JPH1199734A - 製版用基板 - Google Patents

製版用基板

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JPH1199734A
JPH1199734A JP26673497A JP26673497A JPH1199734A JP H1199734 A JPH1199734 A JP H1199734A JP 26673497 A JP26673497 A JP 26673497A JP 26673497 A JP26673497 A JP 26673497A JP H1199734 A JPH1199734 A JP H1199734A
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JP
Japan
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plate
ultraviolet
ink
adhesive layer
sheet
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JP26673497A
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Mitsunobu Suda
光信 須田
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽光線中の紫外線の照射を利用して簡便に
製版できるようにする。 【解決手段】 多孔性シート24の表面に紫外線硬化型
接着剤層25が均一に塗布され、多孔性シート24の裏
面には両面接着テープ50が貼着された製版用基板10
の紫外線硬化型接着剤層25側に原稿シート11を重
ね、その上から透明な押圧板23にて押し付け、この押
圧板23側から太陽光線に適宜時間だけ晒した後、製版
用基板10を取り出して、水洗して未硬化の紫外線硬化
型接着剤層25の部分を除去すると、その部分はインキ
滲出部28となり、硬化した部分は多孔性シート24の
表面に付着したままインキ非滲出部27となって、所定
の印面の印版ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタンプ版を作成
するための製版用基板の構造に係り、より詳しくは、光
透過と光非透過の画線部を有する原稿シートと、紫外線
により硬化する接着剤層を塗布した製版用基板とを重
ね、太陽光線等における紫外線を照射させて、前記製版
用基板にインキ非滲出部とインキ滲出部とからなる所定
の印影の印面部が形成されるようにするための製版用基
板の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハガキ等の印刷媒体に絵、文
字等の所望の画像を印刷するためにスタンプ等の各種印
刷装置が利用されている。このうち、特開平7−285
258号公報では、連続気泡を有し、スタンプインキが
含浸可能な多孔性シートからなる製版用基板の表面に、
所望の印影原稿シートの鏡像となるインキ滲出部と、前
記連続気泡を塞いだインキ非滲出部とからなる印面を形
成した印版を使用し、その印版のインキ滲出部に複数色
のインキを直接給入させ、この印面の表面にハガキ等の
被印字媒体を押し付けて印刷するという多色スタンプの
方法が提案されている。
【0003】また、この公報には、前記印版の製造方法
(製版方法)として、連続気泡を有し、スタンプインキ
が含浸可能な多孔性シート(製版用基板)の表面に、カ
ーボンブラック及び高分子物質からなる群から選ばれた
少なくとも一種の熱吸収材料からなる加熱シートを重
ね、その上に前記所望の印影を有する原稿シートを鏡像
となるように重ね、透光性押圧板等により前記多孔性シ
ート(製版用基板)の広幅面を圧縮した状態で、前記原
稿シート側からフラッシュバルブの閃光等にて赤外線を
含む光を照射し、原稿の印影以外の箇所に対応する加熱
板が発熱して前記多孔性シートの表面を溶融してインキ
非滲出部となり、他方、原稿の印影の部分に対応する多
孔性シートの表面は溶融せず、気孔が露出したままのイ
ンキ滲出部とする印版の形成方法(製版方法)が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成の製版用基板(多孔性シート)の表面にインキ非滲出
部とインキ滲出部とを形成するには、別途前記加熱シー
トが必要であり、また、光エネルギー源(光源)もフラ
ッシュバルブという特殊なものを必要とするので、印版
の製作のためのランニングコスト(消耗品のコスト)が
高くなるという問題があった。
【0005】そこで、紫外線硬化型樹脂は、太陽光線に
含まれる紫外線の照射により固化する性質があることに
着目し、本発明は、ランニングコストの安価な製版用基
板を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の製版用基板は、連続気泡を
有し、スタンプインキが含浸可能な多孔性シートの表面
に紫外線硬化型接着剤層が形成された製版用基板であっ
て、該紫外線硬化型接着剤層の上面に原稿シートを重ね
た状態にて紫外線を照射して後、未硬化の紫外線硬化型
接着剤層を水洗等にて除去した部分がインキ滲出部とな
り、前記硬化した紫外線硬化型接着剤層の部分がインキ
非滲出部となる印面が形成される構成である。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の製版用基板において、前記紫外線硬化型接着剤
層には難透光性顔料が予め混合もしくは塗布されている
ものである。そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載の製版用基板において、前記紫
外線硬化型接着剤層は、未硬化部分が溶媒もしくは水洗
にて離脱可能に構成され、硬化部分がインキ非滲出性に
形成されているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明を具体化した実施形態
について説明する。図1は原稿シートと製版用基板とを
使用して印版を製造するための製版装置としてのトレイ
の斜視図、図2はトレイの側断面図、図3(a)〜図3
(c)は紫外線硬化型接着剤を塗布した製版用基板によ
る製版作業を示す図、図5(a)〜図5(c)は太陽光
線を利用して原稿シートを作成する実施例の要部断面図
である。
【0009】図1及び図2に示すように、製版装置とし
てのトレイ3は、基体31とアクリル樹脂等の透明材料
からなる押圧板32と係合体33とからなり、平板状の
基体31の上面の略中央部には、平面視略矩形状の凸条
の枠部34が一体的に形成されている。基体31及び係
合体33は不透明材料にて構成されている。押圧板32
の基部の枢支ピン36が基体31に回動可能に装着され
て、図1及び図2に示すように、押圧板32が基体31
に対して上下開閉可能に装着されている。基体31の一
端側に形成された把手部31aには、枢着ピン37を介
して係合体33が上下回動可能に装着されており、製版
時には、前記枠部34には、当該枠部34の外縁とほぼ
同じ大きさの平面視略矩形状に切断された、後述する製
版用基板10と原稿シート11とを重ね、これらの上に
押圧板32を平行状に寝かせるように被せる。
【0010】押圧板32の自由端側には、図1及び図2
に示すごとくに、押圧部32bの幅寸法より狭い幅寸法
H1で、且つ押圧部32bの板厚さより太い上向き凸湾
曲状(かまぼこ状)の突起部32aが一体的に形成され
ている。他方、係合体33には前記左右一対の枢着ピン
37,37(図では一方のみ示す)の内側から上向きに
略矩形状の挿通孔33bが形成されている。この挿通孔
33bの幅寸法は、前記押圧板32における突起部32
aが通過し得る程度に広く形成されている。そして、図
1及び図2に示すように、挿通孔33bの内面上端に
は、下向きに突出する係合部33aが一体的に形成さ
れ、さらに、前記挿通孔33bの内面下端には、後述す
るような押し上げ部33cが一体的に形成されている。
【0011】従って、基体31上面に製版用基板10と
原稿シート11とを積層した状態で押圧板32を被せ、
次いで、係合体33を略垂直状に立て起こす操作(図2
の矢印A方向への回動操作)に従って、その挿通孔33
bの箇所が前記突起部32aの上方を通過し、その突起
部32aの根本部にて前記挿通孔33bにおける下向き
の係合部33aが係合して、押圧板32を基体31の上
面に押圧し、押圧板32の寝かせ姿勢が保持され、且つ
当該押圧板32にて製版用基板10と原稿シート11と
を積層した状態で基体31に向かってずれないように押
圧することができるものである。
【0012】次に、製版用基板10の構成について説明
すると、図3(a)に示す実施例では、連続気泡を有
し、スタンプインキが含浸可能な多孔性を有する多孔性
シート24と、その表面に均一の厚さで薄膜状に塗布し
た紫外線硬化型接着剤層25とからなり、多孔性シート
24は、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等軟質合成樹脂材と少なくとも
気泡形成剤とを混合させて薄板状(肉厚さ0.4mm 〜1mm
程度) に形成した後、気泡形成剤のみを溶融除去したも
のであり、多孔性シート24の表面には、多数の微少な
気孔が露出していることになる。実施例において、多孔
性シート24の厚さ寸法は、1mm〜4mm程度に設定す
る。
【0013】紫外線硬化性樹脂層25は、ポリエステル
アクリレート等のオリゴマー、モノマーと、ベンゾンフ
ェノイン系の光重合開始剤を主成分とし、紫外線UVの
照射により硬化する性質を有するものである。なお、こ
の紫外線硬化性樹脂層25には予め黒、金、銀、白色等
の難透光性等の着色剤(顔料)が混入、もしくは紫外線
硬化型接着剤層25の表面側のいずれかに塗布されてい
る。着色剤(顔料)が難透光性等であれば、昼光の室内
等の明るい箇所で、トレイにセットすることが可能とな
り、製版作業が容易となる。着色剤(顔料)が前記紫外
線の照射量がある程度以上のときには変色する性質を有
すると、洗浄(水洗)の作業の前に、所定の形状の印面
が作成されているか否かの判別が容易になるので好まし
い。
【0014】さらに、後述するように、紫外線UVの照
射により硬化した部分は後の溶剤による洗浄もしくは水
洗によっても多孔性シート24の表面から離脱せず、従
って、インキ非滲出部27となる。他方、紫外線UVが
照射されず(もしくは照射量が少なくて)硬化しなかっ
た部分は溶剤による洗浄もしくは水洗によって多孔性シ
ート24の表面から離脱し、インキ滲出部28となる。
【0015】なお、他の実施例の製版用基板10では、
紫外線硬化型接着剤層25の表面に透明なPETフィル
ム等の薄い(0.025mm 〜0.2mm 程度) 保護シート(図示
せず)を仮貼着し、多孔性シート24の裏面に、両面接
着テープ50を貼着してなるものである。両面接着テー
プ50の構成は、従来から周知の如く、図3(a)に示
すように、多孔性シート24の裏面に接着する接着層を
備えた接着テープ50aの他面に塗布された接着層が離
型テープ50bにて覆われたものである。このように両
面接着テープ50が予め貼着された製版用基板10であ
れば、製版後にスタンプ印刷するとき、離型テープ50
bを剥がした接着テープ50aをスタンプ押し台(図示
せず)に簡単に接着することができるものである。さら
に他の実施例としては、多孔性シート24の裏面側に不
織布を形成しても良い。
【0016】製版用基板10の製造方法の一例は、コイ
ル状に巻回した不織布を巻き戻しつつ、その上面に、多
孔性シート24の原材料(軟質合成樹脂材)と少なくと
も気泡形成剤とを混合させたゲル状のものを所定厚さだ
け塗布し、溶液中を通過させて気泡形成剤のみを溶融除
去し、さらに下流側で乾燥させて接着完了させる。次い
で、その搬送下流側にて、前記多孔性シート24の上面
に紫外線硬化型接着剤層25を塗布して後乾燥させる。
【0017】保護シートは製版作業時に原稿シート11
の表面に製版用基板10(紫外線硬化型接着剤層25の
表面)が接着されないようにするために使用するが、製
造時から紫外線硬化型接着剤層25の表面に保護シート
を仮接着させておけば、前述のように製版用基板10を
コイル状に巻き取ったとき、紫外線硬化型接着剤層25
の表面に不織布の凹凸形状が刻印されるのを確実に防止
して表面を滑らかにすることができるし、不織布の繊維
が製版用基板10の表面に付着したり、流通段階等にお
いてごみが付着することが防止できる効果がある。
【0018】次に、製版方法について説明すると、製版
に際して、予め、光透過性のシート(フィルム)に所望
の文字、図形等の鏡像となる画線部26を有する原稿シ
ート11を準備する。なお、原稿シート11の製造方法
については後述する。まず、トレイ3における基体31
の上面の枠部34の縁に、前記製版用基板10の下面外
周縁が略沿うように載置し、その紫外線硬化型接着剤層
25の上面(保護シートがある場合はその上面)に原稿
シート11をその画線部26が密着するようにして積層
させた後、その上から前記透明な押圧板32を被せて回
動し、係合体33を略垂直状に立て起こして押圧板32
を押し付ける(図2及び図3(b)参照)。
【0019】次いで、トレイ3をその透明な押圧板32
が太陽光線と対向するように配置して、適宜時間だけ太
陽光線に晒して紫外線を製版用基板10の表面に照射さ
せる。この場合、紫外線硬化型樹脂は、紫外線照度と照
射時間との積(=紫外線の光量)が大きい程、硬化が進
み、従って、溶剤もしくは水洗により、硬化しなかった
紫外線硬化型樹脂層を除去できる層厚さが少なくなるか
ら、紫外線硬化型樹脂層に非透光性材料を含有させた製
版用基板10では、紫外線の光量が大きい程非透光層厚
さが厚くなって、色の濃度が濃くなるというように、紫
外線の光量に比例して前記硬化部の濃度が変わる。
【0020】そこで、図4に示すラベル状の放射照度測
定装置64を利用して太陽光線に晒す時間を予め知るよ
うにする。放射照度測定装置64は、放射照度感知部6
1及び隣接する複数の対照用発色濃度部62a〜62d
に加え、その各区分に対応して印版の作成(製版)のた
めの太陽光線の照射時間を記載した手引き表示部65a
〜65dが備えられたものであり、この放射照度測定装
置64をトレイ3の基体31の上面に貼着しておいても
良い(図1参照)。
【0021】この放射照度感知部61は、フォトクロミ
ックインキとしての有機フォトクロミックインキ(帝国
インキ製)が塗布されたものである。このフォトクロミ
ックインキは通常無色透明であり、紫外線UVを照射す
ることにより、青色に発色する性質を有する。また、フ
ォトクロミックインキへの紫外線UVの照射を遮断して
(通常、暗所に入れて)所定時間経過することにより、
無色透明に変化し、紫外線の照射以前の状態(無色透
明)に復帰するという可逆性を有する。
【0022】また、フォトクロミックインキ自体は、単
位面積当たりに放射される紫外線の量(=紫外線UVの
放射照度)が大きい程、前記青色の濃度が濃くなるもの
であって、照射時間を長くしても前記濃度が濃くなるも
のではない。図4に示すのは、そのための簡単な構成の
紫外線の放射照度測定装置であって、ラベル状の放射照
度測定装置64の合成樹脂製の基板の表面の一方の長い
枠内に前記と同じ成分のフォトクロミックインキを塗布
した放射照度感知部61を形成する。この細長状の放射
照度感知部64に隣接して複数(実施例では4個)の矩
形枠を形成し、この各枠内には、紫外線の放射照度の大
小に応じたフォトクロミックの発色濃度と同じ色及び同
じ濃度にて通常のインキ着色印刷した対照用発色濃度部
62a〜62dを設け、かつ各枠に番号〜の符号を
付ける。図4の実施例では、の対照用発色濃度部62
aの部分は、紫外線の放射照度が大きい、従って濃度が
一番濃いサンプルとなり、(対照用発色濃度部62
b)、(対照用発色濃度部62c)、(対照用発色
濃度部62d)の順に紫外線UVの放射照度が次第に低
下し、濃度が薄くなったサンプルとなる。
【0023】実施例では、前記ラベル状の放射照度測定
装置64をトレイ3における基体31の上面(表面)の
適宜箇所に貼着しておく(図1参照)。そして、印版の
作成に先立って、前記トレイ3のみを太陽光線に適宜時
間(30秒程度)晒すと、現在の太陽光線中に含まれる
紫外線UVの放射照度の大小に応じて前記放射照度感知
部61の箇所が適宜の濃度にて発色する。ユーザーはこ
の放射照度感知部61の箇所における発色した濃度と、
これに隣接した対照用発色濃度部62a〜62dのイン
キによるサンプル濃度とを対照し、その各区分に対応す
る手引き表示部65a〜65dの箇所を読んで太陽照射
時間を知ることができる。
【0024】このようにして、紫外線硬化型樹脂層25
を多孔性シート24の表面に塗布した製版用基板10を
使用する場合、前記紫外線硬化型樹脂層25と対面させ
て原稿シート11(その代用としてのポジフィルム)を
積層してこれらを透明な押圧板32にて押圧した状態に
て、太陽光にて紫外線照射すると、原稿シート11にお
ける非透光性の画線部26の箇所では紫外線が遮断され
る一方、前記画線部26以外の透光性部分では、紫外線
UVが紫外線硬化性樹脂層を照射し、その部分では前記
樹脂が硬化する(図3(b)参照)。その後、製版用基
板10をトレイ3から取り出して溶剤もしくは水にて洗
浄すると、硬化していない紫外線硬化性樹脂層が溶解も
しくは洗い流されて除去され、画線部26の形状通りに
気孔が露出したままインキ滲出部28となる。
【0025】他方、紫外線が照射された紫外線硬化性樹
脂層の部分では、前記樹脂が硬化し、後の工程の溶剤に
よる洗浄もしくは水洗によっても、硬化した樹脂層が多
孔性シート24の表面から離脱せず、且つ多孔性シート
24の表面の気泡を前記硬化した紫外線硬化性樹脂にて
塞いでしまうから、所定の厚さのインキ非滲出部27が
形成される(図3(c)参照)。このようにしてネガ状
の(所定の印面の)印版が得られるのである。
【0026】次に、ネガフィルム41からフォトクロミ
ックフィルム40製の原稿用シートから原稿シート11
を製造する方法について説明する。図5(a)に示すよ
うに、ネガフィルム41は、公知の白黒写真用のネガフ
ィルムであり、透光性を有するフィルム基材41aとそ
の表面に形成された現像後の還元金属銀の膜からなる非
透光性部41bとから構成されて所望の人物画像等のネ
ガ状画像が形成される。
【0027】他方、図5(a)に示すように、フォトク
ロミックフィルム40は、その基材となるシート40a
とその片面(実施例では上面)に塗布等により形成され
たフォトクロミック層40bとからなり、シート40a
は、前述の製版用基板10における多孔性シートの材料
の融点(軟質ポリウレタン系樹脂の場合は約120℃、
軟質ポリオレフイン系樹脂の場合は約70℃である) よ
り高い融点(約230℃)を有する透明なPET(ポリ
エチレンテレフタレート)樹脂フィルムが好ましく、A
BS樹脂等の合成樹脂であっても良い。
【0028】シート40aの表面に形成される薄層(薄
膜)としてのフォトクロミック層40bは、有機フォト
クロミックインキ(帝国インキ製)をシート40aの表
面に含浸または塗布することにより略均一厚さにて形成
される。このフォトクロミックインキは通常無色透明で
あり、紫外線UVを照射することにより、青色に発色す
る性質を有する。また、フォトクロミックインキへの紫
外線UVの照射を遮断して(通常、暗所に入れて)所定
時間経過することにより、無色透明に変化し、紫外線の
照射以前の状態(無色透明)に復帰するという可逆性を
有する。
【0029】また、フォトクロミックインキは、単位面
積当たりに放射される紫外線の量(=紫外線UVの放射
照度)が大きい程、前記青色の濃度が濃くなるものであ
って、照射時間を長くしても前記濃度が濃くなるもので
はない。そこで、太陽光線を利用して簡単に原稿シート
を作成するため、この作成しようとしているときの太陽
光線に含まれる紫外線の放射照度の大小を予め測定する
必要がある。図6に示すのは、そのための簡単な構成の
紫外線の放射照度測定装置であって、ラベル状の放射照
度測定装置60の合成樹脂製の基板の表面の一方の長い
枠内に前記と同じ成分のフォトクロミックインキを塗布
した放射照度感知部61を形成する。この細長状の放射
照度感知部61に隣接して複数(実施例では5個)の矩
形枠を形成し、この各枠内には、紫外線の放射照度の大
小に応じたフォトクロミックの発色濃度と同じ色及び同
じ濃度にて通常のインキ着色印刷した対照用発色濃度部
62a〜62eを設け、かつ各枠に番号〜を印刷す
る。図6の実施例では、の対照用発色濃度部62aの
部分は、紫外線の放射照度が大きい、従って濃度が一番
濃いサンプルとなり、(対照用発色濃度部62b)、
(対照用発色濃度部62c)、(対照用発色濃度部
62d)、(対照用発色濃度部62e)の順に紫外線
UVの放射照度が次第に低下し、濃度が薄くなったサン
プルとなる。
【0030】実施例では、前記ラベル状の放射照度測定
装置60をトレイ3における基体31の上面(表面)の
適宜箇所に貼着しておく(図2参照)。そして、原稿シ
ート11の作成に先立って、前記トレイ3を太陽光線に
適宜時間(30秒程度)晒すと、現在の太陽光線中に含
まれる紫外線UVの放射照度の大小に応じて前記放射照
度感知部61の箇所が適宜の濃度にて発色する。ユーザ
ーはこの放射照度感知部61の箇所における発色した濃
度と、これに隣接した対照用発色濃度部62a〜62e
のインキによるサンプル濃度とを対照する。
【0031】予めの取扱い説明書(図示せず)には、前
記放射照度感知部61の箇所の濃度が前記〜の濃度
になるとき、原稿作成可能か、不可かの区分が記載され
ているので、(実施例では〜までが作成可能範
囲)、作成可能であれば、以下のようにして原稿シート
作成作業に入る。なお、図7に示すように、ラベル状の
放射照度測定装置60′は、放射照度感知部61及び隣
接する複数の対照用発色濃度部62a〜62eに加え、
その各区分に対応して原稿シートの作成が可能であるか
不可であるか等の指針を示す手引き表示部63a,63
bが備えられたものであり、この放射照度測定装置6
0′をトレイ3の基体31の上面に貼着しておいても良
い(図2参照)。
【0032】前記フォトクロミックフィルム40を使用
して原稿シートを作成するときには、図5(a)に示す
ように、基体31の上面の枠部34には、当該枠部34
の外縁とほぼ同じ大きさの平面視略矩形状のスポンジ材
等の軟質材料からなる座体35を枠部34の外周縁に重
なるように載置する。その上に前記フォトクロミックフ
ィルム40をそのフォトクロミック層40bが上にな
り、ネガフィルム41の非透光性部41bが前記フォト
クロミック層40bと接するように積層させた後、押圧
板32を被せ、係合体33を図2の時計方向に回動し
て、突起部32aに係合体33の係合部33aが係合し
て押圧板32にて前記フォトクロミックフィルム40に
ネガフィルム41を密着させる。この状態で、前記透明
な押圧板32の側から太陽光からの紫外線UVを含む光
線を適宜時間(30秒〜1分程度)照射する(図5
(b)の状態参照)。
【0033】この光線の照射により、その光中の紫外線
UVは、ネガフィルム41の非透光性部41bの厚い部
分では遮られるが、フィルム基材41a及び薄い膜厚さ
の非透光性部41bでは通過して、フォトクロミック層
40bに照射される。これにより、紫外線UVが照射さ
れたフォトクロミック層40bは、青色等の非透光部4
0cに変化するので、前記トレイ3からフォトクロミッ
クフィルム40のみを取り出せば、前記ネガフィルム4
1の白黒のネガ画像に対して反転した陽画(ポジ状)の
画像が形成された原稿シート11が形成されるのである
(図5(c)参照)。
【0034】前述のように、紫外線UVを遮断(暗所に
貯蔵)して適宜時間経過すれば、前記非透光部40cが
元の無色透明のフォトクロミック層40bとなるフォト
クロミックフィルム40に戻るので、この材料からなる
原稿シートは再利用ができて経済的である。原稿用シー
トとして、前記フォトクロミックフィルム40に代え
て、紫外線硬化フィルムを使用しても良い。紫外線硬化
フィルムは、シートとその片面に薄膜の紫外線硬化性樹
脂層を略均一の膜厚さにて形成したものであり、シート
は、前述の製版用基板10における多孔性シートの材料
の融点(軟質ポリウレタン系樹脂の場合は約120℃、
軟質ポリオレフイン系樹脂の場合は約70℃である) よ
り高い融点(約230℃)を有する透明なPET(ポリ
エチレンテレフタレート)樹脂フィルムが好ましい。
【0035】なお、ネガフィルム41として、白黒写真
用フィルムを使用したが、カラー写真用フィルムも使用
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
の発明の製版用基板は、連続気泡を有し、スタンプイン
キが含浸可能な多孔性シートの表面に紫外線硬化型接着
剤層が形成された製版用基板であって、該紫外線硬化型
接着剤層の上面に原稿シートを重ねた状態にて紫外線を
照射して後、未硬化の紫外線硬化型接着剤層を水洗等に
て除去した部分がインキ滲出部となり、前記硬化した紫
外線硬化型接着剤層の部分がインキ非滲出部となる印面
が形成される構成である。
【0037】このように紫外線硬化型接着剤層を多孔性
シートの表面に予め塗布した構成の製版用基板であるか
ら、原稿シートを重ねた状態で太陽光線に晒すと、太陽
光線に含まれる紫外線により硬化した紫外線硬化型接着
剤層の部分がインキ非滲出部となる一方、紫外線の照射
がないもしくは少なかった箇所は、後の水洗等の洗浄作
業にて紫外線硬化型接着剤層を離脱除去できてインキ滲
出部とする所定の印面の印版が簡単にできるという効果
を奏する。そして、光エネルギーは太陽光線であるか
ら、ランニングコストが極めて安価となるという効果を
奏する。
【0038】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の製版用基板において、前記紫外線硬化型接着剤
層には難透光性顔料が予め混合もしくは塗布されている
ものである。このように、着色剤(顔料)が難透光性等
であれば、昼光の室内等の明るい箇所で、トレイにセッ
トすることが可能となり、製版作業が容易となるという
効果を奏する。なお、着色剤(顔料)が前記紫外線の照
射量がある程度以上のときには変色する性質を有する
と、洗浄(水洗)の作業の前に、所定の形状の印面が作
成されているか否かの判別が容易になるので好ましい。
【0039】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載の製版用基板において、前記紫
外線硬化型接着剤層は、未硬化部分が溶媒もしくは水洗
にて離脱可能に構成されていれば、その未硬化部分の洗
浄等により、簡単にインキ滲出部を形成でき、他方、硬
化部分がインキ非滲出性に変化すると、その印版の表面
のインキ非滲出部も簡単に形成できるという効果を奏す
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トレイの斜視図である。
【図2】トレイの側断面図である。
【図3】(a)は紫外線硬化型接着剤層を塗布した製版
用基板の断面図、(b)は太陽光線の照射による製版作
業を示す断面図、(c)は仕上がり状態の印版の断面図
である。
【図4】紫外線の放射照度測定装置の第1実施例の平面
図である。
【図5】(a)は原稿シートの製造に際しての部材の積
層状態を示す断面図、(b)は紫外線照射状態を示す断
面図、(c)は仕上がった原稿シートの断面図である。
【図6】紫外線の放射照度測定装置の第2実施例の平面
図である。
【図7】紫外線の放射照度測定装置の第3実施例の平面
図である。
【符号の説明】
3 トレイ 10 製版用基板 11 原稿シート 27 インキ非滲出部 28 インキ滲出部 31 基体 32 押圧板 32a 突起部 33 係合体 33a 係合部 60,60′64 紫外線の放射照度測定装置 61 放射照度感知部 62a〜62e 対照用発色濃度部 63a,63b,65a〜65d 手引き表示部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有し、スタンプインキが含浸
    可能な多孔性シートの表面に紫外線硬化型接着剤層が形
    成された製版用基板であって、該紫外線硬化型接着剤層
    の上面に原稿シートを重ねた状態にて紫外線を照射して
    後、未硬化の紫外線硬化型接着剤層を水洗等にて除去し
    た部分がインキ滲出部となり、前記硬化した紫外線硬化
    型接着剤層の部分がインキ非滲出部となる印面が形成さ
    れていることを特徴とする製版用基板。
  2. 【請求項2】 前記紫外線硬化型接着剤層には難透光性
    顔料が予め混合もしくは塗布されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の製版用基板。
  3. 【請求項3】 前記紫外線硬化型接着剤層は、未硬化部
    分が溶媒もしくは水洗にて離脱可能に構成され、硬化部
    分がインキ非滲出性に形成されていることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の製版用基板。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066785A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Shachihata Inc スタンプ印面作成方法

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