挿入口に前後に移
   動自在に設けられかつ弾性体により前方に付勢される消
   磁電磁石と、該消磁電磁石に対向する録音再生ヘッドに
   より押圧されて該消磁電磁石が後退した時に作動される
   スイッチと、直流電源により充電可能なコンデンサと、
   このコンデンサの充電状態を表示する表示器と、前記コ
   ンデンサの充電電荷の供給を受けかつ前記スイッチの作
   動に連動して前記消磁電磁石の励磁を開始する駆動回路
   とを前記カセットケース内に備えたことを特徴とするカ
   セット型磁気ヘッド消磁装置。