JPH1199761A - Ps版用アルミニウム合金支持体及びその製造方法 - Google Patents

Ps版用アルミニウム合金支持体及びその製造方法

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JPH1199761A
JPH1199761A JP9264583A JP26458397A JPH1199761A JP H1199761 A JPH1199761 A JP H1199761A JP 9264583 A JP9264583 A JP 9264583A JP 26458397 A JP26458397 A JP 26458397A JP H1199761 A JPH1199761 A JP H1199761A
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aluminum alloy
uniformity
plate
alloy support
less
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JP9264583A
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Hiromi Goto
博己 後藤
Shinichi Iizuka
伸一 飯塚
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解エッチングによる粗面の均一性を向上で
きるPS版用アルミニウム合金支持体を提供することを
目的とする。 【解決手段】 重量%で、Fe0.05〜1%、Si
0.01〜0.2%、Cu0.001%以下、In、P
b、Sn、Biのうちの1種又は2種以上を0.001
〜0.05%、残部Al及び不可避的不純物からなるこ
とを特徴とするPS版用アルミニウム合金支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷に用いる
PS版用のアルミニウム合金支持体に関し、特に電解エ
ッチングによる粗面の均一性に優れるアルミニウム合金
支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷は、アルミニウム合金からなる
支持体とジアゾ化合物等を感光物とする感光体とからな
るPS版(Presensitized Plate)に画像露光、現像等
の製版処理を行って画像部を形成した版を印刷機の円筒
状版胴に巻付け、非画像部に付着した湿し水の存在のも
とにインキを画像部に付着させてこのインキをゴム製ブ
ランケットに転写、紙面に印刷するものである。
【0003】PS版の支持体としては、電解エッチング
による粗面化処理(砂目立て)、陽極酸化処理などの表
面処理を施したアルミニウム合金板が用いられている。
アルミニウム合金としては、JIS1050(純度9
9.5%以上の純Al)、JIS1100(Al−0.
05〜0.20wt.%Cu合金)、JIS3003(Al
−0.05〜0.20wt.%Cu−1.5wt.%Mn合金)
が主に用いられてきた。
【0004】アルミニウム合金支持体には、 (1)電解エッチングによる粗面化処理で均一微細な凹
凸(以下「ピッティング」)を生じること。 (2)感光剤の密着性が良好であること。 (3)印刷中に画像部に汚れが生じないこと等の種々の
特性が要求される。しかし、JIS1050、JIS1
100、JIS3003そのものでは以上の各要求を十
分に満足させることができなかった。したがって、種々
の改良が図られてきた。
【0005】例えば、特開昭58−221254号公報
には、Si0.02〜0.15%、Fe0.1〜1.0
%、Cu0.003%以下、残部Alおよび不可避的不
純物からなるオフセット印刷用素板が開示されている。
また、特開昭62−148295号公報には、Fe0.
05〜1.0%、Si0.2%以下、Cu0.05%以
下、残部Alおよび不可避的不純物からなり、金属組織
中に分布する単体Siが0.012%以下である平版印
刷用アルミニウム合金支持体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58−22
1254号は、Cu含有量の増加に伴い耐食性が低下
し、その影響で印刷中に非画像部の汚れが増大するため
に、Cu含有量を0.003%以下に規制することを提
案している。また、特開昭62−148295号による
と、電解エッチングによるピットが均一な粗面が得ら
れ、ストリーク(筋状ムラ)の発生がみられず、しかも
印刷中に非画像部の汚れを抑制することができるという
効果を有する。
【0007】しかるに、近時の高い印刷精度の要求に対
して、前記特開昭58−221254号、特開昭62−
148295号に記載の従来のアルミニウム合金支持体
では十分に対応することが困難となってきた。特に、電
解エッチングによる粗面の均一性をより向上することが
必要である。そこで本発明は、電解エッチングによる粗
面の均一性を向上することのできるPS版用アルミニウ
ム合金支持体の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべくPS版用アルミニウム合金支持体に含まれる微
量元素について調査したところ、Cuが電解エッチング
後の粗面を不均一にさせる元素であり、Cuを従来にな
いレベルに極力低減することが粗面の均一性向上に有効
であることを知見した。
【0009】しかし、近時要求される粗面の均一性を満
足するためにはCuの低減のみでは不十分であり、さら
に検討を行った結果、In、Pb、Sn、Biの1種又
は2種以上を添加し、これを表面部に偏析させることが
粗面の均一性向上に有効であることが判明した。すなわ
ち、In、Pb、Sn、Biの1種又は2種以上の元素
はマトリックスの電位を卑にする効果を有し、これを表
面部に偏析させると、本系アルミニウム合金中に分散し
ている主にAl3FeであるAl−Fe系の金属間化合
物とマトリックスとの間の電位差が拡大し、電解エッチ
ング時のエッチング性が向上し、未エッチング部分が減
少することにより粗面の均一性が向上するものと推察さ
れる。
【0010】すなわち、本発明は、重量%で、Fe0.
05〜1%、Si0.01〜0.2%、Cu0.001
%以下、In、Pb、Sn、Biの1種又は2種以上を
0.001〜0.05%、残部Al及び不可避的不純物
からなることを特徴とするPS版用アルミニウム合金支
持体である。
【0011】本発明PS版用アルミニウム合金支持体
は、前述の通り、In、Pb、Sn、Biの1種又は2
種以上の添加によるマトリックスと金属間化合物との電
位差拡大と、0.001%以下という従来にはない低減
されたCu量とが相俟って、電解エッチングによる粗面
の均一性を向上させることを最大の特徴とする。
【0012】また、本発明PS版用アルミニウム合金支
持体は、Zr及びHfの1種又は2種を0.03〜0.
2%含有せしめることにより、バーニング処理後の強度
低下を遅滞することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の成分限定理由を説明
する。 <Fe:0.05〜1%>Feは、主にAl3Feであ
るFe−Al系金属間化合物を形成し、耐疲労強度を向
上するとともに、結晶粒を微細化して組織を均一化する
効果を有する。しかし、0.05%未満ではこの効果が
不十分であり、また1%を超えると化合物の粗大化によ
り電解エッチングによる粗面の均一性を害する傾向にあ
るので、0.05〜1%の範囲とする。望ましいFeの
含有量は、0.1〜0.5%である。
【0014】<Si:0.01〜0.2%>Siは、
0.01%未満では強度が不足し、また、0.2%を超
えると電解エッチングによる粗面の均一性を害するた
め、0.01〜0.2%の範囲とする。望ましい範囲
は、0.03〜0.1%である。
【0015】<Cu:0.001%以下>Cuは電解エ
ッチング後の粗面の均一性を阻害する元素であり、本発
明では、0.001%以下に低減する。
【0016】<In、Pb、Sn、Biの1種又は2種
以上:0.001〜0.05%>In、Pb、Sn、B
iは、適切な熱処理を施すことにより板材の表面部に偏
析しマトリックスの電位を下げる効果を有し、そのため
にマトリックスと金属間化合物との電位差が拡大し、よ
り一層粗面の均一性が向上する。この効果を得るために
は0.001%以上必要であるが、過度に添加すると耐
食性が低下し全面的に腐食が進行し、粗面が形成され難
くなるので、その上限を0.05%とする。望ましいI
n、Pb、Sn、Biの量は0.01〜0.03%であ
る。また、偏析による最表面部における濃度は中心部の
濃度の1.5倍以上100倍以下であることが望まし
い。1.5倍未満では電位差拡大に十分な効果がなく、
また100倍を超えると電解エッチング時に過溶解を起
こし微細なエッチングピットが得られなくなるからであ
る。
【0017】<Zr、Hfの1種又は2種:0.03〜
0.2%>PS版には、通常の露光、現像した後に20
0〜300℃の温度範囲で加熱処理して画像部を強化す
るバーニング処理を施す。PS版の長寿命化のために
は、このバーニング処理によるアルミニウム合金支持体
の軟化を遅滞させることが重要である。して、取り扱い
が困難になる等の不具合が生ずる。Zr、Hfは、粗面
の均一性を害することなく、バーニング処理後の軟化を
遅滞させる効果を有する。この効果を得るためには0.
03%以上添加する必要があるが、過度に添加すると粗
面の均一性、非画像部の汚れに悪影響を与えるので、そ
の上限を0.2%とする。望ましいZr、Hfの量は
0.07〜0.15%である。
【0018】<その他不純物元素>本発明PS版用アル
ミニウム合金支持体においては、以上の元素以外に不純
物元素が含まれるが、以下の範囲であれば本発明の目的
を阻害しない。 Mg:0.02%以下、Zn:0.02%以下、Ti:
0.03%以下 V:0.01%以下、B:0.002%以下
【0019】次に、本発明PS版用アルミニウム合金支
持体の製造方法について説明する。 <鋳造>鋳造は、本発明PS版用アルミニウム合金支持
体を製造する上で特に限定されるものではなく、例えば
DC鋳造法等従来公知の鋳造法を適用することができ
る。
【0020】<熱処理>鋳造により得られた鋳塊に45
0〜600℃の温度範囲における均質熱処理を施す。こ
の均質熱処理によりFeの一部が固溶するとともに、A
l−Fe系金属間化合物が均一微細に分散する。熱処理
の保持時間は鋳塊のサイズ等により適宜定めればよい。
均質熱処理後、一旦鋳塊を冷却した後に次工程である熱
間圧延のための均熱処理を行うこともできるが、均質熱
処理から直に熱間圧延を行うこともできる。
【0021】<熱間圧延>均質熱処理を経た後に熱間圧
延を行う。熱間圧延は200〜500℃の温度範囲で行
うのが適当である。500℃を超えると再結晶粒が粗大
化して、粗面化処理によりストリークが発生しやすくな
る。
【0022】<冷間圧延>熱間圧延後、冷間圧延を行
う。この冷間圧延によりAl−Fe系の金属間化合物が
分散して結晶組織が均一微細となる。この効果を得るた
めには、50%、望ましくは70%以上の減面率とする
ことが必要である。
【0023】<焼鈍>冷間圧延後に、適度な強度及び伸
びを板材に付与すること、さらにIn、Pb、Sn、B
iを表面部に偏析させるために焼鈍を行う。In、P
b、Sn、Biの偏析については、板厚が厚いときには
これら成分が表面に移動する距離が長いため所望する偏
析状態を得難いが、冷間圧延により薄板化した状態なの
で、偏析しやすい。
【0024】焼鈍は300〜600℃の温度範囲で行
う。300℃未満では目的を達成することができず、6
00℃を超えると表面の酸化が著しくなり好ましくない
からである。望ましい焼鈍温度は350〜500℃であ
る。焼鈍は連続焼鈍炉、バッチ式焼鈍炉の何れであって
も構わない。
【0025】<仕上げ冷間圧延>焼鈍後、再度冷間圧延
を行う。この冷間圧延は、PS版用アルミニウム合金支
持体に要求される硬さに調整、仕上げすることを目的と
する。PS版用アルミニウム合金支持体に要求される硬
さはH16であるので、これに適合するように圧下率を調
整する。
【0026】<表面処理>仕上げ冷間圧延終了後、塩
酸、硝酸等の電解液中に浸漬して電解エッチングによる
粗面化処理を行う。粗面化処理は、画像部においては感
光層との密着性、非画像部においては親水性及び保水性
を向上させるために施される。粗面化処理を行った後
に、陽極酸化処理を行って表面の耐摩耗性、親水性を向
上させることもできる。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき説明する。 <実施例1>表1に示す組成(wt.%,また、In,Pb,Sn,Bi
は板厚中心部の値)の合金スラブをDC鋳造法により得
た。鋳造速度は30mm/min、スラブ厚は200m
mである。このスラブを合金組成により500〜550
℃で1時間加熱・保持する均質・均熱処理を施した後、
5mm厚まで熱間圧延を行った。その後0.5mm厚ま
で冷間圧延を行い、次いで焼鈍した。焼鈍は連続焼鈍炉
により、実体温度450℃の条件で行った。焼鈍後に再
度冷間圧延を行い板厚0.3mm、硬度H16の供試材を
得た。
【0028】 (表1) No. Fe Si Cu In,Pb,Sn,Bi Al 備考 1 0.76 0.06 0.0009 In:0.005 残部 実施例 2 0.29 0.06 0.0008 In:0.010 残部 実施例 3 0.14 0.16 0.0007 In:0.043 残部 実施例 4 0.07 0.02 0.0006 Pb:0.007 残部 実施例 5 0.07 0.15 0.0009 Pb:0.030 残部 実施例 6 0.08 0.06 0.0005 Pb:0.038 残部 実施例 7 0.45 0.08 0.0008 Sn:0.008 残部 実施例 8 0.05 0.06 0.0005 Sn:0.020 残部 実施例 9 0.15 0.12 0.0006 Sn:0.046 残部 実施例 10 0.45 0.08 0.0008 Bi:0.004 残部 実施例 11 0.05 0.02 0.0009 Bi:0.020 残部 実施例 12 0.15 0.12 0.0006 Bi:0.048 残部 実施例 13 0.43 0.06 0.003 In:0.10 残部 比較例 14 0.26 0.04 0.0015 Sn:0.13 残部 比較例 15 0.36 0.06 0.02 − 残部 従来例
【0029】下記の条件で供試材に電解エッチングによ
る粗面化処理後の表面均一性の評価結果及びIn、P
b、Sn、Biの最表面における濃度を表2に示す。な
お、最表面の濃度は、GDMS(グロー放電質量分析
計)にて表面から連続的に深さ方向の含有量を測定して
求めた。本発明に係る実施例1〜12は何れも粗面が均
一に生成されているのに対し、Cu及びIn含有量がと
もに本発明を超える値の13(比較例)、Cuは本発明
範囲内にあるがSn含有量が本発明を超える14(比較
例)は何れも粗面の均一性が劣る。また、In、Pb、Snを
含まず、かつCu含有量が本発明範囲を超えるNo.1
5(従来例)は、やはり粗面の均一性が本発明であるN
o.1〜12より劣る。
【0030】電解エッチング条件 脱脂:70℃の20%Na3PO4水溶液に5分間浸漬 スマット除去:70%HNO3に1分間浸漬 電解エッチング:30℃の1.5%HCl水溶液中で2
0A/dm2以上で交流電解
【0031】 (表2) No. 素面 In,Pb,Sn,Bi In,Pb,Sn,Bi 備 考 均一性 最表面 中心部 1 ○ In:0.012 In:0.005 実施例 2 ○ In:0.025 In:0.010 実施例 3 ○ In:0.091 In:0.043 実施例 4 ○ Pb:0.016 Pb:0.007 実施例 5 ○ Pb:0.068 Pb:0.030 実施例 6 ○ Pb:0.082 Pb:0.038 実施例 7 ○ Sn:0.020 Sn:0.008 実施例 8 ○ Sn:0.043 Sn:0.020 実施例 9 ○ Sn:0.098 Sn:0.046 実施例 10 ○ Bi:0.010 Bi:0.004 実施例 11 ○ Bi:0.043 Bi:0.020 実施例 12 ○ Bi:0.098 Bi:0.048 実施例 13 × In:0.29 In:0.10 比較例 14 × Sn:0.18 Sn:0.07 比較例 15 × − − 従来例 ○:粗面均一性優れる、×:粗面均一性劣る
【0032】<実施例2>実施例1と同様の工程により
表3示す組成のPS版用アルミニウム合金支持体を製造
した。その後、やはり実施例1と同様にして電解エッチ
ングを施した。また、バーニング処理に相当する250
℃×15minの熱処理を施した。その結果を表4に示
す。
【0033】 (表3) No. Fe Si Cu In,Pb,Sn,Bi Zr,Hf Al 備考 16 0.76 0.06 0.0009 In:0.005 Zr:0.05 残部 実施例 17 0.29 0.06 0.0005 Pb:0.035 Zr:0.15 残部 実施例 18 0.14 0.16 0.0007 Sn:0.083 Hf:0.10 残部 実施例 19 0.14 0.16 0.0007 Sn:0.083 Hf:0.10 残部 実施例 1 0.76 0.06 0.0009 Bi:0.005 − 残部 実施例
【0034】表4から、Zr,Hfを含むNo.16〜
12は、Zr,Hfを含まないNo.1に比べてバーニ
ング後の強度が高く、Zr,Hfを添加することにより
バーニング処理後の軟化を遅滞することができることが
判る。また、Zr,Hfを添加によっても、粗面の均一
性を害さないことが確認された。
【0035】 (表4) No. 粗面均一性 バーニング バーニング 備 考 前強度 後強度 16 ○ 141 132 実施例 17 ○ 143 131 実施例 18 ○ 138 129 実施例 19 ○ 141 138 実施例 1 ○ 142 121 実施例 バーニング前・後強度:N/mm2
【0036】<実施例3>下記組成の供試材を実施例1
と同様の方法により得て、Cu含有量とエッチング組織
の均一性について調査した。電解エッチングの条件は、
実施例1と同様であり、電解エッチング後の表面をSE
Mで観察した。結果を表5に示すが、Cu含有量が0.
001%以下の範囲で均一なエッチング面が得られるこ
とが判る。 供試材化学組成:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-Xwt.%Cu-0.03
5In-Al
【0037】 (表5) Cu含有量 0.0002 0.0006 0.001 0.0012 0.0018 0.0024 エッチンク゛表面 ○ ○ ○ △ × ×
【0038】<実施例4>下記狙い組成の供試材を実施
例1と同様の方法により得て、In,Sn,Pb,Bi
の含有有無とエッチング速度との関係を調査した。電解
エッチングの条件は実施例1と同様である。なお、エッ
チング速度の測定条件は以下の通りである。すなわち、
45℃の1.5%HCl水溶液(1リットル)中に10
0mm×100mmの試料を浸漬し、発生するガスをビュー
レットで捕集し、水素ガス量が予め設定された一定量に
なるまでの時間から、それまでの平均速度として求め
た。 供試材化学組成 供試材A:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-0.0009wt.%Cu-Al 供試材B:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-0.0009wt.%Cu-0.025w
t.%In-Al 供試材C:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-0.0009wt.%Cu-0.025w
t.%Pb-Al 供試材D:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-0.0009wt.%Cu-0.025w
t.%Sn-Al 供試材E:0.5wt.%Fe-0.06wt.%Si-0.0009wt.%Cu-0.025w
t.%Bi-Al 結果を図1に示すが、In,Sn,Pb,Biを含有す
ることによりエッチング速度が向上することが解る。
【0039】次に、供試材A〜Eについて、Al−Fe
系金属間化合物とマトリックスの間の電位差を測定し
た。具体的には、53g/lNaCl+3g/lH22
水溶液(25℃)中にて0.1Nカロメル・スケールを
用い、供試材A〜Eおよび金属間化合物Al3Feのそ
れぞれの自然電極電位を測定した。結果を表6に示す
が、In,Sn,Pb,Biを含む供試材B〜Eの電位
差がIn,Sn,Pb,Biを含まない供試材Aに比べ
て大きいことが確認された。
【0040】 (表6) Alマトリックス電位 金属間化合物電位 電位差 供試材A: −0.85 −0.56 0.29 供試材B: −0.90 −0.56 0.34 供試材C: −0.88 −0.56 0.32 供試材D: −0.90 −0.56 0.33 供試材E: −0.87 −0.56 0.31 (単位:V)
【0041】
【発明の効果】以上説明のように、本発明は、Fe0.
05〜1%、Si0.01〜0.2%、Cu0.001
以下、In、Pb、Sn、Biの1種又は2種以上を
0.001〜0.05%以下、残部Al及び不可避的不
純物からなることを特徴とするPS版用アルミニウム合
金支持体としたので、電解エッチングによる粗面を従来
の支持体より均一に形成することができる。
【0042】また、本発明においてZr及びHfの1種
又は2種を0.03〜0.2%含有することにより、バ
ーニング後の軟化を遅滞することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 In、Pb、Sn、Biの含有有無とエッチ
ング速度との関係を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 686 C22F 1/00 686A 691 691B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Fe0.05〜1%、Si
    0.01〜0.2%、Cu0.001%以下、In、P
    b、Sn、Biのうちの1種又は2種以上を0.001
    〜0.05%、残部Al及び不可避的不純物からなるこ
    とを特徴とするPS版用アルミニウム合金支持体。
  2. 【請求項2】 In、Pb、Sn、Biのうちの1種又
    は2種以上の元素は、表面部に偏析している請求項1に
    記載のPS版用アルミニウム合金支持体。
  3. 【請求項3】 In、Pb、Sn、Biのうちの1種又
    は2種以上の元素の最表面におけ濃度が添加量の1.5
    以上100倍以下である請求項2に記載のPS版用アル
    ミニウム合金支持体。
  4. 【請求項4】 合金組織中に存在する金属間化合物とマ
    トリックスの電位差が0.30V以上(53g/lNa
    Cl+3g/lH22水溶液(25℃)中にて0.1N
    カロメル・ケールを用いて測定)である請求項1〜3の
    何れかに記載のPS版用アルミニウム合金支持体。
  5. 【請求項5】 Zr及びHfの1種又は2種を0.03
    〜0.2%含有する請求項1〜4の何れかに記載のPS
    版用アルミニウム合金支持体。
  6. 【請求項6】 重量%で、Fe0.05〜1%、Si
    0.01〜0.2%、Cu0.001%以下、In、P
    b、Sn、Biのうちの1種又は2種以上を0.001
    〜0.05%、残部Al及び不可避的不純物からなるP
    S版用アルミニウム合金冷間圧延素板に300〜600
    ℃の熱処理を行いIn、Pb、Sn、Biのうちの1種
    又は2種以上を素板表面部に偏析させた後、仕上げ冷間
    圧延を施すことを特徴とするPS版用アルミニウム合金
    支持体の製造方法。
JP9264583A 1997-09-29 1997-09-29 Ps版用アルミニウム合金支持体及びその製造方法 Pending JPH1199761A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009019219A (ja) * 2007-07-10 2009-01-29 Fujifilm Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2009097092A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Fujifilm Corp 平版印刷版用アルミニウム合金板およびその製造方法

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