JPS5810723Y2 - 道路継目伸縮装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鋼橋の道路継目伸縮装置に関する。

橋梁や高架道路には、断面１字型の鋼製橋桁が主桁とし
て広く採用されている。

すなわち、前記主桁は第４図に示すようにウェブａの上
下に上フランジｂおよび下フランジＣが形成されたもの
で、上フランジｂの上に床版ｄを打設し、該床版の端部
に形成された切欠段部ｅの上に仮詰材を充填し、道路舗
装ｆと一連に仮舗装した後、仮舗装および仮詰材を除去
して伸縮継手ｇが該切欠段部に打設される後打コンクリ
ートｈに固定される。

この後打コンクリートｈは、床版ｄとは別置に打設され
るため、一般に該床版との結合力が小さく、従って耐荷
強度が低くなりがちであり、しかも伸縮継手ｇを強固に
支持する必要があることから、できるだけ層厚に打設し
て強度を向上せしめるのが望ましい。

しかしながら、後打コンクリートｈを層厚にして切欠段
部ｅの底面と鋼桁上面との間のコンクリート層を薄層に
した場合、仮舗装する際に舗装車のロールの重みで該コ
ンクリート層にひび割れを生じることがある。

したがって、従来は前記後打コンクリ−）ｈの厚さに制
限があって層厚に打設することができず、後打コンク’
Ｊ−）ｈの破損や伸縮継手ｇの取付安定性が低いことに
よる該伸縮継手の破損等の事故を招いていた。

また、道路の継目部には車輌が該継目部を通過する際に
過大な荷重が加わるため、前記後打コンクリ−）ｈと該
後打コンクリート下のコンクリート層とを合わせた端部
コンクリート層の厚さをできるだけ層厚にすることが望
まれるが、この端部コンクリート層のみを厚くすること
は、従来の道路継目部構造ではできなかった。

本考案は、かかる点に鑑み、前記主桁端部に段差部を形
成し、該段差部にコンクリートを打設することにより、
従来より層厚な端部コンクリート層を形成し、該端部コ
ンクリート層に伸縮部材のアンカーボルトを固定した道
路継目伸縮装置を提供し、道路継目部の耐荷力を向上せ
しめることを目的とする。

以下、本考案の構成を実施例につき図面に基づいて説明
する。

１は断面Ｉ字状鋼桁を適用した主桁であって、ウェブ２
の上端および下端に上フランジ３および下フランジ５が
設けられ、道路継目部の遊間４を存して相対する端部に
段差部６が形成されている。

すなわち、前記ウェブ２は端部に切欠部が形成され、該
切欠部に水平フランジ部７と鉛直辺部８とからなる断面
り字型のフランジ部材が固定されており、段差部６の底
部を構成する水平フランジ部７が前記上フランジ３より
鉛直辺部８の高さだけ低い位置に形成されている。

前記主桁１を並設した鋼橋において、道路継目部の遊間
４を存して相対する床版９，９の端部は、前記段差部６
の上にコンクリートを打設して端部コンクリート層１０
が底面を主桁１の上フランジ上面よりも低く形成されて
いる。

そして、端部コンクリート層１０には切欠段部１１が形
成されており、該切欠段部１１に後打コンク’Ｊ−Ｈ２
が打設され、該後打コンクリート１２にアンカーボルト
１３の根部が埋設されている。

すなわち、本例の端部コンクリート層１０は、前記後打
コンクリート１２と、その下の下部コンクリート１４と
で層厚に構成されている。

１５は遊間４の上部に配置した伸縮部材で、ゴム製伸縮
板１６の下面に鋼板１７が焼付接着されており、前記ア
ンカーボルト１３のねじ部にナツトを適用して取り付け
られている。

１８は通し筋、１９は舗装である。

このように端部に段差部６を設けた主桁１を道路橋に適
用することによって、後打コンクリート１２あるいは下
部コンクリート１４を層厚に、また床版端部コンクリー
ト層１０全体としても従来より層厚に打設することがで
きるため、道路継目部の耐荷強度が格段と向上する。

なお、前記段差部６の深さおよび橋長方向の長さは、鋼
橋のスパンおよび道路継目部に構築する伸縮継手の種類
に応じて決定するのが好ましいが、深さをｌＱＱｍｍ程
度、長さを２００〜３ＱＱ ｍｍ程度とした場合に耐荷
強度の優れた層厚な端部コンクリ−Ｉ・層１０が得られ
る。

また、上記主桁１は、ウェブ２の端部を切欠いて、その
上に段差部６を形成しているが、第３図に示すように、
ウェブ２を切欠くことなく、上フランジ３の端部のみを
取り除き、ウェブ２の両側面にフランジ部材５ａ、５ａ
を固定してもよい。

以上のように、本考案によれば、端部コンクリート層が
従来よりも厚いことから、深い切欠段部を形成して抜打
コンクリートを層厚に打設することができるため、伸縮
部材の取付安定性が高まって道路継目部の耐荷強度が向
上するとともに、深い切欠段部を形成しても該切欠段部
下のコンクリート部を厚くすることができるため、該コ
ンクリート部が舗装車のロールの重みや大型車通道の際
の輪荷重で破損するという事故も防止されるという優れ
た効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施態様を例示し、第１図
は主桁の斜視図、第２図は道路継目部の構造を示す橋長
方向断面図、第３図は主桁の他の例を示す斜視図、第４
図は従来の道路継目部構造を示す橋長方向断面図である
。 １・・・・・・主桁、２・・・・・・ウェブ、３・・・
・・・上フランジ、５・・・・・・下フランジ、６・・
・・・・段差部、９・・・・・・床版、１０・・・・・
・端部コンクリート層、１３・・・・・・アンカーボル
ト、１５・・・・・・伸縮部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面■字状鋼桁が主桁として並設され、該主桁上に床版
   が形成された鋼橋において、前記主桁は道路継目部の遊
   間を存して相対する端部に高さを低くした段差部が形成
   され、該段差部の上にコンクリートを打設して下面を主
   桁上面よりも前記段差部に匹適する高さだけ低くした層
   厚な端部コンクリート層が形成され、該端部コンクリー
   ト層に、前記遊間の上部に配置した伸縮部材のアンカー
   ボルトが固設されていることを特徴とする道路継目伸縮
   装置。